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Op.ローズダスト
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Op.ローズダストの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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他の方のレビューで概要は解ると思うので、シリーズを通しての私個人の感想を少しだけ書く。まだ一周しかしてないので、間違いがあるかもしれないことを先に断わっておく。 本作ではやたらと主人公やローズダストたちが「新しい言葉」を連呼し、若杉の目指す国家像を「古い言葉」だとして全否定している。確かに若杉の言葉は「古い言葉」かもしれないが、それと同時に「正しい言葉」でもあったのではないか?問題なのは「新しい」か「古いか」ではない。「正しい」かどうかだ(「正しい言葉」は一つではないだろう)。 作者は主人公サイドやローズダストたちに(結果的には)戦後日本を擁護する役割を担わせているが、そんな彼らからは若杉のいう「古い言葉」よりも具体性がある魅力的な「新しい言葉」はとうとう聞けなかった。(作者は「希望」や「ローズダスト」を「新しい言葉」だと言いたいようだが、抽象的すぎてこの国の進むべき道を指し示す「言葉」にはなり得ないだろう。大体、「希望」という言葉は主人公サイドやローズダストたちが否定した「古い言葉」そのものであり、戦前には日本を満州事変や太平洋戦争に導き、戦後には高度経済成長や構造改革、政権交代に導いた言葉ではないか。結局は彼らにも「新しい言葉」を示すことが出来なかった。) 作者の作品では、決まって「悪役」が死ぬ運命にあるが、そうではなく、(「新しい言葉」ではなく、「正しい言葉」を見つけた)主人公サイドやローズダストたち、そして若杉を中心とした「集まり」が、立場や思想の違いを超えて、最終的には共闘して日本を変えていく展開でも良かったのではないかと考えてしまう。「悪役を殺して終わり」では、ただのB級西部劇である。 本作の最後では、結局日本を誰も変えることは出来ず、米国も直接介入は見合わせたものの、米国にとって都合のいい「戦後日本」のままで終わる。並河はマル六との会話の中で「集まり」を一匹ずつ潰していくと語るが、それは日本を守っているようで実は米国の利益を守るために無意識に操られているだけではないかと危惧してしまう。私からみて本作の終わり方は本当の「希望」や「救い」のない最悪のバットエンドだった。 | ||||
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ひとつひとつの行動ごとに 長々と気持ちや背景の解説的な文章、既出の内容、その都度その都度の詳細がひたすら書かれていて 非常に読みにくい。 そういった箇所を斜め読みして飛ばしていかないと ストーリーが進まず 非常に疲れる。 そんな詳細を細々描写する書き方をしているにも関わらず、最後のしめ方は 普通。 なんだこりゃ? | ||||
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他の方もコメントされていますが兎に角長い。導入部・伏線だけで上巻終わってしまうんじゃ?と心配に なるほど。時間が無い身にとってはなかなか終わらず、とても困りました。 福井晴敏的世界が好きで好きで堪らない人には良いのでしょうが、この路線では「亡国のイージス」を超える 作品は中々無いと思うし、「またDAISが出てくるのか…」と言う感じで、正直途中で読むのが辛くなりました。 書いたとおり、福井晴敏を最初に読むなら、本書では無く、「ローレライ」か「亡国-」をお勧めします。 でも、どちらも長いんで「川の深さは」くらいから入るのがちょうど良いのかな。 | ||||
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饒舌ですね。これでもかと言うくらい饒舌な小説です。設定等は、単行本、他の文庫のレビューの方々と同意見ですので、繰り返しません。しかし、この饒舌さの感じは昔読んだことがあるような気がして思い出しました。富野氏の「リーンの翼」です。設定も内容も全く違うのですが、何か富野氏の小説を読んでいるようでした。この小説もよくできていたのですが、小説家の小説ではなかったと思います。物語を所謂、物語るという内容だったと記憶しています。 説明をし過ぎるくらいしないと落ち着かないのでしょうか。画で見せるくらいに。 この小説は、映画の詳細な脚本のようであり、それは、やはり、小説とは違うものだと思うのです。小説は、小説で独立した文字の世界を成立すべきものだと思います。饒舌であるよりも、もっと簡潔であって欲しいと思ってしまい、やまり他の方と同様に辛口な評価となってしまいました。ただ、非常に力のある作家の方ですから、残念なんです。次回は、飛んで欲しいと思い書かせてもらいました。 | ||||
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この本も以前のイージス、ローレライに負けず劣らず結構わくわくさせられるいい作品でした。 | ||||
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この本も以前のイージス、ローレライに負けず劣らず結構わくわくさせられるいい作品でした。 | ||||
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演出が漫画チック、主人公の設定がワンパターン、 てのは福井さんの事ですので置いておくとして、 気になることをいくつか。 まず、「新しい言葉」というのが抽象的すぎること。 最後に説明されますが、それでも「?」が残ってしまいます。 次に、ガンダムの影響がいつもの1,5倍ほど強い(気がする)こと。 ナンダバナオ太さんの言う脱出シーンやラストシーンはその最骨頂で、ちょっと引いてしまいました。 最後に、MASAYUKIさんも仰ってますが、TPexの解除方法が安直すぎること。 最初から気付けよと思わず読みながら突っ込みました。 ただ、北のミサイル発射以前(ですよね?)に執筆・出版されたにも関わらず、 先制攻撃論の話題をちらと出したり、 北の核実験の話題を出したりする(“保有”と“実験”を間違えた、という可能性もありますが)など、 タイムマシンでも持ってるのか、と思いたくなる先見性は健在で、 上の事を含めても上下巻合わせて3500円以上出す面白さはあります。 | ||||
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過去のいわゆる「ダイス三部作」で福井作品の大ファンとなり「ローレライ」で大泣き。そういう福井ファンにとっては、今作は「くやしい」作品ではないでしょうか。 確かにテーマは深い。でも物語の描き方が問題。スケールにしても、話の展開や登場人物の描写にしても、過去の4作品で既に極まっているから、踏襲はさすがに無理。(それほど過去4作品が素晴らしいということ。) ダイス三部作を良質な1本の映画とするなら「いい映画の続編は駄作に終わる」の典型パターンだと思います。 ただし、作品単体としてはやはり良質な作品です。ですから、今作で福井作品を初めて読む人がうらやましいです。このあとダイス三部作、そしてローレライと読み進めばどんなに感動できるだろう・・・いいなあ。 | ||||
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「オペレーション・ローズダスト。状況を開始する」 「この国の状況」に報復しようとするテロリストと、組織の壁に阻まれながらも彼らを止めようと奮闘する者たちの戦いを描く。 全体に映画的な描写が展開し、そのまま映像化できそうな作品。2005年は福井作品が次々と映画化されたのも、このハリウッド的な映像が頭に浮かぶような描写の巧みさの賜だと思う。 ただ、本作品においては、それが裏目にでている。 福井作品でおなじみの、「心に傷をもつ少年とくたびれた中年」の組み合わせは本作でもワンパターンであるし、かといって、特段のひねりもない。展開も結末も意外性がなく、かなり早めに想像できてしまう。 また、本作については、テロリストの動機が非常に抽象的で、あまりストレートに感情移入ができない。『亡国のイージス』や『終戦のローレライ』のような、登場人物の心と一体になって泣けるような作品には残念ながらなっていない。もちろん単純な「お涙頂戴」をめざしていないのは分かるが、背景や思考が複雑に過ぎるように思う。もっと、単純でもよかったのでは? 消化しきれていない主題と、具体的な映画化を意識しすぎた描写(フジテレビ全面協力による映画化は既定路線か?同社は最後まで崩壊しないし・・・)の組み合わせは、最後まで読者が作品に「入り込む」のを妨げている。 過去の福井作品の大ファンだけに、不満の残る作品(期待が大きすぎるのは認めます)。次作は僕たちをあっと言わせるような展開の作品を期待しています。 | ||||
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痺れました。お台場の臨海副都心が戦場となり、Tpexという新型爆 弾がたて続けに地中に仕掛けられ、崩壊寸前に至るまでの記述は、良質 の特撮映画をも超える圧倒的な迫力がありました。これまでわたしは、 福井晴敏のベストは作者のモティーフを淀みなくかつコンパクトにまと め上げた『Twelve Y.O.』と思ってきましたが、彼は本作でそれを一歩 踏み越えたように思います。 ただし、ナショナリズムと普通の人々の暮らしやギリギリの場での善 意というデビュー作以来の基本的な対抗軸は不変としても、作を重ねる ごとに力点が微妙に後者にずれてきているように思います。そのせいで しょうか、本作でのテロリスト達の行動の動機が不明瞭に感じられまし た。これは、わたしの読み違いでしょうか。 ところで、本作では「新しい言葉」が文字どおりキーワードになって います。わたしは、ものごとを考えるようになってからずっと小国主義 者を自認してきました。しかし、この国がこれほどの大国になった現 在、単にその先駆者である石橋堪山や小田実などの論説を祖述しただけ では、何の説得力も持たないでしょう。その中身をその精神から始めて 新しい言葉で語り出すことの必要を、本書を読みながら痛切に感じまし た。率直に告白しておきます。 | ||||
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亡国のイージスや終戦のローレライほどの感動は得られませんでした。 描写の中で想像はできたのですが、特にダイスにスカウトされる若者たちの背景をもう少し詳しく描いて欲しかった。いまいち感情移入ができませんでした。 背景の説明や地形等の描写が詳しいのはありがたいのですが、ここしばらく東京を訪れていない身にとっては、どこがどうなっているのかさっぱり…。できたら地図を記載して欲しかったです。 | ||||
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かつて心を通わせていた入江一功と丹原朋希。だが、ある出来事を きっかけに二人は離反する。それぞれの心に深い傷を残して。二人が 愛した女性堀部三佳が作った「ローズダスト」という言葉。その言葉の 持つ意味は深い。緻密な描写が、登場する人物像や舞台となった臨海 副都心を鮮やかに浮かび上がらせる。読んでいて人の息づかいや光景が はっきりと感じられるほどだった。だが、並河と朋希という、ちょっと さえない中年男性と心に傷を持つ若者という組み合わせは、今までの 福井作品に何度も登場したパターンだ。またかという印象は否めない。 危機が迫る中での激しい攻防戦は作者得意の描写か?そしてラスト。 本当は感動するはずの場面だと思うが、「終戦のローレライ」や「亡国 のイージス」ほどの感動はなかった。また、入江一功やその仲間たちが なぜこんな行動を起こしたのか?その原因となる出来事についても説得 力に欠けるように思った。 | ||||
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ダイスシリーズ最新作であるが、ちょっと型にはまりすぎた感じ。 相変わらず『現状に甘んじるが、いざとなると熱血な中年』『苦悩する指揮官』 『知力と戦闘力が超人並のイケメンエリート工作員』『主人公と似て非なるライバルテロリスト』 『紅一点の武装少女』が登場し、ストーリー・テロの動機・戦闘等演出も、どっかで見たような・・・・? いや、確かに面白い。組織や政治背景は現実のものをしっかり研究しているようであるし、 アクションシーンの緻密な描写は、そこらの小説よりも頭一つ抜けている(シリーズ全てにおいて)。 情報量は桁外れだ。 だが、なんだろう? いわゆる“火サス”にありがちな「アレッ?どっかで見た展開だなぁ」というデジャヴを始まりから終わりまで、 ずーーーーーーーーーっと感じた。 そして終盤のローズダストVS自衛隊のドンパチも、手に汗握るを通り過ぎてアニメ的というか クドイというか・・・・・作者の「ここで盛り上げるぞっ!」の気合いが空回りしている。 設定だけで面白くないというほどのものでもなく、むしろ大作と言ってもいいだろう。 ただ、福井晴敏、そしてダイスシリーズを愛し、読みこなしているからこそ、物足りなさを感じた。 次作があるなら、そろそろキャラパターンを完全に変えて欲しい。 まあ、この『パターン』こそ最大の魅力と言っちゃあそれまでだけど。 | ||||
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