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(短編集)
氷平線
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氷平線の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 21~40 2/3ページ
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桜木紫乃の初単行本というので、まさに初期の短編集である。 「起終点駅」「ホテルローヤル」「蛇行する月」「ラブレス」「凍原」と、これまで読んできたどれもが素晴らしい作品だっただけに、この短編集は全体的にやや物足りなさを感じたが、全六話の中の最終編、表題の「氷平線」はさすがに良かった。 どの短編も短いながら主人公たちの人生や道東の寒々とした風土がしっかりと描かれており、これは桜木作品の共通した魅力である。 冒頭の「雪虫」も、描かれる人生ドラマにジンとくるものがあり良かったが、この2作以外はややポイントが落ちるので、全体として4つ星とさせてもらいます。 | ||||
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衰退していく地方都市に生きる人々の懸命な姿がいいね 心に吹き荒れるブリザードのような6編である サラリとした風景と繊細な仕事描写 底辺に流れているのは社会風刺と人間愛なのだろう | ||||
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迅速・丁寧な対応に感謝しております。機会がありましたら、また、利用したいと思います。 | ||||
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北海道が舞台です ホテルローヤルと比べると、全体的に暗い雰囲気です 北海道の暗い一面をかいまみる作品です | ||||
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表現の豊かさに驚きました。これからもどんどん、桜木紫乃 さんの作品に注目したいです。 | ||||
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著者と同じエリア、道東の、しばしば彼女の小説の舞台にもなっている別海町(村)の出身です。 何か、不運な、あるいは不幸なことが降りかかった時、北海道の人は、総じて、“それでも、良いんでないかい!!”と言いますが、この一見、大らかな言葉の陰に寄り添うように存在するのは、何かを変化させることの困難さに起因する、抗うことが不可能なことに対する諦めの感情です。著者は、この複雑な心情を小説として加不足なく書いております。 自らの身体をお金に換えることで生活の糧を得ている友江が、その事情をすべて知っている誠一郎と生活を共にするよう乞われるのですが、彼女の置かれている、過去を含めての境遇、あるいは矜持が、そのことを許しません。その心情こそが、北海道の、わけても道東の開拓地域に暮らす女性がもつ、悲しさ、あきらめにも似た潔さであることを、同じ地域で成長した筆者は深いところで理解している。 何もかも秘密に、まったく誰も知らない土地で暮らすことも可能であるかもしれませんが・・・、内地(本州)の方が信じられないくらいの割合で、表沙汰になってしまった時の二人の苦悩を考えるとき、いっそ黙って身を引いておいたほうが良い、というメンタリティーを持つ女性が、この土地には、沢山いると思います。(そう考える女性の数が多いという直接的な意味ではありません)。 それにしても、小説のタイトル「氷平線」の凄さには驚かされました。この小説は、北海道、とりわけ道北、道東を包み込んでいる空気感を、文章で、そしてタイトルで見事に表現しています。 | ||||
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どの作品にも30代くらいの女性が登場します。 恋愛を巡る,悲しいこと,せつないこと,どうかしたくてもどうにもならないこと,などのあれこれが語られています。 この女性達は,世間的には,いわゆる幸薄いと見られる人たちなので, 読んで元気になったり,勇気づけられることはないでしょう。 ただ,恋愛を巡る苦い思い出,例えば あのときはそうするしかなかった,でも少し後悔している, みたいな忘れられないものを心の片隅に持っている人は共感するところがあると思います。 この方の小説は,他もそうなのですが, 人生のどうにもならない感じが, 北海道の抗いがたい厳しい自然の描写と相まって 何とも独特の雰囲気を醸し出してるんですよね。 同じ話を,沖縄とか四国を舞台にすると全然雰囲気違うものになりそうです。 刺すような冷気や,もやもやと海から流れてくる憂鬱な霧を背景にしてこそ生きるせつないラブストーリーです。 | ||||
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何かしらやりきれない悲しさで読み終わった。久しぶりで人間の罪深いさと悲哀を感じた。 | ||||
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他の方々が書かれたレビューを参考に購入して読みました。TVで著者のインタビュー番組も観て桜木さんの作品を読んでみたくなり最初の1冊にこれを選びました。それぞれの話に出て来る女性が、芯の強さを持ち 北の大地で一生懸命生きている。 まだ読み始めていませんが長編の「凍原」を2冊目に購入済みです。 | ||||
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一瞬の所作、発する言葉によって変化・展開していく濃密な物語を、かくも鮮やかに描ききる作者の内面とその人生の厚みに驚かされました。登場する女性主人公たちの覚悟と腹のくくり方に、惜しみなく拍手を送りたいと思います。 | ||||
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人知れぬ女性たちの悲しい暗い生きざまが心に沁みる。女たちの「性(さが)」を描いて出色。 | ||||
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田宮虎彦の名前を持ち出して、果たして何人の方がお分かりになるだろう。 『氷平線』の最後を読んで、田宮虎彦を思い出したのです。 父親に虐げられる主人公、父親と同じ物を持っている事に気付く主人公。 酪農家を捨てる女性は、田舎に残る父長制の被害者ですね。 他の作品の読後感も合わせて、もう暫く、この方の小説を読もうと思いました。 それから田宮虎彦も読み返そうと思いました。 | ||||
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最初は直木賞受賞作の「ホテルローヤル」を購入しましたが、大変読みやすく面白かったので、次にこの作品を購入しました。 期待通りのいい作品でした。 | ||||
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すべてが、悲しく暗い日々を、生きる女性なのに、けっして読み終えても、悲しい気持にならずに しばらく余韻にひたれる本です。 | ||||
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受賞作品への道程にある碑のごとき作品であり、濁りのないイメージと言ったら良いのか、肩に力が入る前の感じです。 | ||||
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北海道の酪農村や漁村などでの男女の恋愛や生活を描いた短編集。 確かに官能的な部分もあるが、表現が美しいため厭らしさはない。 周囲の情景の記述も叙情的である。 閉鎖的な集落で、抑圧されながら生きる男女。 生きる目的が希薄であり、時に性的な欲情に身を任せることもある。 切なくも甘い、儚くも希望が見出せる作品が多かった。 | ||||
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この作者の他の小説を読んでいないのですが、出てくる人たちはみな中年以上です。 私も中年なので、さもありなんとばかりに読み進めてしまいました。 描かれている性もむしろ特別なこともなく。時代精神? デスパレートな女たち、日本の東北で営まれている日常と思えばこのようなものになるのでしょう。 地域の目や、偏見といったものも人生というより日常として描かれています。 | ||||
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氷平線が、何を意味するのか? そこに生きる人々の、心理と壮大な風景を想像するだけで、背筋に寒気を感じたのは私だけでしょうか? | ||||
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地元出身(ちょっと広範囲ですが)で大注目の桜木紫乃さん、 品切れ状態だったのですが、ようやくご近所の本屋さんで入手することができました。 乾いた文体で描かれる人生(人性?)の悲しさ、たくましさ、 期待に違わず非常に面白く読ませて頂きました。 性に対してふっきれたような凛とした女性の生き方、 かっこよくて、清々しさすら感じられて・・・ ただ・・・・ それぞれの話の中心人物となる女性は 状況や年齢が異なったとしても、どれを読んでも同じタイプ??? ある意味単調です。 違う生き方、違う性のあり方の人間も描くことができたら もっと面白い小説になるのにな〜と、勝手に思い描いていました。 北の大地の情景、美しく描かれていて素晴らしいです。 | ||||
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(ネタばれ注意!!) 6編からなる短編集。今、私が最も気になる作家 桜木紫乃 の第一作品集である。 『起終点駅』でもレビューしたとおり、桜木紫乃の良さは、まず、そのシャープで研ぎ澄まされた文章表現にある。この作品においても、(デビュー作にもかかわらず)何気ない風景描写にも作者の想いが宿り、また、巧みな心理描写が立体的で実在感のある人物象を生み出している。短編でありながら、いずれも北の大地の匂いが、登場人物の息遣いがしっかり感じられる。 また、(男が主人公に仕立てられてはいても)彼女の作品の軸を成すのは、すべて女性だ。 そして皆(程度の差こそあれ)やるせなくあるいは理不尽な重荷を背負っているが、その重荷を時に未練なく捨て去り、あるいはしっかりと包み込み、はたまた逍遥と受け入れ想いを遂げる…いずれ凛とした靱さを持ち合わせている。 6編の中では、第1編の『雪虫』と表題作の『氷平線』が秀逸だ。 主人公達郎の営む酪農家に売られてきたフィリピーナの嫁マリーと達郎の幼馴染/恋人で既婚者の四季子。 酪農の地に縛りつけられるやるせなさを四季子との逢瀬に逃げ込む達郎に対して、現状を受入れ、したたかに生きていくマリーと四季子の靱さ。 「雪虫」の舞うラストシーン。マリーと共に生きる決意をした達郎の想いが明日への希望をつなぐ、悲しみと希望が交錯する傑作だ。 漁師町から抜け出す為に必死の思いで勉強に励み、東大に合格し財務官僚となった誠一郎は、税務署長として10年振りに故郷に戻る。そこでかつて肌を合わせた友江と再会するが…。 流氷の押し寄せるオホーツクの海で、友江の下した決断が、限りなく切なく哀しい『氷平線』 この第1作品集の後、『風葬』『凍原』『硝子の葦』と良作を生み出し、『ラブレス』が直木賞候補となった桜木紫乃。今後の受賞に期待しつつ、読み重ねていきたい。 | ||||
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