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幸福な食卓
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幸福な食卓の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全130件 121~130 7/7ページ
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母が家を出て、父が父を辞めると宣言した家。どんなにひどい家庭なのだろうと思うが、そこには暗さが微塵もない。壊れかけているという感じもない。父は父であり、母は母であり、兄は兄であり、そして佐和子は佐和子だった。それは何一つ変わらない。バラバラに見えても、心がしっかり一つになっている。そのことは佐和子を襲った突然のある出来事のときの、家族の行動を見ても分かる。楽しいときも悲しいときも、家族はいつも温かく見守ってくれる。大切なものは私たちの身近にある。身近すぎてたまに忘れることもあるけれど・・・。心がほかほかと温かくなってくる作品だった。 | ||||
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泣きました。主人公に降りかかる運命は厳しい。でも主人公の周りには家族がいる。いわゆる「普通の家族」とはちょっと異なった家族。でもみんな暖かい、そして優しい。「家族ってなんでも言い合えるものでしょう」というのは本当だろうかというのがよくわかった。家族でもお互いにすごく気を使っている。そんな気持ちが私にはよく分かる。家族には甘えてもいい。でも家族だからこそ、気をつかうんじゃないだろうか?また家族だからこそ、誰かの調子が狂うと伝染してしまうんじゃないだろうか?家族ってとても特殊な関係。逃げたくても逃げられない。この小説は、今まで分かっていたけど、気付いていなかったこと、いや気付いていることに知らないふりをしていたことを思いしらさせてくれた。私にとってすばらしい小説だ。 | ||||
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こ、こりゃあ売れるわ…。全体はほのぼのしたお茶の間人間ドラマなのに、実質的には壊れている家庭だという、ひねりのある設定。いい人過ぎたゆえに壊れた父や母、壊れたゆえに底抜けのいい人になってしまった兄。面白い…。 父の自殺未遂を消化できないまま、ぎこちなくいい人ごっこをしているような一家に、無遠慮に小林ヨシコが踏み込んでくるところもいい。佐和子も最後まで、彼女のことだけ呼び捨てだし…。 佐和子と二人の恋人の恋愛も、それぞれ見事に中学生っぽかったり高校生っぽかったりして、とてもうらやましい。ストーリーは、まだ読んでいない人のために余り説明したくない。読み終わった人なら、みんなそう思うはず。 | ||||
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どんなに悲しく、衝撃的な出来事が起こっても、 「朝」は必ずやって来て、 「日常生活」の続きが始まる。心にスリ傷やかすり傷を負いながら、 「カタチ」を保っている家族それぞれが、 急所を直撃された家族の一員によって、 自分の役割や居場所を取り戻して行く。泣き喚いたり、 取り乱したり、 2時間ドラマのような大げさな感情表現や、 あざとい演出はなく、 淡々と、悲しみや嘆きや諦めや葛藤があり、 その後に、 静かで力みのない希望と再生が訪れる。読後、見慣れた風景の向こう側に、 小さいながらも、確かな幸福のカケラを見た。 こんな本に出会える、ささやかな幸せ。 | ||||
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とてもゆっくりと時間が流れているような感じ。最後までおだやかな気持ちで読み終えました。 けど、内容は紆余曲折あり・・・というより結構激しい変化があります。お父さんがお父さんをやめちゃったり、お母さんが・・・、お兄ちゃんが・・・、好きな人が・・・。この辺はここで書いてしまってはもったいない!読んで確かめてみてください☆ おだやかながらも涙が止まらなくなった場面もありました。本を読みながらここまで泣いたのは初めての経験。それぐらい私にとっては心に響くものでしたヨ。 タイトルにもあるようにこの本には食卓が多く出てくるのですが、描かれているごはんも本当においしそうで・・・。 とてもステキな本です。 | ||||
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「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」という衝撃的な一言からはじまる本書。 ライトな文体でとても読みやすいです。自殺未遂の経験のある父さん。 家出中の母さん。 何事にも真剣にならない兄の直ちゃん。 そして私、佐和子。 「不幸」といってしまえばそれまでだけど、どこか壊れている家族。 なのに、決して暗くはなく、むしろあたたかい。登場人物がみんな魅力的。 特にこの兄妹の恋人たちがとっても素敵。 最悪な状況にいるこの二人を、それぞれのやり方でではあるけれど、一生懸命正しい方向へ導いてくれる。 佐和子は平凡な普通の女の子なんだけど、人との出会いにものすごく恵まれていて、他者によって魅力を開眼してもらうタイプ。その佐和子に突然訪れた試練・・・。 想像もしていなかった展開に、最後のほうは泣きっぱなしでした。 この試練をどう乗り越えるか・・・。 佐和子に限らず、すべての人がいいことも悪いこともいろいろ経験して、そのすべてを糧にして成長していくんだろうなぁ。 じわじわとではあるけれど、よい方向に進んでいく家族の姿がとても気持ちのいい作品でした。 | ||||
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この本は、今までの瀬尾さんの本からすると、私は、なんだか物足りないと感じました。 でも、すべて読み終えた今、この小説の全てを思い起こしてみると、なんだか、自分の心に、不思議な余韻のようなものが残っていると気付きました。 | ||||
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なんといっても主人公の主人公は死んでしまうし、お父さんは自殺未遂をしているし、頭がよく要領のいいお兄さんも実は自殺願望のある人だし、お母さんは別居している家族の話です。 決してハッピーなストーリーではないけれど、みんな温かい心を持って、どうしたら幸せになれるのかをゆっくり、じっくり考えながら生きています。そんな考え方や、人と接する態度がとても心地よく描かれていて、読んでいて気持ちのいい小説でした。 | ||||
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瀬尾まいこの小説は過去3作すべて読んでいるけれど、今までで一番たぶん売れたんじゃないかという2作目の『図書館の神様』よりも、個人的には、デビュー作の『卵の緒』がいちばん好き(あのお母さんはかっこよすぎ。大好き)。でも、この『幸福な食卓』は、『卵の緒』を上回る、本当に、大好きでたまらない、瀬尾ベスト小説となりました。 不覚にもついつい泣いてしまうツボの箇所ではあるんだけれども、(読んだ人にしか言えない)「え~っ、そうきますか~っ!?」という展開が最後のほうで……。そこが気になる人もいるとは思う。でも、なんというのか、出てくる人たちが脇役含めて、『卵の緒』のお母さんと同じぐらい、(みんな少し自分勝手、でもやさしい)キャラが立ってるのがすばらしい。小さなストーリーの数々や会話がいちいち可愛らしくて、やさしい。現実の世界でも、面白い人たちに囲まれてると、いい“気”みたいなものをもらうし、その逆だと悪い“気”をもらってしまう、みたいなことが多々ありますが、『幸福な食卓』は、全編通じて、読者を幸福にしてしまう空気感みたいなものがあふれている。 幸福どころか、設定はかなり不幸ベースな小説なのに、読んでいて、なぜか、自然にやさしい気持ちになってくる。ストーリー展開を分析するためにお金を出して本は読みたくない。評論家ではなく、ただただ本が好きな一般人として、いくらお金を積んでも買えない“やさしい気持ち”みたいなものを買えた幸福な読後感。そこが、秀逸。 この本をクリスマスにプレゼントしてくれるような彼氏がほしい~(泣)。もう、買って読んじまいましたが(泣×2)。 | ||||
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どこかで読んだような気がする作品。 何だろう、この不思議なかんじは?家族はそれぞれ独特なものを持っているが、この小説に出てくる家族もまた然り。 江国香織さんの「流しのしたの骨」が好きなひとは、この本も好きじゃないかなと思います。 | ||||
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