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エンドロール(しらない町)



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【この小説が収録されている参考書籍】
しらない町
エンドロール (ハヤカワ文庫JA)

エンドロール(しらない町)の評価: 3.27/5点 レビュー 11件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.27pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

とっても面白い人間魚雷の話

0の何とかという小説が流行っている。私も読んだが、いまいちであった。結局感動させようとして作ったネタとしか思えなかったからだが。
あんなにうまい感動的な話があるはずが無い。
この話はあれに似ている。あれが知覧の基地から飛んで行く特攻隊なら、こちらは人間魚雷の話だ。

ある団地で老人が孤独死をする。その団地の管理人はアルバイト。身寄りが全くない老人の荷物の整理をしていたら、キネマ旬報のバックナンバーと8ミリフィルム、映写機が出てくる。不正とは知りながらそのセットを持ち帰り映してみたらなんとあまりにも衝撃的な映像が…。

それから、この映像の秘密、孤独死した老人の秘密を何とか知ろうとする展開になり、色々な人が色々な事情を抱えて人生を生きており、なおかつこの映像とは全く違うものが別に存在し、そっちの方がえらく重大な問題を抱えている事になる。

たまたま管理人が映画の熱狂的なファンで、その昔のフィルムに感銘を受けて…という始まりや展開は納得がいくし、結果的に全く違う終わり方になったのは、作者の筆力だと思う。エンターテインメントとしては0の何とかに負けているのかもしれないが、私としてはこちらの方がおもしろいし読み応えがある。
しらない町Amazon書評・レビュー:しらない町より
415209253X
No.2:
(3pt)

あたたかい気持ちになるミステリです。

とても読みやすかった。物語がいきなり老人の部屋を訪ねる場面からはじまるので、展開がスムーズで

あり、なおかつ物語を構築するすべての具財が難なくすんなりと読み手に伝わる工夫もされている。 老

人の過去を知る人物を訪ねてゆくと、一様にみなが固く口を閉ざす。いったい彼の過去に何があったの

か?老人の残したノートに書かれていた奇妙な詩みたいなものが意味するものは何なのか?門川青年が事

の真相を究明する過程が読みどころであり、その部分にリアリティがなければ興醒めなのだが、本書はそ

の部分もなんとかクリアしていて無理がなかった。真相部分はある程度予想ができてしまうのだが、その

意味がラストで反転する構成もなかなかよかったと思う。全体の印象としては小粒なのだが、読後おとず

れる温かい気持ちがうれしかった。
しらない町Amazon書評・レビュー:しらない町より
415209253X
No.1:
(3pt)

本書で話題の名作映画をみてみたい。

著者のものを読むのは乱歩賞受賞の『東京ダモイ』以
来です。今度は孤独死した男性の個人史を、それを発見
した主人公が遡るというお話し(大船渡の人々が皆暖か
いのにはホッとしました)です。主人公が映画監督志望
で映画や映像への想いを梃子にしてプロットを構成して
いるのが味噌ですかね。かつての戦士達が、一様に太
平洋戦争末期の特攻作戦の無残な失敗を無理に閉じ込
めようとするのには、少し不自然さを感じました。それで
でしょうか、読み終わっての感動はいま一つでした。
 同時に、先々月発売の著者の新作『真友』も読んでみ
ました。巷間で小さく灯る強い絆を経時的に追う、あた
かも東野圭吾の手法に倣うかのようです。ただし、こちら
の感動も中くらい。長いスパーンの展開になりますので、
その間の出来事が整理され研ぎすまされていないと、読
者の感動の純度が下がります。そこに著者の課題をみ
た気がします。

しらない町Amazon書評・レビュー:しらない町より
415209253X

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