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水の柩



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【この小説が収録されている参考書籍】
水の柩
水の柩 (講談社文庫)

水の柩の評価: 3.60/5点 レビュー 30件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.60pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全16件 1~16 1/1ページ
No.16:
(4pt)

道尾ファンなら手に取って読んでみるべき作品

水の柩はミステリー要素は少なめで、主人公や周りの人間の成長を描いた物語でした。過去の罪や嘘と向き合い、今をどのように生きて、未来へ繋いでいくのか、そこに希望は見えるのか、と言った内容ですかね。
「普通」に退屈した逸夫、「普通」を手に入れたかった敦子の対比、祖母と敦子が各々、いかにして過去のわだかまりを浄化させていくのかの対比は読んでいて面白かったです。
また、タイトルや物語に登場する物が何のメタファーになっているかのを考察するのも道尾作品を読む上での醍醐味だと感じます。
是非、一度手に取って道尾ワールドに浸ってみてはいかがでしょうか。
水の柩Amazon書評・レビュー:水の柩より
4062172577
No.15:
(4pt)

少年と少女の距離感

道尾秀介さんは本当に昭和的なレトロな感じがする少年少女を描くのがうまいです。
この作品では、普通の少年と薄幸な少女との距離感がとても上手に描かれている思います。
やるせない感情とわずかな光明、心に湿っぽい翳りが差す美しく切ない物語です。
水の柩Amazon書評・レビュー:水の柩より
4062172577
No.14:
(4pt)

派手さは無くリアルな感じ

ネタバレ注意です。

ハッピーエンドでもバッドエンドでも無く、読み終わった後に哀感が残るようなお話。思い出してじんわり涙が滲むような、でも不快ではなくこれで良かったのだと納得してしまう終わり方でした。いじめのサインや敦子のおかしな様子に中々気付かない逸夫にハラハラしつつ、逸夫の本質的な優しさや不器用さに感情移入してしまいました。
途中退屈な文章もありましたが、それでも読んで良かったと思える読後感のある小説でした。
水の柩Amazon書評・レビュー:水の柩より
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No.13:
(4pt)

道尾スタイルの確立

内容についてはここで細かくは触れませんが、道尾先生の作風というかスタイルの王道といった作品で自分は楽しめました。本格的なミステリを期待する人は肩透かしを食らうと思います。そもそも向日葵の咲かない夏、月と蟹など将来国語の教科書や入試に出てもおかしくない純文学スタイルに少しのミステリを混ぜ込んだような作風が持ち味の筆者なのでこれでいいと思う。特に情景描写の上手さはプロ作家の中でもトップクラスだと思う。
水の柩Amazon書評・レビュー:水の柩より
4062172577
No.12:
(4pt)

深い意味を持つタイトル・・・

老舗旅館「河音屋」の長男・逸夫は、退屈な日常生活に飽き飽きしていた。そんな逸夫に、
同級生の敦子が声をかけた。「手紙を書き直して、タイムカプセルの中に入っている手紙と
取り替えない?」彼女はなぜそんなことを言ったのか?彼女の真意が分からぬまま、逸夫は
それを実行に移すが・・・。

一見、普通に生活している人たち。その人たちの心の奥底には、いったい何が隠されているの
だろうか?笑顔の裏に貼り付けられた悲しみ、誰にも言えない秘密、他人には知られたくない
慟哭・・・。生きるということは、つらいことばかりではないはずだ。なのに、この作品を
読んでいると胸が痛くなってくる。逸夫の祖母いくの気持ちや逸夫の同級生の敦子の苦しみが、
鋭い針となって心に突き刺さってくる。「そんなに自分を押さえつけなくていいんだよ。」
いくに、敦子に、そんな言葉をかけてやりたくなる。だが、人間は弱いばかりではない。どん
底から這い上がる強さも持っているはずだ。さまざまな苦悩や葛藤を乗り越えた者・・・。
それらを忘れ去ってしまった者・・・。どちらの生き方にも切なさが漂う。ラストは、涙がこぼれた。
そして、この作品のタイトル「水の柩」がとても深い意味を持っていることを知った。きらきら
光る水面のまぶしさや、静謐な水底の風景。それらが目に浮かぶようだ。読後も、強い余韻が
残った。おだやかで心に染み入るような感動を与えてくれる、とても面白い作品だった。
水の柩Amazon書評・レビュー:水の柩より
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No.11:
(4pt)

深い人間ドラマ

老舗旅館長男の中学校二年生を主人公に、触れられたくない過去、
封印してしまった過去、人の弱さとそれを乗り越えていく強さなどが
描かれていく。
閉塞感を感じるような場面もあるのに、
何かに引き込まれるように読んでしまう。
敦子の心の痛みが目に見えるようで、悲しかった。
最後に彼女が思いきった行動に出られたのは、
逸夫の存在が助けになったかなとホッとしました。
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No.10:
(5pt)

久々に本で号泣…

最後は涙が止まらない。 読後、表紙を見て、またジワッとくる。 タイトルを見てはジーンとする。 文体はもちろん、装丁含めてオススメです。 私はミステリー派なので、また少年少女か…と期待せず読んだのですが、泣かされました。 後半は感情を高めるために是非一気読みを!
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No.9:
(5pt)

痛い

胸が痛くなる作品。しかしそこに救いが・・・ミステリーではないけど こういう作品もいいと思う
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No.8:
(5pt)

普通とは何か

人間は常に過去を引きずって生きている。その結果の日常が普通なのか否か、それは決して客観的には判断できず、各自の中で葛藤となっている。その葛藤に生きる人間を非常に巧みに表現している小説だと思う。葛藤は乗り越えるべきなのか、忘れるものなのか、その違いはわからない。登場人物はその方法としてある事を試みる。その試みに関わる心理描写が非常にこの小説を切ないものにするし、又非常に美しいシーンを生み出している。
今年読んだ小説の中でも最も印象に残るものの一つ。
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No.7:
(5pt)

タイトルに惹かれて

タイトルに惹かれて本を購入しました
この、作家さんの本は初めて読みました
最初は正直、入り込めないな〜と
思っていましたが
中盤から、終盤は号泣しながら読んでいました
タイトルの表現にも感動しました
この本に出合えた事に感謝しています
水の柩Amazon書評・レビュー:水の柩より
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No.6:
(5pt)

素晴しい

シーンの表現力がすごく、自分もその情景の中に入ってしまったような感覚になります。
道尾作品らしく読めばタイトルの意味深さもわかります。

あと個人的にシャドウ おすすめです。
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No.5:
(5pt)

まさか!何度も泣くとは…

もう、素晴らしかったです…!
人の「痛み」や「弱さ」が丁寧に描かれていて、
“早く読みたい!
んだけど、
読み進めるのが辛い…”
という状況になり、
自然と涙が頬を伝いました。
道尾秀介さんは、
ただのミステリー作家じゃありません!
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4062172577
No.4:
(5pt)

少年少女の成長物語

忘れることは、乗り越えるといこと……作中には、時折人生について深く考えさせる表現が出てきます。今回は著者の得意とする二転三転の展開はありませんでしたが、「人間が人間である以上、誰しもが他人や自分、そして家族にさえも嘘をついて生きている。またはそうしなければ生きていけないのかもしれない」という深いテーマの元で書かれた素晴らしい作品だと私は思いました。少年の成長物語ですが、大人の私が読んでも、主人公の前進していこうという勇気には感動します。 絶望から希望へ……少しずつ光に向かっていく哀しくも美しい物語に、心揺さぶられる事は違いありません。
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No.3:
(5pt)

乗り越え、次に進むための『水の柩』

著者のほかの作品に比べ、物語は、静かに、ゆっくり進んでいく。

場所は温泉旅館のある街。美しい川が流れ、
少し足をのばせば大きなダムがある。
ダムの底には、かつてあった村が沈んでいる。

主人公は、温泉旅館の、中学生の長男、逸夫。
そして彼のクラスメート敦子。彼女は複雑な家庭環境を背負い、
また学校でもいじめられている。
逸夫の祖母いくは、誰にも話せない過去を秘めて生きていた。

ある日逸夫は、敦子に、小学校の時埋めたタイムマシンを掘り返したい、
中にある自分の手紙を、差し替えたいと協力を仰がれる。
そうして逸夫の傷みと葛藤が始まる…

そこに描かれている敦子の苦悩は、ありふれているようで
残酷で、せつない。子どもにとっては逃げ道がない、繰り返しの日常。
そこから彼女は逃れたかった。
逸夫も、無力な自分にただただ打ちひしがれる。
敦子に対しても、祖母に対しても…

水の柩は、読んでいる間、常に不吉なメタファーとしてつきまとっていた。
しかしそれは違った。まったく違っていた。

せつなかったのは、逸夫がとても優しい少年だということ。
彼のような少年に、自分もあの頃出会えていたらな…。
そして、いつものように著者が描く自然は、どこまでも美しい。
読み終わってもまぶたの裏に、きらきら光る、儚くも強い水の眩しさが浮かび上がる。
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No.2:
(5pt)

「月と蟹」が昇華した至高作品。

道尾ワールドといえば、暗黒な絶望感、希有な
どんでん返し、チラチラ見え隠れしてつかめそうで
つかめない光明。

そして、テーマが「家族」であること。

しかし、もうひとつのジャンルとして、文芸的で
静謐な、心情の動きと成長をじっくりと読ます道尾節が
今作で完成した。

「家族」のみならず、関わりあう人間への優しさや
労わり、強さ、救いを圧倒的な文章力で書きあげた。

「光媒の花」の後半を、さらに濃密に熟成させたような
色使いというか。

また、これは道尾ではない、という拙私の勝手な思いが、
筆力と世界観で氷解させられた、とも言える。

妖しい伏線やトリックがなくとも、力技で、道尾
ファンの軌道修正を余儀なくされた感じ。

過日放送された「情熱大陸」の一場面。

中学生の男女の気持ちがわからない、70代の老婆の
心情とは?、と語っていた。

しかし、その後、それをつかめたといって、完成した
場面が映っていた。

その時の著者の気持ちがよくわかる。

なるほど、至高のレベルで書きあげた満足作であるなと。

タイトルも「水の祈り」「水葬」から「水の柩」へ。
「棺」ではなく、「柩」にした。
「久しい」という言葉を使った字を見つけた瞬間の
著者の充足感も慮れる。「永久」の「久」だ。

30代半ばにして、ここまで引きだしも多く、余韻を
強烈に訴えてくる作品を連発する道尾氏。

次回は、壮大で重厚な、心をえぐられる凄みと、あっけに
取られるミステリーを融合した作品を上梓してくれ!

疲弊した大人が主人公の作品の料理もみせてくれ!

あなたにしか書けない作品が、底なしの才能から、
湧きあがってくるはずだから・・・。
水の柩Amazon書評・レビュー:水の柩より
4062172577
No.1:
(4pt)

水の柩

つかみは引き付けられた。なかだるみしたが、後半の展開からラストシーンまで一気に読めた。特にラストシーンは異常に美しい。
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4062172577

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