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猫を抱いて象と泳ぐ



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【この小説が収録されている参考書籍】
猫を抱いて象と泳ぐ
猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)

猫を抱いて象と泳ぐの評価: 4.37/5点 レビュー 141件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.37pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全121件 121~121 7/7ページ
No.1:
(5pt)

チェスの小宇宙を旅した男の人生、その美しい軌跡を描いた物語

後年、リトル・アリョーヒンと呼ばれることになる少年が、運命の不思議な糸に導かれて、廃車になったバスの中で、巨体の男と出会う場面。唇に産毛の生えた寡黙な少年が、巨体のマスターの手ほどきでチェスを覚え、その広大で限りなく深い世界に魅せられていくところ。その辺から、ひそやかな静けさに満ちた物語の中に引っ張り込まれました。

 そして、転機を迎えたリトル・アリョーヒンは、自動チェス人形<リトル・アリョーヒン>の中に身を潜め、チェス盤の裏から眺めて、人形の手を操ってチェスを指すようになります。彼が作り出す棋譜はとても美しく、「盤上の詩人」と称えられた伝説の名プレーヤー、ロシアのグランドマスター、アレクサンドル・アリョーヒンを彷彿とさせるもの。

 リトル・アリョーヒンが、かけがえのない存在である象のインディラ、猫のポーン、手品師の娘だったミイラと彼女の白い鳩とチームを組んで、深い深いチェスの海に潜り、果てしのないその世界を旅していく展開、話のひそやかで透明な調べが美しかったなあ。清澄で思慮深い物語の中に入り込み、高雅な作品の調べを呼吸することができた数時間は、間違いなく、至福の読書体験でしたね。

 チェスの世界を題材にした作品では映画『ボビー・フィッシャーを探して』、あれもよかったなあと思い出したのですが(ふたつの作品が投げかけるメッセージは、違っています。でも、チェスに才能を発揮した七歳の少年からはじまる話ということでは、通じるものがありますね)、小川洋子のこの物語もとてもいい。リトル・アリョーヒンとともに、彼がたどった人生を旅してきた最後、エンディングの354頁、ここはもう胸がいっぱいになり、涙がこぼれました。
 物語が奏でる調べの美しさ。心に染みる余韻の深い味わい。素晴らしい作品です。
猫を抱いて象と泳ぐAmazon書評・レビュー:猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501

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