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ライヘンバッハの奇跡



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ライヘンバッハの奇跡の評価: 2.75/5点 レビュー 4件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

ホームズのパスティーシュとしては、いまいち

先に白状しますと、シャーロッキアンの端くれではありますが、ホジスンのカーナッキものは読んでいません。また、オカルトものもちょっと守備範囲外。
 そのため、この作品の魅力の一部を堪能できませんでした。そこは勘弁頂きたい。

 ホームズのパスティーシュとして考えると、モリアーティとの「最後の」戦いの結果のどんでん返しとか、モリアーティがどうやって「悪のナポレオン」になったかなどについて、面白いアイディアを出しています。それはそれで興味深い。
 でもね、作者の、ホームズの時代というかヴィクトリア時代への理解に、いくつか疑問があります。

 コカイン中毒らしいと言うことだけで麻薬の密売人と決めつけたところ。
 (当時コカインは合法な薬品です)

 娼婦上がりの学者が学会に衝撃を与える研究を発表するところ。
 (フローレンス・ナイチンゲール(1820〜1910)、ソフィア・コワレフスカヤ(1850〜1891)、ビアトリクス・ポター(1866〜1943)などの例を出すまでもなく、当時の世界は社会階層であり、その上に男性優位であった時代です。女であり唾棄すべき階層の娼婦が大学に通うなど、あり得るとは思えない。不自然です)

 銀行強盗や詐欺などの「高収入の」犯罪者の上前をはねるのなら「商売」も成り立つでしょうが、ヴィクトリア時代の娼婦と言ったら、生きるためにかつかつの収入さえあやしい階層から巻き上げて「悪の帝王」の商売が成り立つんでしょうか。道徳的にとは言わないが、あの人の矜持からして不自然では。

 その他、使用人(子守り)についての考え方なども、中流家庭は使用人がいてあたりまえというあの時代への理解が、作家には欠けていないかな。


 いくつか出された科学的な理論も怪しいのですが、それは別としてもホームズ世界の背景が納得できない。ストーリーについてのツッコミはあるけれど、ホームズのパスティーシュとしての評価はイマイチでした。

 トマス・カーナッキというキャラについて知識不足なので、譲歩して(笑)星はふたつとします。
ライヘンバッハの奇跡 (シャーロック・ホームズの沈黙) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ライヘンバッハの奇跡 (シャーロック・ホームズの沈黙) (創元推理文庫)より
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