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英雄の書
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英雄の書の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 21~40 2/3ページ
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宮部ファンの方なら必見の作品だと思います。自分は上下巻合わせて2日日間で読破してしまうほどのめりこんでしまいました。この作品のテーマは「正義とは?」ということに直球で問いかけています。最近のはやりなのでしょうか。ハーバード大学のサンデル教授の"Justice"の授業を思い出せられます。 宮部さんが重いテーマを題材として取り上げることは多々ありますが、特筆すべきはこの作品では「物語」を語ることによって、筆者自身の「つむぐもの」としての執筆活動に対する概念といいますか、定義づけなどがちりばめられていることです。それを随筆などで明解に表現するのではなく、謎解き+ファンタジー形式をとって表現するところがまた宮部さんらしいと思いますし、宮部さん自身の作品に対する考え・姿勢がよく現れた作品という意味で★5にしました。 ただし、エンターテイメント的で最後がすっきりとした勧善懲悪のファンタジーを求めている人にはおすすめできません。「物語」とはなんぞや、というものの解説と、「正義とは?」というテーマを取り上げ、さらにこれを謎解き的に仕立てているためやや難解になりがちです。 | ||||
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ファンタジーなんだけど、凄く現実的な目線の小説。 文章は読みやすいんだけど、なぜか登場人物に親近感がもてない。 お話のオチを中心に、全てを構成しているようで、 キャラが妙に不自然に動き回っている印象が残りました。 また、終盤まで真実を明かさない焦らしには、 余計に物語に陶酔できない感じ。 ファンタジー小説で新たな考えを取入れた斬新な小説ですが。 こうもワクワクしないファンタジーというのも珍しいです。 | ||||
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「英雄」の取り憑かれ失踪した兄を探すために、妹が困難に立ち向かう物語。ファンタジーではあるけれど決して安っぽくなく、むしろ現実味を帯びた重厚さのある物語に引き込まれてしまいました。 主人公の前に突如現れる悲しい現実。そして、それに負ける事無く立ち向かおうとしている主人公には、同じ著者の「ブレイブストーリー」に通じるものを感じます。いわば、ブレイブストーリーの女の子版といった感じでしょうか。 これからの物語の展開が非常に気になってしまい、今から下巻を読むのが楽しみになる一冊です。 大人が楽しめるファンタジーの代表作と言って過言ではない素晴らしい作品です。 | ||||
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この物語のラストは全然、想像できませんでした。 まさに、驚きの急展開。決して、ハッピーエンドではないかもしれないけど、悲しいだけではないラスト。 なぜなら、そこには希望があって、やがてくるであろう物語の続きがあるからではないかと思います。 | ||||
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英雄の書。結構な時間をかけて読み切りました。 感想としては、嫌いではないし、むしろ好き? ん〜なんて言えばいいのか・・・ 宮部さんのファンタジーは、決してハッピーエンドばかりではなくて、私はそこが結構好きで、 人間って泥臭くて、汚くて、綺麗ごとじゃなく生々しい。(←ちょっと違う?) すっきり解決ではなく、どこか闇が残る感じ。 説明が長いという方もありますが、そこも私は好きです。 主人公が幼く、幼稚というのも、とくに気にならず。(私がバカだからでしょうか?苦笑) 賛否両論あって良し。 好きも嫌いもその人次第。 結果的に、難しいけど読んで後悔はなかった!! 宮部作品やっぱり好きです。 | ||||
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本書を読んで、主人公のガキっぽい言動が気になる、という意見のあることが、不思議だ。 仮に、主人公が「自分も魔法が使える」「魔法で何でも出来る」ことを簡単に納得し、自ら積極的に戦うような性格であれば、主人公もまた“英雄”に魅入られてしまう事になる。 本書は、主人公じたいが「ある種の物語の主人公であることを拒むような性格の持ち主」でなければ、「物語」が成り立たないという、極めて独特な構造の上に成り立っている。 登場人物が自在に動いて「物語」を引っ張っていくのではない。それでは単純な「“英雄”の物語」になってしまう。 主人公でありながら“英雄”ではなく、“英雄”である事、「物語の主役」である事を、拒まねばならないのだ。 それゆえに本書は、単純なカタルシスをもたらす小説ではなく、安易な結末も存在しない。 本書の「エピローグ」は、続編への橋渡しではなく、我々が住む世界への橋渡しとして機能している。 我々の住む世界と近しい世界として設定された「主人公の住む世界」における「物語」が、完結しておらず、何ら解決していないように見えるのも、作者の意図なのだろう。 ある種の解決、結末が付けられることで、「輪」が閉じたと読者に感じさせては、「物語」は単なる他人事で終わってしまう。 「あー面白かった」と本を閉じて終わり、ではないのだ。 我々の住む世界にも「“物語”の“咎”」は存在し、「“英雄”に魅入られた者」が破壊や殺戮をもたらしてきたし、今もなお、もたらそうとしているではないか。 抽象的な書き方で申し訳ないが、わかる方には、お分かりいただけるのではないかと思う。 | ||||
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おそらく著者の長年の心の中にあった小さな火がストーリーになったように感じた。 人が話し、書く、ものは物事の一面だけを拾い集めていって「物語」とする。 あまりにもその方式が定着しているがために違和感すら持たない。 しかし、現実はいろんな出来事の集合に過ぎない。出来事の集め方で物語はどうとでも変わる。 その「物語」や記録されたものが意思をもつとどうなるか、というところからストーリーが展開する。 とくに英雄は必ずマイナスの側面をもつのは歴史(あ、これも物語ですけど)が証明している。 物語の紡ぎ手が、物語を題材に物語を紡ぐ、というとってもメタな小説。 著者のファンにも楽しめるだろうし、認識の仕方を小説の題材としているという面でも楽しめると思う。 | ||||
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私は宮部みゆき先生のファンで、これまでもミステリー、ファンタジー共に何作か読ませていただきました。 先生の作品の魅力は卓越したストーリーティング、文章力、人物描写など…素人の一読者である私には上げきれない魅力があると感じていますが、 私が一番に魅力に感じる点は読後感にあふれる不思議な切なさです。 単行本の方のレビューでも、主人公の年齢不相応の語彙力や判断力に違和感があるとの声が上がっていました。 確かにそういった面に多少の違和感が感じられない訳ではありません。 すべてが作中での主人公が与えられた立場ゆえ、と説明されてしまえばそれまでなのですが、 そのわりには不相応な年相応の幼さが垣間見える場面もあり、確かに多少の違和感は否めないと思います。 ですがそういった面が些末なことと思えるほど、世界観や作者が訴えたかったこと、世界にあふれる善と悪、主人公の肉親への思いなど、 読者への訴えかける部分が強くあふれる作品だと思います。 特に読後に残る切なさはまさに著者の真骨頂と言った感じで、読んだ人すべてに心に残る温かい何かを与えてくれる作品だと思います。 悲しい事、辛い事にくじけている人にそれらを乗り越える勇気をくれる作品だと思います。 | ||||
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上下巻通して三ヵ所の世界を描いて おり、それぞれの世界の設定や登場人物が丁寧に描かれるのですが、その設定が盛り込まれ過ぎている為肝心のストーリーが急ぎ過ぎな印象がありました。 特に終盤に描かれる旅の全貌を語る場面は余りに唐突で、一瞬作品から引き離されます。 途中までの展開や世界観やメッセージ性は非常に好きな内容だったので、とてもおしい作品だと思います。 | ||||
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物語の起因は、現代ならどこにでもある生徒同士のいじめ、いじめられた子を庇ったがために教師から目の敵にされ、あげく殺人を犯してしまう主人公の兄その兄を救いたいため心悩ます主人公。 そこに語りかけるものが・・ 宮部みゆきさんの簡潔な文章でありありと描かれる異世界の景色。ICOと似たような状況設定でいながら、まるでお坊さんの説話をきいているような訴えかける物語。 これは、今学校でいじめに会っている、職場でうまく行っていない、そういうひとに特に読んでほしいとおもいます。 いじめが解決できるとかではなく、いじめにあっているココロが慰められます。 某テレビ番組で島田伸介さんが言っていましたが いじめは学校や教師が何かできるものではない親がすべてをすてても子供をまもるという気概が必要だ・・・・と。 しかし、そんなオヤがどれだけいるでしょう? あなたは独りなんだよ、でも、みかただっているんだよ そういっているように感じました。 | ||||
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少女が魔法の力を手にいれ、 事件を起こし失踪した兄を探す また、その事が世界を救うことにも繋がる といった感じのストーリーだが、 まだ、上巻しか読んでいないので・・・ 下巻を読んでみないことには、 現段階ではなんとも言いがたい ただ、物語自体はおもしろいのですが、 ファンタジーとしての魅力は乏しい 主人公が魔法の力で、 あまりにも色々できるようになりすぎる ドラクエのようなRPG的で、 ほんの少しがっかりだった しかし、「輪」という概念は、 「人間原理」的な考えで面白かった | ||||
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ずいぶん前に読んだ『レベル7』がわりとおもしろくて、ちょっと期待して読んでみました。 映画になった『ブレイブストーリー』はまだ読んでませんが、たぶんそれと似た感じかもしれません。アニメ化されたので気になってましたが、あまりのボリュームに読むのを躊躇してましたが、この本が面白かったので今後読みたいと思いました。 本作は子供が主人公のアドベンチャー物ですが、結構本の世界にはまり込みました。ボリュームありますが、あっという間に読み終わりました。 ハリポタとかロードオブザリングとか好きな人はこういうストーリー好きだと思います。 こちらも映画化したらおもしろいかもしれませんね。 | ||||
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大人のためのファンタジーではないでしょうか。私は独自の世界観や概念が大人になったからこそ理解できるものだったと思いました。多分子供だったら、エンディングに納得いかなかったかと。物語だからといって思い通りにならなかったのも、妥当なエンディングだと感じましたし、その後のエピローグで気分が明るくなりました。 確かにどこかで見たことあるようなアニメ的シーンは少し残念でしたが、中身は読みごたえもありますし、これからの生き方に影響を与えられそうな名作だと思います。 | ||||
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あり得ないはずの世界が見えてくる。 作者の描写力のなせる技だ。 どんどんひきこまれていく。 気がついたら読み終わっていた。 これは本当に凄い本の上巻だ。 | ||||
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ファンタジー仕立ての小説であり、その観点から言えば他のレビューにもある様に設定が甘い点は同感であるが、個人的には宮部作品にはいつも社会的メッセージを読み取る様にしている。本作品も物語・本に代表される知性の蓄積がありながらも人間はなぜ罪深い行為を繰り返すのかを表現したかったのでないかという気がする。個人的な罪、国家の罪、いろいろな罪が歴史上繰り返される性がこの”輪”の現実なのである。 | ||||
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最近のファンタジーの形式はだいたい決まっており、本書もその流れのの中の一冊だと思います。 「ロードオブザリング」系とでもいいましょうか。 この種の本が好きな方には楽しめますよ。読んでも損はないと思います。 それにしても、別の評者の方も書かれていましたが、 最近の小説では、小学生を主人公にした場合、知性理性が大人の それとあまり変わりなく描かれる傾向があるのでしょうか? この小説には、主人公が大人びた行動をとる理由が書かれていますが、 いい悪いは別として、面白い傾向だと思います。 (他の例としては「ぼくのメジャースプーン」 (講談社ノベルス) 辻村 深月著 があります) | ||||
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”英雄”と”黄衣の王””光”と”闇”常に相反する二つのものは、表裏一体。まるで、その世界観は、スターウォーズエピソード3のアナキンが、フォースの闇にひれ伏す様と重なる部分があると思いました。 贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き (光文社文庫) | ||||
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この本では、人間が生み出した“物語(本だけでなく語られるものも含む)”が人の心に良くも悪くも影響し、強力な“物語”とその強い力を求める人の心と出会うと、戦(小さな事件や戦争まで含む)が起こるとしています。人間の語る“物語”が人間世界を目に見えない形で大きく動かしていくという設定です。 現実世界でも、確かにそういった面はあるなあと感じました。一番大きな例で言えば、おそらく「聖書」がそれになるような気がします。「聖書」で語られた“物語”は、何千万人、何億人という人の心をとらえ、一方で信仰心や博愛の心を育み、一方で宗教間の争いを引き起こしています。 “物語”というとエンターテイメントのような響きがありますが、“物語”が一旦作者(たち)の手を離れると、その意図とは関係なく、世の中を伝播し、人々に影響を与えていく。影響を受けた人によって、“物語”はさらに強力な力をつけていく。中には自分の都合の良いように“物語”を利用しようとする人がいるかもしれません。 流れがちょっと冗長な感じがしたため、星4つです。 | ||||
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著者の作品はこれまで『模倣犯』と『楽園』という社会問題を扱ったものしか読んだことがなかった.そのため,著者のファンタジー作品は,初体験である. 本作は,非常に壮大で,好奇心と想像力を非常に掻き立てるものとなっている.上下巻併せて,約700ページの大作であるが,一気に一週間で読破してしまった. ある中学生が同級生2名を刺し,1名を殺害し,逃走したという発端でストーリーは展開する.そこまで読み進めると,近年社会問題となっている未成年の凶悪犯罪を取り上げた社会派の作品かと思わせる.しかし,その後兄の行方を探すために,妹がある世界に行くという形で,ストーリーは意外な展開を見せる.彼を犯罪に駆り立てたのは,古書にとり憑いた○○(ネタばれのため伏せ字)であった. ファンタジー小説は,著者の情景描写力がないと,スムーズに読み進めることができないが,その点はさすが定評のある宮部みゆきと言ったところであろう.ファンタジーが好きな人には,ぜひお勧めの作品である. | ||||
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久々に読んだ宮部作品。 レビューはあまり良くないようですが、面白かったです。 最近、他の著者による、子供が主人公のミステリーを読みまして…。 そちらの読後感が重かったのに比べ、爽やかな気持ちで読み終わることができました。 きっかけとなった事件が重すぎることや、 子供が読むには難しい概念がベースになっていることなど 満点ではないのですが…。 人間の何を描くのか。 残酷か、悲哀か。前進しようとする気持ちか、停滞か。 宮部さんの物語は、そこに込めるメッセージにいつも励まされるものを感じます。 子供の主人公+動物の従者(訳ありの)というのも 個人的に好きなパターンで、楽しく読めました。 | ||||
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