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涙
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涙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
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さすが乃南アサです。一気に読んでしまいました。東京オリンピックのころの風俗がきちんと描写されています。 電話が呼び出しだったり、熱海がまだ賑わっていたり、大阪まで新幹線が4時間だったり。よく調べてあります。(もしかするとどこかに間違いはあるのかもしれませんが) 婚約者を見つけるまでの話にはとても惹きつけられます。 また、弟の彰文がいい味を出していてほっとできるのもよいです。 ただ最後まで期待するだけに、明かされる婚約者の勝が逃げた理由にあまり納得できなかったことだけが残念。 納得できる人は泣けると思いますが、納得できない人には涙は出ないと思います。 でも面白いし、よくできてます。 | ||||
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山の手のお嬢様(萄子)が、失踪した婚約者(勝)を執念で追いかけます。 2年間の追跡劇が物語の大半を占めていますが、 なかなかどうして彼に辿り着けません。 追跡が失敗する度、萄子は落胆し、やりどころのない感情をため込んでいきます。 読者はどこに行っても失敗する展開に少し疲れつつも、 劇中の萄子と同様に、いつか劇的に会うことになるんだろうという期待をため込んでいきます。 最後の地での再会では、その感情描写もさることながら、 二人の運命を象徴するような、嵐の状況描写も見事にリンクしています。 男を想う女の情念と、時間が経つことの残酷さというか仕方なさというのが、 個人的に心に残りました。 また、再会時は二人だけの空間で、物語の秘密が明かされていきますが、 萄子の心がこれでもかと揺さぶられ、読んでるこっちも相当疲れます。 基本的に萄子が中心の物語で、彼女のまっすぐな心情(お嬢故?) ばかりが目立ちますが、勝の上司の韮山の家庭の話なんかは、なかなか切ないです。 ミステリーというより、女目線の青春純愛ものとしてお勧めです。 | ||||
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作者の年齢を考えると、作者自身も幼かった頃であろうに、 東京オリンピック前後の時事をよく調べてあると感心した。 後半の台風の中での再開のくだりは 大好きなソフィアローレンの映画「ひまわり」を思い出した。 忘れ得ぬ面影を探す主人公。 本人達にはもうどうすることもできない別れ。 小説を読んでこんなに泣いたのは初めてかも。 | ||||
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作者の年齢を考えると、作者自身も幼かった頃であろうに、 東京オリンピック前後の時事をよく調べてあると感心した。 後半の台風の中での再開のくだりは 大好きなソフィアローレンの映画「ひまわり」を思い出した。 忘れ得ぬ面影を探す主人公。 本人達にはもうどうすることもできない別れ。 小説を読んでこんなに泣いたのは初めてかも。 | ||||
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東京オリンピック前夜が映し出す、日本の光と影の部分が非常に興味深い。 殺人容疑をかけられ失踪した婚約者の足跡を追い求め、一人全国各地 を駆けずり回る女。その地その地で様々な顔を見せる日本の風景が とても生々しく、感慨深いものを抱かせられた。 家族に甘え、男に頼るだけだった若いお嬢さんが次第に自我と信念を 持って突き進んでゆく姿は、大きな時代の渦にのみ込まれ流されて 行ってしまうものたちの弱さと一抹の寂しさを浮き彫りにさせている。 ぜひ映画化してもらいたい。主人公・萄子役はぜひあの人で・・・! | ||||
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5才で終戦を迎え戦後の混乱期を経験しながらも、裕福な家庭で育った萄子は誇り高く汚れを知らない。そんなお嬢様が、生涯の伴侶に選んだのは無骨な刑事だった。しかし、挙式を数週間後に控えたある秋の日、世間が東京オリンピック開幕を前に沸き返るなか、花婿は謎の失踪を遂げる。 ミステリーでありながら、事件、災害、時事問題など数々の時代を彩る出来事が、サブストーリーとして見事に主人公たちと絡み合う。この1冊まるごとが昭和そのもののようである。 時代を共有した人たちには懐かしいものであるだろう。昭和の晩年しか知らない世代であるが、OLがかつてBGと呼ばれていたことなど興味深く読んだ。 途中「涙」というタイトルに違和感を感じたものの、最後の数ページで思わぬ涙がこぼれ、腑に落ちた。おそらく萄子もあらゆる種類の涙を流したに違いない。 | ||||
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嫁いだ娘が、ある日「離婚する」と戻って来た。夫が外に女を作って家を出たきり、家に戻っても来ないと言う。「逃げたままだなんて。」漸く絞り出したその一言は、はるか昔、自分自身が母親から言われた言葉と同じだった。 高度成長期の東京はオリンピック景気に浮かれていた。苦労知らずで育った萄子は、家族の反対を押し切り、刑事である奥田との結婚を決め、着々と嫁ぐ日に向けて準備を整えていたが、そんなある日、その奥田が、先輩刑事の娘を殺害した容疑をかけられたまま、姿を消してしまった。 無実ならば、なぜ逃げるのか。真実を求めて喘ぐ萄子は、奥田の足跡を辿り続ける。 映像化すれば、さぞかし面白味のあるものに仕上がるだろうと思わせるストーリー展開で、一気に読み進むことができる。途中経過の面白さからすると、結末は呆気ないようにも感じるが、作りすぎではない、と思えば、それはそれで納得の行く結末にはなっている。ぐちゃぐちゃと書いてしまったが、結論を言えば面白かった。 | ||||
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乃南アサでは最高傑作だと思っている。正直乃南アサは短編はいいけれども長編はハズレも多い。けどこれは面白くてあっという間に読んでしまいました。行方不明になり、殺人容疑のかかった婚約者を追い掛ける切ない話。あと少しというところで彼はいなくなるのですが、諦めず主人公萄子は探し続ける。ラスト、彼がいる土地に辿り着いたとき、もう完全にこの世界にはいって萄子になってしまいました。早く萄子に幸せがこないか、真実がわかるようにならないか、でもまだこんなにページがある…ととてもわくわくして読める作品です。 | ||||
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ミステリーの醍醐味は、極めて日常的な出来事と、どこにでもいそうな登場人物から、いろいろな事件に発展していくストーリーの展開にあり、その視点からこの小説は秀逸。流れるごとき筆力も、大船に乗って旅をしているようで心地よい。いろいろあるけれど、いいではないの。現代の大事な作家だと思って愛読 | ||||
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主人公・萄子婚約者の刑事・奥田が突然失踪。先輩刑事・韮山の娘で奥田に思いを寄せていた、のぶ子の惨殺体発見され、奥田は容疑者となる。東京オリンピック前後を時代背景に、真実を求め失踪した婚約者をおう萄子を描いたサスペンスの秀作。萄子があまりにも自由にお金の心配をすることなく、いろいろな場所を行き来するという展開に若干の無理は感じるものの(金持ちすぎる!)、上下巻を一気に読まされるだけの内容はある。(「涙」するかどうかは別にして) | ||||
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友達に泣けるから読んでみてって渡されて読みました。時代背景は東京オリンピックで20代の私には昔の日本を文学を通じて知るいい機会だったかなと思います。 この本は私的には推理恋愛もので、友人に借りてから続きがきになっていっきに読みました。 内容的にはかなりじれったい感じだったけど、それがまたひきつけられて「つづきが気になる」って気持ちでした。 この本を読んで、これはもちろんフィクションだけど「こうゆう事もあるんだぁ、好きだけじゃだめなのか」って気持ちでいっぱいで切なくなって泣きました。 | ||||
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おもしろいんです、確かに。 何故勝は何も言わずに失踪しなければならなかったのか、結末が気になってあっという間に読んでしまいました。 それだけに、ラストが残念です。事件に巻き込まれた勝は被害者であるけれど、同時に萄子の人生をも狂わせたのは確かです。それならば、萄子が幸せになるのを見届けてから自分の人生をやり直して欲しかった。このような結末になるのならば、せめてラストまでの年月を5~10年以上かけて欲しかったです。 | ||||
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娘が帰ってこない夫との関係で悩み、気晴らしに沖縄に旅行することで、壮絶な過去を回顧するという一人の女性の物語。 戦後日本の新興中産階級の家庭で何不自由なく育ったお嬢様が安月給の刑事に恋愛感情をもち、婚約までこぎつけるまでのプロセスがしっかり描かれているからこそ、その後忽然と婚約者が消えてしまった哀しみがより一層読者の胸にしみる。なぜ婚約者が目の前から消えたのかという謎を解くプロセスももちろん面白い。だが同時に、高度経済成長初期の東京、川崎、熱海、焼津、大阪、筑豊、そして沖縄というそれぞれの街の情景、人々の暮らしぶりがうまく描き分けられおり、何処の街もほとんど同じでもはや特色を失ってしまった現代日本に身を置く者としては大変興味深く読める。主人公をめぐる人物描写も際だっている。家族(特に弟がいい味を出している)、兄の後輩、婚約者の両親、婚約者の上司の韮山刑事とその娘のぶ子。この韮山のぶ子が事件の鍵を握っているのだが、この韮山のぶ子という名前自体、主人公の藤島萄子という粋な名前とは対照的であるし、二人は外見、性格も全く好対照をなし、物語のアクセントとなっている。 惜しむらくは、心理描写と情景描写のどちらも力を置くあまり、盛りだくさんすぎるように思う。どちらか一方に重点を置き、すっきりさせた方が良かったのではないか。(とりわけ、最後の場面では少々イライラしながら読んだ。)最後に、おすぎの「解説」はいただけない。オッチャンがなぜこの「解説」執筆を引き受けたかという説明とかはどうでもよろしい。別に何が何でも誰かに「解説」を書いてもらわねばならぬこともないのだから、下手におかまに頼むより、「解説」無しの方がよっぽど作品の値打ちを上げると思う。 | ||||
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ミステリー?否。これは恋、青春の悲恋物語。 己に降りかかった疾風怒濤に対峙して、自力で抜け出した女性の物語。 ちょっと甘めの味付けもあるけど。日本という国で、「戦後」に青春を過ごした者、 人それぞれ、時代に多少のずれはあっても、思い返せば 青春とはまさしく「疾風怒濤」の時間。 この物語、あの熱に浮かされたような青春時代のひとつの昇華されたカタチみたいなものを描いているように感じた。象徴として描かれる、宮古島での疾風怒濤のさなかでの再会(&告白) は、まさしく、「主人公に青春はおわるもの」という事実を告げている。 あれほど人を苦しめた台風はうそのように過ぎ、青春もあっけなく終わる。 蛇足ながら、ふつうは、勝のように、告白してくれたり、はっきりかっこよく決別させてはくれないのが、一般的青春だ。 それに、男女問わず、淳のような存在は、ほとんどまったく期待 できない、というのもまた実際の現実だ。 主人公は東京山の手のお嬢様だけれど、その胆力には脱帽させられる。 始めは若気の至りだったのかもしれない捜索行動だったが、なんと青春の貴重な2年間を費やして、男を追って日本中を駆け巡るのだ。 これは相当な力仕事だと思う。 私ならまず、「金と時間がない」 と考えてあきらめるだろうことを、彼女はやってのける。 これがすごい。お嬢様だとか、金の有無とか以前のその情念が。 もちろん、水呑百姓の娘には考えることすらできないことだから、こちらの視点で見れば、あまちゃんだとしか言えないのだとしても。それでも。 心震える物語には間違いない。これが、「小説家の力」なのだろう。 堪能しました。ありがとう、乃南アサさん。 | ||||
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戦後の焼け跡から立ち直り、財を成した父親。 その家庭で大切に育てられた娘の婚約者が失踪した。 娘は泣いて暮らすばかりではなかった。 わずかな手がかりをもとに真実をさがす道のりは険しい。 心高鳴る1つの時代。 刑事という婚約者の職業。 特殊な設定ではあるけれど、 嵐を乗り越えようとする1人の女性の姿に心をうたれる。嵐はさまざまな形で人生に訪れる。 どんな時代にも、誰の人生にも。 大和撫子という言葉を思い出し、 久しぶりに感動した小説だった。 | ||||
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サスペンスというより、恋愛小説という感じ。主人公、萄子のあまりに純粋な気持ちにつきうごかされ、一気によんでしまいました。すっかり忘れていた恋愛モードに入ったような気分。 東京オリンピック前という時代背景も丁寧にかかれ、ちょっとした日本現代史を読んでいる気分です。 ぜひぜひ。 | ||||
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乃南作品としては、久々のヒット作。 結婚直前に姿を消した刑事。 何かの事件に巻き込まれているらしいその婚約者を必死で捜す資産家の娘。 その娘を優しく見守る兄の後輩。 自分の相棒だったはずの刑事に娘を殺されたベテラン刑事。 本当に失踪した刑事が犯人なのか? 読めば読むほど、どんどん物語に引き込まれてしまいます。東京オリンピックのあったその時代が、あらゆる角度から克明に記されていて、その時代を生きた人ならば、それだけで胸が一杯になるでしょう。 せつない恋の物語・・・。 この展開、下巻ではどうなっていくのでしょう? | ||||
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東京五輪の直前、結婚間近の刑事が殺人じけんにかかわり失踪。 一途に恋人を行方を追う婚約者の想い... また時代風景もさまざまな形で描写されていて その時代を生きた人には懐かしささえ感じられることだろう。 題のごとく、読んでいる間に自然に涙があふれてくる いい作品にめぐりあえたと思う。 | ||||
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自分の娘の離婚と石垣島への旅行で、萄子はかつての自分を思い出した。昭和39年の東京オリンピック前夜に挙式を翌月に控えた萄子へ婚約者であり刑事の勝が「ごめん、もう会えない」という電話を最後に姿を消した。そして後日、その勝と一緒に仕事をしていた韮山の娘が殺害され、殺害現場に勝の手帳の残されていたことから、勝に殺人事件の嫌疑がかけられてしまう。真実を求めるため、萄子は各地を飛び回り勝を探す一方、韮山も刑事を辞めて復讐のために勝を探し求めていた。全国各地を飛び回る中、孤独な旅の最後に宮古島で萄子は勝を捜し求め、意外な真実を知ることに……。 本書は乃南アサらしいサスペンスとして描かれていますが、全国各地と舞台が変わる中、萄子の揺れる思い、そして娘を殺害された韮山の思いが複雑に交錯し、更に事件背景が徐々にわかるに従い、物語も段々と佳境へと突入する展開は最後まで目が離せませんでした。事件の真相はラストで明らかにされます、勝がなぜ姿を隠さなければならなかったのか、そして事件の背景には何があったのかは、登場人物の思いと共に本文でじっくりと味わえます。最後のエピローグで、もう少し韮山のその後と勝のその後を描いてほしかったものですが、物語としてはしっかりと堪能できましたし、一気に読まされたサスペンスで、面白かったです。 | ||||
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お嬢様育ちだった萄子が、殺人犯の容疑をかけられて逃亡中の婚約者を探しに旅をする。ひたすら彼の無実を信じ、彼の最後の電話「俺のことは忘れてくれ」の本当の意味を探すために。なぜ無実の彼が逃亡生活を余儀なくされたのか、徐々に明らかになる事件の真相、そしてラスト。真っ直ぐに生きようとしてそれが叶わなかった人間の苦悩と、ひたむきなまでに愛した人を信じつづける力強さに感動します。 | ||||
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