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(短編集)
崩れる 結婚にまつわる八つの風景
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崩れる 結婚にまつわる八つの風景の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 21~40 2/3ページ
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貫井氏の初短編集で、いずれも結婚した、あるいは予定の男女をモチーフにした捻りの効いた短編が集められている。 いずれも所謂本格推理風味は全くなく、物理トリックや叙述トリックを駆使するよりは、プロット自体で引き付ける近年の貫井氏の作家性が早くも表れている。90年代に発表された作品群のため今の視点からだとありふれたモチーフに感じるが、発表当時はかなりタイムリーな題材を取り上げている。 結婚の負の側面に焦点を当てながらグイグイ引き込まれる。貫井氏の初期作としては推理風味の薄い作品だが、単純に物語として面白い。 | ||||
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著者のフアンで短編集ということで、読んでみたが、貫井敏郎の作品」としては、少し頼んない。小話集だった。 | ||||
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題名に惹かれて読んでみようかなと思いました。もっと、どろどろした感じかなと想像していましたが、そこまでではなかった。 なかに「世にも奇妙な物語」でみた内容の話があって原作かなと思いました。全体に読みやすくおもしろかったです。 | ||||
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タイトルとなった「崩れる」が秀逸だった。主人公の主婦が置かれた状況を見事な筆致で浮かび上がらせている。身勝手な夫と息子との息も詰まるような日常の苦闘がこちらの息が苦しくなるほど伝わってくる。素麺なんて…うだるような真夏のリクエストがどれほどうんざりすることか。そんなことは主婦のホンの日常の苦痛としてあしらわれているのが現状。それをちゃんと書いてくれたし、猛暑のバス停に取り残された主人公の人生への煮えたぎるような思いもまた、彼女の頭の中の沸点を如実に表してくれる。 加えて、その後の作品のどれもが高い水準であることがこの短編集の最大の魅力だ。 隣家の生ごみの臭いから隣の一家への妄想が膨らんでゆく「腐れる」など、本当にリアルだ。 最近では隣で殺人が行われ、バラバラにされ、あるいはミイラ化になっていることなど珍しくないのだから。 で、私の住むマンションでも消えた住人がいるんだよね、家族は一緒に住んでいるようにふるまっているけど…。 | ||||
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珍しい短編ということでしたが、貫井節炸裂であっという間に読み終えました。 | ||||
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貫井徳郎さんの初の短編集。貫井さんの短編は初めて読んだ。15年ほど前の作品なのだが、今で言うところの『イヤミス』である。どの短編も結婚生活の崩壊をテーマに嫌な後味を残す。読後に貫井さんの新たな一面を見た気がした。 | ||||
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数年前から貫井さんの長編小説に嵌り、最近の物はほぼ読んでいます。 短編集はないものか調べてみたら15年も前に書かれた、この作品に出会いました。 15年前に書かれたとは思えないくらい、今読んでも全く古めかしい感じもなく 8つの短編、どれも面白く読めました。 時代背景は15年前と様変わりしても、人間の持つ様々な感情は変わる事がないだけに、 全ての物語に感情移入しながら読めます。 以前、長編の時にも感じた事ですが、著者は女性以上に女性心理がわかる事も驚きです。 誰もが登場人物の誰かと似たような経験や気持ちを味わった事があるのではないでしょうか。 貫井さんには、又短編も書いて頂きたいと切に思います。 | ||||
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男性作家の書く女性にはどうしても「ファンタジー」入っているなぁと感じることが多いですが, (特に銀座で夜ぶいぶい言わせているであろう方々のは,) ファンタジーなしの女性が短編ごとに出てきて,貫井徳郎って何者と驚愕しました。 中年女性の哀感はもう涙なしには読めませぬ。 そして男たちの無力さにも,ただ立ち尽くすしかありませぬ。 結婚にまつわるというよりも,生活にまつわるサスペンスとミステリでした。 あぁ生活・・・ | ||||
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自註解説によると「短編のリズムがわからず」とあるが、なかなかどうして面白かった。 特に表題作「崩れる」の中で、暑い日に素麺をゆでていて積もり積もった不満が爆発するところ、友人の「いやになっちゃう」が「いいでしょう、羨ましいでしょう」に聞こえるところなど妙なリアリティが感じられて、本当にこれは男性が書いたものなのか一瞬疑ってしまった。 反対に独身男性の認識不足が現れたなと感じたのが、「誘われる」。「勤めを辞めて一日中家にいるというのも、あまりにも暇すぎて苦痛だった。」「暇を持て余していた」としきりに暇を強調しているが、歯もはえそろわない幼児を一人で育てる母親が「暇」なわけは決してない。閉塞感はあっても暇ではない。むしろ下手な仕事をしているよりずっと気の抜けない状態のはずだ。「外で働く=忙しくて大変、家にいる=暇で気楽」という図式に安易に走ってしまったな。こういう男性の思い込みが、若い母親たちを育児ノイローゼに追いやっている要因の一つだと思うのだけど。これじゃ杏子の夫とあまり変わらない気がする。女性の気持ちに寄り添っているつもりでいるぶん、かえって始末が悪いか。慣れない土地のマンションの一室で育児に明け暮れる母親の孤独を描いたがんばりは評価したいし、全体的には面白かったんだけど、惜しい。 | ||||
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8つの短編から構成されています。一つ一つの内容の完成度は高いと思います。考えさせられるもの、共感できるもの、ブラックユーモア等々いろんなジャンルが楽しめます。ただし「結婚にまつわく八つの風景」という副題に期待して購入すると期待を裏切られてしますかもしれません。この副題から結婚生活に望みを持てない人、あるいはこれからの結婚に期待を抱いている人のどちらかが手に取りそうですが、内容的にはそのどちらでもありません。比較的登場人物たちが新婚に近いという共通点はあるかもしれませんが、決して結婚生活から見えてくる風景を題材にしたものではありませんのでご注意ください。 | ||||
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女性の視点もさることながら、男性の視点もこれまたリアルに描かれている。 これ程、夫婦間のどろどろな嫌悪感をリアルに描いてものはあまり無いのではないだろうか。 未婚者は特に読むべし!! スタンディングオベーションしたくなるような傑作! | ||||
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著者の解説を読んで知ったのだが、本短編集はいずれも1994年から1996年に掲載されていた作品であるとのこと。にも関わらず、今読んでもリアリティが抜群でまったく違和感がなく楽しめた。 特にストーカーの話や、公園デビュー、留守番電話の話など、まだ当時社会問題になっていなかった話だったので新鮮だった。 個人的には表題作「崩れる」が一番好きだった。仕事をせず家でダラダラしている夫と成人した息子を養うために必死になってパートで働く主婦の話。夫のだらしなさや、夫と息子の妙な確執など笑える場面が多かったが、最後はヒヤッとさせられた。 | ||||
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人間だれでも現状に不満がある。 と言いきっていいのか分からないけど、 それなりに抱えているモノって、あるはず。 因果応報って言葉で、簡単に結論付けては いけないテーマがここにある。 自分で招いといて、不満を漏らすのはいけない とは思いつつも、そこには自分勝手な自分の 弱さを認めたくない現実もあるわけで・・。 今作は、こういった、よく日常にある出来事が、 一つ間違うと、あらぬ方向へ進み、取り返しの つかない事態に発展する可能性があることに 警鐘を鳴らす。 自分では気づかないうちに、よかろうと 思っていたことが暗転し、自らの気を病む ことまでありうる。 さりげない日常に潜む、現代社会の暗部と現実を 垣間見せながら、配偶者選びの妙、周囲の人間関係 の難解さを描いたプチ刺激集。 平凡で刺激のない、つまらない毎日こそ、人生の 安定期でもあるのかと、再考した作品である。 | ||||
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スリラー貫井の一面を垣間見た。怖い。怖すぎる。「追われる」なんて恐怖のあまり本を閉じてしまった。読み進まない(笑) 決して、悪い意味ではありません。でも続きを読む勇気が私にはありません。肝試しにどうぞ。 | ||||
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知っていましたか? この短編集はすべて本当は女性が書いているってこと。 まぎれもなく代筆であるということも それを「契約」が成されていれば読者を欺くことにはならないという法律がまかり通るということも。 こう公表されてもいいくらい見事。 こんなのは初めて。 この作品だけは別名義で作家名を明かさず「男性」からの目線。「おなべ」からの目線の続編を 編集者としてプロデュースしたかった。 結婚前に読むべし。 結婚してから読むべし。 我慢できなくなる。 契約書はない。 愛は、ない。 いや、ありすぎてこうなる・・・・・・。 | ||||
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危うい綱渡りの人生。そんな感じが良く描けていたのでは。 新聞やネットを賑わす犯罪や事故など色んな危険と隣り合わせで生きていると改めて思った。どんなに近くで生活していても本当の内面までは判り合えない。惰性で暮らすのではなく、周りにもっと気を配れと言われている様な感覚を覚えた。 | ||||
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夫と息子で悩む母、公園デビュー、結婚相談所、近所からの悪臭・・・「結婚」に何らかの形で関わる人々の逸話を集めた短編集。 ホラーあり、サスペンスありで、バラエティーに富んだストーリーで、現実的にあったら極めて恐ろしい話ばかりなのだが、皆、ごく普通の日常から派生しているだけにリアリティがあって恐怖感を誘う。推理小説というジャンルでは決して無いが、実に秀逸な作品揃いだと思う。 | ||||
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本当に貫井さんはうまい。こんなオムニバスを読むと、「やられた!」という感じになる。とりわけ「崩れる」のキレる奥さんの不気味さは秀逸です。この本を読んだ後は、つい我々亭主族は我が奥さんに対して言葉遣いも丁寧になろうと言うものです。 | ||||
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どれも身近な題材を選んでいるので、いつ自分に起こっても不思議でない作品が揃っている。 身につまされて、日々の生活を反省してしなうような作品もあった。 けれど、私が一番面白かったのは、最初の「崩れる」です。 質問に答える形で話は進んでいくのですが、少しずつ少しずつ小さな不満がたまって、それをずっと我慢している。それでもその日は朝から全てが自分に不利になっていて、何か些細なことをきっかけに、ぷつんと糸が切れる。 いや~寒気がしました。 貫井ファンではない人でも読んで欲しいです。 | ||||
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8つの短編集から成り、それぞれの題名も的を得ている。作者の貫井氏自身ご結婚されているのかわからないが、まだ比較的若いのに女性の心理がとてもよく描けている。私は常々日本の男性作家は女性が描けていない人があまりに多くてあきれていたし、そのためにあまり男性作家の本を読む気にならなかったが、この作者の鋭い洞察力、観察力には驚かされる。本のタイトルにもなっている「崩れる」はどうして最近の日本の女性はなかなか結婚しないのか、一体結婚生活に何が不満なのか?とマジで不思議だと思っている男性諸君に読んでもらいたい作品。私が一番好きな作品は「誘われる」。これは最後にどんでん返しがあり、思わぬ展開にやられた!と苦笑。この本も家事、育児にほとんど参加してない男性に読んで!もらいたい。貫井氏って女性にとってもやさしい人なのかも! | ||||
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