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ディミティおばさま幽霊屋敷に行く
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ディミティおばさま幽霊屋敷に行くの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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イギリスの田舎町で不思議な事件に挑み「優しい幽霊」ディミティおばさまに助けられながら人として成長して行く双子の母ロリの活躍を描く幻想風ミステリー第5弾です。まず本書を読み終えて今迄で一番ミステリーらしい仕上がりの力作だと感じました。また特に素晴らしいのは、この物語が現実と幻想のどちらにも解釈が可能な仕掛けが施されている所だと思います。でも本書でも犯罪や推理はあくまでも添え物であって、肝心なのは人情や真心といった人間の感情をきめ細やかに描いた部分であるのは今迄と全く変わらないと言えるでしょう。 蔵書の鑑定依頼を引き受け幽霊が棲むと噂される不吉なウィアードハースト館へと車で旅立ったロリは、いきなり悪天候に見舞われ土砂崩れで車が流されて生命の危機に瀕する。幸いな事に近くの山小屋に住む若い作家アダムに助けられたロリは命の恩人にまたもや心惹かれてしまう。やがて館で尊大な夫ジャレドと気弱な若妻ニコールと対面した彼女が早速蔵書の鑑定を始めると何やら曰くあり気な恋文を発見するのだった。 本書のミステリーとしての興味は古典的な幽霊騒ぎと極めて現代的な凶悪犯罪をミックスさせた対比の妙で、飛び切りの目新しさは無いですが何時も大人しいシリーズの中では異色でしょう。毎回お楽しみの動物ぬいぐるみですが、今回登場するのは軍服を着たクマの「テディ少佐」で最後に重要な役割を演じます。ディミティおばさまは家に住み着いている存在なので今度は出番が無いかなと思いましたが、何と「青い手帳」を届ければ出張が可能と解って驚かされました。今回ロリに屋敷を出る様に助言して拒否されても気を悪くせず見捨てずに寛容なのは流石に年の功だなと感心しました。またもやロリが夫ビル以外の男性に惚れるのは最早性格だから仕方ないと思いますし私としては悪い面ばかりを見ずに彼女の愛すべき資質だと思ってあげたいです。本書で感動したのは、苦しい状況の悲恋物語でも精一杯に貫かれた男女の愛、気弱だったニコールが愛に目覚めて逞しく成長した姿、そしてアダムの複雑な事情を全員で水に流し快く許してあげた優しさです。 本シリーズの邦訳は2年半の間に5冊で丁度半年に一冊の割合になっています。巻を重ねる毎に内容的にも充実し脂が乗って来ていると確信しますので、これからも変わらずに末永く楽しみにして読み続けようと思います。 | ||||
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