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レフトハンド
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レフトハンドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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最初に読んだのは小学生の頃だったと記憶している。角川ホラー文庫しか置いていなかった学級文庫(けったいだ)の中でも特に好きな小説だった。 あとがきでも触れられているが、「左腕が分離、自律して動き出す」というのは、B級ホラーやカルト映画のアイデアだ。 カルト映画の根城アメリカでは100年前に陳腐化したようなアイデアだが、日本でこのアイデアを大真面目に取り入れたストーリーというのはとんとお目にかからない。 その「左腕」を生み出す原因となった「LHV」の設定も見事だ。元々はスキンケア製品だったとか、ミクロ技術で生み出された「ロゴマーク」とか、ここらへんの設定はホラーというよりSF向けで、「なるほど、そういうふうに考えたのか!」というセンス・オブ・ワンダーを存分に味わえる。 「ミシシッピ」や「ロゴマーク」など、人を食ったような伏線に面食らった人もいるだろう。しかし、LHVによってこの世に生まれ落ちた「左腕」、それはカンブリア紀の生物の再生ではないのか?という仮説が、「ロゴマーク」の存在によって儚く打ち破られ、しかしとある人物との再会によって再び崇高なる希望を取り戻す―――この一連の描写はSFミステリーとしては秀逸で、とても楽しい。 海外のB級ホラーが全然怖くないのと同じように、この作品もホラーというにはあまりにも怖くない。あくまでそういう「ノリ」を理解できる人や、SFを楽しむ心のある人なら、存分に楽しめる小説だろう。一読の価値あり。 | ||||
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角川ホラー文庫、ホラー小説大賞、というのでホラー小説として期待して読むのはよくない。 SFとして完成しているし、ユーモアのセンスも秀逸。全てを放棄して「なんとなく綺麗」なラストに疾走していくあたりは青春映画のような読後感。 多分ホラー小説としては期待外れ。 ホラー小説大賞は『バトルロワイヤル』がかつて最終まで残っていたり王道ホラーとはかなり毛色が違うのかもしれない。 『バトルロワイヤル』も『レフトハンド』も小説としてカテゴライズがしにくい作品の受皿になる賞がないような気がする。商業的な必然なのかもしれないけど。 またホラーというイメージが先行して作者にとっては不本意であろう評価を受けているものに鈴木光司のリングシリーズがある。 | ||||
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レフトハンド (角川ホラー文庫) 『致死率100%』、『未知のウイルス』、『製薬会社』…こうしたワードから、 サスペンス溢れるウイルスパニック系バイオホラーを期待したのは、恐らく私だけではあるまい。 しかし、この小説の実態はバイオホラー風ブラックコメディ、とも呼ぶべき代物である。 収拾すべき事態を放り投げ、責任の押し付け合いに終始する人々と、何も知らない『イマドキ』の若者たち(※作品が執筆されたのは90年代半ばだろうけど、現代にもこうした若者たちは腐るほど存在しているかもしれない)と、自分たちの義務を放り投げ、好奇心やある種の野望から作品の舞台となる『三号棟』に足を踏み入れた者たち、そしてある種ぶっ飛んだマッドサイエンティスト、の四者がお互いの思惑に翻弄され、罵り合いながらも真実に近づき、最後には、謎の感動に溢れる結末を迎えるのだが、こうした登場人物たちの描写やら掛け合いやらが妙に生々しく、そのくせ作品のところどころに散見されるギャグが妙に笑えるのだ。 こうした『ヘンな登場人物』、『科学によって生まれた怪物たち』、『事態が収拾されるどころか、ますます悪化してしまう展開』、『衒学的要素』、『途中からは想像出来ないほどの感動的な結末』といった要素は、作者である中井拓志の作品中ではお馴染みのものであり、作者独特のシニカルめいた文体と一体となって物語を盛り上げるというのが作者の十八番となっていて、ファンの間では『中井節』などと呼ばれることになる。 話が脱線してしまったが、作中において登場人物が置かれた状況は、ほとんど笑い事では済まない事態となっている(何しろ、ウイルスがばら撒かれたら人類が滅ぶとされている)にも拘らず、彼ら登場人物はウイルスの出所やらカンプリアやら逃亡計画やらでてんやわんやとなっていて、良くも悪くも緊張感をあまり感じていないようなのだ(むしろ読者のほうが緊張感を味わうこととなる)。 そしてハッピーエンドともバッドエンドともつかない、しかし美しい結末であるが、これは読者によって好みが分かれるであろう。 と、褒めているのか、それとも貶しているのかわからない駄文を垂れ流してみたが、個人的にはこの作品は傑作と呼んでも良い作品である、と思う。 あの終わり方も、どっちつかず感がこの作品を一種の『終わらない物語』としている、とも考えられる。 ともあれ、この小説は大胆な設定と緊張感とシニカルな味わいを小説に求める方にオススメである。 | ||||
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人の一部分が暴れ回るという発想は素晴らしいが、内容はおどろおどろしいパニックホラーではなく地味な事実関係の追求なので 逃げ遅れた人にワッとクリーチャーたちが群がるといった作品を読みたい人にはあまりお勧めできない一冊 読んでいて一番気になったのは、重要っぽく登場するも頭の悪い行動を繰り返すだけの被験者たち もっと彼らに焦点を当て、脱出困難となった地下の安全地帯から二人で地上まで脱出するような王道ホラーにしていれば、もっと楽しい作品になったのではないだろうか 総じて評価できる点も多いが残念な点も多い作品だ | ||||
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文章力にはかなり難がある。 もう少し校正を加えた方が良いだろう。 だが作品自体の構成は非常に面白かった。 荒唐無稽さを麻痺させてやりきった感じもとても面白かった。 予想外と驚く程の仕掛けはないが、散りばめられたネタが飽きさせない。 ホラーではないが、感染モノ好きならば一読の価値アリだと思う。 | ||||
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まず、発想が良い。ウイルスに感染すると左腕がすっぽ抜け、そいつが生物のように動き回る。そしてその特徴は現代の生物に比類なく、遥か古代のカンブリア紀のおかしな生物達の特徴を持っている。こりゃまさに傑作だ。でも、アダムスファミリーのハンドってキャラクターもそんな感じだったな〜。作者はあれからヒントを得たのだろうか?文章の所々にジョークや面白い表現があり、恐怖に縮み上がるような印象は受けなかった。それにバイオハザードものと言う事で、ホラーというよりSFに近い分類じゃないかと私は思う。難解な部分が多少あるが読むのに苦戦する程でもない。文章に動と静の脈絡を感じた。ホラー何だけとホラーじゃなく。ホラーなんだけど面白い。 | ||||
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他の方のレビューでは評価が低いようですが、敢えて書きます。私がこれを読んだのは発売直後のハードカバーでした。当時は、パラサイトイブとか、リング、らせんとか、5分後の世界Uとか、バイオホラーやSFがはやっていた時期でした。そのような小説の中で特にカンプリア紀という進化の大爆発をネタに書いた小説というのは斬新でした。あとでカンブリア紀の生物の本をみたり、コンピュータ上で進化する生物(AL)等の本を読んで、ああ、そういうことだったのか、と何かがつながったような気がしました。さらに、「イントロンの悪魔 上下」を読むと関連した面白みが増すのではないかと思います。当時の2007年現在では大したものではなかったかもしれませんが10年前はゲノム解析がいろんな科学雑誌で話題になっていたので、ホラー小説としては面白くなくても、SFとしてなら面白みがあったんです。そういった意味では一定の評価をあげても良いのではないでしょうか。イントロン、カンブリア、進化、とかに興味があれば見ても良いと思います。 | ||||
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左手が分離する謎のウイルスを巡ってのドタバタ騒動。 指示語頻発の文体にどうなることかと思うが、話が加速し始めてからはノー問題。 何より事態を収拾しようとする正義漢が一人もおらず、登場人物全員が身勝手な行動をとる辺りが楽しい。 そしてラストには思いがけぬ叙情が。 | ||||
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製薬会社の研究棟がLHV(レフトハンド・ウィルス)と呼ばれるウィルスに汚染される。このウィルスに感染すれば、致死率は100%で、発症から死に至るまでに非現実的な症状を呈する。この症状はグロテスクすぎて、笑ってしまうほどであるが、その機序の説明は辻褄が合っていて、素人目には理にかなっているように思える。LHVはスキンケアの開発中に生まれたらしいのだが、そんなことも含めて、ストーリーは小さなどんでん返しの連続である。主人公は思い込みが激しく自分勝手で、その他の登場人物も、保身に長けたどうしようもない奴らが多く、ヒーローが登場する訳ではない。しかし、ラストシーンは切なくて美しい。 | ||||
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かなり面白い。ウィルスの特異性もさることながら、ラストの驚愕の事実は圧巻!イイ本です! | ||||
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