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ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ



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ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイの評価: 3.86/5点 レビュー 7件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.86pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

値段分楽しませてくれるが・・・

スパイスリラーとして、よく練られた構成で、どんでん返しもあり、水準以上の作品といえると思います。
とはいえ、主人公以外のキャラクターについての掘り下げが甘いので、シンプルにスピード感を出すことに徹するか、脇役のキャラクターをもう少し掘り下げるエピソードを足すかしたほうが良かったと思います。
同じ作家なら、残念ながら訳出が止まってしまいましたが、文春文庫から出ているヤルタブルーバードシリーズの「極限捜査」、「嘆きの橋」といった諸作のほうが面白く読めました。

ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ (上) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ (上) (ハヤカワ文庫NV)より
4150412243
No.3:
(5pt)

読み難さを理由にスルーしない、対策もあります

本書を読むに当たっては基本的な歴史的背景もさることながら、スパイ小説というジャンルの背景を理解しなければ評価を誤ると感じます。私自身、正直スパイ小説は門外漢で、スパイといえば007くらいしか知りません。つまりスパイ小説の黄金時代をまったく知らない人間なのです。スタインハウアーはスパイ小説の新しい物語を始めるにあたり、古典といわれるようなスパイ小説の様式美、醍醐味、嗜み方を読者に知ってもらいたかったのでしょう。それが上巻での読みにくさ、時間軸と人物関係の分かりにくさに繋がっているのだと思います。その分かりにくさも下巻に入ると一気に解消されストーリーが動き出します。思うに私たちは前半でスパイ小説の文法と特徴的な構造を学習させられ、その上でトータルでのスパイ小説を提示されたような気がします。つまり本書は過去からの繋がりのあるひとつのジャンルの転換点にある作品であるがゆえに、こうも前半読み辛いのだと思います。しかしその読み難さは本書の本質を損なうべき要素ではありません。ひとつの文法や文章構造になれていない読み手が苦痛なく作品を楽しむためには、ある意味反則ではありますが巻末の解説を一読していただき物語構造を少し理解した後に読み始めることをお勧めします。解説を始めに読んだとしてもネタバレはありませんし、前半のイラツキを経験しないだけでもずいぶん印象が変わると思います。しかるべき準備をした上で本書に触れ、スパイ小説の新世界の冒険をはじめようではありませんか!
ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ (上) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ (上) (ハヤカワ文庫NV)より
4150412243
No.2:
(4pt)

9.11 以降のスパイ活劇なんだが...

話が色々複雑そうに見えるんだが、結局は世界的暗殺者タイガーの成り立ちと、その死の原因を巡っての暗闘話らしい。
そのタイガーの殺られ方が、実際にあった元KGBがイギリスで病死させられた方法を模倣して小説に移植したようで、
更には、助かる可能性もあるのに拒否するとか、確実にとどめをさせないのに、なんでこんな方法を? 
国土安全保障省がロミを犯人に仕立ていきなり逮捕に走るのにはチョッと無理あるでは?
と首を捻っているが、まだ上巻のみ故、とりあえず☆は4。
それよりも問題は、バリバリの現在のスパイの物語のはずが、日本語になるとなんとも古臭い、読みにくい物語に感ぜられる事...
何故か?
所々の表現がなんとも古臭いと言うか、すぐに意味を把握できず、チョッと意味を斟酌する間が必要になる表記されていたり、
簡単な漢字の使用を避けた、<ひらがな>だけの会話言葉が多く、その為に読み進むテンポが乱されてしまう。
携帯電話をダイヤルする(ダイヤルはしないだろう)
陋巷(むさくるしい街では駄目なのか?)
人定符丁(合言葉で十分)
邪慳 (邪険と如何違いを出したいのか?)
震顫 (震え、でいいでしょう)
呻吟 (うめく、では駄目ですか?)
倉皇 慌てるで十分? 
駐さつ(漢字が出ない) 駐在と如何違う?
熾 (灰ではいけませんか?)
北京官語 (北京語でしょう)
千篇一律のレストラン (普通の、でいいでしょう)
火線に身をさらす/単騎でなければならない/言葉のひまひまに
(会話に火線とは?銃口では駄目なのか? 単騎なんて 会話で言われたら短期とか短気しか思いつかんだろう?端々とは違う?)
まだまだ、あります
P222 意図せざる自殺=事故死なのか?殺人か?
P231 頭をそったきれいな女 =空港のスキンヘッド女?
更には、逆で 簡単な漢字にはやたら<ひらがな>を多用
ばあい/おなじ/のこす/隠しごと/みつける/われわれ/いう/あくどいこと/
これらが、会話に多用されたら読みにくい事この上ない。
<このひらがな使いの多さに、何か特別な意図があるなら是非知りたいのだが...>
これらに特別の意図がないなら、訳者が相当の高齢の為かかる表現になったと愚考するが、本書はエンターテインメントで、
表現に格調を求めるより、筋運びとか、読者にわかりやすい会話のリアリティを優先、重視すべきではないか?
それでこそ、スピード感が増すと思うのだが、この調子で進んでゆくのかと思うと、物語への興味自体失われそう。
(前作でも同じことがあったが...)
さらには訳者の翻訳力自体をうたがいたくなる(あるいは不親切?)表現も散見されるのですが...
あっ、そうそう113P 7歳の 女の子が歌う<<蝋人形と、糠人形>>と言うオドロオドロシイ曲名だが、これは
poupee de cire, poupee de son<夢見るシャンソン人形>の事。これは勿論承知した上での表記?
そうであれば、一言付け加えてもいいのでは...
ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ (上) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ (上) (ハヤカワ文庫NV)より
4150412243
No.1:
(5pt)

あなたの睡眠を損なうおそれがありますので読み始めの時間に注意しましょう

プロットは複雑なのに抜群のリーダビィリティー。ツイストも複線もばっちり。エンディングも渋いっ。他人に自信を持って薦められる、素晴らしいスパイスリラーです。
 
映画向きの小説ですが、ビシッとしまった作品にするのは至難の業と見た。どこをそぎ落とすか、が問題。ジョージ、がんばれ!
ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ (上) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ (上) (ハヤカワ文庫NV)より
4150412243

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