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赤い夢の迷宮



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【この小説が収録されている参考書籍】
赤い夢の迷宮 (講談社ノベルス)
赤い夢の迷宮 (講談社文庫)

赤い夢の迷宮の評価: 4.00/10点 レビュー 2件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt

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No.1:
(5pt)

赤い夢の迷宮の感想

ゴッチ、ウガッコ、ユーレイ、Cちゃん、ココア、魔女、そしてぼく。
ぼくらは不思議な男OGの館に足しげく通ったメンバーだった。
街には殺人鬼出没の噂があり、得体の知れないOGを訪ねることに、大人はいい顔をしなかった。
しかし、ぼくらは普通やって悪いことを面白ければ平然とやってしまうOGに憧れのようなものを持っていた。
そんな夏のある日、ぼくらはOGの別荘に出かけた。
大人に黙って宝物を隠すという冒険に出たのだ。
しかし、そんなドキドキ感は地下室で「あれ」を発見したことで消失した。
その一件以来疎遠になって二十五年。
突如OGから招待状を受け取ったぼくらは集まった。
惨劇が待ち受けているとは知らないで―・・・

勇嶺薫氏初の大人向けミステリ。
普段ははやみねかおる名義で児童向けミステリを書かれているようです。
所謂クローズド・サークルものになります。
普段児童向けで書かれている方だからなのか、非常に読みやすい作品です。
とはいえ、大人向けミステリということで、なかなか歪んだ闇や毒があります。

オープニング
第一幕 昔―二十五年前
幕間  それぞれの歴史
第二幕 現在
終幕
エンディング
このような目次になっています。
第一幕で登場人物の子ども時代が記され、幕間で再会までの各自の変遷が記されます。
第二幕で所謂クローズド・サークルとなり、終幕で種明かしという流れです。
第一幕と幕間を読むと、皆子ども時代の純粋さを失い、社会の荒波に揉まれてどこか歪み荒んでいます。
その様が妙にリアルで時の残酷さを感じます。
ただ、せっかく幕間で人物像を多少掘り下げたのに、第二幕で特段それを活かしているわけでもない気がします。
一人ひとりの死があまりページをさかれることなく、あっさりしています。
せっかくのクローズド・サークルなのに疑心暗鬼に陥ったり、殺伐としたりはあまりしません。
クローズド・サークルを期待して読むと、少しガッカリするかもしれません。
決してページ数が少ないわけではないのですが、サラッとしている印象です。
エンディングのオチは好みと解釈が割れると思います。
個人的にはどこかおどろおどろしいオチで好きです。

良くも悪くも読みやすく、サラッと読める分、あまり印象に残らない作品かなと思います。
けれど、単純にクローズド・サークルの犯人探しではなく、そこは一工夫されています。
個人的には時の流れの残酷さの方が印象に残る作品です。


▼以下、ネタバレ感想

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あんみつ
QVSFG7MB

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