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グッド・バッド・ガール



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【この小説が収録されている参考書籍】
グッド・バッド・ガール (創元推理文庫)

グッド・バッド・ガールの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

犬以外、登場人物はみんな嘘つき

技巧を凝らした語りで「どんでん返しの女王」と呼ばれるフィーニーの第6作(邦訳は4作目)。10代、30代、50代、80代の4人の女性の複雑に絡んだ関係をあざといミスリードで幻惑し、意表を突くクライマックスで読者を楽しませるエンタメ作である。
娘のクリオにケアホームに入れられた80歳のエディスは、ホームの職員である18歳のペイシェンスとは馬が合い、その助けを借りて脱出を計画していた。ペイシェンスは事情があって本名を名乗れず、低賃金の不安定な仕事を我慢せざるを得ない状況だった。テムズ川に浮かぶボートで暮らす38歳のフランキーは一年前に家出した娘を探すために、現在の全てを捨てる覚悟で行動を開始した…。
エディスのホームからの脱走、それと時を同じくして起きたホーム施設長殺害事件、この2つを軸に4人の女性たちの交互に絡み合った事情が徐々に解き明かされていく。ミステリーとしては殺人事件が起きるのだが、それより4人の関係性の方がミステリアスで比重が重い。登場人物が全員、嘘をついているようで読者は常にセリフの裏を読みながら関係を探って行くことを強いられる。そこが本作の肝であり、物語の始まる前の一文「世の母親と娘たちへ…」が示すように母と娘の物語である。
前半はちょっと混乱するが4人の関係がぼんやり分かってくる途中からはリーダビリティも良くなり、最後にはそれなりのクライマックスが待っている。
あざといまでの技巧を凝らしたストーリーが違和感なく楽しめる方にオススメする。

iisan
927253Y1

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