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(短編集)

きこえる



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きこえる

きこえるの評価: 6.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
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No.1:
(6pt)

きこえるの感想

小説を用いた新しい読書体験作りを感じた一冊でした。

『いけない』シリーズでは最後のヒントとして写真画像を見せて読者に真相を推理させる話となっていましたが、本作はそれの動画バージョンです。小説中にYoutubeへのURLが書かれたQRコードがあり、そこからYotubeにて最後の手掛かりとなる音を聴くわけです。
ちょっと悩ましい所は音を聴けばすぐに真相がわかるという訳ではありません。あくまで最後のヒントとなるもので、音を聴いてそこから読者が真相を推理する必要があります。ゲームブックや謎解きゲーム/イベントに参加している感覚なので自分で謎を解くのが好きな人向けです。言い換えると『いけない』シリーズと同様に真相は描かれていないので、結末が分からずスッキリしない作品でもあるのでそれが好みではない人には不向きです。
他、普段読書をどこでするのかが影響する作品です。私は電車移動中や外出先で読書をする事が多い為、外では結末の音が聴けず家に帰ってから動画を見るという手順だった為、没入感が途切れました。『いけない』シリーズだと読書のまま画像が見れたのですが、本書は動画を再生する必要があるので悩ましい所でした。本書は家でじっくり読むのに適してます。

5作の短編集ですが、個人的には『ハリガネムシ』が一番良かったです。本書の音に関する物語と仕掛けがマッチしていますし、抑揚のある音声を聴いたからこそわかる真相や心情が見事です。物語の内容は作者らしく重苦しいのがちょっと苦手ではありますがミステリと本書の音のテーマには一番マッチしていると感じました。

その他本書のおもしろい所はYoutubeの再生数ですね。ある意味読者数の集計ができるわけです。出版部数に対しての再生数の動きをちゃんと解析していけば、読者の広がり、中古や図書館での読者数、著者のファン数の推測値、文庫化した時の動きなど、分析に活用できるなと思いました。

egut
T4OQ1KM0

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