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喪われた少女



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【この小説が収録されている参考書籍】
喪われた少女 (小学館文庫)

喪われた少女の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

荒涼たるアイスランドの風土が眼前に現れる、悲しいドラマ

アイスランドの人気ミステリー「フルダ・シリーズ」三部作の第二弾。10年の歳月を経て発生した2件の殺人の謎を解く、本格警察ミステリーである。
1987年、人里離れたフィヨルドのコテージで若い女性の死体が発見され、警察は被害者の父親を逮捕する。10年後、被害者を追悼するために絶海の孤島に集まった4人の男女の一人の女性が崖から転落死した。この事件の担当を買って出たフルダ警部は、当初は事故ではないかと想定していたのだが、残された三人の若者から事情聴取すると彼らが何かを隠していると直感する。物証となるものはなく、三人の証言だけを頼りに捜査を進めたフルダは、二つの事件のつながりと隠された闇を見ることになる・・・。
現在から過去にさかのぼっていくという珍しい構成の三部作で、本作は第一作の15年前が主舞台となり、事件解明と並行して50歳で天涯孤独となったフルダ警部の生き様が描かれており、第一作で定年間近のフルダが、なぜ孤独な生活を送っていたのか、その理由が明かされている。北極海の孤島の小国・アイスランドでの警察という男社会で奮闘するフルダの人間ドラマも、本作の重要なテーマである。とはいえ、本格的謎解きミステリーとして傑作であることは間違いない。
シリーズ・ファンには必読。さらに本作から読み始めても十分に楽しめるので、警察ミステリー・ファンにもおススメしたい。

iisan
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