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シスターズ・ブラザーズ



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シスターズ・ブラザーズの評価: 6.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

流される血の多さの割に、悪くない読後感

聞いたことが無い作家だし、ブッカー賞の最終候補作になったという触れ込みなので、果たしてミステリーと呼べるかどうかと疑問を持ちながら読んだのだが、そんなジャンル分けがまったく無意味に感じられる、非常に面白い小説だった。
ちょっとふざけたタイトルの意味は、チャーリー・シスターズとイーライ・シスターズの殺し屋兄弟が主人公だからという、ひとを食ったところが、この作品の奇妙な風合いを良く表しているといえるだろう。
物語の舞台は、1851年のゴールドラッシュに沸き返るアメリカ西海岸。凄腕の殺し屋兄弟「シスターズ・ブラザーズ」は雇い主である“提督”から請け負った、ある山師を消す仕事のためにオレゴンからサンフランシスコへと旅立って行く。一獲千金を夢見る男達が集結した半ば無法地帯で、凄腕兄弟は知恵と度胸を駆使して暴れ回り、苦労の末に目的の山師に遭遇する。そして二人は・・・
言ってみれば、一種の西部劇であり、悪漢小説であり、青春小説でもあり、アクションミステリーでもあり、ユーモア小説でもある。最初から最後まで血まみれで、数え切れないほどの殺人が、それも非情な殺人が描かれているにもかかわらず、それほど悪い読後感ではなかった。その理由は、一人称語りで物語を進めて行く弟のイーライが人の好さを残した憎めない悪人で、苛酷な環境の中でも新たな生き方を見つけようとする、ある種の成長物語とも読めるところにある。
「面白い小説」をお探しの多くの方にオススメしたい。

iisan
927253Y1

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