昭和十年一月、書下し自費出版。狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成する。

書簡体形式を用いた独自の文体で読者を幻惑させる、唯一無二の怪奇探偵小説の名手・夢野久作。

黒死館の当主降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。

昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。

推理小説マニアの大学生・曳間が、密室で殺害された。しかも仲間が書いている小説の予言通りに。

精神病院を退院して三日後に出会った男に、贅沢な旅を約束され、パリにやって来たマチコ。

怪奇探偵小説作家の中で最も比類のない魅力に富んだ作家のデビュー作「完全犯罪」を始めとして代表的短篇を収録した一冊。

D坂の古本屋の細君が殺された!その死体には生傷がたくさんあった!D坂のカフェー白梅軒で知り合いになったわたしと明智小五郎は、犯人さがしに懸命になった。

見るも無残に顔が潰れた死体、変転してゆく事件像(『石榴』)。

日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。

本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加

売れないもの書きの廣介は、極貧生活ながら、独特の理想郷を夢想し続けていた。

本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加

全身の細胞がうめき声をあげる。怪奇・幻想世界への禁断の誘い。

全身が粟立つ、恐怖世界の万華鏡! あっしの洋行の土産話ですか。何なら御勘弁願いたいもんで。

本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加

モリーは14歳、天性の語り手だ。

近いうちにこの切っ先が、私の手の内で何人かの血を吸うであろう……。

社交界の花形で、腕に黒いトカゲの刺青をしたその女は、実は「黒トカゲ」と呼ばれる暗黒街の女王、恐るべき女賊であった。

ガブリエル・ゲイルは風変わりな詩人画家であるが、いくつかの怪事件を解決した名探偵でもあった。

妖艶な美貌と大胆なふるまいで暗黒街の女王として君臨する「黒蜥蜴」。

女性ばかり四人の死体が京都市内の長屋で発見された。

盲目の三味線師匠春琴に仕える佐助の愛と献身を描いて谷崎文学の頂点をなす作品。

青春は暗いものだ。厭世の彼方に希望の光を見いだした、安吾の傑作 青春ほど、死の翳を負ひ、死と背中合せな時期はない――。

同情は美しい? それとも卑しい? 優しくたって、美人だって、幸せになるのは一苦労。第6回大江健三郎賞受賞作。

木々高太郎全集〈5〉わが女学生時代の罪ほか (1971年) [Jan 01, 1971] 林 髞

仕事と結婚に失敗した中年男・荒井尚人。今の恋人にも半ば心を閉ざしているが、やがて唯一つの技能を活かして手話通訳士となる。

密室状態での恋人の死に始まり、その調査を依頼した素人探偵まで、衆人環視のもとで殺された蓑浦は、彼に不思議な友情を捧げる親友諸戸とともに、事件の真相を追って南紀の孤島へ向かうことになった。

いたるところから恐怖は我々を狙っている。

瀬戸内海に浮ぶ獄門島-南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人事件が起こった。

探偵小説を愛し、戦争中は仲間と犯人当てゲームに興じた安吾。

鼓作りの男が想い焦がれた女性へ、嫁ぐ時に贈った自作の鼓。その音色は尋常とは違い、皆を驚かせた。

昼とは全く別の姿をした、真夜中の東京“大都市T"。

北陸・敦賀湾沖の海難事故で、ロシア・ロマノフ王朝のダイヤモンドが忽然と消えた。

日本の美学の底には「暗がり」と「翳り」がある。

M県のI湾に浮かぶ沖の島に突如として出現したものはなんであったか?富豪菰田源三郎と瓜二つの小説家人見広介は、源三郎が死んだのを幸いに源三郎になりすまし、菰田家の莫大な財産をもって、おのが空想した夢のパノラマ島をつくりあげた。

幻想と怪奇の作家ラヴクラフト。

降りしきる薔薇のはなびらで窒息することを夢見て、縊死した劇団員を描いた「薔薇忌」、水を汲んだ桶を覗きこむと、その人のために祈ってくれているなにものかが水に映るという「祷鬼」、現実のセックスでは不感症であるが、眠りの中で濃密な性の悦びを得られるという女を描い

湖から屍蝋が上がった―。小さなバーのママと常連客は、そのニュースに激しく動揺する(「水底の祭り」)。

名探偵帆村荘六、再び帝都に帰還! 科学知識を駆使した奇想天外なミステリを描いた、日本SFの先駆者と称される海野十三。

外務省書記官夫人である佳子は、美しく才能豊かな女流作家としても知られていた。そんな佳子の元へある日長文の手紙が届く。

戦前の本格派を代表する三作家の一長編一中編五短編を収録した。

島から一歩も出ることなく、判で押したような平穏な毎日を送る人々を突然襲った狂乱の嵐「東風」。

ウラジオストックの乞食紳士が語る、ロマノフ王家の宝石にまつわる美しくも怪奇な物語とは。

戦前の本格派を代表する三作家の一長編一中編五短編を収録した。

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館―通称「斜め屋敷」。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

『黒死館殺人事件』で有名な博覧強記の名探偵・法水麟太郎。

『日比谷公園の鶴の噴水が歌を唄うということですが一体それは真実でしょうか』――昭和九年の大晦日、銀座のバーで交わされる奇妙な噂話を端緒に、帝都・東京を震撼せしめる一大事件の幕が開く。