小さな雑貨卸売会社に勤める28歳の会社員。毎日、目の回るような忙しさだが、その奇妙な電話は、仕事中にかかってきた。

丘の上に建つ五軒の家。

19歳の女子大生・真鍋今日子は、恋人木村の甘い囁きを頼りに、心中をほのめかす書き置きを残し、失踪した。

夕闇の教会に現れた若い女。死を冒涜するかのような彼女の告白が、神父の心を乱す―。

名門女子学園に赴任した若い女教師はいきなり夜の池で美少女を救うことになる。

「庭…」―それが精神科医・大崎の最期の言葉だった。

“私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。

こんなはずじゃなかったのに――。平和な日常が反転する傑作短編集。

押しに弱く、彼氏の坂西と別れられず困っていた歩美。

洗濯機で女性が感電死する。製造元のK電気工業は欠陥を認めず、非難される。

森はすべてを見ていた。

会社は倒産、負債は5億―。窮地に追い込まれ、一家心中を決意した白浜省一は、見知らぬ男から不可思議な依頼を受けた。

突如、大地震に襲われた“町”。道路が遮断され、15軒の家が完全に孤立した。

お前は今日から川中歩美だ―少年院を出たその日から、私は財閥令嬢の身代わりとなった。

「三十年。タイム・カプセル。

雪に埋もれた別荘で、ひとりひっそりと暮らす作家・伊波伸二。彼のところに、記憶をなくしたという美少女が迷い込んできた。

経営コンサルタントとして活躍する山上忠男の前に、かつての恋人・美沙が現れた。「私の恋人を助けてほしいの」と―。

女子高生の紀子・栄江・真由美は、幼い頃からの親友同士。

16歳の女子高校生・令子は、ある夕暮れ時の小径で、白いドレスの女性と出会う。

人間って、本当に馬鹿だわ。見当外れのことでわざわざ、私たちを駆り立てて…。

高校一年の大宅令子は、編入先の全寮制山水学園へ向かっていた。同行する父は警視庁捜査一課の警部。

近未来、急速に軍国主義化する日本。少女だけで構成される武装組織「プロメテウスの処女」があった。

売れないシナリオライターだった大多の毎日は、人気女優あやめの主演ドラマを手掛けることで、一転する。

その日、郁子が小学校から帰ると、お姉ちゃんが死んでいた。そして通夜の晩、死んだはずの姉から告げられたショッキングな事実。

万年係長だったパパが、会社で課長昇進試験を受けることになり、曾根一家は大騒ぎ。

あの人、死のうとしている―。

大晦日に開かれるクラシック・コンサートの手伝いをすることとなった杉原爽香。

N大ワンダーフォーゲル部、秋のキャンプ。奥多摩の山中に白い雨が降った。

サラリーマン・利根は、大学時代の同級生・野川からドイツ土産に“ベルリンの壁のかけら”を受けとった。

北里財閥の当主浪子は、19歳の一人娘、加奈子に衝撃的な手紙を残して急死した。

“辻海運”の社長令嬢・希世美は、S女子大の三年生。何不自由なく育ち、大学生活を楽しんでいたが、突然父親の会社が倒産。

宇野警部と永井夕子が夏休みに滞在中の湖畔のホテルで、アルバイト学生がナイフを胸に突きたてられた死体で発見される。

不動産営業マンの太田が、 念願の土地を売ってもらうために倉橋老人の家を 訪れると、そこには倉橋の死体が! 思わず逃げ出し、太田は指名手配されてしまう。

小さな村を飛び出し、東京でモデルとして活動する片桐早苗。

テニス同好会の合宿中、妻子ある雇問と火遊びの後、何者かに殺された“彼女”が、後輩たちの前に現れて「私を殺した犯人を捜して」と(幽霊はテニスがお好き)。

辻山は探偵事務所に勤める43歳。責任感もありまじめだが、やることはドジばかり。

「探してくれ、熊の人形を。

大財閥永山家の屋敷には、女当主・志津の70回目の誕生日を祝うため、家族が続々と集まっていた。

もし、私の声が母に似ていなかったら、何も起こらなかったかもしれない。でも、そんなことを今さら言ってみても仕方がない。

祐子の母は、父を裏切って家出をした。それを苦にして、父は自殺してしまう。

観劇に訪れた正統なる吸血鬼の末裔フォン・クロロックとその娘で人間とのハーフであるエリカ。

ナース仲間の久江、和子、千寿の三人は、休暇を取ってヨーロッパへ。ライン川の遊覧船で、初老の紳士が具合を悪くした。

伊原ユリ、四十一歳。夫は目下入院中。

金森咲代は、とある女子校の創立者で現在も校長、理事長を兼任している。一方、夫の進二は、常に妻の付属品扱い。

今日、パパが死んだ。昨日かもしれないけど、私には分らない。

木立ちに囲まれた静かなペンション“三人姉妹”。

9月。台風が近づいてきている中、山間の町に住む高校2年生の須川安奈は、母とともに体育館へ避難する。

大学の写真部に所属している佐古川綾子が撮った1枚の写真の中に、写真部顧問・衣笠教授の行方不明だった息子が写っていた。

暴走する権力に、抗え。

赤ん坊のときに捨てられた美帆。だが、心優しい治子に育てられ、すくすくと成長した。

さっきまで乳母車にいた娘、珠代が誰かに連れ去られた!未婚の母で元刑事の羽根栄枝は、うろたえた。

地味なOL生活を送っていた七代が、ついに出会った理想の男性、安人。

一度しかない16歳の夏、私とママは再び海辺の別荘にやってきた。3年前にあの「事件」が起こった場所だ。

工藤ちづるは、資産家の伯父を持つ安井努と交際している。

宇野警部と恋人の女子大生・夕子がレストランで食事をしていると、一家皆殺しの犯人がすぐそばの席に! 名コンビが活躍する全五篇。

正統な吸血鬼であるフォン・クロロックとその娘のエリカは、ある日、住宅街で少年に助けを求められる。