1961年5月、ドミニカ共和国。31年に及ぶ圧政を敷いた稀代の独裁者、トゥルヒーリョの身に迫る暗殺計画。

女性は人類に入らないとされていた十九世紀半ばのヨーロッパで、虐げられた女性と労働者の連帯を求めて闘った革命家フローラ・トリスタン。

テロが吹き荒れるフジモリ政権時代のペルー、リマ。

夢と現実のあわいに浮び上る「迷宮」としての世界を描いて、二十世紀文学の最先端に位置するボルヘス(一八九九‐一九八六)。

その男は死んでいたはずだった―。何十年も前、忽然と映画界から姿を消した監督にして俳優のヘクター・マン。

旅先で見つけた一冊の書物。そこには19世紀にスコットランドの村で起きた悲惨な出来事が書かれていた。

謎の作家アルチンボルディを研究する四人の文学教授、メキシコ北部の国境の街に暮らすチリ人哲学教授、ボクシングの試合を取材するアフリカ系アメリカ人記者、女性連続殺人事件を追う捜査官たち…彼らが行き着く先は?そしてアルチンボルディの正体とは?2008年度全米批評

「握りつぶされた真実を告発すること」を目的とした新聞の創刊を目指し、パイロット版として「ヌメロ・ゼロ(ゼロ号)」の編集に取り組む記者たち。

合衆国南部のキリスト教原理主義組織と、中南米一円にはびこる麻薬ビジネスの陰謀。

アルゼンチン軍事独裁政権下で警察権力の暴虐と教会の硬直化を激しく批判して発禁処分、しかしスペインでラテンアメリカ出身作家として初めてプラネータ賞を受賞。

男は武装強盗で20年の懲役刑に服していた。だが白昼に脱獄し、オーストラリアからインドのボンベイへと逃亡。

聖遷暦1213年。偽りの平穏に満ちたエジプト。

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。

ふるさと祭りで突発した、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。

私の父は、52歳で離婚し、ニューアークの家で、ひとり孤独に死んでいった。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

1976年、ソノラ砂漠から戻った二人の詩人、アルトゥーロ・ベラーノとウリセス・リマは、メキシコを離れ、それぞれヨーロッパに渡る。

失踪した友人を探してインド各地を旅する主人公。彼の前に現われる幻想と瞑想に充ちた世界。

私立探偵マーロウは、ある弁護士からひとりの女を尾行し宿泊先を報告せよと依頼される。

フロンティア消滅直後の19世紀末アメリカ。飛び立つは謎の飛行船“不都号”。

「むかし、あるところに、マーリアという名の売春婦がいた」。マーリアは、ブラジルの田舎町に育った美しい娘。

日本の美学の底には「暗がり」と「翳り」がある。

ある夏の日に突然、かつての恋人から遺産のゆくえを託された若妻エディパは茫然と立ちすくむ。

1980年、フランスの哲学者、記号学者のロラン・バルトの交通事故死のニュースが世界をかけめぐった。

華氏37度で変わらぬ外気、階下では終わらぬパーティ。