軍靴の音が忍び寄る昭和9年。かすかな地響きをあげ、数多の自転車が中山道を疾走する。

石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。

東京から青森まで―緑まぶしい五月の国道四号線を完全装備の自転車でツーリングする中年グラフィク・デザイナー、桐沢風太郎。

かつて狙撃兵として国のために戦った男がふたたび立ち上がる。愛しい人を守るため囚われた過去へ銃を撃つ。

11年前、抜刀術・名雲草信流本家を悲劇が襲った。末の妹・綾が放火により焼死してしまったのだ。

風のように道をゆく雲水僧・雲海は、山中で出会った大学生・加賀の窮地を救ったことから、謎のひき逃げ事件と背後に潜む陰謀を暴く手助けをする。

“竜門猟犬探偵舎”に奇妙な依頼が舞いこんだ。

始まりは深夜の電話だった―。七年前に別れた久瀬の息子の慶太が誘拐された。

七年前、正平が十歳のときに、当時、高校二年生だった姉の美花が失踪した。以来、家族はバラバラになってしまった。

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。

警視庁公安部に属していた奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くし、退職を決めた。

「殺る前に、一つだけ面白い話を聞かせてやろうか。

400日ぶりに東京に帰ってきた私立探偵沢崎を待っていたのは、浮浪者の男だった。

殺人罪の時効は十五年。もうまもなく時効が成立する男が、いまお前たちの目の前にいる。

遺作。『今夜も木枯し』の続編、最後の書き下ろし。

人を撃てる、こんな機会を誰が断わるか―。

失踪した猟犬探しを生業とする探偵・竜門卓の事務所に、盲導犬の行方を突き止めてほしいという仕事が舞い込んだ。

他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。

言葉は交わせない。ずっと一緒にもいられない。

地方回りで古い百科事典を売り歩く―俺はしがない行商人。

“犯罪被害者家族の集い”に参加した女性2人の惨殺死体が、東中野の教会で発見された。

一九七九年の山口県岩国市―警察を辞めた椎名高志のもとに、刀根奈津子の自殺の報が届いた。

刑事くずれの探偵・鬼束啓一郎は、ヤクザの次男坊・仁科英雄に依頼され、謎の殺し屋“ミスター”を探すことになった。

あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った。

黒滝誠治警部補、非合法な手段を辞さず、数々の事件を解決してきた元凄腕刑事。現在は人事一課に所属している。

残月の郎次―昼は廻船問屋の番頭、夜は裏金融を牛耳る儀平一味の大幹部。

過去を隠し、人目を避けて山奥で暮らす榊原健三の許に、かつての暴力団仲間が現れた。

海に浮かぶ「密室」殺人者はここにいる。昭和34年。

無茶苦茶な誘拐事件だった。身代金が金塊二トン(時価32億)。

自殺とされた夫の死の真相に迫る警視庁上野署の八神。

あいつらは飢えた狼だ―― この世を地獄に変える 凶悪軍団vs復讐を期す刑事 目をそむけたくなる冷酷な連射……。

容姿端麗ながら暴力も癒着も躊躇わない激烈な捜査で犯人を挙げてきた警視庁上野署の八神瑛子。

躊躇なく被疑者を殴り、同僚に低利で金を貸し付けて飼いならし、暴力団や中国マフィアとも平気で手を結ぶ――。

経歴不詳の美人社長・野宮が率いる人材派遣会社『NAS』。社員は元警官や元自衛官の屈強な男たち。

学校では問題児扱いだが映画が大好きな中学生、翔一と知り合い意気投合した(俺)。

都内でトカレフを使った連続強盗殺傷事件が発生、暴力団関係者三名が死亡した。

日航機墜落事故から十年、かつて警察官として遺体確認の現場指揮を執った父の突然の死。

海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。乗組員は全て死亡したと聞く。

みんなに愛されていたオカマのマサコちゃんが、めった打ちにされて殺された。

かつて“七つの海の白い女王”と歌われたシリウス号。客船としての使命を終え、今は船上ホテルとして第二の人生を送っていた。

時は七世紀末。先の大王から疎まれ、不遇の時を過ごした藤原不比等。

株式公開を目指せ、その後で株を売れ。かつての地上げと同じ方程式がそこにある―。

バーのマスター斎木章の裏の顔は、盗みのプロ。一年前のヤマで相棒と恋人を失い、いまは傷心の日々を送っている。

ボクサー崩れの酒井は、恩人・津村のパチンコ店で働く釘師。

なにがあった? なにをした? どうして追われている? 警察から追われ、刺客に命を狙われながら、白馬岳を越えて日本海を目指す。

かつては神宮球場のヒーロー、プロ野球の世界ではノーヒットノーランを達成。

新型ドラッグの卸しにより急成長を遂げたマフィア組織で、刈田誠次は武闘派として暗躍していた。

アイヌの木彫り作家と孫娘の家に男が訪ねてきた。穏やかな日常と消せない過去。

3基の原発が立地し、原発マネーに依存する北海道・道南市。

「女は穴だ」なんて俺は本当に馬鹿だった。魂の兄弟、そして夢の女と健気なガキ。

辞令がなければ、函館に戻るつもりなどなかった。刑事田原稔は、正式な函館西署着任の前日、殺人事件発生の報を受ける。

幼い頃の事故により、人並みの感情が欠落している小田垣観月。

ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。

ちんぴらに袋叩きにされて、“俺”は入院した。そこで偶然、病院の付添婦をしている昔の恋人と再会。

「極道は身代金とるには最高の獲物やで」。大胆不敵な発想でヤクザの幹部を誘拐した三人組。

経産省とフォン・コーポレーションが進める日中合同プロジェクト『クイアコン』に絡む一大疑獄。