夜想曲(ノクターン)



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初公開日(参考)1999年08月
分類

長編小説

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夜想曲(ノクターン) (角川文庫)

2001年08月24日 夜想曲(ノクターン) (角川文庫)

同期会が催された山荘で三日三晩に三人のメンバーが絞殺された。俳優の桜木も会に参加していたが、なぜか、その間の記憶が抜け落ちていた。ただ、ひとつロープで他人の首を絞めた生々しい感触を除いては…。そしてその追い打ちをかけるように何者かからワープロ原稿が送られてきた。そこには空白の三日間が小説として再現され、桜木を真犯人として断罪していたが…。トリック&ロジックの本格派が新たに叩きつける「読者への挑戦状」。長編ミステリ。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.25pt

夜想曲(ノクターン)の総合評価:7.47/10点レビュー 15件。Bランク


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全8件 1~8 1/1ページ
No.8:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

作者唯一の文庫化作品

依井貴裕氏は1990年に『記念樹』という作品で当時東京創元社が出していたミステリ叢書からデビューした本格ミステリ作家である。つまり新本格ブームの中、数多くデビューした作家の1人と云えるだろう。

そのペンネームを音読みすれば「イイ キユウ」、すなわちエラリー・クイーンのイニシャル「E.Q」になることから、この作家の持ち味はあくまでロジックに徹したミステリであり、同じくクイーンを尊敬する有栖川有栖氏の目指すところは一致している。

さて私にとって彼の作品を読むのは本作が初めてなのだが、実に端正な本格だというのが正直な感想。上に述べたように推理はロジックの積み重ねで整然と解かれていく。

休業中の俳優桜木和巳の許へ送られた手紙には数ヶ月前に旧友たちと山荘に集まり宿泊した3日間に起きた連続殺人事件の顛末が小説風に綴られていた。桜木には当日の記憶が一切ないが人の首を絞める感触が実に生々しく残っていた。そしてその文書には桜木が犯人であると告発していた。

この20世紀末の時期、日本の本格シーンにはこういった手記に隠されたトリックを解き明かす類のミステリが一つのジャンルのように作られた。
法月綸太郎氏の『頼子のために』、島田荘司氏の『眩暈』、そして叙述トリックの雄、折原一氏の一連の作品群・・・。
傑作も多いことからこのような題材は本格ミステリ作家ならば一度は挑戦したいと思うのだろう。依井氏がそのジャンルに挑戦したのが本書である。

確かに一見普通の手記のように読み取れるが、なんだか解らない違和感がある。しかしそれがなんだか解らないまま、190ページ弱読み終わり、読者への挑戦状が挿入される。どうにも解らないまま解決編に行くと思いもよらないトリックに驚かされる。

このトリックはネタバレになるので具体的には挙げないが、同趣向の作品と同様のトリックである。しかし無駄の一切ない内容で実にコンパクトにまとまっており、それが故、疑うことさえも難しくなっている。

また真犯人の正体も実に意外だが、当時のミステリ文壇の流行を取り入れた内容になっている。
しかしこの頃すでにこの題材は手垢にまみれていたからさほどの衝撃はなかったのかもしれない。

また探偵役の多根井理のキャラクターが平凡で単純なロジックマシーンになっているのが惜しいところ。理路整然としたロジックもいいがやはり作品として一歩抜きん出るにはトリックの衝撃はもとより、魅力的な探偵というのが必須であることを痛感させられる反面教師のような作品になっている。

しかしこの作家のクイーンへの傾倒ぶりはかなり熱いものだと感じられる。なんせ「読者への挑戦状」も挿入されているのだ。

また先に述べた自身のペンネームに加え、作品の探偵役であるミステリ作家多根井理の名を見て思わずニヤリとしてしまった。エラリー・クイーンのコンビであるフレデリック・ダネイとマンフレッド・リーのそれぞれのラストネームを当て字にして名前にしているのだ。
他にもバーナビー・ロスの当て字をした登場人物がいるのではないかと目を皿のようにして読んだのだが、さすがにそれはなかったが。

さてこの依井氏、1999年発表の本書以降、新作を発表していない。おそらく公務員との兼業作家であることがその大きな要因であるのだが、数多消えていったミステリ・エンタテインメント作家と違うのは今なお『このミス』で近況報告がされていることだ。そこには次回作のことは一切書かれていないが毎年何がしかの報告がなされているということは再びペンを執る気持ちが残っているからだと推察する。それを期待して新作の発表を待つことにしよう。

それよりも東京創元社ですでに発表された『記念樹』、『歳時記』、『肖像画』といった一連の作品を文庫化してほしいものだ。頼みますよ、東京創元社さん!


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Tetchy
WHOKS60S
No.7:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)

夜想曲(ノクターン)の感想

本格だと思って真面目に読んで考えた。
バカミスならこうなるだろうと思ったら
正解。
人にすすめることはできない。


jethro tull
1MWR4UH4
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

夜想曲(ノクターン)の感想

ロジックに酔ってください!!

この作者の作品は初読でしたが、あの泡坂氏の弟子なんですね。
「読者への挑戦」付きの本格推理小説。凄い奇術を見せてくれました。
ある意味、「多重解決」と言っていいでしょうか。
読み終えてみて、ありそうでなかった、って気がしています。少なくとも私は知らないです。
それにしても見事ですね。
読中、違和感は感じていたんですよね。「昨日の今日なのに何故ザワザワしない」とか。
でも、このトリックには気付きませんでした。
途中で何となく気づいた、なんてレビューを多く見かけますが、いえいえ、この作品は「騙された者勝ち」じゃないでしゅか。

「犯人は誰か」の他に、もう1つ「主人公に作中作となる作品を読ませた理由」という謎があります。
こちらについては、正直このパターンは好きではないのですが、この作品に限っては、あの大技を見た後って事で、それ程不快感は感じなかったですね。
でも、そこで1点減点。

梁山泊
MTNH2G0O
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

夜想曲(ノクターン)の感想

山荘で同期会が行われたが、3日間で3人の遺体が発見された。
自身も参加していたはずだが、その間の記憶が抜け落ち、代わりにロープで他人の首を絞めた感触が残っていた。
空白の3日間を再現し、自身を犯人と断罪した小説が送られてきたが、犯人は・・・

何と言っても構成がお見事。
この物語の根幹となる2つの仕掛けで色んな要素をしっかり説明出来るのが素晴らしい。
ただ、文章力のせいか、文章の端々に違和感を覚えてしまい、漠然とだが予想が出来てしまったのが唯一の心残り。

エーカー
NWKWLAAY
No.4:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

夜想曲(ノクターン)の感想

初めて読む作家。とあるところでこの本の存在を知った。面白そうな予感がした。その感は確かだった。
純粋な謎解き小説だ。読み終えた今、これに類似したトリックのものを過去に読んだことがあるかどうか考えたが思い至らない。論証で犯人を指摘する、その論証で偽の犯人も真犯人も指摘できるとは驚いた。ただ、個人的には最後の最後でアノことが出てきたのには少し残念に思う。だけどそれも伏線はちゃんとあり納得させられる。それがこの作品を低くみせるとかそんなことは一切無い。パズルが好き。本格が好きと云う人はぜひ読んでみて欲しい。山荘で起きる連続殺人。手垢のついたシチュエーションもこんなやり方があったとは。
作者に拍手と脱帽です。そう、「星降り山荘の殺人」以来の感動です。
追記 私の好きな作家である泡坂 妻夫の弟子とか、これだけでも嬉しい。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
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夜想曲(ノクターン)の感想

俳優の桜木和己は自らの手に残る感触から自分が人を絞め殺したのではないかと疑っていた。そんな和己のもとに届けられた一つの小説は、彼が記憶を失っていた間に起きた不可解な連続絞殺事件だったのだ! これは、第3章を読み終わった時激しい違和感を感じてある一つの推論が浮かんだんですが、それが意味するところがわからず真相を読んでみたら「ああ、結構惜しいとこまで見当つけてたのにもう一つ詰めが甘かった!」と悔しい思いをしました(笑)「偽の真実と本当の真実の論証が実は同じ」というある一つのネタを軸とした隠れた新本格の傑作!



ジャム
RXFFIEA1
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

仕掛けと舞台設定に唸りました

とても読み辛く状況が整理し辛い文章で、読書中は楽しめませんでした。
読者への挑戦が挿入されるものの、推理してみようという気も起きませんでした。

ですが、
真相はとても驚きました。
アイディアとそれを形にした作品が見事です。

トリック、ロジックの為のパズルミステリで、
全貌が分かると作者の意気込みにとても感心してしましました。

これは得るものの内容で好みが分かれそうです。
読書中辛かったのが残念でした。

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egut
T4OQ1KM0
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

夜想曲(ノクターン)の感想


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アンコウ
BKBVHN0W
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