スティック



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    スティック (文春文庫)
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    初公開日(参考)1986年09月
    分類

    長編小説

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    スティック (文春文庫)

    1986年09月30日 スティック (文春文庫)

    刑務所を出たスティックはムショ仲間の誘いでマイアミにやってきた。札束の運搬を請負うが、いきなりピストルの弾がとんでくる。それからひょんなことがきっかけで、お抱え運転手に身をやつしたスティックは…ギャング、映画プロデューサー、美人投資カウンセラー、色とりどりの人物が織りなす〈レナード・タッチ〉の傑作。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    スティックの総合評価:7.50/10点レビュー 2件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
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    (7pt)

    どこかにあった物語を掘り起こしたよう

    刑務所から出所したスティックはムショ仲間のレイニーから届け物をするだけで5,000ドルもらえる仕事があるから手伝えと持ちかけられる。気の乗らないまま、レイニーに同行するスティックは、それが麻薬密売人たちの取引で、自分たちが故売人のチャッキーに仲間を売られた報復として麻薬卸元であるネスターへ差し出された生贄だと知る。レイニーはネスターの手下に撃ち殺されてしまうが、スティックは命からがら逃げ延びる。
    しかしスティックはチャッキーのいる街を離れず、くたびれた風采を整え、あえてこの街に残る事にする。ムショ暮らしで失ったかつての鋭さを取り戻すためと、自分が何者かを知るために。
    ひょんなことからバリー・スタムという投資家のお抱え運転手を任される事になったスティックはバリーとチャッキーが友人同士だということを知り、チャッキーへの復讐を企む。

    ・・・と、あらすじを書いてみたものの、本作はレナード作品の中でも特に先の読めない作品だった。作者が行き当たりばったりで書いているとしか思えないほど、主人公のスティックが縦横無尽に動き回る。
    一応、本作は『スワッグ』で銀行強盗として登場したスティックのその後を描いた続編。1983年に発表された本書は油が乗り切った時期に書かれたこともあって、レナード特有の流れるような文章、一緒に会話をしているかのような生きた台詞がページのすみずみまでに行き渡っている。いつしかスティックを始め、投資家のバリー、暗黒街のボス、チャッキー、不遜な殺し屋エディ・モーク、投資アドヴァイザーで美人のカイル、はたまた登場人物表に載っていない端役のバーテン、ボビー―このキャラクターがなぜ一覧表に無いのか不思議。かなり魅力を感じる美人バーテンダーである―までもがイメージを伴って、眼の前に迫ってくる。

    しかし、前にも書いたように本作の特徴はスティックの行動そのものにあるといっていい。読者はスティックが何を考えているのかに興味を持ちながら読み進むしかないのだ。
    最初はムショ上がりの冴えない男だったのが、死地から逃げ延びた事で逆に己自身を見つめなおし、自動車泥棒を行おうとしたところで、バリーと知り合い、運転手に落ち着き、そこで株投資の世界に興味を持ち始めたかと思うと、バリーの付き合う愛人、妻、そして投資アドヴァイザーのカイルの3人と寝てしまうのだ。更にはバリーと主従の関係が逆転し、そしてバリーが企画した新作映画への融資をだしにチャッキーを獲物にして一大詐欺を起こそうとするのだ。

    こんな物語に最後きちんとオチがつくのだからものすごい。こういう話を読むとレナードが作ったのではなく、あたかもそういう話が実際にあってそれをレナードが小説にしたとしか思えない、それほど「作っていない」感じがするのだ。

    しかし、あえて苦言を呈するならば、やはり行き当たりばったりで書いているなあという気持ちは払拭できない。以前とは違い、さすがに色々読んできている現在では終わりよければ全て良しという手には乗らないぞという捻くれた思いが強く残るのだ。
    こういう小説もいいだろ?という声も聞こえるが、他にレナードの素晴らしい作品を知っているだけに、ここは苦言を呈して星7ツに留めよう。

    Tetchy
    WHOKS60S
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.1:
    (4pt)

    憎めない悪党ども

    7年の刑期を終え、ムショ仲間のレイニーに誘われるまま、フロリダへやってきたスティック。現金の受け渡しで5千ドルを稼ぐちょろい仕事のはずだったのだが、いきなりレイニーが殺られ、スティックも命を狙われるはめに。依頼人の実業家チャッキーに嵌められたのだ。チャッキーとその仲間たちに追われるステックは、ふとしたきっかけで出逢った投資家のバリーに気に入られ、運転手としてこの街に暮らすことにするのだった。 ・・・

    本作品は、ムショ仲間の復讐という安っぽい話にならないところがいい。引かない、媚びない、省みない。タフでクールな40男スティックの、降りかかった火の粉は払います 的な生き様がかっこよい。探しまわっているやつらの前にちょくちょく姿を現しては、泰然自若と成り行きを見守るステック。へらず口で相手を翻弄するといった小細工なし。ストレートなものいいで、渡り合っていく。

    レナードの作品は、憎めない悪党どもがいきいきと活躍するのがひとつの見所(らしい)。

    本作品でも、魅力的な登場人物たちが、映画のシーンが変わるような場面展開の中で、あるときは面白おかしく、あるときは緊張感をはらみながら描かれていく。高見浩さんの翻訳の冴えが光っている。スティックと、バリーの投資カウンセラー カイルとの恋愛や、離婚しはなればなれなった娘との交流も、作品に彩りを添えているのだろう。

    バリーや、カイルとの触れあいから、徐々に、これからの人生の目的を定めていくスティック。はたして、スティックは、全ての問題を解決し、順風満帆な生活に踏み出していけるだろうか ・・・ とつづく。

    フロリダの楽園感と、そこで繰り広げられる悪党どものどたばたが愉快な作品。
    スティック (文春文庫)Amazon書評・レビュー:スティック (文春文庫)より
    4167275635



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