(アンソロジー)
短編回廊 アートから生まれた17の物語
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コロンバス、オハイオから二日がかりのドライブで向かった先は、セントピーターズバーグにある「サルバドールダリ美術館」。ダリの作品は勿論のこと、タンパベイの海風に晒されたロケーションがとても素敵でした。 2019/6月に読んだ「短編画廊」に続くアンソロジー、「短編回廊 アートから生まれた17の物語 "Alive In Shape And Color"」を読み終えました。今回もまたローレンス・ブロックによって、18人の美術界の巨匠たちの作品にインスパイアされた17の短編が収録されています。何故17篇なのかについては、丁寧な「序文」に明らかにされています。また、12人は「短編画廊」でも既にお馴染みの作家たちです。 *「安全のためのルール」(ジル・D・ブロック)アート・フラーム。陪審団選定手続きに参加するわたし。味わい深い結末。 *「ピエール、ルシアン、そしてわたし」(リー・チャイルド)オーギュスト・ルノワール。ルノワールを探して。贋作と埋め合わせ。ジャック・リーチャーではないわたし。 *「扇を持つ娘」(ニコラス・クリストファー)ポール・ゴーギャン。原田マハの「リボルバー」読了後に本短編を読めることの幸せ。第二次大戦小説風でありながら、物語はアルルへ、そしてマルケサス諸島へと収斂します。「リボルバー」のパラレル・ワールドのような一篇。 *「第三のパネル」(マイクル・コナリー)ヒロエニムス・ボッシュ。砂漠に舞い降りるヘリのダウンウォッシュ。ボッシュは不在でも、ボッシュがいる。前回の「夜鷹 ナイトホークス」よりも切れていました。「第三のパネル」がいつまでも消えることはない。 *「意味深い発見」(ジェフリー・ディーヴァー)ラスコーの壁画。二人の考古学者とインディー・ジョーンズのようなアマチュア考古学者。もう一度言っておきます。よくもまあ、これほどの嘘を(笑)。 *「理髪師チャーリー」(ジョー・R・ランズデール)ノーマン・ロックウェル。理髪店の日常。メル・ギブソンの「ハクソー・リッジ」の如き回想。真正タフガイ・ストーリー。 *「ジョージア・オキーフの花のあと」(ゲイル・レヴィン)ジョージア・オキーフ。オキーフにインタビューする研究者。オキーフの花々が打ちしおれることはない。 *「アンプルダン」(ウォーレン・ムーア)サルバドール・ダリ。彷徨する薬剤師・アラン。ダリがもたらす「無」(ナーダ)。 「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」(デイヴィッド・マレル)ファン・ゴッホ。糸杉。ファン・ドールン。強迫観念。彼を研究するマイヤーズとわたしの狂気。懐かしい「一人だけの軍隊」。 *「美しい日々」(ジョイス・キャロル・オーツ)バルテュス。少女の美しい日々。バルテュスの力は、神の力なのだろうか?ジョイス・キャロル・オーツの力を感じさせて、物語は終わります。 「真実は井戸よりいでて人類を恥じ入らせる」(トマス・プラック)ジャン=レオン・ジェローム。発掘と揺りかごを揺らす手。クラクラするような女性の匂い。傑作。 「グレートウェーブ」(S・J・ローザン)HOKUSAI。監禁。菩薩像と北斎。ああ、そうだったんだね。 「考える人たち」(クリスティン・K・ラッシュ)ロダン。考える人。クリーブランド美術館。1970年のテロリスト。どこへいこうとするのかわからない。米国の物語。 *「ガス燈」(ジョナサン・サントロファー)ルネ・マグリット。 前回の「窓ごしの劇場」のようなヒッチコック・タッチ。 *「陽だまりの中の血」(ジャスティン・スコット)クリフォード・スティル。ガーゴイルと馬。アートには馴染まないストーリー展開。しかしながら、スリラーの読み手にとっては絶品。 「ビッグタウン」(サラ・ワインマン)リリアス・トーランス・ニュートン。モントリオール。母親の裸の肖像。 *「ダヴィデを探して」(ローレンス・ブロック)ミケランジェロ。フィレンツェ。私とエレイン。私は、マシュー・スカダーでなければならない(笑)。そして、確かに自尊心と虚栄心の境を見極めるのはむずかしい。しっかりと物語が反転します。 私は相変わらずスリラーの読み手ですので、今回のご贔屓はボッシュのいないボッシュの物語。 扉を飾る絵画「オフィス・ガール」(ラファエル・ソイヤー)。コサージュをつけた女性は少し驚いた表情で何かを見つめていますね。彼女には、1936年の米国には確かになかったはずの未来が見えてしまったのかもしれません。 | ||||
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