罪なき血



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    ミステリ→

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    ↓幻想的

    初公開日(参考)1988年07月
    分類

    長編小説

    閲覧回数2,366回
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    罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

    1988年07月31日 罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

    十八歳の誕生日を迎えて、フィリッパは実の両親を捜しはじめた。だが彼女が探りあてたのは、父は少女暴行罪で服役中に獄死、母はその少女を殺害した罪で今も服役中という恐ろしい事実だった。母メアリの出所が間近であることを知ったフィリッパは、養父母の反対を振り切って、出所後の母と一緒に暮らすことにした。だがフィリッパだけがメアリの出所を待っていたのではなかった。娘を殺された父親も、復讐のために、殺人者の出所を待ちかまえていたのだった…。人の犯した罪とは何か、親子の絆とは何かを問う、ミステリの新女王の戦慄の問題作。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点10.00pt

    罪なき血の総合評価:8.00/10点レビュー 5件。Bランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (10pt)

    最高の人間ドラマ

    ジェイムズ作品で数少ないノンシリーズの作品。今のところ、これが私にとって彼女の№1作品だ。

    離れ離れになっていた実の両親を探り当てたらなんと父親は少女暴行罪で獄中死、母親は少女殺害の罪で服役中だった。そして母親はもうすぐ出所するという。主人公の女性は彼女に逢いに行くことを決意する。
    そしてまた殺された少女の父親もその母親の出所を待っていた。彼女に復讐するために・・・とどう転んでも悲劇にしかならない重い設定。だからこの本を読んで爽快感というのは得られないことをまず云っておく。
    そしてストーリーはもうこのゼロ時間に向かって進んでいく。変にトラブルが生じるとか、予想外の事態に巻き込まれるとか、そういったことは一切なく、当事者は“その日”が来るのを淡々と待つのだ。

    しかしこれが読ませる。ジェイムズの時にくどいまでの人物描写の精緻さは定評があるが、この2人の相反する立場の人々の心の移ろいを実に丹念に描いていく。
    特に復讐者である少女の父親が、普通考え付くような積年の恨み辛みを晴らさんべく、ギラギラしたような人物ではなく、どこにでもいそうな小心者として描かれているのが、実に身近に迫っていいのだ。娘の復讐にやぶさかではないが、では殺される前に自分が身を呈してそのとき娘を守れたのか?という思い惑うところまで描いているのがジェイムズらしい。
    そして最後に明かされる事件の真実で最後に物語は一転する。
    単純に善悪で割り切れないところにこの小説の醍醐味はあり、読後深く考えさせられる。で、こういう小説だとジェイムズ特有の重厚な心理描写が実に活きてくる。物語の構造がシンプルなだけにそこに至る道程で関係者が孕む心の移り行きが非常にコクのある内容で語られる。

    決して読後爽やかになる話ではないが、ジェイムズの特質がもっとも現れた作品としてぜひとも読んで欲しい作品だ。

    Tetchy
    WHOKS60S
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.4:
    (3pt)

    気の重いときに読むような作品ではなかった。

    評者が本書『罪なき血』を読んだのは、29年も昔になるが、なんとなく在庫のなかから選んで再読することにした。
     巻末の瀬戸川猛資氏の解説で記述していたことを下の・・・内に解説の一部を転載したい。
     ・・・<前文略>好みのミステリだけを気儘にに読んでいる人間だから好き勝手なことをいわせてもらうが、じつは女流作家の作品はあまり好きではない。
     女性の手になるミステリは出来が悪い、などというのではない。逆である。端整な仕上がり、キメの細かい描写、内容も奥行きが深く、非の打ちどころのない出来ばえを見せている秀作も少なくない。謎解きとサスペンスの分野に関する限り、最近の女流ミステリは男性作家のそれを圧倒している、といってもいいだろう。そういうことは重々承知しているのだが、では好きかとどうかと問われると、首を横に振る場合が多い。常に、次のような特色を欠いている点がおもしろくないのだ。

     ①奇想天外な着想
     ②大風呂敷を広げるがごときハッタリのきいた話術
     ③何が飛び出してくるかわからない展開のスリル
     ④読者を強引にのみりこませるパンチ力
     ⑤しゃれっ気とユーモア

     これらは、ないものねだりかもしれない。男性作家に見られる特色を女流作家に求めるのは、筋違いも甚だしいかもしれない。①から④ までは、そういう見方も出来る。が、わたしがこだわるのは⑤である。<後文略>・・・

     本書の著者のP・D・ジェイムスは、解説の瀬戸川氏が述べていたように、端整な仕上がり、キメの細かい描写、内容も奥行きが深く、非の打ちどころのない出来ばえを見せている秀作である。
     プロット構成も流麗な文章など(青木久恵氏の翻訳の上手さで感じたのだが・・・)も純文学作品として評価してもよいかも知れない作品に仕上がっている。
     が、やはり評者にとっては、解説の瀬戸川氏と同じ理由で好みではないように思いながら読み終えたのです。
     気の重いときに読むような作品ではなかったのでレビュー投稿が遅くなってしまった。
    罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4150766037
    No.3:
    (4pt)

    読者に様々な問題を問いかける問題作

    ある成人に達した少女が自分の本当の親を探すが・・・というお話。
    普段のジェイムズと違い、本格推理小説というより、アクションの少ない犯罪小説に近いと思われる作品。もし、自分の親が殺人犯だったらその子供はどうすればいいかという難しい問題を正面から問いかける問題作。何故、親が人を殺さないといけなかったかという問題はあまり触れず、その子供がどういう風に親と接すればいいかにフォーカスし読者に判断を迫る衝撃作。小説を離れてもし実際に自分の親が殺人犯で自分にもその血が流れていたらどうすればいいかという、永遠に答えの出ない問題を読者に突きつける贖罪の物語。
    はっきり言って娯楽的要素は少ないし、暇つぶしに読むには重い小説ですが、絶対に読む価値のある小説。是非ご一読を。
    罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4150766037
    No.2:
    (4pt)

    ミステリと同様に満足できます

    気が滅入るような重い内容のような気がして敬遠していたが、読後感はけっして悪いものではなかった。ジェイムズの他の作品同様、人間の弱さや孤独、身勝手を容赦なく描いているが突き放すのではなく一筋の希望を与えて終わるところに読者は救われる。中だるみなく最後まで一気に読ませる力強さは見事だ。
    罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4150766037
    No.1:
    (4pt)

    ミステリと同様に満足できます

    気が滅入るような重い内容のような気がして敬遠していたが、
    読後感はけっして悪いものではなかった。
    ジェイムズの他の作品同様、人間の弱さや孤独、身勝手を容赦なく描いているが
    突き放すのではなく一筋の希望を与えて終わるところに読者は救われる。
    中だるみなく最後まで一気に読ませる力強さは見事だ。
    罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:罪なき血 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
    4150766037



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