黄金の灰
- フレンチ警部 (32)
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クロフツの1940年発表のフレンチ警部もの長編。 二部構成で最初はヒロインの視点で描かれて後半はフレンチ警部の調査となる構成だが、後半はヒロインが大して出てこなくなるし、最初の段階で読者はほぼ犯人と事件の真相が読めてしまうため、後半の調査でまたなぞっているだけの感じでややまだるっこしくなっており構成にやや難のある作品である。 クロフツの作品においては犯人が読者の予想通りというのはさほど欠点にはならないが、それでも本作は犯人像に意外性がないし、最後にアリバイ崩しも取り入れているが、物足りなさを感じてしまう。 まあ、クロフツの作品の中では二軍扱いとなるだろう。 が、展開はクロフツの王道路線なのでそこそこ楽しめる。 | ||||
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クロフツの長編作品を年代の古い順に読んでいる所です。まず前作ではフレンチ主席警部だったのが、この作品になると、フレンチ警視になっているのにまず目がいき、何度もフランスに行ったり来たりしながら、やっと犯人らのアリバイ崩しに成功し、相変わらずフレンチ警視のしつこく地道な捜査が実を結びます。悪い言葉で言うとワンパターンな感のあるストーリー展開なのですが、私はその最後には必ず善が勝つ的な良い意味でのワンパターンが大好きです。 | ||||
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邸宅の火事と、それに続く美術評論家の失踪事件を扱った作品である。 と言っても、冒頭でそれらの事件が起こるわけではない。前半は邸宅に家政婦として雇われることになったベチーの視点から描かれるのだが、途中でコレクション名画に関して怪しげなことはあるものの、なかなか事件は起こらない。全体の4割ぐらいでやっと火事が起き、ベチーは保険会社調査員の訪問を受け、さらに失踪事件についてフレンチ(本作の翻訳では警視と訳されている)が訪ねてくる。 その事情聴取後、視点はフレンチに移り、その2つの事件の捜査ということになるのだが、前半があることから、犯人の目星だけはフレンチ登場前から容易についてしまう。そのため、フレンチが本命以外の容疑者について調査を行うのが煩わしい感じがするのだ。最後はお得意のアリバイ崩しになり、そこはさすがに鮮やかにまとめてくれていたが。 | ||||
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面白いですが、 盛り上がりにはどうしても欠けてしまいます。 たぶん事件の設定が 他の作品に似ているものがあるせいだからでしょう。 ただトリックはなかなか凝っており こんな発想をまさかするとは思ってはいなかった と思わせてくれることでしょう。 しかしながら、この作品はいささか地味です。 それはおそらく登場人物がことごとく 陰鬱な人ばっかりだからでしょうね… | ||||
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クロフツは、徹底したリアリズムの推理作家です。 とは申しましても、刑事のくせにパートナーを組まずに一人で捜査している時があったりと、本物の刑事の方が読まれたら、何かと問題は指摘できるかもしれませんが・・・。 しかしここで言う「リアリズム」とは、他の本格派推理小説の巨匠達(クイーンやヴァン・ダイン、ましてやディクスン・カー等)の様に理論(ただの空論!?)が先走りし過ぎずに、探偵役がしっかりと足を使ってコツコツ捜査をするために、こう呼ばれております。 私が思いますに、クロフツ作品全般に共通する魅力とは、 1・本を読みながら、自分も犯罪捜査をしている様な感覚に浸れること(更には、イギリスを旅行している様な気さえしてきます)。 また、かなり多くの作品で、一般人が殺人事件に巻き込まれていくという形態を採りますので、そういった視点からも小説を楽しむことができます。しかし、例えば同じ様に「巻き込まれ型ミステリー」が多いディクスン・カーと比べましても、カー作品の場合は巻き込まれる一般人の立場から読むことはできても、残念ながら探偵役の視点ではなかなか読めないでしょうし、クロフツの魅力は何と言ってもこの、「臨場感」にあるのだと思います。 2・例えば、イギリスの田園を舞台とした演劇(戯曲)は、多くがアッパー・ミドル階級(上層中流階級)から下級土地貴族(ジェントリー等)を主な登場人物としておりますが(但し意外とロード(諸侯)の階級を登場させることは少ないのですが)、クロフツ作品もまさにこの伝統をしっかりと受け継いでおります。 そしてクロフツ作品の場合、決してイギリスの優美な田園生活がただ描かれているだけではなく、こういった生活を送る人々の表と裏(ある種のリアリティー)がしっかりと描かれておりますので(言うまでもなく、それが何らかの形で犯罪と関係しております)、イギリスの田園生活に深く関心がある方には、最高のプレゼントかなと思います。 そして、多くのクロフツ作品に共通する上記の典型的な特徴を満たしているものとして、この『黄金の灰』がまさにそうかなと、私は思います。 私がこの作品を高く評価致しますのは上記の理由が殆どですが、クロフツの場合は大体どれも似た様な感じの作品が多く、決してバリエーションの多い作家ではありません・・・。しかし言い換えましたなら、この作品を読んでクロフツが好きになれる方は、今後も他のクロフツ作品を読み漁るでしょうし、逆にあまり興味が持てなかった方は、他のクロフツ作品もオススメしたいとは私なら思いません。 「リアリズム」と呼ばれるだけに、決して派手なトリック等があるわけでもなく、好き嫌いがハッキリと分かれる作家だと思います・・・。 クロフツに関心があるのでしたら、先ずはこの作品で試してみるのが好いかなと思います。 | ||||
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