ゼルプの欺瞞
- ドイツ・ミステリ大賞受賞 (1)
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年代物の割には問題なし | ||||
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1992年ドイツミステリ大賞。ゼルプシリーズの第二作。 主人公はナチ政権下の元検事で戦後に私立探偵となった69歳ゼルプ。「年をとったことは嘆いてはいない。けれども、若くて恋をしている人間しかこの世に居場所がない、そんな初夏の宵があるのもまた事実なのだ」 212P 父子、母子、友情がからみあい、テロの世代があぶりだされる。食べ物の描写もあり、259頁のバローロ、210頁のクレーセって?何なのでしょうか?結婚はまだ早い?と思っている69歳がよく食べるのですよお。すぐに殴られる主人公にアクションは期待できないが、人生はある一冊。友人の警視正の独特のユーモアもよいですね。 | ||||
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私が『朗読者』の書評をfacebookに載せた時、かなり年下の友人S――多国語を操り、蛙、軍事訓練、海外旅行、読書が好きな女性――から、「確かに『朗読者』はいいですが、同じ著者のミステリ『ゼルプの欺瞞』(ベルンハルト・シュリンク著、平野卿子訳、小学館。出版元品切れだが、amazonで入手可能)も面白いですよ」と唆され、手にした次第である。 これは、かなり風変わりなミステリである。 私立探偵の「私」に、家出人の捜査を依頼する電話が入る。ハイデルベルク大学の女子大生だが、ここ数カ月、連絡が途絶えているという。良家の子女らしいが、この失踪の背後には複雑な家庭関係があるようだ。困難な捜索を続ける私の行く先々で、思いがけない不可解な事件が起こる。しかし、じりじりと粘り強く真実に迫っていく。 語り手の私は、69歳、ナチ政権に仕えた元検事である。戦争末期、ナチに命ぜられるままに多くの人たちを強制収容所に送った。「ナチの検事だった私は、1945年に職を追われた。旧ナチが再び職に就けるようになったときには、私のほうにその気がなかった。それは私がもはや旧ナチではなかったということか? それとも、法曹界のかつての同僚、そしてもし検事に戻っていれば再び同僚になったであろう連中の『昔のことは水に流そう』式の考え方が気にくわなかったからか? 何が正しく、何が正しくないかという問いの答えを出すのは、つねに自分でありたかったからか? それとも私立探偵として気ままに生きたかったから? いったんやめたことにまたぞろ手を出すのはいやだったから? あるいは役所の空気が好きになれなかったからか?」。 ドイツ・マンハイム郊外の森に潜む米軍の軍事施設に対する爆弾テロと、第一次・第二次大戦時の毒ガス貯蔵庫という要素が、サスペンスをいやが上にも盛り上げる。放出されても、目に見えず、匂いもない、大気中の、地表の、地中の、そして水中の毒ガス――翻って、私が福島原発のことを想起してしまったのは已むを得ないだろう。 そして、本書の最後に至り、これは愛の物語でもあることに気がついた。 1993年のドイツ・ミステリ大賞最優秀賞受賞作ということだが、通常のミステリの範疇を超えた、いろいろと考えさせられる作品である。 | ||||
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『朗読者』で有名になったベルンハルト・シュリンクによるミステリー。 ナチス政権下で検事を務め、今は私立探偵となっている60代後半の ゲーアハルト・ゼルプが主人公。 物語は、ゼルプが良家の子女である女子大生の失踪の調査を 引き受けるところから始まるが、やがてこの失踪事件に 思いもよらぬ政治的なテロや陰謀がからんでくる、という展開。 ナチス政権下で検事という経歴を持つ高齢の探偵というだけでも 面白いが、ゼルプを取り巻く恋人・友人がいきいきと描かれ、 ドイツ料理やワイン、美しい田園風景の描写も楽しめます。 戦後奇跡の復興を遂げたドイツの陰の部分(70年代の過激派の活動など)も 物語に織り込まれ、英米のミステリーしか読んでこなかった私には 極めて新鮮でした。ほかのゼルプ・シリーズも読んでみたいです。 | ||||
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