ベツレヘムの密告者
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ただ単にアメリカ国内で起こった殺人事件を読んでいた頃が懐かしくなります(笑) | ||||
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まず、いくらかのパレスチナ情報を得て読みはじめないと戸惑ってしまうかもしれません。 例えばイスラエルの中であってもベツレヘムはパレスチナ自治区のひとつであるため 裁判所、警察署、役所はパレスチナ人が管理していること、 パレスチナ人にはイスラエル建国前の固有の土地や集落があること、 パレスチナでは昔からイスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が混住していること、 パレスチナ人は家系を大切にすること、などでしょうか。 そうした混沌とした世界での殺人事件を教師の主人公が推理するという展開ですから話はややこしい。 しかしどっぷりパレスチナ人になりきって読み進めていくと深い感動が待っているという良書であります。 | ||||
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本書は、ジャーナリストとしてタイムのエルサレム支局長を務めた著者による パレスチナを舞台にしたサスペンス小説。 パレスチナで実際に起こった殺人事件をモデルに 教え子にかけられた容疑を晴らすため奔走する教師を主人公として 不安、憎悪に侵食されたパレスチナ社会を描きます。 立て続けに起きる殺人事件と そのなぞを解明しようとする主人公にも迫る危機。 主人公を囲む人間関係も、二転三転し 登場人物たちの知られざる一面が、明らかになります. こうしたサスペンスとしての面白さはもちろん、 それに劣らず、読者に強烈なインパクトを与えるのが、 暴力と人の死が常態化したパレスチナ社会の描写。 市民が住む家の屋根に勝手にのぼり イスラエルに向かってロケット砲を撃つ過激派。 殉教者(自爆テロ)の死を興奮気味に語るラジオ。 そして、人々を狂気に駆り立てるとともに、 反面、一定の抑止力となっている部族のルール。 なかでも、個人的に印象深かったのは スパイの逮捕と処刑を嬉々として語る子どもたちの様子― 果てしない暴力の連鎖が、何もかも壊してしまうむなしさを強く感じました。 サスペンス小説の醍醐味を堪能できるとともに パレスチナの現在を知ることができる本書 サスペンスが好きな方はもちろん 中東政治に興味がある方など、多くの方に読んでいただきたい著作です。 | ||||
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ジャーナリスト、ノンフィクション作家として活躍の後2006年フィクションに初挑戦しCWA(英国推理作家協会)最優秀新人賞を受賞したイギリスの新鋭ベイノン・リースが放つ「オマー・ユセフ・ミステリー」第1弾です。本書の主人公オマー・ユセフは国連学校に勤める56歳の歴史教師で、独自の歴史認識を持ち体制に迎合せず信念を貫き通す強い意志の持ち主です。常に櫛を携帯し髪のほつれを直したり靴に土埃がかぶるのを気にしたりするおしゃれな伊達男なのは良い面ですが、偏屈爺さんの様な部分もあって気に入らないアメリカ人校長を騙して「体を洗わないのがアラブの礼儀だよ」と教えるという意地悪な性格も顔を出します。ベツレヘムで暮らすパレスチナ人キリスト教徒のジョージ・サバがイスラエルへの内通者としてテロリスト射殺幇助の容疑で逮捕された。彼はオマーの優秀な元教え子であり、偶然にも射殺された被害者の妻もまた同じく教え子だった。オマーはジョージが絶対に無実だと確信し、全く頼りにならない警察に激しい怒りを覚え、自ら危険な街に乗り出し事件の真相を追い掛ける。著者は冒頭に本書の物語が真実に基づいていると書かれており、パレスチナ人社会の中でイスラエルと戦う無法集団「殉教者旅団」が同時に庶民から搾取し虐げている悪辣な実情を描いています。ミステリーとしてはアラブの慣習で「長男の父親」を意味する「アブ・○○」という呼び名が事件の鍵を握り、真相にはさほど大きな驚きはありません。けれど本書の最大の魅力は、所詮一介の老いた教師の身では限界があり大きな流れを止められませんが、次々に起こる非情な出来事にじっと耐え、決して最後まで諦めずに悪人と命を賭して対決する勇敢なオマーの闘志でしょう。無鉄砲な彼を優しく支える妻マリアムや古い友の警察局長ゼイダンとの友情も興味深く、厳しい環境に屈せず戦い続けるオマーの更なる活躍に期待したいと思います。 | ||||
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