ロスト・ケア
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
ロスト・ケアの評価:
7.93/10点 レビュー 15件。 S ランク
ロスト・ケアの総合評価:
8.39/10点 レビュー 152件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全9件 1〜9 1/1ページ
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本作は、大雑把に書くと、1.介護の過酷さ、2.介護士の不条理さ、3.主人公が推理していく過程、4.どんでん返し、という構成です。
再読し、デビュー作と思えないくらい文章力があると思いました。初めて読んだのが学生時代、まだあまり犯人当て小説に目が肥えておらず、本作がミステリとも思っていなかったので、明かされた犯人に驚きました。今読み返せば、綾辻氏の『十角館の殺人』に似た要素を感じました。小説ならではのトリックだと思います。
犯人を惑わす要素はワンアイデアと思えなくないですが、介護の過酷さが強烈に描かれ、上手に機能しています。最後の最後まで犯人をミスリードし、結末に犯人を明かし、頭が?になったところを、その疑問を華麗に回収します。とてもお見後です。ミステリ初心者にお勧めできるし、ミステリ通も騙される人がいるかもしれません。
本作を評価したもう一つのポイントは、文章の読みやすさです。とても頭に入ってきやすく、物語の構成も上手です。
途中に出てくる薬物やら詐欺やらは蛇足な気もしますが、、、。
お勧めしづらいとすれば、冒頭の介護生活の地獄絵図と、主人公の魅力の薄さでしょうか。
先日レビューした『明日なき暴走』で、ミステリ要素が関係するなら暗い話も許容できると書きましたが、本作の冒頭は、眉を顰めたくなるほど描写がグロテスクです。私は頭の中で想像しながら読んでいくタイプなので、想像しただけで気持ち悪くなってしまいました。食前後に読まないほうがよいでしょう。
二つ目の主人公の魅力の薄さですが、本作の主人公は、正義感と熱血に溢れ、性善説を信じる検察官ですが、いまひとつ魅力が乏しかった印象です。信じていた性善説をロストさせるためにそういう特徴にしたのでしょうが、私には熱血感が過ぎて共感もしづらかったです。嫌なことがあると耳の奥が疼くとありましたが、後の作品に登場する奥貫綾乃にも似た特徴があったはずで、あまり個性がないです。
ですが、社会小説としてもミステリ小説としても充分ですし、文章も巧みで満足できる作品でした。