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本好き! さんのレビュー一覧

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レビュー数178

全178件 121~140 7/9ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.58: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

暗幕のゲルニカの感想

パブロ・ピカソの名画を巡り、戦争・テロをテーマに、フィクション・ノンフィクションを交えたストーリーがむしろ心地よく展開されます。実在の人物・架空の人物のバランスもGood!
ピカソの人間性がよく出ているし、1940年前後の章と21世紀パートの章の両方に出てくる人物(架空の人物ですが)のキャラもいいですね。
絵心のない私ではありますが、表紙にもなっている「ゲルニカ」を、これまではピカソの代表作程度の認識しかなかったのが、作品の裏に刻まれた彼の思いが十分伝わってきました。
原田氏のアートミステリーはお手のものですね。(某TV番組での解説も堂にいってるし。)
第3作目もあるのでしょうか、期待です。
暗幕のゲルニカ
原田マハ暗幕のゲルニカ についてのレビュー
No.57:
(9pt)

赤毛のアンナの感想

あの名作へのオマージュとして、哀しくも美しい作品にめぐりあいました。
まだ小学生の身でありながら、身寄りをなくし、どこか大人びていて、でも周りを明るくしてくれる少女のセリフが泣かせます。そして...
不幸にも事件の当事者になってしまったアンナをめぐって駆けずり回る友人たちの優しさ。
この友情あふれる行動にも胸を打たれます。
全体的に地味な展開ではあっても、どこからか光がさしてやさしく包んでくれている、そんな作品です。
それにしても女性の登場人物の多さよ。
赤毛のアンナ (徳間文庫)
真保裕一赤毛のアンナ についてのレビュー
No.56: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

震える牛の感想

食品偽装やBSE問題とミステリ(警察小説)を巧みに絡めた快作。
田川刑事はじめ、人物のキャラ設定もうまくいってます。
現実社会で起きても不思議でない、いや実際起きているこういう事件がいつになっても収まらない事実にただただ驚愕。
著者の切実なメッセージも伝わってきます。
今後も起きてしまうであろう、こういった食に絡む事件。
なんとかフィクションの世界だけにとどめてほしいものですが、起こしてしまうんですねェ、これが。
震える牛 (小学館文庫)
相場英雄震える牛 についてのレビュー
No.55:
(9pt)

マイクロワールドの感想

荒唐無稽な設定ながら(少なくとも現代においては。。。)、なかなかに読ませるものがあり、さすがはクライトン(&プレストン)。
ミステリに不可欠な謎・起承転結・どんでん返しが用意されているし、訳の酒井さんとのコラボも(これが最後になるわけだが)読みやすさ満点です。
そりゃ、クライトン未完の作品をプレストンが引き継いだということで、クライトンならどう書いたか、という議論は出てくるでしょうが
これはこれでひとつの作品として納得のいく内容であったと思います。
マイクロワールドにおける昆虫や植物の描写は結構エグイながらもすばらしい描写!
マイクロワールド (上) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
マイクル・クライトンマイクロワールド についてのレビュー
No.54: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

孤狼の血の感想

個人的には、警察やヤクザが前面に出てくる小説はニガテなのですが、その考えを覆してくれるほどの内容でした。
ヤクザとの癒着疑惑のある大上刑事やその下で働く日岡刑事もそうですが、ヤクザ側の面々、居酒屋「志乃」の女将も
魅力的です。
そして何よりも、柚月作品の代名詞ともなっている”骨太”が感じられる反面、所々にあぁ、女性作家だな~と思わせる
丁寧な描写も見受けられ、この手の小説では初めてと言っていいくらい感動しました。
もちろん、どんでん返しも忘れてませんしね。
ますます次回作以降が楽しみです。
孤狼の血 (角川文庫)
柚月裕子孤狼の血 についてのレビュー
No.53: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

下町ロケット2 ガウディ計画の感想

ドラマ版はストーリーはともかく、キャスティングがメチャクチャ。
その点、原作は思ったとおりのイメージで読み進められるし、ストーリー・人物描写がしっかりしている。
池井戸作品の面白さは、リアリティが十分なのと、ワクワクさせてくれる確かなストーリー展開。
”ロケット編”も十分楽しめたが、”ガウディ編”もそれに負けず劣らず、今年読んだ作品の代表作といえるほど
文句のつけようがない作品です。
下町ロケット2 ガウディ計画
池井戸潤下町ロケット2 ガウディ計画 についてのレビュー
No.52: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

東京自叙伝の感想

東京に棲みつく地霊というキャラクターを借りて、東京における近現代史をひもといていく、
架空の人物・物事も出てくるが、ちょっとした東京史といった風情ですが、
全体に流れているテーマはもっと奥深いものがある。
帯にあるような一気読みとまでは行かなかったが、なかなか読ませる内容でした。
現代に起きたサリン事件や秋葉原通り魔事件まで地霊が関っているなんて、これが本当なら東京はまさに破滅の一途にある!?と背筋が寒くなったが、さまざまな悲惨な事件が地霊のせいなら、これはもう末期的症状なんでしょう。
6人の人物は例外なくイヤなやつらでしたが、そもそも地霊はこういう輩を選んで乗り移っていったんでしょうね!?
東京自叙伝
奥泉光東京自叙伝 についてのレビュー
No.51: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

桜の森の満開の下の感想

岩波文庫「桜の森の満開の下・白痴」にて読みました。
以前から読んでみたいと思っていた昭和の文豪、特に「桜の森の~」は夫婦者にとっては
いろいろな意味で楽しく読める短篇です。
屈強なはずの山賊が奥さんにした女にいいように扱われるなんて、自分は屈強ではないですが
その絵図を想像すると非常に笑える、むしろほほえましい。

堅苦しいイメージを抱いていた坂口安吾ですが、すっかり印象が変わりました。
桜の森の満開の下 (講談社文芸文庫)
坂口安吾桜の森の満開の下 についてのレビュー
No.50:
(9pt)

イーハトーブ探偵 山ねこ裁判: 賢治の推理手帳IIの感想

宮沢賢治”探偵”と助手役”カトジ”が活躍するシリーズ第2弾。
前作にも増して”ケンジ”の推理が冴え渡ります。
大正という時代を舞台に、ケンジのせっかちな人柄とそれに振り回されるカトジの困惑振りが面白く描かれています。
前作で気になった時代考証もなんとかクリアはされているんでしょう、各章に登場する人物たちのセリフ・服装・所作など
かなりの部分で当時実在したかのようなリアリティも醸し出されているように思いました。
こうなれば第3弾も待ち遠しくなります。

イーハトーブ探偵 山ねこ裁判: 賢治の推理手帳II (光文社文庫)
No.49: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

静おばあちゃんにおまかせの感想

元裁判官の高遠寺静おばあちゃんの名推理がさえる!
どんでん返しのスリルも味わえる5編からなる、軽快かつメッセージ性の高い連作短篇。
静おばあちゃんの名推理が味わえるが、そこは中山センセイ。一筋縄ではいきません。
最後のどんでん返しにひっくり返りました~!
期待は裏切りませんよ~!
静おばあちゃんにおまかせ
中山七里静おばあちゃんにおまかせ についてのレビュー
No.48:
(9pt)

レオナルドの扉の感想

かつてアニメ制作に携わっていた筆者が、当時からあたためていた構想を元に描いた冒険ファンタジー。
ナポレオンを敵に回し、レオナルド・ダ・ヴィンチに賛辞を送る筆者として初(?)となる冒険活劇です。
なるほど、アニメ制作の現場にいた人にとって、こういった冒険アニメは一度は作ってみたいと思うんでしょうかね。
これは小説だけにとどめておくにはもったいない、ぜひジブリと手を組んでアニメ化してほしいものです。
登場人物では二人の女性のキャラが際立っていますね。
レオナルドの扉 (角川文庫)
真保裕一レオナルドの扉 についてのレビュー
No.47: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

どんでん返しのオンパレード!

どんでん返しの帝王が短編を書けば、これでもかとどんでん返しのオンパレード作品が出来上がる。
おそらく得意のどんでん返しを題材に依頼された作品なのでしょう。
少々”ムリヤリ”感も否めないが、ここまでどんでんされたらさすが!と言わざるを得ないでしょう。

七色の毒 刑事犬養隼人 (角川文庫)
中山七里七色の毒 刑事犬養隼人 についてのレビュー
No.46: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人の感想

「ドンデン返しの帝王」と呼ばれるだけあって、ストーリー的に面白く読ましてもらいました。
”臓器移植”をテーマとして、ドナー側・レシピエント側の思惑・感情がミステリの要素を借りて巧みに描かれています。
自分にはまず無縁であろうこのテーマについて、改めて考えさせられる一作です。

ただし登場人物はというと、主人公であるはずの犬養には魅力を感じなかった。主人公にしてはあまり活躍はしていないような。
むしろ相棒を務める古手川に刑事として人間としての魅力が詰まっていました。これは筆者の狙い?

サブタイトルの「刑事犬養隼人」はいらないなぁ。。。
刑事犬の話かと思ったよ(笑 (^^;
切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人 (角川文庫)
No.45:
(9pt)

ダブル・フォールトの感想

新米弁護士が初めて殺人事件の被告側の弁護に奮闘。前半はいわゆる法廷サスペンス的に進むが、そこは真保さん、並みの法廷モノに終わらず、後半は趣がかなり変わってくる。その変換点が結構読ませてくれます。
そして、被害者の娘・香奈が物語を動かす。このキャラはいいですよ、彼女を主人公にスピンオフ小説読みたくなったから。
ダブル・フォールト
真保裕一ダブル・フォールト についてのレビュー
No.44:
(9pt)

蟻の菜園 -アントガーデン-の感想

最近ニュースでよく耳にする「連続不審死事件」と「児童虐待」を組み合わせたような作品。
「佐方シリーズ」のような骨太さというよりは、女性作家ならではの女性登場人物の心理や、社会的に問題になっている事件に対するメッセージなどが込められているように思います。
どんな理由があろうと人を殺めるのは許されることではないですが、この作品を読むとそんな考えが少し揺らぐほど切ない、やるせない気持ちにさせられます。
ここに出てくるアリバイについては、そんなにうまくいくか?という気にもなるけれど、特に児童虐待については実際にも犠牲になる子供たちを思うと、行政がもっとなんとか対策を練ってくれと願う気持ちがより高くなりました。


蟻の菜園 ‐アントガーデン‐ (角川文庫)
柚月裕子蟻の菜園 -アントガーデン- についてのレビュー
No.43:
(10pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

銀行嫌いに拍車がかかる痛快作

前作「ロスジェネの逆襲」でやや失速したように思えた”半沢シリーズ”、本作で一気に挽回!
銀行内部のみならず、帝国航空の再生タスクフォースとの攻防あり、政界も絡んできたりで今までになく大きな話になってきた。
再生タスクフォースの辣腕弁護士との”対決”も面白い。そして中野渡頭取が...
読んでいるときが至福のときに思えてしまう”半沢シリーズ”、まだまだ続きがあるのでしょうか。
失速することなく、半沢のあっ!と驚くような活躍を今後も期待します。
銀翼のイカロス (文春文庫)
池井戸潤銀翼のイカロス についてのレビュー
No.42: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

闇に香る嘘の感想

視覚障害者を主人公に、臓器移植、中国残留孤児、点字による暗号解読等盛りだくさんで、最近の乱歩賞作品の中でもかなり上位に来るほど面白い作品でした。主人公が目が不自由にもかかわらず精力的に謎に立ち向かう様は涙を誘うほど。
そして最後のどんでん返し。著者は過去に何度も最終選考に残ってきた実力者ではありますが、デビュー作にしては完成度の高い作品で、次回作以降が楽しみです。
パクリ?そんなの気にしない、気にしない~!
闇に香る嘘 (講談社文庫)
下村敦史闇に香る嘘 についてのレビュー
No.41:
(9pt)

アンダーカバー 秘密調査の感想

IT企業の若手社長が海外でいわれのない麻薬所持容疑で逮捕!
のっけから興味深い展開で先行きが楽しみになる内容。
そしてその後は、真保さんならではのスケールの大きさで、思わぬストーリーが繰り広げられます。
世界中を舞台にしたグローバルな内容が、ともすれば大きくなりすぎて実感が伴わず、登場人物に感情移入しきれない欠点もあるのですが、そこは著者の力量、最後まで息をつかせない内容で、多少の硬さはあるものの、エンターテインメント性は十分です。
あとは、罠にかけられ社長の座を追われた戸鹿野の仕返し(倍返しだ!とは言わないまでも…)が見たかった気もします。

アンダーカバー 秘密調査
真保裕一アンダーカバー 秘密調査 についてのレビュー
No.40:
(9pt)

イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたりの感想

実在の人物を探偵に見立てた小説は特に珍しくはないけど、最近何かと話題の宮沢賢治を彼のキャラクターを崩すことなく、見事に探偵役をこなさせた作品です。彼のパートナーである”カトジ”もいいキャラクターです。
また、賢治が実際に書いた詩を元にした小説でもあり、巧みに詩とストーリーをリンクさせているところはポイントが高い。
収録されている短編4作品は、実現可能かどうかは別として、トリックとそれを解明するまでが丁寧に描かれている。
惜しむらくは、時代考証がどうか、と東北弁のセリフの読みにくさ。
シリーズ化されるようですので、今後が楽しみです。
イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり: 賢治の推理手帳I (光文社文庫)
No.39:
(9pt)

半沢直樹健在!

期待を裏切らない半沢シリーズ第3弾です。
左遷?で出向させられた半沢と東京中央銀行との戦い。
前2作に比べてやや堅いイメージはあったものの、胸のすく1冊です。
特に後半、繰り広げられる半沢VS東京中央銀行の場面。爽快です。
さぁ、第4弾「銀翼のイカロス」も早く読みたい~!

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)
池井戸潤ロスジェネの逆襲 についてのレビュー