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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数126件
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第2次大戦中のドイツ軍といえば、ともすれば悪者扱いされてしまうでしょうが、あえて主人公にもってきて
時の首相・チャーチルの誘拐計画を企てるという痛快冒険小説です。 特にシュタイナ中佐やデヴリン、ジョウアナ・グレイといった魅力的な登場人物が物語を際立たせてくれている。 戦争モノが苦手な人でも、彼らの人物像に酔いしれながら読むのもオツなものでしょう。 冒頭と最後の章で著者であるヒギンズが彼らの墓所を取材する設定もそうだし、結末そのものも(ドイツ軍のことだからどいなるか予想はつくが)格好イイ形で迎えます。 「完全版」では、登場人物の詳細が追加されており、初めて読むならコチラをオススメします。 |
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科学ジャーナリストである著者が、科学的側面から「歴史」を検証した前2作(アンティキテラ、ツタンカーメン)とは打って変わって、医学的見地から「心の医療」を検証。
偽薬やらスピリチュアルやら催眠術やら...で病気や怪我がどこまで癒されるのか? そういったもので治癒が見込めるのなら、医者はいらないのでは? 本書から思い出した言葉・・・医者や薬が病気や怪我を治すのではなく、治す手助けをするもので、 治癒に至るかどうかは患者しだい。改めてその言葉の意味をかみしめた。 |
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警察小説の教科書のような感想を持ちました。本宮と優子のコンビも可もなく不可もなくといったところか。
著者の作品といえば、「盤上のアルファ」や「女神のタクト」などのコミカルである目標に向かって突き進む青春小説のイメージがあり、そちらの路線の方が合っているのではと思うのですが、いかがなものでしょう。 本作はこれはこれでストーリーもしっかりしているし悪くはないですが、このレベルなら他の作者で楽しめるし... |
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戦場における若い兵士たちのイキイキした様子が大変好ましく感じました。
逆に、文章の平易さやセリフの軽さが影響しているのか、戦争の悲惨さがイマイチ伝わってこなかった のも事実。戦死した兵士たちの目を覆いたくなる状況が描かれている部分もあるにもかかわらず。 でも、女性にして戦争をテーマにした小説でここまで描けるのはさすがのひとこと。 今後の活躍が期待されます。 |
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父親に警察官をもつ同士の幼なじみが全く正反対の人生を歩む。前半はそんな二人の半生を、後半は13年の月日を経て起きる事件解決までの経緯をオーソドックスに語られていく。
最後はどんでん返しも待っていますが、典型的な警察小説といったところでしょうか。 著者特有のハートウォーミングさもあり、京都を舞台にしていることで(警察の闇の部分を見せつけられはするものの)、どこかホツとさせてくれるほっこりなミステリです。 太秦の映画村でのシーンは興味深いものがあります。 |
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骨太な作品を描いてきた筆者にしては、女性的なテーマで、いい意味でも悪い意味でもあぁ女性作家だな~と思わせてくれた。
全体的に丁寧な書き方は好感が持てるが、後半の急展開とどんでん返しには驚かされる。 化粧品などのマルチ商法が出てくるあたり、女性ならではの視点も忘れず持ち合わせていますよ、ということか。 まぁたまにはいいかもしれません。 |
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【ネタバレかも!?】
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「道徳の時間」というタイトルともちろん内容も最近の乱歩賞受賞作の中では秀でていると思います。
また、犯行の様子が収められたビデオの件もビジュアル的でその映像が手に取るようにわかる。 こういったビジュアル的な作品が今後も人気になっていくんでしょうか。 登場人物は、越智冬菜の能面女ぶりがいい意味でも悪い意味でもイライラしてくる(笑) 主人公が困惑しまくりな様子が面白い。(こんな女は身近にいてほしくないですが) あとは結末に向かう部分がもう少しわかりやすく描かれていればなおよかったと思います。 少し頭の中を??が渦巻いてました。 それにしても、単行本巻末の選考委員の選評のうち、池井戸潤さんの選評が秀逸! いつもこれを読みたくて単行本を購入しますが、これほどまでに気持ちを表に出した選評は珍しいし、読んでいて噴出してしまいました(笑) |
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著者の作品は佐方貞人シリーズに見られるように、女性作家らしからぬ骨太さが売りだと思うのですが、本作品は女性の警察事務員が主人公のせいか、その特徴が希薄な印象を受けました。警察小説を謳っていて、後半は骨太さが戻ってくるけど、全体的には物足りなさが...
あの極悪宗教団体を思わせる団体が出てきて(やや唐突に)、それなりの面白さはあります。 また警察、とりわけ公安の闇の部分をえぐってくるところは、警察嫌いの私にとっては読みどころではあります。 やはり、佐方シリーズの骨太さ・えげつなさが持ち味なので、(佐方ばかり書けとは言わないが)それを忘れないで新たな作品を手がけてほしいと思います。 |
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タイトルからくる重いイメージとは裏腹に内容は軽め。
主人公・晄は幼い頃からの境遇・年齢を重ねるごとのエピソード(章)は読んでいて胸糞わるくなるほど ひどい経験をするが、やはりタイトルほどの重さは感じられない。 でも最終章でこのタイトルの意味がわかったときは、ほろっとする場面もありました。 貫井さん、このテーマも悪くはないですが、どうか次回作はもっとずっしり重い作品を期待しています。 |
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ケースワーカーを題材にした著者ならではの硬質ミステリ。
生活保護の不正受給などを取り上げ、読み応えのあるミステリに仕上がっています。 著者の長所は硬質・骨太な内容・描写ですが、前半はそれがやや希薄かな?と思いましたが 後半、クライマックスに向かうと色濃く出てきました。やはりこうでなくちゃ。 生活保護をめぐる問題点や、パレートの法則に関する薀蓄など、なるほどと思わせる部分もgood! 80:20の法則など、誰かに話してみたくなりましたよ。 |
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超能力というか特殊な能力をもった子供たちを題材にした連作短編。
夢人さんはこういった”特殊能力”をテーマにしたものが得意ですね。 前作の「ラバーソウル」なんかに比べると、軽くてその分物足りなさも感じてしまうけど、 特殊能力に悩む子供たちを温かい目で見つめてる、そんな雰囲気が全編に漂っていて、 読後はとてもさわやかな、心が温かくなる作品です。 |
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登場人物のキャラガどうも血が通ってないようで、初めて息子を目の前にした主人公も何か他人事みたいに考えているような印象がぬぐえなかった。主人公のみならず、全員に言えること。(中には愛嬌のあるのも出てきたけど。)後半になるとそれも幾分薄らいできたが。
でもさすがは著者の経歴がモノを言ってる。原発事故を予見したかのようなストーリーは今読むとさすが、としか言いようがない。 予見したのか、福島の原発事故は起こるべくして起こったのか。 原発の今後を改めて考えさせられる作品です。 |
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【ネタバレかも!?】
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「心を掬う」は何もそこまで?とツッコミを入れたくなるところもあったが、佐方の執念を感じさせる作品。
「業をおろす」は佐方の父が無実の罪を自ら受け入れた真相が明かされる。 連作短編「死命を賭ける」「死命を決する」は検察・佐方側と弁護側の応酬が面白かった。 痴漢行為が題材であるのと、弁護側に対抗する決め手が若干弱いかな?という気はしたが、佐方検事の冴えが ここでも披露されました。佐方シリーズ、まだまだ続けてほしいですね。 今度は佐方、絶体絶命!?のピンチに陥るも見事に切り抜ける痛快作をぜひ。 |
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2巻で終わりかと思った”あぽやん”シリーズ、第3弾も出てきました。
今回は遠藤慶太が仕事に追われて”うつ”状態に。第1章で早々に出社拒否に陥ってしまいます。 仕事に責任感のある遠藤のことですから、いろいろと心労が重なってのことでしょう。 この辺は仕事を持っている我々にとっては身につまされるエピソードです。 その後は主人公・遠藤不在のままストーリーは進み、登場人物のそれぞれの”仕事”に関わるお話が連作短編の形で進んでいきます。 前2作同様、面白おかしく描かれていますが、やはり遠藤の病気が底辺にあり、楽しいことばかりではない”仕事”に対する彼らの取り組み方がしっかりメッセージとして伝わってくるので、やや重めの内容ではあります。 最近ドラマ化されたこともあって3巻目がでたんでしょうが、登場するキャラがそれぞれの役者のキャラにいい意味でも悪い意味でもかぶってきます。さて、4巻目はあるのかな? |
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原子力研究所員の経歴をもつ著者だけあり、反核・反原発のメッセージが十分読み取れる。
核問題と報道の自由をテーマに、掘り下げ方がしっかりしていて説得力もあります。 日系人を登場させたところも、核や原発について語るためにと考えると深いなぁとの思いも。 日本人とアメリカ人の心の裡がよく描かれています。 各場面にそのような描写が見受けられますが、特にジミーが両親がヒロシマで被爆したことを語る場面は印象的です。 |
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このミス受賞作家アンソロジー「ほっこりミステリー」(単行本発行時「しあわせなミステリー」)収録作品。
緑豊かな田舎の土地に持ち上がった産廃処理場建設問題をテーマにした一遍です。 宮沢賢治の某作品をモチーフにしており、ラストはなかなかにファンタジー色が濃くなっています。 またある大きな物体の消失トリックなども盛り込まれています。 このアンソロジーには他に伊坂幸太郎・柚月裕子・吉川恵梨による”人の死なない”ミステリー計4編が収録されていますが、 個人的には中山氏の本作が最も読後感のよい作品だと思います。 |
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池井戸作品の場合、銀行や企業が舞台になっており、えてして同じようなストーリーの作品ばかりになりがちだが、そこは著者の力量、工夫を凝らしてバラエティ豊富な内容を心がけているな、と感心させられるのが本短編集。
銀行内部の闇の部分をつついたものや、行員のAV出演疑惑など硬軟取り混ぜてあきさせない。 それでも銀行という組織のイヤ~な部分をしっかり描いていて、毎度のことながら銀行に就職したいと思っている人が読んだら絶対断念してしまうのでは?と心配することしきりです。 ”銀行破綻後、再就職したくても銀行員はつぶしが利かない”との一文が出てきますが、それがまさに銀行業界をよく表しているとつくづく感じました。 |
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前作に引き続き、御子柴礼司のリーガルサスペンス。
冒頭は例によりなにやら不穏なシーンから始まり、今後の展開の行方を期待させる。 最後のどんでん返しも期待通りか。 事件そのものが陳腐な分、御子柴の弁護人としての手腕が光る内容になっている。 でもなぁ、御子柴はじめ、登場人物に感情移入できないのが難点なんですよねぇ... 唯一、清涼剤を与えてくれる女の子にホッとさせられるが。 |
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”男の友情”をテーマに、貫井さん流に描いた作品。二人のどこか怪しげな探偵たちと彼らに憧れを抱くコーヒーショップの若いマスター。
以前某TV番組に貫井さんが出演した時に、昔放映されたあるドラマをもとにかっこいい男の友情を描いたと言われていたのですが、その内容もなかなかに格好いいものだと思います。 ストーリーはまずまずですが、全体的になんとなく物足りなさも覚えた。「友情」というキーワードをもう少し色濃く出しても良かったのでは。 思わせぶりな結末はまだ許せるところではありますが。 |
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「お骨」というキーワードがこの物語の底辺に漂っています。
その辺は著者の”らしさ”がよく出ています。よく言えば静かでハートフル。悪く言えば地味。 ストーリーも大きな盛り上がりはなく、展開もともすれば地味な2時間サスペンス的な印象。 キーワードがキーワードですからそれでもいいのかと。 それはやはり著者の個性なのです。 |
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