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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数151件
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骨太な作品を描いてきた筆者にしては、女性的なテーマで、いい意味でも悪い意味でもあぁ女性作家だな~と思わせてくれた。
全体的に丁寧な書き方は好感が持てるが、後半の急展開とどんでん返しには驚かされる。 化粧品などのマルチ商法が出てくるあたり、女性ならではの視点も忘れず持ち合わせていますよ、ということか。 まぁたまにはいいかもしれません。 |
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【ネタバレかも!?】
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「道徳の時間」というタイトルともちろん内容も最近の乱歩賞受賞作の中では秀でていると思います。
また、犯行の様子が収められたビデオの件もビジュアル的でその映像が手に取るようにわかる。 こういったビジュアル的な作品が今後も人気になっていくんでしょうか。 登場人物は、越智冬菜の能面女ぶりがいい意味でも悪い意味でもイライラしてくる(笑) 主人公が困惑しまくりな様子が面白い。(こんな女は身近にいてほしくないですが) あとは結末に向かう部分がもう少しわかりやすく描かれていればなおよかったと思います。 少し頭の中を??が渦巻いてました。 それにしても、単行本巻末の選考委員の選評のうち、池井戸潤さんの選評が秀逸! いつもこれを読みたくて単行本を購入しますが、これほどまでに気持ちを表に出した選評は珍しいし、読んでいて噴出してしまいました(笑) |
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著者の作品は佐方貞人シリーズに見られるように、女性作家らしからぬ骨太さが売りだと思うのですが、本作品は女性の警察事務員が主人公のせいか、その特徴が希薄な印象を受けました。警察小説を謳っていて、後半は骨太さが戻ってくるけど、全体的には物足りなさが...
あの極悪宗教団体を思わせる団体が出てきて(やや唐突に)、それなりの面白さはあります。 また警察、とりわけ公安の闇の部分をえぐってくるところは、警察嫌いの私にとっては読みどころではあります。 やはり、佐方シリーズの骨太さ・えげつなさが持ち味なので、(佐方ばかり書けとは言わないが)それを忘れないで新たな作品を手がけてほしいと思います。 |
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タイトルからくる重いイメージとは裏腹に内容は軽め。
主人公・晄は幼い頃からの境遇・年齢を重ねるごとのエピソード(章)は読んでいて胸糞わるくなるほど ひどい経験をするが、やはりタイトルほどの重さは感じられない。 でも最終章でこのタイトルの意味がわかったときは、ほろっとする場面もありました。 貫井さん、このテーマも悪くはないですが、どうか次回作はもっとずっしり重い作品を期待しています。 |
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ケースワーカーを題材にした著者ならではの硬質ミステリ。
生活保護の不正受給などを取り上げ、読み応えのあるミステリに仕上がっています。 著者の長所は硬質・骨太な内容・描写ですが、前半はそれがやや希薄かな?と思いましたが 後半、クライマックスに向かうと色濃く出てきました。やはりこうでなくちゃ。 生活保護をめぐる問題点や、パレートの法則に関する薀蓄など、なるほどと思わせる部分もgood! 80:20の法則など、誰かに話してみたくなりましたよ。 |
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超能力というか特殊な能力をもった子供たちを題材にした連作短編。
夢人さんはこういった”特殊能力”をテーマにしたものが得意ですね。 前作の「ラバーソウル」なんかに比べると、軽くてその分物足りなさも感じてしまうけど、 特殊能力に悩む子供たちを温かい目で見つめてる、そんな雰囲気が全編に漂っていて、 読後はとてもさわやかな、心が温かくなる作品です。 |
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太宰治「晩年」...
一度使ったテーマを再登場させるのはいかがなものか…というのはあった。 個人的なことではあるが、このシリーズで、古書に関する薀蓄を数多く知りたいというのがあり、前巻まででも楽しませてもらったが、 「晩年」は既出であり、再登場させたのははネタギレ!?を思わせるものが正直あった。 でも、1巻通して太宰スペシャルだし、今回はじめて「晩年」を読んでみようと思わせたのも確かである。 ストーリーとしては依然面白いです。よく考えられていると思います。 五浦くんと栞子さんのラブストーリーの行方も気になるところですが、それはほんのサイドストーリー的に扱ってもらって、 次巻以降も古書にまつわる薀蓄&ミステリ全開でお願いしたいところです。 |
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登場人物のキャラガどうも血が通ってないようで、初めて息子を目の前にした主人公も何か他人事みたいに考えているような印象がぬぐえなかった。主人公のみならず、全員に言えること。(中には愛嬌のあるのも出てきたけど。)後半になるとそれも幾分薄らいできたが。
でもさすがは著者の経歴がモノを言ってる。原発事故を予見したかのようなストーリーは今読むとさすが、としか言いようがない。 予見したのか、福島の原発事故は起こるべくして起こったのか。 原発の今後を改めて考えさせられる作品です。 |
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本作を大幅改訂して刊行されたものが「迷宮遡行」。著者によると、”主人公を始めとする登場人物の設定、物語のトーン、発端と結末など、かなりの部分で変更があります。七割は新たに書き下ろした原稿なので、まったく別の作品と思っていただきたい”とのこと。
なるほど、完成度としては「迷宮遡行」に比べればやや物足りない感はある。 でもそれはそれで、別の作品として考えれば、十分成り立っている作品と言えます。 最後のどんでん返しは、初期の時点で貫井流が炸裂しています。 本作は「迷宮遡行」が出ている時点で絶版状態でしょうが、某古本屋で安価で手に入ったのはラッキーで貴重な買い物です。 |
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【ネタバレかも!?】
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「心を掬う」は何もそこまで?とツッコミを入れたくなるところもあったが、佐方の執念を感じさせる作品。
「業をおろす」は佐方の父が無実の罪を自ら受け入れた真相が明かされる。 連作短編「死命を賭ける」「死命を決する」は検察・佐方側と弁護側の応酬が面白かった。 痴漢行為が題材であるのと、弁護側に対抗する決め手が若干弱いかな?という気はしたが、佐方検事の冴えが ここでも披露されました。佐方シリーズ、まだまだ続けてほしいですね。 今度は佐方、絶体絶命!?のピンチに陥るも見事に切り抜ける痛快作をぜひ。 |
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2巻で終わりかと思った”あぽやん”シリーズ、第3弾も出てきました。
今回は遠藤慶太が仕事に追われて”うつ”状態に。第1章で早々に出社拒否に陥ってしまいます。 仕事に責任感のある遠藤のことですから、いろいろと心労が重なってのことでしょう。 この辺は仕事を持っている我々にとっては身につまされるエピソードです。 その後は主人公・遠藤不在のままストーリーは進み、登場人物のそれぞれの”仕事”に関わるお話が連作短編の形で進んでいきます。 前2作同様、面白おかしく描かれていますが、やはり遠藤の病気が底辺にあり、楽しいことばかりではない”仕事”に対する彼らの取り組み方がしっかりメッセージとして伝わってくるので、やや重めの内容ではあります。 最近ドラマ化されたこともあって3巻目がでたんでしょうが、登場するキャラがそれぞれの役者のキャラにいい意味でも悪い意味でもかぶってきます。さて、4巻目はあるのかな? |
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原子力研究所員の経歴をもつ著者だけあり、反核・反原発のメッセージが十分読み取れる。
核問題と報道の自由をテーマに、掘り下げ方がしっかりしていて説得力もあります。 日系人を登場させたところも、核や原発について語るためにと考えると深いなぁとの思いも。 日本人とアメリカ人の心の裡がよく描かれています。 各場面にそのような描写が見受けられますが、特にジミーが両親がヒロシマで被爆したことを語る場面は印象的です。 |
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このミス受賞作家アンソロジー「ほっこりミステリー」(単行本発行時「しあわせなミステリー」)収録作品。
緑豊かな田舎の土地に持ち上がった産廃処理場建設問題をテーマにした一遍です。 宮沢賢治の某作品をモチーフにしており、ラストはなかなかにファンタジー色が濃くなっています。 またある大きな物体の消失トリックなども盛り込まれています。 このアンソロジーには他に伊坂幸太郎・柚月裕子・吉川恵梨による”人の死なない”ミステリー計4編が収録されていますが、 個人的には中山氏の本作が最も読後感のよい作品だと思います。 |
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池井戸作品の場合、銀行や企業が舞台になっており、えてして同じようなストーリーの作品ばかりになりがちだが、そこは著者の力量、工夫を凝らしてバラエティ豊富な内容を心がけているな、と感心させられるのが本短編集。
銀行内部の闇の部分をつついたものや、行員のAV出演疑惑など硬軟取り混ぜてあきさせない。 それでも銀行という組織のイヤ~な部分をしっかり描いていて、毎度のことながら銀行に就職したいと思っている人が読んだら絶対断念してしまうのでは?と心配することしきりです。 ”銀行破綻後、再就職したくても銀行員はつぶしが利かない”との一文が出てきますが、それがまさに銀行業界をよく表しているとつくづく感じました。 |
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前作に引き続き、御子柴礼司のリーガルサスペンス。
冒頭は例によりなにやら不穏なシーンから始まり、今後の展開の行方を期待させる。 最後のどんでん返しも期待通りか。 事件そのものが陳腐な分、御子柴の弁護人としての手腕が光る内容になっている。 でもなぁ、御子柴はじめ、登場人物に感情移入できないのが難点なんですよねぇ... 唯一、清涼剤を与えてくれる女の子にホッとさせられるが。 |
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”男の友情”をテーマに、貫井さん流に描いた作品。二人のどこか怪しげな探偵たちと彼らに憧れを抱くコーヒーショップの若いマスター。
以前某TV番組に貫井さんが出演した時に、昔放映されたあるドラマをもとにかっこいい男の友情を描いたと言われていたのですが、その内容もなかなかに格好いいものだと思います。 ストーリーはまずまずですが、全体的になんとなく物足りなさも覚えた。「友情」というキーワードをもう少し色濃く出しても良かったのでは。 思わせぶりな結末はまだ許せるところではありますが。 |
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「お骨」というキーワードがこの物語の底辺に漂っています。
その辺は著者の”らしさ”がよく出ています。よく言えば静かでハートフル。悪く言えば地味。 ストーリーも大きな盛り上がりはなく、展開もともすれば地味な2時間サスペンス的な印象。 キーワードがキーワードですからそれでもいいのかと。 それはやはり著者の個性なのです。 |
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このミス大賞にて「さよならドビュッシー」と同時に最終選考まで残った「災厄の季節」(「連続殺人鬼カエル男」と改題して刊行)の映画化に向けて、その制作現場を描いた青春ミステリ。「ドビュッシー」は映画化が叶ったが、「災厄~」はその描写のエグさ故、不可能となってしまったことをこういった形で「実現」することを思いついた着眼点はさすが七里さんならでは。
ストーリー的には七里さんらしさは出ているが、登場人物が多く、セリフも多くて全体的にゴチャゴチャしたイメージが残念。 でも実際、どちらも映画化されて両者と比較、これが同一人物による作品か?と世間を驚かせてみたかったのは本音。 |
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大輔くんと栞子さんの恋の行方も気になりますが、今巻では「ブラックジャック」や寺山修司なんかを扱っているところがニクイ。
4巻までも太宰治や江戸川乱歩、初めて聞いた作者も私的にそそられる作品をテーマにしてきていますが、このチョイスが大変気に入ってます。 さすが、古書マニアの著者だけあってなかなかいい素材を見つけてきますよね。 次回作も当然期待です。 |
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なんだこの軽さは。「悪党は千里を走る」を遥かにしのぐ軽さではないか。
北関東の田舎町をモデルにしたと思われる月影という架空の町を舞台に繰り広げられる連続殺人(?) ひとつの依頼をもとに探偵くんが調査に乗り出すも、次から次と難題が降り積もり、まさにドミノが次々倒れるがごとく。。。 著者の特徴はその作風の重さにあると思うのだが、本作は異様に軽い。 結末もなんだか消化不良ぎみだが、たまにはこういうのもあっていいかと。こういう作品を書けるのも 著者の力量の確かさと思います。 あまり量産してほしくはないけど。 |
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