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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数318件
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以前ドラマを見た事がありました。1部を読んでいる時は、推理している試行錯誤が正直退屈でした。トリック知ってますので。しかし、2部に入って全く印象は変わります。最初誰の事を書いているのか良く分からない(作者の狙いの様ですが)。最後にストーリーが一つにまとまった時の気持ち良さは、なかなかの物です。作者ならではのうんちくがすごいので、ページが多いですが、結構ストーリに交じって今回は読み易い気がします。日本推理作家協会賞受賞作。読んで損はありませんよ。
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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10年以上積んであった本ですが、久しぶりの新宿鮫はかなり面白かったです。当時よりも警察小説を読む機会が増え、リアリティが無さ過ぎて醒めるかな、と思ったのですが、大沢在昌のエンターテイメント性は素晴らしい。アクションあり、恋愛ありで派手に展開しますが、最大の美点はそれぞれのキャラが立っている所ですね。またこの世界に戻って来たくなる、そんな魅力があります。絶対1作目から順に読んだ方が良い。間違いなくオススメ。
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テーマは少年犯罪。被害者も加害者も、それぞれの家族もみな苦悩の中立ち直れない。
更生を見守るべきか、厳罰を処せるべきか、正解の無い問題にそれぞれの立場から多層的にストーリーが構成されています。次々に真実が明らかになるたびにそれまでの見方ががらりと変わり、どこへたどりつくのか、素晴らしい内容に引っ張られ一気に読みました。 後半の展開がテレビドラマみたいだ、との意見を見かけましたが、スピード感があり分かりやすいという事で、良かったのでは無いでしょうか。 乱歩賞受賞作、デビュー作にして傑作と呼べる作品です。オススメします。 |
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いわゆる「回想の殺人」テーマと呼ばれるそうですが、正に本格推理という感じで、かなり面白かったです。5人の証言は微妙にずれており、同じ人間を見ているのに印象が全然違う。また、皆すべて本当の話ばかりはしない。しかし嘘ばかりでもなく、うっかり忘れている事や、曖昧な記憶の事もある。そんな当時の話や書いてもらった手紙を元に、最後は意外な真実へとたどり着きます。納得できる良い結末だったと思います。一般的にはマイナーな作品でしょうが、安楽椅子物が好きな方は読んで損は無いですよ。是非。
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この作品が基準となり、後の類似した設定が生まれて行ったのでしょうから、若干トリックや犯行方法にゆるさがあるのは、仕方ないと思います。参考書があって後からいじるのは、楽で当たり前。最初に思いつき、この完成度で書ききったのが、本当に素晴らしい。現代までミステリーの代名詞となるのも、納得の名作。邦題もいいね。
緊張感が最後まで続き、真相には驚かされる。犯人全然分かりませんでした。ネタバレを聞く前に未読の方は是非お早めに。 |
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非常に有名な作品ですが、予備知識無く読む事が出来ました。メイントリックは途中で何となく分かりましたが、最後まで飽きる事はありませんでした。エンディングも素晴らしいです。
雪に閉じ込められたオリエント急行。乗客にはすべて完璧なアリバイが。犯人はどこへ消えたのか? 正にクローズドサークルの古典的傑作です。ポアロの名推理をお楽しみ下さい。 |
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主人公はある朝目覚めると女に変わっていた。しかも5年先にタイムスリップしている事が分かる。という出だしなのですが、これはSFなのか、論理的に説明されるミステリーなのか全然分からない。何が何だか分からないのは、主人公も読者も同じで序盤はかなり面白かったです。
しかし途中からはややこし過ぎて、付いて行けなくなって来ました。登場人物や事件が多すぎて、会話文も誰が話しているのか混乱するほど、ごちゃごちゃしてます。嫌な奴しか出て来ないし、誰も信じられない不安とストレスが伝わります。とにかく、何度もひっくり返る状況が気になり、最後まで一気に読めました。 詰め込み過ぎたデビュー作という事で大目に見て、まあ良くこんな事考えたもんだ、と感心するやらあきれるやら、そして最後はこれで良いのか? 埋もれてしまっていた力作です、見かける事があれば是非ご一読下さい。 |
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タイトルはずっと以前から知っていました。50年前の作品ですが、今回やっと読む事が出来ました。舞台はベトナム戦争が始まる直前のサイゴン。友人の行方を探す内に、スパイの争いに関わって行く事になります。巻き込まれると言うよりもあえて飛び込んで行くと言うイメージです。誰が敵か味方か分からない、サスペンスに満ちたストーリーも良いですが、何と言っても文章が良い。設定にも会話にも品がある。更に、ベトナムの情景描写が素晴らしい。当時は取材旅行に行ける時代ではなく、聞いた話と想像で書いたらしいですが、とてもそうは思えない。
ホントに古さは全く感じません。未読の方は勿体ないので是非読んで見て下さい。ハードボイルド好きなら特にです。 |
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お笑い本格ミステリーというジャンルの作品です。題材が殺人事件ですから、さすがにあんまり茶化すと後味は悪いのですが、その辺は目をつむる事にします。また、メイントリックも警察の科学捜査を無視した内容で、とにかく固い事言わずに雰囲気を楽しむ、それで良いのだと思いました。
登場人物の会話も面白いですし、伏線が回収される最後の探偵の謎解き、犯人のトリックと動機、良く出来てますので、是非読んでみて下さい。オススメします。 |
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著者が乱歩賞を受賞したデビュー作。銀行内部を綿密に描写した企業ミステリーで、結構面白く読む事が出来ました。次々出て来る謎に引き込まれ、最後まで十分楽しめました。ただ残念な所も多くあります。
賞に応募するには派手にやらないといかん、と思ったのかとにかく人が死に過ぎる。一人一人の死が軽くなってしまい、真相と動機が明らかになるとかなり違和感を感じる。また、一人称一視点でハードボイルドタッチなのも、主人公の設定や作品テーマに合っているかはやや疑問。最初なのでやりたい事全部入れたのでしょうか。 文句はいいましたが、緊張感もあり、十分なレベルではあると思います。未読の方は是非どうぞ。 |
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非常に有名な古典作品ですが、先日まで内容は知りませんでした。普段翻訳ものは読まないのですが、メイントリックを先に人から教えられて、逆に読んでみる事にしました。
正直期待していなかったのですが、かなり面白かったです。書かれた時代を考えると画期的な作品で、賛否両論だったと言うのも良く分かりますね。出来れば犯人を知らずに読みたかったですが、興味の無かったクリスティに触れるきっかけにはなりました。ポアロ良いですね、他の作品も読んでみたいと思います。 |
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船戸与一の作品は救いが無い。良い人はすぐ死んでしまうが、悪い奴も結局死ぬ。基本的に出て来るのは貧しい地域の人々なので、金ですぐ裏切るし、差別は酷いし、環境が過酷で読んでいて辛くなる。
本作は珍しく主人公が少年の成長物語で、13歳から15歳までの5月に起きた3つのエピソードが描かれています。やはりいつもとは少し感じが変わりますね。ただ、誇り高き気持ちの良い男も何人か出て来ますし、戦闘シーンはさすがの職人芸で、最高の緊張感を味わえました。そこはご心配なく。 とにかく、男も女も、子供も大人も次々死にますので、それだけは覚悟して下さい。船戸ファンには改めて言うまでも無い事ですが、直木賞受賞作の為、それ以外の方も読まれるかも知れませんので。 |
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探偵小説における三大奇書の一つであり、反推理小説(アンチミステリー)の傑作と呼ばれる古典作品です。どういった感じなのか興味深く読みましたが、想像以上に手ごわかったです。謎が解明されないまま次々と不可解な事件が重なり、登場人物達の語る蘊蓄の多さと会話の回りくどさに眩暈がします。面白いのかと聞かれれば評価は難しい。そして終章までたどり着き茫然としてしまう、これがアンチミステリーと言う意味なのか。この作品に何を求めるのかで、見方は変わるのでしょう。
万人にオススメはしませんが、このサイトに立ち寄られる方々なら、一読してみてはいかがでしょうか?他の方の感想も聞いてみたいです。 |
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サイコサスペンスですが、警察小説でもあり、ハードボイルド小説でもあります。猟奇的殺人者、プロの殺し屋、警察官と3つの視点で物語は描かれますが、割と読み易く引き込まれてしまいました。
ストーリーも実際の事件を下敷きとしておりかなり面白いのですが、本作最大の魅力は登場人物達のキャラクターだと思いました。沢山死人が出るのが勿体なく感じます。 結構想像通りの展開で意外性はあまりありませんでしたが、逆に納得の進み方ではあり、エンディングまで間違いなく楽しめると思います。ぜひ多くの方に知って欲しい作品です。 |
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警察小説ですが、主人公は警務課など内勤の人達です。犯罪を捜査する訳ではなく、警察内部で起こる事件をどう解決して行くか、裏の真相は何か、という所に謎やサスペンスを感じる作品です。ある意味サラリーマン小説ですが、これを読んで警察官の特殊性に驚きました。もしかすると、公務員はみな同じ様な所が有るのかも知れませんが。
作りこまれたキャラクターと意外な真相が楽しめる短編集です。オススメします。 |
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本書は仕掛けに満ちた非常に凝った構成になっています。二人の視点から交互に描かれていますが、一方が作中作なので、何が真実なのか段々分からなくなってきます。基本的には犯人は早めに明かされるので、動機探しがメインの作品です。とても読み易く一気に読みましたが、最後のどんでん返しにより「悪意」というタイトルの本当の意味に何ともゾッとさせられました。倒叙トリック作がお好きな方にオススメです。
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各章が擬人化された財布の視点で語られており、それが10編集まって長編となる手法のミステリーです。完全な神の視点では無いので、一部の情報が見聞き出来無かったり、中々凝っています。面白かったのですが、10個の視点から語られるので展開が遅く、全貌が見えるまで時間がかかるのが欠点ですね。
ストーリーは保険金殺人で、特に複雑に絡み合ったと言う話ではありません。それぞれの登場人物は、犯人、被害者、その身内、捜査する側の人間などですが、この10人それぞれの人間ドラマを読ませるのが宮部作品の特長でしょう。必ず誰かに感情移入して、グッと入り込めると思います。 初期の作品ですので既読の方も多いでしょうが、未読の方には是非オススメします。余韻が素晴らしい。 |
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芸術ミステリーシリーズ第一作だそうで、エコール・ド・パリという時期の画家たちについて詳しく説明されています。今まで興味の無かった絵画についての記述が多いですが、読み易く面白かったです。
実際に起きた事件は画商殺人事件で、状況は密室。どうやって密室を作ったのか、その犯人は?その謎を解くのは素人探偵。ガチガチの本格推理ですが、意外とユーモアミステリー的な雰囲気で書かれており、サクサク進むので最後まで楽しめました。 マニアックで取っつきにくいイメージの作家でしたが、決してそんな事は無かったです。本格好きの方に是非オススメします。 |
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主人公が目覚めたのは見覚えの無い異様な場所。記憶が定かで無く、何が起きているのか最初は分からない。やがて、閉じ込められた9人のメンバーが、ゴールを目指して競争するゲームに参加している事が分かって来る。ただしそれは全員が敵であり、命の保証は無いサバイバルゲームだった、という話です。
面白くて一気に読みましたが、かなり期待していたので、その分不満が残りました。インシテミルを先に読んでいたので、同じくクローズドサークルでのゼロサムゲームなら、ホラーテイストの本書より、本格テイストのあちらの方が好みだ、という事なので仕方無いのですが。同じグロイ描写でも、やはりホラーの方がエグイです。 とは言え、全体を通してだれる所の無い、緊張感が途切れない傑作です。特に本書のラストは余韻があって実にいいです。 サバイバル、ホラー、RPG、ゲームブック、この辺りが気になる方に特にオススメします。100冊目。 |
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チーム・バチスタシリーズ3作目で、救命救急センター部長速水の収賄疑惑がメインの話になっています。本作は、前作のナイチンゲールと同じ時間に起きていたもう一つの事件、となっていますので、登場人物やエピソードが共有されています。是非両作品共に読まれる事をオススメします。
今回は推理小説ではありませんが、著者には無理に殺人事件など起こすより、こんな感じの医療エンターテイメントが向いていると思います。かなり面白かったので、是非この路線で進んで欲しいです。 難点は、著作を発表順に全部読んでいく必要がある所で、キャラクターや過去のエピソードを読者が知っている事を前提にしている所が有る為、シリーズファンなら高評価、作品単体でみれば平均点、と言うのが海堂作品では無いでしょうか。 私は今の所はまってしまいましたので、この得点は割り引いてもらった方が良いかも知れません。 |
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