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りーり さんのレビュー一覧

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レビュー数424

全424件 141~160 8/22ページ

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No.284: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

盗用の真否


 古の人々が崇敬し畏怖した言葉に宿る「霊力」が現代人を陥れようとしているのか。

じゃねぇよ。  日本語の特徴が要因となって引き起こされるめちゃめちゃな悲喜劇の3編とそこから繋がる最終章。 果たしてこれはミステリーなのか、職業病のように揃った謳い文句しか出ないミステリーの宣伝にこれも食われてるんじゃないか。 体は痒くはならなかった。
言霊たちの反乱 (講談社文庫)
No.283:
(7pt)

カラスの親指 by rule of CROW's thumbの感想


▼以下、ネタバレ感想
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カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
道尾秀介カラスの親指 by rule of CROW's thumb についてのレビュー
No.282:
(5pt)

めちゃくちゃだよぉ

 死に場所に選んだ地で出会った少女・御陵みかげ。 探偵を志す彼女の不思議な魅力に私は救われてゆく。 村の跡取りを狙った連続殺人の終結から18年後、、、衝撃の第二章。

 間違いなく好みの作風と裏切りなのだが麻耶雄嵩という先入観が足を引っ張ったね、うん。

▼以下、ネタバレ感想
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隻眼の少女
麻耶雄嵩隻眼の少女 についてのレビュー
No.281: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

渋いデビュー作


 後にSFや推理合戦などのトリッキーな作品で人気を得る西澤保彦氏のデビュー作です。 解体、つまりはバラバラ殺人事件に焦点を当てた短編集になっています。 
 いやぁデビュー作でこのテーマの短編集って渋すぎない? そしてバラバラだった短編さえも伏線として最後の章に繋がっていく様は見事。
解体諸因 (講談社文庫)
西澤保彦解体諸因 についてのレビュー
No.280: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ある日突然落ちた、奈落でのお話。


  裏社会での失敗、それが地獄の始まりだった。
殺し屋専門の食堂に売り飛ばされたオオバカナコ。 9人目のウェイトレス、8人目はこないだ死んだという。 一触即発、裏世界の人間たちとの危険な交流。 

 あぁ面白い。 血みどろのグロテスクに対しての洒落た登場人物達、そこに紛れる一般人大馬鹿な子。 生きる意味も未練も失くした彼女は奈落での出会いで何を見出しどこに向かっていくのか。 痛快、爽快さでお腹いっぱいになれるエンターテインメントだった。
([ひ]2-1)ダイナー (ポプラ文庫 日本文学)
平山夢明ダイナー についてのレビュー
No.279: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

叫びたくなる


 本庁キャリアの捜査一課長として世間を賑わす幼女連続誘拐事件に挑む佐伯。 事件解決への糸口は遠く世間に走る動揺、そして警察内に蟠る焦燥。  事件の停滞は確実に佐伯を追い込んでいく、冷徹ながら慧眼を持ち合わせた佐伯課長の行末は・・・。
 事件を仕掛ける松本なる人物。 男はある願いをかなえるために新興宗教に落ちてゆく、願いへの渇望はやがて実現への道を切り開くがそれは余りにも狂気的で・・・。 
 


二つのパートで構成され時間と共に奈落に落ちてゆくような、タイトルの「慟哭」へひたすら向かって行くようなストーリー展開。 二つの物語の驚愕の結末、代表作であり衝撃のデビュー作だ。
 
慟哭 (創元推理文庫)
貫井徳郎慟哭 についてのレビュー
No.278: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ナキメサマの感想

 舞台は北海道・稲守村。 かつての恋人を探しに彼女の故郷を訪れた倉坂尚人はそこで驚愕の光景を目撃する。 村を徘徊する白無垢の異形、人間業とは思えない死体、23年来の巫女の儀式、この村ではいったい何が祀られているのか・・・。 皆皆が口を閉ざす<ナキメサマ>の正体とは・・・。

 いい具合にホラーとミステリーが混合されている。 次作も決定している期待の作者の登場でした。 

 

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ナキメサマ (角川ホラー文庫)
阿泉来堂ナキメサマ についてのレビュー
No.277:
(7pt)

お隣さんが殺し屋さんの感想

 
 引っ越し先のお隣さんは殺し屋!?
進学を機に田舎から上京した美菜のお隣さんは高身長の雄也さん。 あわただしい学園生活の中、殺し屋の手は確実に学園内のターゲットに迫っていく・・・。 「神様の裏の顔」の著者が放つユーモラスミステリ!!

とぼけた女子学生とそのお隣さんが交互に織りなすテンポのいいユーモア、そしてその裏で確実に進行する作者の大仕掛け。  帯文通り302ページから始まりまっせ。
お隣さんが殺し屋さん (角川文庫)
藤崎翔お隣さんが殺し屋さん についてのレビュー
No.276: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

翼ある闇の感想


西洋風の館。 首のない死体。 2人の探偵。 本格ミステリの要素をふんだんに扱い、ぶち壊していく麻耶雄嵩渾身のデビュー作。

何でも食べたい私としては珍しく敬遠していた作家:麻耶雄嵩のデビュー作。 相当に癖のある探偵が出てくるという事でちょっと苦手かなと思っていたのですが、成程このアンチ・メタミステリの世界観ならこの探偵は許せる。 設定から解決までミステリの世界を基盤とし、現実的な世界を脱却した本作は、ミステリのルールと本格から新本格への変遷、探偵小説における後期問題をある程度知った上で読み進める必要があると思う。 
新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)
麻耶雄嵩翼ある闇 についてのレビュー
No.275: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

独白するユニバーサル横メルカトルの感想


 推理作家協会賞短編部を受賞した表題作他、残酷で痛々しく、鬼畜で耽美な短編集。
どの作品も生々しいグロテスクな表現と不快で不安定な世界観、そして想像の斜め上を行くようなオチが光る。 さながら猟奇的な世にも奇妙な物語といった感じで、タモリさんに結末を皮肉ってもらいたいものである。
独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)
No.274:
(5pt)

<完全犯罪完全指南>


 物証を完全に消し去り、完全犯罪を成し遂げるための裏ファイル。 春夏秋冬、4人の容疑者、犯人は一体どこでミスを犯したのか? 

タイトル通りの倒叙ミステリであり、物証が無ければ逮捕されないという前提の下でお馴染み海埜刑事と容疑者の戦いが繰り広げられる。 単なる短編集で終わらないのが深水さんらしいけどもこれはどうなんだろ。 芸術探偵シリーズ読んでからのほうがいいかな。
倒叙の四季 破られた完全犯罪 (講談社文庫)
深水黎一郎倒叙の四季 破られたトリック についてのレビュー
No.273:
(6pt)

何かを試されている


 突如として醜い異形に姿を変える異形性変異症候群によって息子が芋虫になってしまった主婦美晴。 家族の無理解、世間の眼、被害者同士の派閥、嫌悪感の中に見出す成長と愛情。 現代世界にカフカの変身を取り入れた第57回メフィスト賞。

 嫌な話だ。 息子の生殺与奪の選択を委ねられ、葛藤する母親。 あまりに不条理な病によって描かれる被害者心理、傍観者心理のリアルさは心に刺さるものがある。 「生まれてこなきゃよかったのになぁ」 何者にもなれないなら、人間に向いてないなら、私が最後に望むのは・・・。 ドロドロとおぞましい物語ながら、テンポよい語り口、特に終盤の展開は圧巻だった。

 
 

人間に向いてない (講談社文庫)
黒澤いづみ人間に向いてない についてのレビュー
No.272:
(5pt)

小市民が帰ってきた!!


 小市民を目指し互恵関係を結ぶ小鳩君と小山内さん。 波風立たない学生生活を送りたいはずの二人だが目の前に謎とスイーツを出されるとやや暴走気味で・・・。

 小市民シリーズ短編4集、春と夏の間の物語。 スイーツにまつわる新キャラも交えたちょっぴりビターミステリー。
巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)
米澤穂信巴里マカロンの謎 についてのレビュー

No.271:

螢 (幻冬舎文庫)

麻耶雄嵩

No.271:
(7pt)

綺麗な麻耶雄嵩 


 かつて演奏家6人を惨殺し謎の言葉を残し人生を終えた作曲家:加賀蛍司。 10年後、惨劇の痕の残る屋敷に肝試しに来た大学のサークルメンバー達。 世間を賑わす殺人鬼「ジョージ」。 雨の山荘での殺人から何かが始まる・・・。

 トリック自体は真新しさはないのだけれど使い方が非常に上手かったですね。 登場人物のまともさ、がっつり王道な館クローズドサークルものなのは麻耶雄嵩っぽくないなと思ったけれども最後の最後にやってくれます。 

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螢 (幻冬舎文庫)
麻耶雄嵩 についてのレビュー
No.270:
(5pt)

時限病棟の感想


目覚めると私は病院のベットの上だった。 監禁された男女5人とピエロからの指令、タイムリミットは6時間。 現役医師が仕掛ける「病棟シリーズ」第二弾。

 シリーズ物なので前作はほぼ必読。 監禁された者たちが訳も分からぬままピエロの指令を受け始めるところから息もつかせないスピード感で物語は展開する。 時限というタイトル通りの時間が迫る中での緊迫感、病棟を舞台にした医療ミステリーはお見事。
時限病棟 (実業之日本社文庫)
知念実希人時限病棟 についてのレビュー
No.269:
(7pt)

玩具修理者/酔歩する男の感想


ホラー小説大賞短編部門を受賞した「玩具修理者」と独特の視点からタイムトラベラーを描いたSF「酔歩する男」の二編。

・玩具修理者
ある夏、喫茶店にて、男女の会話は幼いころに出遭った「玩具修理者」の思い出に移る。 なんでも直してくれるという事で近所で評判だったその人物にあの夏転落死してしまった弟を預けたというのだが・・・。
 
・酔歩する男
飲み屋で出会った男は、大学の同窓生であり、昔は親友であり、今は無関係だという。 私は目の前の男に何の覚えもない。 それでいて相手は私のことをよく知っている。 大学時代の過去の話とその顛末を聞くうちに私の意識は揺らぎ始める・・・。
 
独特なSFじみた非現実的設定と小林氏のどろっとした描写で狂気的なホラーとして仕上がっている。 特に酔歩する男での時間遡行の斬新な捉え方には感嘆。
玩具修理者 (角川ホラー文庫)
小林泰三玩具修理者/酔歩する男 についてのレビュー
No.268: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

仮面病棟の感想

 療養型病院の当直バイトとして初めて田所病院訪れた外科医・速水秀悟。 仮面を被ったピエロが病院を占領し、自分が銃撃した女を治療しろと要求してきた。 奇妙なピエロとどこか怪しい田所病院の勤務医たち、脱出の為の捜索をするうちに病院内の大きな秘密が見えてきて、、、

面白かった。 現役医師作家ということで小難しいのかなと思って敬遠してきたけど、むしろピエロや籠城といったエンターテインメント溢れる小道具を多用した好みの作品でした。  展開が非常にスピーディーで事件の発生から解決まで無駄のない構成、登場人物もごく限られた範囲の人間だけで複雑な関係性は見られない、それ故に読みやすい作品になっている一方で結末の予想は付きやすそうか。 


 
仮面病棟 (実業之日本社文庫)
知念実希人仮面病棟 についてのレビュー
No.267:
(5pt)

グラスバードは還らないの感想




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グラスバードは還らない (創元推理文庫)
市川憂人グラスバードは還らない についてのレビュー
No.266:
(8pt)

この世があまりにカラフルだから

 目が覚めると僕は小林真だった。 
前世で大きな罪を犯した僕は自殺した冴えない中学生・小林真に乗り移り甦りの修行を行う。 他人の器で過ごしながらも次第に小林真という人生に戸惑い、怒り、そして楽しさを見出していく僕。 前世の罪に気付き人生を取り戻せるのか・・・。
 
 自殺してしまうような境遇の中学生を追体験し、青年特有の悩みを客観的に描いている。 いじめだとか絶望だとかはっきりとした言葉では表せない、誰にも相談出来ない自分でも分からないグレーな感情が他人である僕によってカラフルに変わっていく。 そして自分自身の犯した罪に向き合い、僕が前世で起こした罪を告白する、、 
 重たいテーマに対して、軽い掛け合い間延びしない展開、シャープな結末。 
 
カラフル (文春文庫)
森絵都カラフル についてのレビュー
No.265: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

神様の裏の顔の感想

神様の様に皆に慕われた坪井先生の葬儀には親族は勿論、教え子や元同僚、近所の人からアパートの店子までたくさんの人が集い涙を流していた。 ご焼香から通夜ぶるまいと進行していく葬儀の中、先生との思い出を回想していくと何か引っかかる点が・・・。 集まっていく先生への疑念の数々に裏の顔は犯罪者だったのではと話が持ち上がる。

 葬儀に集まった複数人の視点で描かれ、どのキャラも個性的に仕上がっている。 そして元お笑い芸人だけあって小気味よいユーモアセンスも光る。 最後の展開もさすが受賞作といえる出来。

神様の裏の顔 (角川文庫)
藤崎翔神様の裏の顔 についてのレビュー