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火の粉



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【この小説が収録されている参考書籍】
火の粉
火の粉 (幻冬舎スタンダード)
火の粉 (幻冬舎文庫)

火の粉の評価: 4.19/5点 レビュー 216件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.19pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全178件 101~120 6/9ページ
No.78:
(5pt)

鳥越の話がリアルすぎ

最初は、裁判官の勲同様、プレゼントしたネクタイを着けなかったという理由で一家惨殺するか??
と思っていました。
久しぶりに徹夜して読破してしまうほど、息をつかせぬ展開です。
怪しい奴は犯人じゃない。というミステリーの定石から、途中で竹内と池本のどちらが犯人なのか
さっぱり分からなくなりました。
その疑問は犯人の旧友・鳥越の話で晴れるのですが、その話がもう鳥肌が立つ内容。
毎年誕生日を祝ってくれるとか、関心を引くためにわざと転んで流血するとか、
程度の差こそあれ、そういう奴っているよなぁと納得させられます。
登場人物も個性豊か。2世帯家族の父と息子がだらしなく、母と嫁が聡明という設定が良く練られています。
武内の計算された謀略・・・良くもまぁこんなの考え付くよなぁという思いです。
雫井さんの小説は火の粉が初めてでしたが、これは凄くお勧めです。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.77:
(4pt)

じりじりとした気持ち悪さと恐怖を感じる作品

 冤罪を生むことは避けなければならない。
 裁判官として確信を持って無罪判決をくだした男が、隣に越してくる。妙に優しく接する姿に、最初は微笑み、次第に疑念が沸いてくる。
「良い人すぎないか?」
 読み続けていくと、じりじりとした気持ち悪さと恐怖が体に入り込んでくる。
 気分が悪いのに読むのをやめることができない。
 得体のしれない生物が潜む泥水に足を突っ込んで歩き続けているよう苦しい時間が続いていき、ストンと大きな穴に落とされるかのように破裂の一瞬が訪れる。
 読後感は良くないが、良くできた一冊。
火の粉Amazon書評・レビュー:火の粉より
4344002938
No.76:
(5pt)

武内みたいな人は、いると思います。

たった一人の、過剰に親切だけれど何故か怪しげな隣人が、段々と隣の
家庭を崩壊に向かわせていくのが、妙に怖くてたまりませんでした。
どこの家庭にも、ちょっとした綻びがあったりするものだと思いますが
そこに、とにかく上手くすーっと入り込んで来てしまう武内。
こんなに怖い人がいたらたまらない・・・と思いつつ凄い勢いで読みま
したが、動機を知った時「こういう人は、いる!いるいる!」と納得して
更に恐ろしくなりました。
個人的には、「武内と付き合えるのは自分くらいだ。」と自負している
楽器屋の鳥越の回想シーンが怖いの何のって。何度も読んでしまいました。
テレビドラマ化された時に「あの鳥越さんが何故出て来ないの?」と
残念でたまりませんでした。
他の方も書いていらっしゃいますが、雫井さんは女性の心理がどうして
こんなに上手く書けるのだろう?と、驚きました。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.75:
(5pt)

タイトルが響くんです。

火(面倒なこと)から逃げても、火の粉が降り掛かる。 凄く怖くて怖くて、夕方6時から夜中2時まで一気読みせずにはいられませんでした。こんなに火の粉が怖いなら、火から逃げずに立ち向かう人になろうと思う。何が怖いって、敵味方は変わらないのに、味方をちょっとしたことで疑い、自分の中で敵と確定してしまったこと。こんなことじゃ、冤罪はいくらでも起こり得る。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
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No.74:
(4pt)

読むなら休みの前日に

読んでると イライラムシャクシャしてどうにかスカッとさせてほしいから途中では止められません眠たくても絶対夢見悪くなりそうで途中で切り上げられませんあるかも…いるかも…(ここまで極端ではなくても)だからコワイ
火の粉Amazon書評・レビュー:火の粉より
4344002938
No.73:
(5pt)

私の隣人は大丈夫かしら・・・

友人の薦めで彼の作品をはじめて読みました。
殺人事件ものはちょっと〜・・・
なんて思いながら読み始めたら、一気に徹夜して読んでしまうハメになってしまいました。
まず、ストーリーになみがあるわけじゃなく、ジワジワっと押し寄せてくる恐怖感がすごくいい。先へ先へと読みたくなる。
そして登場人物がいいと思う。心理描写がうまいのか、キャラに好感をもてたりイラだったりして物語の中に入り込んでいきました。
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No.72:
(5pt)

読み始めてすぐ

ああこれはテレビ朝日の土曜ワイド劇場で観た作品の原作だと判りました。主人公の雪見さんは原沙知絵さん、その義母は朝丘雪路さん、義父は愛川欣也さん、隣人の武内は村田雄吉さん、他に柳沢慎吾さんらが出演されてました。なので結末まで承知の上読んだのですが、それでも充分楽しめました。作者のほかの作品も読んでみようと思いました。
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No.71:
(4pt)

あまりにも身近でリアル

登場人物が、裁判官を辞めて大学教授になっている一家の主とその妻、その息子は司法試験の浪人で、ある意味主人公はその浪人の嫁、その一人娘と、寝たきりの介護が必要な教授の母、その娘(教授の姉)…という感じの設定で、この一家がある人物のおかげでとんでもないことに巻き込まれ…という話なのだが、設定自体がどこにでもありそうな状態のため、ものすごくリアル。実際にそんな家庭があってそんな事が行われていても不思議ではない。
そもそも発端は、裁判官が一家惨殺の被疑者を「冤罪」だと判断し「無罪」にするシーンから始まる。その晴れて無罪になった元被疑者が偶然その裁判官(をやめて大学教授)の家の隣に引っ越してから、色々とおかしい事が起こり始める。
黒塗りの車が常に監視をしていたり、新聞社の名刺を持った男が聞き込みをしてきたり。当初は無罪だった犯人はやはり何かやっていたのか?と思ったり、一度このような形で世の中に出てしまった人は一生疑われるのです…という本人の悲しい告白があったり。
実際に教授の母親が亡くなったあたりから、変な雰囲気になり、しかしその元被疑者はどんどん過程の中に入ってきて、家族同様の付き合いになり…。
その元被疑者の高校時代からの友人の登場で一気に解決に向かうのだが、最後の最後には思わぬ人が思わぬことを…。
この元被疑者の性格が別に異常というのではなく、少し激しいだけでどこにでもいそうな感じという事で、もう話がリアルになっている。
相当分厚い本ですが、一気に読んでしまいます。それくらい読む人をひきつけれる作者の筆力に感服いたしました。ミステリーではまだ相当いい小説を書いてくれそうです。しばらく注目。
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No.70:
(4pt)

人間の弱さ、脆さ

元裁判官・梶間が退官して購入した一軒家の隣に、
二年前に彼が無罪判決を下した男・武内が越してきた。
この男が現れてから、平和だった梶間家に異変が起きはじめる・・・。
一見、残酷な殺人事件など起こしそうにない武内。
紳士的で温厚な態度の裏には一体何が隠されているのか?
梶間家がだんだんと引き裂かれていく様の恐怖感、
次に何が起こるのかとページを捲る手が止まらない。
登場人物それぞれの心情も非常に上手く書かれており、
特に梶間の妻・尋恵が姑の介護と戦う姿、
息子の嫁・雪見が思い通りにいかない育児に悩む姿が特にリアルで
読みながらヤキモキしてしまった。
そして一番は武内のキャラクター。
彼の異常さにはゾクゾクしますが、やはりこれはありえない話ではないと思う。
人間はこんなにも、弱くて、脆い。
かなりスパイスの効いた1冊なので、日常の合間のいい現実逃避になあるが、
怖いのが苦手な方にはお勧め出来ない。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
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No.69:
(5pt)

自分と他者の人格の評価が著しく乖離している状態は一種の狂気を感じます

 人には3つの人格があるといいます。ひとつは他人が認知している人格、そして
自分が認知している人格、もうひとつは普遍的な本当の人格というものです。私
を含めて自分の認知している人格イコール本当の人格だと捕らえがちですが、
これらがクリアに一致する人などいないということも一方の事実としてあるので
はないのでしょうか。
 傍から見ていると、明らかに集団内での規範から逸脱しているにも拘らず、
正しい事をしている(感じている)と信じて行動している人に時々出会います。
また、知らず知らずに自分が逸脱行動をしている事に気付き、怖くなる事もあり
ます。人は暗黙の規範の中で生きているためその規範が曖昧になっているケース
もあるでしょう。このギャップが極端になるとそれは「狂気」といわれます。
 「狂気」は多くの作品で扱われているテーマですが、本作の「狂気」はいった
い誰が狂っているのか?自分は正常なのか?が分からなくなってしまう怖さが、
よく描かれていたと思います。誰の心の中にも狂気の芽を持っており、いつ踏み
外すか分からない。そんな不安定な中、他者と向き合って日常生活を送っている
という現実があり、何も起こらないことがむしろ奇跡に感じられます。人はもう
少し自分が認知している人格に向き合い、内省する必要があるのではないでしょ
うか。それが精神のバランスを保ち、社会的な人格を育てるのだと思います。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
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No.68:
(5pt)

女性目線

温厚で善人。人の良いお隣さん武内。しかし限りなく怪しい男。「みんなだまされないで!この人はおかしい」と叫べば叫ぶほど、「おかしいのは自分のほう」の烙印を押されてしまうであろう、もどかしさ。怖いです。
武内のキャラクターは言うまでもないが、彼のことを素直に信頼していく回りの人達の描かれ方が実に細かい。特に物語の進行を担う形となる雪見と、義母。驚くほど女性目線です。
これが私の「初・雫井」。他の作品が楽しみ!
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
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No.67:
(5pt)

動機は人それぞれ…

初めて読んだ作者の本が本作でした。正直、初めて聞く作者名でしたし、読み始めはまっったく期待してなかったのですが…読むにつれて、武内という一見良心的な人間に周囲がジワジワと疑惑を抱いていく過程に、思わず後ろを振り向いてしまう程の、恐怖というと大袈裟なくらいの、ゾクッとするものを感じ、あっという間に読み終えてしまいました。え!?それだけの理由で犯罪なんて犯すかな??という程の犯人の動機。けれど、他の登場人物の細やかな心理を描いているからこそ、意外と人間なんて、こんな単純な理由で犯罪をあっけなく犯すのかもな…と考えさせる人の心の複雑さを感じました。個人的には、雪見とその娘まどか、義母の嘉恵のシーンが、同じ女性として相容れるものがありとても好きです。解説にもありましたが、この作者さんは女性の複雑な心理描写がとてもうまいです。意外なラストではありましたが、ホロリとする終わり方で大満足です。
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No.66:
(5pt)

ハマる

通勤電車で毎朝夕読んだのだが、降車駅で栞を挟んで閉じるのを躊躇われるほどハマった。
本当、雫井作品の人物描写は素晴らしい。
それは「魅力あるキャラクターを創出する」という意味ではない。
普通の人々を深く細やかに描くことで、物語世界の魅力が高まるのだ。
また、「異常性格の隣人」というテーマは、実際にある大量殺人犯(既にこの世にはいない)が
同じマンションに住んでいて、接触した(イチャモンを付けられ一方的に恫喝されただけ
だったが)経験のある自分にとって、全く他人事とは思えないリアリティを持って迫ってきた。
他のレビュアの方々も指摘している通り、冷静な頭で考えれば作りこみの甘い部分は多々ある。
ラストがドタバタした感も否めない。
だがしかし、それすらも気にならないくらいドップリ漬かり込んでしまった。
それはやはり、登場人物たちの呼吸が聞こえるかのような、雫井氏の描写力の賜物だろう。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
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No.65:
(5pt)

ママの気持ちだ!

図書館でなんとなく借りてきました。
面白くて一気に読み終えてしまいました。
最後の解説のところで
この作者は女性の心理描写が上手いと書いてありました。
本当にその通りで、読みながら
これは2歳児を持っているママが書いているに違いない!!!
と確信するほど、私の気持ちを言い表していました・・w
でも、作者は名前からして多分男なんですね、凄い。
育児関連の本も参考文献に入っていましたが
読んだだけでどうしてあんなに当事者みたいな文が書けるんだろう。
でそのあとがきの言葉を借りて書くと
「夫が収入の無いことから(夫の実家と)
 同居を余儀なくされた不自由さと
 これまたいずれ手が離れる日が来ることは分かっていても、
 とてつもなく遠く感じる、聞き分けのない娘の育児に追われる日々。
 雪見はママ友達との付き合いに悩み、」・・・・・
このママは主人公ではないと思われるんだけれど、
主にこの人の目線から書かれていて
育児に疲れる私に似ていると、感情移入しまくりでした。
もちろんストーリーも面白かったです。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
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No.64:
(5pt)

類まれなる筆力で読ませる、サスペンス小説の傑作!

最高におもしろい。
息つく暇もない。ページをくるのももどかしい。
物語がどのように帰結するのか、気になって知りたくてジリジリしてしまう。
元裁判官・梶間勲の隣家に越してきた男・武内。
二年前、勲は殺人で起訴された武内に、無罪の判決を下していた。
恨みを買ういわれは何もない。だが梶間家の周辺で、次々と不可解な事件が起こり始める。
にこやかで親切で情の厚い武内。それは彼の仮面なのか?本当の彼はどんな人間なのか?勲の下した判決は間違っていたのか?それとも?真実は??
武内のキャラが秀逸。
人間の複雑さ、ひずみ、脆さ、危うさ、そして普遍性をこんなに体現した人物は今まで誰も書かなかったんじゃないかと思える。うまい。怖い。
梶間家の面々の人物も、深く掘り下げて描かれる。
特に義母を介護する尋恵の心のわだかまりと、武内に対する不安と疑心を理解してもらえない雪見のじれったさには、ものすごく共感してしまう。その心理描写だけでも読みごたえがある。俊郎の脳天気なお気楽さには本気で腹が立つし。
・・・のトリックが暴かれるシーンがよい。情景が映像となって目に浮かぶ。
開くふすま。パシーン、パシーンと響く音。俯瞰するカメラ。勲のセリフ。解ける謎。
鳥肌がたつくらいうまい。感嘆する。
ラストはアメリカ映画的で、まあちょっと作りすぎの感は否めない。けれどよくぞここまで引っぱってくれた、とも思える。
登場人物のリアルさ、たくみな物語構成、奇抜ではないのにあっと驚くトリック、迫力のラストシーン、そして考えさせれるテーマ。傑作のあらゆる要素を満たしていると思う。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
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No.63:
(4pt)

おもしろい。

500ページを超える長編だがストーリーがしっかりしていて読みやすかった。
場面がいくつも変わったり、真犯人が出たりなど劇的な変化はないが、
日常生活がじわじわと確実に変化していく様はネットリと怖かった。
上下巻に分ければよいのにと最初は思ったが、迫力ある動的なサスペンスではなく、
じわじわと進む静的なサスペンスだから1冊にまとめたのかなぁと勝手に納得した。
やっぱり雫井作品はよいなぁと思った。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
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No.62:
(4pt)

あなたの隣人は大丈夫?

今『犯人に告ぐ』がバカ売れしている雫井さんの長編小説。
前々から注目していた作家なんですが、いわゆる「エンタメ小説」の担い手として中心になっていく、いや、もう中心になっちゃってる作家です。
この小説もエンタメ小説って事で、一気に読める。
自分の隣人は大丈夫かなと怖くなる。
テンポが良くどんどん話が展開していく。
面白いですよ。
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No.61:
(4pt)

他人との距離感

たまたままわってきた文庫本だったのですが、最高に面白かった!
今年読んだ中では一番というぐらい。とはいえ、この本、決して最近のではなく、今さらですが。私はほとんど聞いたことのない作者で面白いのかどうかもわからず読み始めたのですが、けっこうな分厚さにも関わらず、一日で読み切ってしまいました。
無罪判決を言い渡した被告が数年後、その裁判官の隣の家に越してきたところから話は展開していくのですが、まずはこの被告、武内という男の何とも言い難い不気味さ。
ただこういう人ってけっこういるなとも感じました。もちろんこの本の事件ほどの大ごとにはならないけど、人との距離の取り方が分からない人って決して少なくない。そしてそういう人間は、なぜ自分が人とトラブルになってしまうのかということもわからない。
あと、二人の女性が出てきます。嫁である若い女性とその姑である裁判長の妻。この二人のありがちな嫁姑の確執は出てこないのですが、各人が持つ、その年代特有のストレスというのがすごくよく描かれてると感じました。
あと、実母の介護なのに、まるで他人事のような夫の家庭での態度とかも。
判決理由にはちょっと ? と感じる部分もたしかにあるのですが、そこらへんの描写がうまいので、最後まで読者をひっぱっていってるんでしょうね。
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No.60:
(4pt)

人は他人を裁けるのか

本書では「冤罪」がひとつのテーマとなっている。
通常、冤罪で問題となるのは無罪の者が罪を着せられることにあるが
読み進めていくうちに、ひとつ思ったことがある。
それは、裁判で「無罪」の判決を受けたからといって
ほんとうに無罪かどうかはわからないということだ。
つまり、裁判はあくまでも出揃った証拠から判断して裁判官が判決を言い渡す。
しかし、裁判官が犯人でない以上はその判決が100%正しいとは言い切れない。
真実はひとつしかないが真実を知っているのもひとりしかいないのだ。
そんななか、「死刑判決」をくださなければならない
裁判官の心情は一般人には想像し難いだろう。
その苦悩が本書にも描かれている。
そしてそれが物語のひとつのポイントでもある。
もうすぐ、裁判員制度がはじまり
誰もが裁判に関わる可能性のある時代。
しかも、判決をくだす側として。
果たして、私たちに他人を裁くことなどできるのだろうか。
一度、本書を読んでみてもいいかもしれない。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
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No.59:
(4pt)

冤罪による被害者だったのか、本当は殺人鬼だったのか・・・

元裁判官の梶間勲の隣に、二年前に無罪判決を下した武内真伍が越してくる。武内はいろいろと梶間の家の事を気遣ってくれる。しかし、徐々に梶間家の歯車が狂い出し家族がバラバラになってゆく。はたして武内は冤罪による被害者だったのか、本当は殺人鬼だったのか・・・
というような内容です。
新聞広告を見て面白そうだな〜と思いました。
最近は新聞広告で買う本を選んでる事が多いです。
さて、この本の最大のミステリーは武内です。
本当にいい人のような気もするし、被害者の意見が正しいような気もするし、真実はどうなのか!それが知りたくてどんどん読めます。
私の書き方を見ると男臭く見えるかもしれないけど、話を進めるのは女性です。
梶間の妻と、息子の嫁が中心になって、いい人なのか悪い人なのか揺れます。
男性が書いてるんだけど、女性の心理描写がかなりリアルで、家庭での立場や旦那の母や姉とのやりとりに感情移入してしまいました。
ちょっと最後がバタバタとした感がありますが、面白かったです。
火の粉 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:火の粉 (幻冬舎文庫)より
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