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145gの孤独
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145gの孤独の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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少しばかり伊岡ワールドらしくない内容でしたが元プロ野球選手の主人公とその相棒である春香とのやり取りがとても楽しく良い内容でした。 | ||||
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伊岡瞬、なかなか粋な作品を書いてくれるじゃないか!元プロ野球の投手でありながら打者の顔に ボールをぶつけて相手もそして自分も野球をあきらめる倉沢。相手の選手西野はその後妹の晴香と 共に倉沢が立ち上げた何でも屋で働くことになる。その何でも屋に持ち込まれた仕事は「付添い屋」 要は、依頼人から誰かの付き添いを頼まれるというものだが、当然すべて訳ありなもの。この 作品では4編の「付添い屋」としての倉沢の活躍が描かれるが、独立した短編ではなく連作になって いる。倉沢は野球引退後虚無感に苛まされる生活を送っており、今の仕事もいつ店じまいするかと いうことばかり考えている。晴香が、彼を些か暴力的な方法で叱咤激励するが、ここら辺の人物の 描き方がいい。倉沢も孤独と虚無感に囚われながら、冗談ばかり言っている。ちょっと米国の 探偵小説を読んでいる感じで私は好きだ。この倉沢がこれらの事件を経験しながら、やがてまた 何かをなくし、そして新たに何かを見つけていく。ちょっと粋で、これからどうなるんだと思いながら 作品は終わってしまう。これは、是非次作を期待したい作品だ、私には。 | ||||
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失業したプロ野球選手の悲哀を楽しく読ませて貰いました。自分の考えはプロ野球選手、特に投手は頭脳明晰 でないと務まらないと思っています。失業後もその能力が生かされて、物語は能力を良く発揮され楽しかったです。ボールの重さが145gとは知りませんでしたが、小生が楽しんでいるソフトボールのS3ゴムボールは190gです。81歳の小生は今でも190gを投げて楽しんでいます。 | ||||
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まだまだ全て読んでは無いが、展開が面白そうだ。読み進めれば更に先へ先へと行くだろう。 | ||||
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伊岡さんの大ファンです。この作家は人の心情を細かく描写するのがとても上手くて感情移入して読み進められます。先が知りたくてあっという間に読了しました。 4部構成になってますが後半で畳みかけるように物語が面白さを増してきて圧倒されます。 伏線を回収する楽しみもあり、ラストも爽やかでとても満足出来ました。 | ||||
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起こることは誰かのせいで起きる訳じゃない 皆が他人の人生を背負おうと必死で、そこに疲れながらも人の性だなと思ってしまった 最後のページで、え?ってなった きっと全部、そういうことだったのか | ||||
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挫折した人間が容赦なく描かれていた。そして、そこには、容易い愛を差し伸べる女神は登場せず、ただ根気強く復活を待っていた。 | ||||
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単純に私は伊岡瞬さんのファンなのですが、これも裏切らないです。 | ||||
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男はかつてプロ野球の世界で有名な投手……だった。たった1球の紺トールミスが人生を変えた。 気がつくと、傷つけてしまった相手の妹たちと便利屋商売。 そんな、彼の元に「ただ、そばにいるだけ」とい胡散臭さの固まりの仕事がやってくる。 「付き添い屋」、サッカー観戦の子どもの付き添い、フィリピンパブのホステスの帰国前のドライブの付き添い、資料整理の老女の付き添い……どうしても胡散臭く、彼は独自に調べることにする。 連作短編集の形態をとっており、それぞれの物語は独立しているように見せかけて、実は主人公・倉沢の心をえぐる展開。個々の短編が決してハッピーエンドでないのは、倉沢のストーリーを紡ぐための仕掛けなのは分かったのですが……巧いストーリー構成だと思います。 この著者の作品をもう少し読んでみたいと思ってしまいました。 | ||||
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最初は付き添い一件ずつが主体の短編みたいな印象で読んでましたが、途中から予期せぬ展開に一気読み。 劇的な救いは無く人生ってこんなもんだって言う現実的なラストではあったけど、でも希望の持てる終わり方でした。 罪を背負った人間がそれとどう向き合って生きていくか、ゴールのない問いかけだと思います。 登場人物達の前途が明るいものでありますように。 | ||||
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元プロ野球の投手が主人公という稀有なミステリー。 ハードボイルドの主人公にしては、極めて長広舌であるというのも、彼の特徴かもしれない。 彼は、現役時代に起こしてしまった自らの過失により、人生の多くを失ってしまう。 その後、かつての縁故をたどって、彼が第二の人生として選択したのは、便利屋だった。 この便利屋稼業の日常性の中で起きることが、それぞれの物語と結びついてく。 スピーディーに展開していく物語は、読者をひきつけてやまないし、意外な結末で終わるラストは、短編小説の妙を感じることだろう。 しかし、本著の魅力は、それだけでは終わらない。それぞれの物語が、読者に対して、答えを迫ってくる。主人公の行為は正しかったのだろうかと。 恐らく、作者が、意図した本著のテーマは、「十字架を背負った人間は、どう生きていくべきか。」ということにあったと思う。 作中、何度も発せられるこの問いに対し、考え悩んだせいか、私は、読むのにやたら時間がかかってしまった。いやはや何とも難しいテーマである。 魅力ある人物が、主人公だったと思うし、彼の前途に幸あれと願いたくなってくる。 | ||||
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この人は前作もだが、人が失いたくないものや、背負いきれない傷を受けても 捨てきれない望みのために日々の生活を生きる人を描くのが絶妙だ。 今回はプロ野球で活躍していたのにデッドボールをきっかけに引退し 今は便利屋を営む倉沢が主人公。 4部構成の前半は、野球から引退した倉沢が、 人の心をも引きうける便利屋稼業のシリーズかと思わせる。 もちろんその前半もシリーズ化出来そうな面白さではあるが 後半のしかけにこの作家も持ち味が滲み出てくる。 タイトルにもある145gは野球硬式ボールの重さだ。 それは倉沢が見ようとして見れなかったもの、その正体が明かになってくると 人の心の弱さが人を意固地にもするし、孤独にもさせるその切なさが 読んでいる胸に染みてくる。 過去の栄光となりつつなる戻れない時間を、もがきながら折り合いをつけようとする生き方に、最期まで心を揺さ振られる。 | ||||
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