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145gの孤独
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145gの孤独の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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人をボールで傷つけたという暗い過去を持つ倉沢は、小さな便利屋を始める。その仕事を 手伝うのは、傷つけた相手の西野とその妹。依頼の裏に隠された真意を探る過程が読み 手の興味を引く。だが、そこには目新しいものはなかった。倉沢と西野の関係で、「おっ!と 思う部分もあるが、そういう設定も以前に読んだ作品の中にあったような気がする。もう 少し倉沢の苦悩や孤独感が伝わってくるとよかった。ミステリー的な部分、倉沢の人間像、 どちらにも物足りなさを感じる。 | ||||
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元プロ野球の投手が主人公という稀有なミステリー。 ハードボイルドの主人公にしては、極めて長広舌であるというのも、彼の特徴かもしれない。 彼は、現役時代に起こしてしまった自らの過失により、人生の多くを失ってしまう。 その後、かつての縁故をたどって、彼が第二の人生として選択したのは、便利屋だった。 この便利屋稼業の日常性の中で起きることが、それぞれの物語と結びついてく。 スピーディーに展開していく物語は、読者をひきつけてやまないし、意外な結末で終わるラストは、短編小説の妙を感じることだろう。 しかし、本著の魅力は、それだけでは終わらない。それぞれの物語が、読者に対して、答えを迫ってくる。主人公の行為は正しかったのだろうかと。 恐らく、作者が、意図した本著のテーマは、「十字架を背負った人間は、どう生きていくべきか。」ということにあったと思う。 作中、何度も発せられるこの問いに対し、考え悩んだせいか、私は、読むのにやたら時間がかかってしまった。いやはや何とも難しいテーマである。 魅力ある人物が、主人公だったと思うし、彼の前途に幸あれと願いたくなってくる。 | ||||
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この人は前作もだが、人が失いたくないものや、背負いきれない傷を受けても 捨てきれない望みのために日々の生活を生きる人を描くのが絶妙だ。 今回はプロ野球で活躍していたのにデッドボールをきっかけに引退し 今は便利屋を営む倉沢が主人公。 4部構成の前半は、野球から引退した倉沢が、 人の心をも引きうける便利屋稼業のシリーズかと思わせる。 もちろんその前半もシリーズ化出来そうな面白さではあるが 後半のしかけにこの作家も持ち味が滲み出てくる。 タイトルにもある145gは野球硬式ボールの重さだ。 それは倉沢が見ようとして見れなかったもの、その正体が明かになってくると 人の心の弱さが人を意固地にもするし、孤独にもさせるその切なさが 読んでいる胸に染みてくる。 過去の栄光となりつつなる戻れない時間を、もがきながら折り合いをつけようとする生き方に、最期まで心を揺さ振られる。 | ||||
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