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ジバク
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ジバクの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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天国から地獄へ。 そんな内容といっても過言ではない。 外資系のファンドマネージャーで年収2000万円を手にする男が高校の同窓会へ出席し憧れていた同級生のクラブへ行ったことからこの物語の悲劇が始まる。 不倫による解雇、離婚、財産を無くす。さらにひもとなった女に保険金殺人を巧まれ危うく生命の危機に。交通整理の日雇い労働者の身となり車にはねられ片足切断。 こんな惨めな人生は存在するのかと思うほど徹底した挫折を描く作品に脱帽。 一般文学通算1332作品目の感想。2016/09/07 17:40 | ||||
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一旦落ち始めたら止まらない過程と、その時々で「どうしようもなかった」のも良く分かるんだが、気持ちダウンの人は読まない方がいいと思う。大変にダウンに拍車をかけるから。面白い事は面白いが、読んでる時は沈むと思う。 | ||||
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残念だったのはタイトルから結末が推察できることです。 主人公はフアンドマネージャを職業としている男性、貴志。 年収2000万円、妻はお見合いパーティで知り合った美しい女性。 何も不満はなかったが、いつしか自分は妻の金づるでしかないことに気がつく。 そんな時、高校のクラス会が開かれ、片思いだったミチルに出会う。 ミチルはスナックのママだった。 貴志は、自分はいま成功している、クラス会でも自分が一番の勝ち組! そんな、傲慢な気持ちが、高校生のとき告白をして、あっさり自分を振ったミチルに 男として、ミチルに見せつけてやろうという気が起きたのが この本のタイトル伴っている「ジバク」であった。 内容は展開が早いので読みやすく、娯楽の一冊としては良かったのではないか・・・ そう思います。 | ||||
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インサイダー情報を同窓会で再開したかつての片想い相手に漏らしたことから、ファンドマネージャーの人生が転落を始める。 その片想いの同級生と肉体関係を結ぶも、彼女の愛人男性から強請られる。結局会社に情報漏えいがばれて解雇。セレブになることしか興味のない妻からも離婚される。 その後、主人公は知り合った女性に殺されそうになり、未公開株販売会社で詐欺と知りつつ営業を行い、最後には日雇い労働者にまで落ちぶれ、そこでも仕事中に車に轢かれて肢を切断する重傷。 何か復讐するでもなく、前向きに生きていこうとする話でもなく、ただただ転落していく様を描くだけ。 こういう話もアリだけど、平凡な読者としてはハッピーエンドとまでは行かないまでも、何らかの爽快な読後感を味わいたかったな。その期待は裏切られたわけだけど。 現実には、再起することが難しく、主人公のように転落することの方が多いとはいえ、気持ちが暗くなる一冊でした。図書館で借りたのですが、縁起が悪そうで、早く返したい気持ちです。 | ||||
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人生の勝ち組ファンドマネージャーだった男が、高校時代に好きだった 女と関係を持ったことをキッカケに転落していく物語。 「嫌われ松子」同様、最後まで報われない主人公ですが、「嫌われ〜」 のラストがモノ悲しくも爽やかな感動を与えてくれたのに対して、 この物語のラストには、後味の悪さしか感じられなかったが残念・・・。 事故に遭って以降の展開に、なんとなく投げやりな印象を受けましたし、 ラストでの「ミチル」との遭遇シーンは、ほとんど必然性を感じられ ませんでした。ていうよりか、「ミチル」という女がただ単に主人公を 奈落の底に突き落とすための記号的な存在でしかないので、いまいち物語 に感情移入できなかったかな。 中盤の「彰子」のエピソードは、なかなか良かったと思いますが。 主人公以外の視点もあれば、物語にもっと厚みが出たような気がしま したし、読後感もまた違ったものになっていたのではないでしょうか。 | ||||
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ハッキリ言って小説としては思いっきりベタで、小説を文学として、芸術として読む向きには物足りなさを感じるだろう。でも、この一見ベタな人物造形、プロット、ストーリーがやけにリアルに感じられる。それは今の世の中がまるで小説のように、思いっきりベタに、格差社会化しているからなんだと思う。年収2000万円のファンドマネージャー、詐欺まがいの電話営業マン、日払いの交通誘導員…何かのきっかけでシフトダウン、一旦落ちたら2度と這いあがれない転落劇。これ、一般のサラリーマンだって、インサイダーがばれたり、不倫で立場無くしたり、事故ったり、病気したりって何かのきっかけで安定したサラリーマン生活とおさらばなんてめちゃくちゃリアルだと思うんだよな。 この本のタイトル、「ジバク」なんだけど、この主人公、決して自爆しているわけじゃない。どっちかっていうと地雷踏んでるっていうかトラップにかかってるんだよね。そういうのも自爆って言うのかもしれないけど、自分で爆弾抱えてて、いざとなったら自分で爆発させることができる、っていう一種の自律性っていうか希望として著者は自爆ってものを捉えていて、そうした最後の砦としての「ジバク」ってタイトルなんじゃないかなって思う。あるいは、結局自分の心持ち次第って反語としての「自縛」なのか? 今の世の中、主人公もそうだけど、あまりに“金”って一元的な価値観に縛られてるよね。皆が皆、金に最適化した生き方をしてるっていうか、まぁそれは幻想なのかもしれないけど、そういう空気は否めないよね。ITってのがそれを加速してる部分もあってさ(この小説の中に出てくるテレアポの極意で“相手はカモかゴミ”なんてデジタル思考はまさにITであって)。 いろんな意味で、イマ的な小説って感想である。「下流社会」と一緒で、「ああ今の世の中、やっぱこうなんだ」って安心感を得られる、そんな効用もあるかもしんない。 | ||||
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山田宗樹さんの新作、とても楽しみにしていましたが、 私の期待したような内容ではなかったです。 まず、主人公・麻生の生の心が全くこちらに伝わってきませんでした。 なんどもどん底に突き落とされるのですが、章が変わると自然に新しい生活に入っていて、 きれいにリセットされているのです。 年収2千万の男がほぼ無一文になるわけですから、 それなりの葛藤があっても良いと思うのですが、 誰に頼ることもなく恨み言も言うわけでもなく、(多少は言いますが) かといって「また、はいあがってやるぞ」と言うパワーがあるわけでもなく、 新しい生活を淡々とこなしていくことが、 不思議でたまりませんでした。 著者の代表作である「嫌われ松子の一生」で松子は、 男に頼ることによって新しい生を受けていき、 その前向きなエネルギーが感動を呼んだと思います。 「松子」の男バージョンを狙ったとしか思えない本作ですが、 どん底に落ちた苦しみが感じられなかったですし、 その彼が、何に(誰によって)生かされているのかが見えてきませんでした。 また、箇条書きで主人公が独白する部分と、短いセンテンスでの会話文が多く、 本の厚さの割に中身が無いような気もしてしまいました。 | ||||
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坂道を転がるように堕ちていくって言うけど、最初はほんのちょっとした躓きだったものが、 一度坂道を転がりだすと仕舞いには加速度がついて、ほんとあさっての方向に転がって いってしまうのだなぁ・・・・と思った。 そして人生の転がり度は、この主人公が住んでいる部屋の広さと家賃で如実に表されていた。 なかなか面白かった。 でもやっぱり『嫌われ松子の一生』の方が断然面白かった。 女が主人公で転落していく方がドラマチックだと思う。 男が主人公だと転落のきっかけが常に女・・・・。 この小説の主人公の「自縛」とも「自爆」ともとれる話。 だからきっと山田宗樹はカタカナで「ジバク」としたのであろう。 | ||||
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