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亡国のイージス
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亡国のイージスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全204件 41~60 3/11ページ
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自らの掟に従い、15歳で父親を手にかけた少年。一人息子を国家に惨殺され、それまでの人生をなげうち鬼となった男。祖国に絶望して叛逆の牙をむく、孤独な北朝鮮工作員。男たちの底深い情念が最新のシステム護衛艦を暴走させ、一億二千万の民を擁する国家がなす術もなく立ちつくす。圧倒的筆力が描き出す、慟哭する魂の航路。(BOOKデータベースより) えらい本を読んでしまった。ここ数日間の睡眠不足をどうしてくれよう。まさに手に汗にぎりながら、かじりつくように、あっという間に読んでしまった。 そもそもは、福井さんの本を読むの忘れてたと思い、久しぶりに彼の本を手に取ってみたんだけれど。久しぶりすぎて「ダイスってなんだっけ?」から始まったけど、あっという間にこの世界観に浸れた。今までの「twelveY.O」や「川の深さは」よりは全然文章も上手になっていて、長い説明文もなく難しい場面の描写も気にならずスイスイ読めた。 もし海上自衛護衛艦が、最強破壊兵器を搭載したミサイルを東京に向けたとしたら…。 止めたくても先制攻撃できない法律の矛盾、戦争が始まったと実感が湧けないでいる対策本部、敵と向き合った時も銃の引き金を引けない現場の隊員。 現実にこの本と同じ事が起こったら、この本と同じような行動をとるんだろう。自衛隊も、対策本部も、現場の人も。 「戦争はダメ」で思考停止している事に、平和が大事って叫んでいれば守られると思い込んでる事に、平和憲法と駐在米軍基地で、自分は戦争と向き合わなくていいって安心してる自分に気づいてしまう。 “「日本人っていうのは、どこまでおめでたくできてるんだ?あと何人ぶち殺せば、貴様たちはこれが戦争だってことを理解するんだ!?」” 登場人物の一人一人が、もう人間臭くていい!人間になるのをやめた、といいながら冷徹になりきれない首謀者も、ダイスの高官でありながら潔癖な正義感を持ち続けつつそんな自分に嫌悪感を覚える渥美も、お役人丸出しだけどそれぞれ守るべきものがある対策本部の面々も、艦を愛する先任伍長も、孤独な工作員も、艦長に付き添う副長も、中途半端な登場人物なんていないんだ。 本を読んでる間、何度本気ではらはらしたか。何度「この人に賭けよう」と思った事か。そして本気で裏切られたり、報われたりしたことか。もー完全に本が映画を超えたと思う。臨場感ありすぎた。 日本人なら、日本が好きな人なら、絶対読まなきゃいかん。怖いし辛いし恥ずかしいけど、向き合わなきゃいかん。福井さんが作った映画も顔負けの迫力の作品を、この辞書みたいな分厚さに込めた思いを受け止めなきゃいかん。 “(守るべき国の形も見えず、いまだ共通した歴史認識さえ持ちえず、責任回避の論法だけが人を動かす。国家としての顔を持たない国にあって、国防の楯とは笑止。我らは亡国の楯(イージス)。偽りの平和に侵された民に、真実を告げる者)” | ||||
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分厚い本ですが、一気に読めます。私は図書館で借りましたが、2300円払って買っても損した気分にはならないでしょう。 確かに、旅客機爆破を利用してグソーを受け渡す、とか不死身に近い女性工作員、とか、もうだめだ、というところで危機が去る・・・、などというハリウッド的な要素が満載で、それらがストーリーのリアリティーを損なっている点は否めません。しかし、全体的には「ホワイトアウト」を読んだときと似た気分で読めました。 | ||||
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Amazon.comでの評価が非常に高く、「沈黙の艦隊」などの軍事・政治パワー バランスなどが好きで読み始めました。 確かに最初は登場人物の生い立ちなどの説明が、交互に紹介されてなかなか 先にストーリーが進まないのにいらいらします。上巻の中頃から物語は急展開 を迎えます。 戦闘シーンは非常にリアルで破綻のないできばえで、非常に読み応えがあ ります。途中にどんでん返しもあり、何が真実かが分からなくなってきます。 ただ、心理描写がもう少しかと。確かにバックグラウンドで、色々と説明を して登場人物の行為を正当化しているのだけれども、あともう一押し大きな理 由がなければ、ここまでことが大きくならなかっただろうと思ってしまい、こ の辺はリアリティが薄いと思いました。 筆者は、合理的に「そうだろう、そうなるだろう」と説明をしているのは分か るのですが、下巻に読み進むうちに、やっぱりそうはならないだろうと思ってし まうシーンが出てきました。 自衛隊、北朝鮮問題、国防問題、政治など現実にあり得ることをシュミュレー ションできます。もし自分が登場人物の一員だったら、どう行動するか?と自分 に自問自答していました。 国家、家族、仲間。どれが一番重要なのかを、自分の頭で考えないといけない と思いました。 | ||||
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映画はいまいちだったけど、小説は非常に面白いです。 アクション作品としても素晴らしいし、世界における日本の位置づけを皮肉に描いた作品でもあります。 映画がもう少し面白ければなぁ・・・ | ||||
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映画はいまいちだったけど、小説は非常に面白いです。 アクション作品としても素晴らしいし、世界における日本の位置づけを皮肉に描いた作品でもあります。 映画がもう少し面白ければなぁ・・・ | ||||
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福井晴敏氏の長編小説です。 ひとりの防衛大学生の論文から始まるこの話は、防衛省、非公開情報局、アメリカ、北朝鮮の思惑が複雑に入り組み、決して交錯するはずのない人間たちの人生が自衛隊を部隊に入り混じっていきます。 窮地に追い込まれた日本人の見せる勇気、人情、理屈を超越した熱い思いが溢れてくる一冊です。 テロは自分たちにとって無縁なものではない―。平和に浸りきっている私たちの頭を一蹴するものではないでしょうか。 今の世界の在り方、日本の置かれた現状、いつ何が起こってもおかしくないこの世界。私たちひとりひとりが「平和」や「日本」についてもう一度よく考え、何をするべきか、これからどう行動してゆけばいいのか、今だからこそ深く考える必要があると思いました。 また、登場人物の言動についても感動させられます。 それぞれの人生の暗部、寂寥、届きそうで届かない思い。そういったものが関わり合って、彼らの人生を大きく変えていくのです。 涙なしでは読めない、すべての日本人に読んでほしい素晴らしい物語だと思っています。 | ||||
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高校時代から福井氏の『DAISシリーズ』を愛読してきましたが、本書がダントツに良かった。 リアル(に思える)な隊員の日常や、随所に散りばめられた読者を驚かすトリック。 そして何より、生きる意味を戦いの中で模索する男達の姿にグッときます。 長いけど3回くらい読み直しました。 映画・・・・なんであーなっちゃったんだろ(泣) | ||||
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高校時代から福井氏の『DAISシリーズ』を愛読してきましたが、本書がダントツに良かった。 リアル(に思える)な隊員の日常や、随所に散りばめられた読者を驚かすトリック。 そして何より、生きる意味を戦いの中で模索する男達の姿にグッときます。 長いけど3回くらい読み直しました。 映画・・・・なんであーなっちゃったんだろ(泣) | ||||
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僕は普通、本を読む時はキャラの誰かを好きになり、そのキャラを中心に読み進めます。しかし今作ではそうではなかった。誰にも感情移入できなかった、というのではなく、キャラの誰もが好きだった。解説でも触れているが、この作品に出てくるキャラは、みんな迷っている。自分の信念に従って行動する者も、それに振り回される者も、皆が迷っている。その中でそれぞれが1つ1つ決断し、もがき、苦しみ、進んでいく。この作品の本質はそこにあると、僕は感じた。自分はどれだけ考えているだろう?戦争についてだけじゃなく、日常、自分はどれだけ考えて行動しているか。それを問われている気がした。相変わらずかっこよくて天才的な若者、というのが福井作品の常として登場するが、他の作品と違い、彼すらも主役にはなっていない。皆が主役で、皆が正しい。正しいと信じている。それだけの人物像を掘り下げたのだから、この作品は長いが無駄は無い。福井作品にはキャラ設定に批判が多いが、個人的にはとても好きである。この作品は戦争の評論ではなく、エンターテイメントなのである。「難解な文章と専門用語で全然芯の無いストーリーをごまかしている」という批判も目にするが、無知な自分には分からない。しかし、素直に楽しめた。それに、これだけ問い掛ける作品を書ける小説家が、どれだけいるだろうか。批判するのは簡単である。しかしそれで得られるものは何も無い。1つ1つの作品から、何かを読み取り、考える。そういった姿勢を教えてくれたのも、この作品だ | ||||
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映画では殆ど描かれていなかったいそかぜ事件前の 例えば田所の描写であるとか、それぞれの所要人物の生い立ちであるとか いそかぜ事件そのものも然ることながら そこに至るまでの物語も非常に素晴らしく 映画を見て「ん?」て思った人にも、是非手にとってほしい作品です。 映画を見てからだと、人物が思い浮かぶので読み易くもなると思います。 いそかぜ事件前の描写だけでも物凄い量で いよいよいそかぜ事件が始まる頃には、艦内の日常が続いてくれれば・・・とも思い 散ってゆく命に悲しくなります。 | ||||
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このテーマで書かれた国内の冒険小説としては、大成功作だと思います。今の日本人はどんな状況なら銃を取るのか、これをクリアした時点でこの本はトンデモ本にならずにすんだと思います。主人公は日常に追われ「国」を忘れた現代人を見事に体現しているように思いました。作者の国防や外交に対する陰謀史感的な解釈に、とやかく言う人もいましたが、敗戦国に戦後生まれてしまい、臭い物に蓋的な歴史教育しか受けなかった現代人の、忸怩たる思いをエンターテイメントとして昇華しようとした作者の勇気は評価に値すると思います。ただ、戦争経験のない人間ほど右傾化しやすい、と言う自戒も忘れてはいけないとも思いますが。それはさておき、読んでいて、鉄の塊に心が躍り、犬死にしていく男達に涙を流しました。ワイルドセブンやペキンパー、作者も好きなのかなあ。 | ||||
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後半の艦内に渦巻く陰謀が見え隠れした辺りは話の中にグッと引き込まれていきました しかし、本筋に入る前の人物紹介や細かい場面の切り替わりで集中力が切れたりもしました 一人一人の人物像の構築と様々な事情が織り交ざった結果、イージス艦乗っ取りといったところへ行くのでしょうが… 少々長すぎる感は否めません | ||||
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なかなかリアルで結構おもしろかったです。福井さんは <ローレライ>なども書いていますが、この作品が一番だと思いました。 映画は、戦闘シーンやアクションシーンは迫力あったのですが、 話の内容がさっぱりでしたけどこの作品はよかったです。 | ||||
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いまさら「賞を取ったからといって面白いとは限らない」なんて、言うつもりはないけれど、少なくとも私には合わない小説でした。 まず、ディテールが細かすぎ、本筋を追うのがかなりつらかった。 物語の前半で、人物の紹介にかなりのページがさかれており、何度も読むのを止めようと思いました。 第2章の後半(ここまでですでに約200ページ経っている)から、それまであった断片的なエピソードがつながりはじめ、なんとかそこからは、物語の波にのりきれましたが、それでも登場人物の多さと、あまりなじみのない装置・設備の説明や、船内でのパワーゲームのエピソードに邪魔され、一気読みとは行きませんでした。 また、私には、艦長が反逆にいたる感情もあまり納得できるものではありませんでした。 物語の本筋自体はわかりやすく、スリルも楽しめたので、何とか読みきることはできましたが、 私のように「シンプルな筋立てで、主人公に感情移入できるような小説」が好みの人にとっては合わないのではないかと思います。 国防や、自衛隊について詳しい人、興味のある人にとっては、私の感じた欠点が逆に好ましく感じるかもしれません。 まあ、読者を選ぶ小説と思いますので、実物を読んで購入するのがよろしいでしょう。 | ||||
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よくぞ書いて呉れたという感じです。 私は軍隊オタクでも右翼でもありませんが、所詮外交とは国益と国益のぶつかり合いであり、国益を守る究極の手段が武力であることは間違いなく、丸腰で平和と友好を唱えても耳を貸す国などあり得ません。米国がわが国をその核の傘に入れているのもお友達だからではなく、それが自分の国益に沿うからに過ぎません。 わが国では何故か学校で現代史を教えず、平和を守ることだけが喧伝されていますが、非常時に国をどうやって守るのかの議論はタブーで、自衛隊の存在意義も極めて曖昧です。国際政治での発言力は武力の裏づけがあってこそ初めて成り立つものであり、そうした意味では核を手にした北朝鮮の方がわが国よりも余程外交の本質を理解しているとも言えましょう。 本作はこうした日頃のモヤモヤを思いっきり作品の中心に据えており、大変驚くと共に快哉を叫びました。 唯一叛乱軍に北朝鮮を絡めているプロットは若干弱く荒唐無稽ですが、発表時期としてはこんな感じでしょうし、時代を的確に先取りしていたと言えましょう。 | ||||
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読んでる最中は他の方同様、夢中でしたし、艦内の動きやアクションの仕掛けも描写が細かくて、よく出来た小説だとは思うんですが・・・。さて、読み終わったあとに何が残るかというと・・・何も残らない。 ある種、カタチを変えた架空戦記モノの一ジャンルとでも思えば良いでしょうか。そうすれば、自衛隊にイージス艦乗っ取ってまでクーデタ起こす程の政治的信念の持ち主が実在するだろうか?とか、だからって、そのための手段として、よりにもよって北朝鮮と結託するか? とか、幾らなんでも、防衛大生の一論文で暗殺まで謀るなんて、中国、ロシア並の言論弾圧する根性が日本政府にあるか?とか、そんな論文に影響されるほど、日本国民の政治的動向が不安定か?といったリアルな検証をすっ飛ばして、読後に何も残らなくても、お話として面白ければ、それでいいじゃんと割り切れます。 (もし、仮にこの物語が韓国での出版だったり、在日の方が執筆されていたら、確実に、こんな自衛官や政府官僚はいない、と「トンデモ小説」の烙印を押されていたかと思います) まさに、映画の為の原作と言えるでしょう。(映画化は原作以上にヘタれでしたが・・・) | ||||
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本が届いてから半分までは、時間をおきながら読んでいましたが、後半は一気に読み進めました。後半からは涙なしでは読めません。 まるでこの事件は本当にあったのではないか、と思ってしまうくらいに現実感があります。 途中、読みにくく理解がしにくい場面もありますが、そんなことは気にならないくらいに話に引き込まれます。 心が動かされる本だと思います。この本に出会えてよかったです。 それと私は映画を見てから読んだのですが、先に本書を読まれる事をお勧めします。もちろん出演者様の演技はすばらしいですが、内容があまりにカットされていて全く違う仕上がりになっています。 | ||||
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本が届いてから半分までは、時間をおきながら読んでいましたが、後半は一気に読み進めました。後半からは涙なしでは読めません。 まるでこの事件は本当にあったのではないか、と思ってしまうくらいに現実感があります。 途中、読みにくく理解がしにくい場面もありますが、そんなことは気にならないくらいに話に引き込まれます。 心が動かされる本だと思います。この本に出会えてよかったです。 それと私は映画を見てから読んだのですが、先に本書を読まれる事をお勧めします。もちろん出演者様の演技はすばらしいですが、内容があまりにカットされていて全く違う仕上がりになっています。 | ||||
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イージス艦を盾にして日本に反旗を翻す。この設定は、漫画「沈黙の艦隊」を想起させ、作品にマイナスのイメージを与えていると思う。更に、反乱の首謀者の動機が私的かつ信念のないものである事が作品の迫力を弱めている。 これが首謀者の変節を産む原因になり普通なら構想の失敗になる所だが、分からないものである。この結果、北のスパイと自衛隊との戦闘になるのだが、昨今の東アジア情勢を考えると誠に時宜を得たものである。これが、最初からの計算づくなら感服の一言に尽きる。今が"旬"の作品と言える。現在の情勢で本作を読めば、国防、核武装、東アジアの軍事バランス等の問題を考える人が増えるキッカケになるのではないか。 | ||||
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父親を殺した少年、子供を殺された父親、養父を殺した男。 各々が暗い過去を抱え、最新鋭護衛艦を舞台に死闘を繰り広げる。 またこの闘いに関わる男たち。 登場人物の様々な思いが錯綜し、物語はクライマックスを迎える。 しかし、この物語はフィクションなのか? 余りにも現実感があり過ぎる。もしかすると明日にでも起きてしまいそうな気がする。 国家という、実ははっきりとした姿を持たないシステムに翻弄される登場人物は我々の姿を予言しているのかもしれない。 防衛庁が防衛省に昇格するいま、じっくりと読んで欲しい1冊だ。 | ||||
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