追憶のかけら

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評判

追憶のかけらの評価:

3.90/5点 レビュー 69件。 A ランク

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平均点3.90pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全153件 101〜120 6/8ページ
No.53
(3pt)

結末にがっかり

途中までは、「これはすごい小説だ!」と思っていたのに、尻すぼみでがっかりするミステリは沢山読みましたが、私にとって、この作品それらのがっかりミステリの筆頭格です。

竜頭蛇尾とは、こういう作品のことを言うのではないでしょうか。黒幕の正体と、その人間像が、あまりに陳腐なのに呆れてしまいました。
主人公を絶望の淵に追い詰めた恐るべき「悪意」の正体が、実に気楽な人物だった、というところにある種の凄みを出そうとしたのかもしれませんが、その試みは成功していないと思います。

終戦直後に綴られたはずの手記の文体がひどく現代風で、「作者も、昔の文体までは模倣できなかったのだろう」と思っていたら、ちゃんと種明かしがありました。でも、現実に作者は昔風の文体が書けなかったのではないかな。
女性が驚いた様子を表現するのに「固まった」などという表現を用いている時点で、ダメだなあ・・と。

ラストの大団円にも無理があると思います。女性として、主人公の妻があのような(夫にとって都合の良い)書き置きを残すということに共感できず、「ご都合主義」と強く感じました。あの書き置きは蛇足では?
この作者の描く女性は、いつも魅力に欠けるというか、作者の都合のためのみに存在するようで、そこが非常に残念です。

・・こういった次第で、結末に大いにがっかりさせられた作品ですが、途中まではかなり楽しませてもらったので、星は三つにしました。
追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫)より
4408557420
No.52
(2pt)

結末に残念・・・。

主人公はうだつの上がらない大学講師、松嶋。3か月前に別居中の妻を亡くしている。
愛娘は妻の実家に取られ、義父は松嶋の上司である教授麻生であり、娘を引き取るには業績を上げなければと思っている。
その松嶋のもとへ自殺した故作家の未発表手記が舞い込んでくる。これを元に文献を書き、世に認められれば愛娘を引き取ることができる!
ただ、文献を発表するためには故作家の自殺の真相を解明するという条件がつけられる。
調査を開始した松嶋は徐々に真相に迫っていくが、共に自分を破滅させる悪意に引きずり込まれていく。
悪意を持った張本人はだれかを探していく経過がだらだら。最後にその人物が判明するが、なんでやねん!!っていうお粗末・・いや、結末。
動機がかなり苦しいです。その頃にはボリュームのある文庫が重く重く感じて、早く終わってくれないかなーという状態でした。
ひとつ、愛するべき登場人物がいなかったのも残念。
追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫)より
4408557420
No.51
(2pt)

結末に残念・・・。

主人公はうだつの上がらない大学講師、松嶋。3か月前に別居中の妻を亡くしている。
愛娘は妻の実家に取られ、義父は松嶋の上司である教授麻生であり、娘を引き取るには業績を上げなければと思っている。
その松嶋のもとへ自殺した故作家の未発表手記が舞い込んでくる。これを元に文献を書き、世に認められれば愛娘を引き取ることができる!
ただ、文献を発表するためには故作家の自殺の真相を解明するという条件がつけられる。
調査を開始した松嶋は徐々に真相に迫っていくが、共に自分を破滅させる悪意に引きずり込まれていく。
悪意を持った張本人はだれかを探していく経過がだらだら。最後にその人物が判明するが、なんでやねん!!っていうお粗末・・いや、結末。
動機がかなり苦しいです。その頃にはボリュームのある文庫が重く重く感じて、早く終わってくれないかなーという状態でした。
ひとつ、愛するべき登場人物がいなかったのも残念。
追憶のかけら Amazon書評・レビュー: 追憶のかけらより
4408534609
No.50
(2pt)

結末に残念・・・。

主人公はうだつの上がらない大学講師、松嶋。3か月前に別居中の妻を亡くしている。
愛娘は妻の実家に取られ、義父は松嶋の上司である教授麻生であり、娘を引き取るには業績を上げなければと思っている。
その松嶋のもとへ自殺した故作家の未発表手記が舞い込んでくる。これを元に文献を書き、世に認められれば愛娘を引き取ることができる!
ただ、文献を発表するためには故作家の自殺の真相を解明するという条件がつけられる。
調査を開始した松嶋は徐々に真相に迫っていくが、共に自分を破滅させる悪意に引きずり込まれていく。
悪意を持った張本人はだれかを探していく経過がだらだら。最後にその人物が判明するが、なんでやねん!!っていうお粗末・・いや、結末。
動機がかなり苦しいです。その頃にはボリュームのある文庫が重く重く感じて、早く終わってくれないかなーという状態でした。
ひとつ、愛するべき登場人物がいなかったのも残念。
追憶のかけら (ジョイ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら (ジョイ・ノベルス)より
4408504734
No.49
(2pt)

結末に残念・・・。

主人公はうだつの上がらない大学講師、松嶋。3か月前に別居中の妻を亡くしている。
愛娘は妻の実家に取られ、義父は松嶋の上司である教授麻生であり、娘を引き取るには業績を上げなければと思っている。
その松嶋のもとへ自殺した故作家の未発表手記が舞い込んでくる。これを元に文献を書き、世に認められれば愛娘を引き取ることができる!
ただ、文献を発表するためには故作家の自殺の真相を解明するという条件がつけられる。
調査を開始した松嶋は徐々に真相に迫っていくが、共に自分を破滅させる悪意に引きずり込まれていく。
悪意を持った張本人はだれかを探していく経過がだらだら。最後にその人物が判明するが、なんでやねん!!っていうお粗末・・いや、結末。
動機がかなり苦しいです。その頃にはボリュームのある文庫が重く重く感じて、早く終わってくれないかなーという状態でした。
ひとつ、愛するべき登場人物がいなかったのも残念。
追憶のかけら (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら (文春文庫)より
4167682028
No.48
(5pt)

Gを感じる!加速度おっけー!

うおぉ。

個人的には貫井徳郎の傑作ぞろいの秀作の中でも最高傑作!

妻を事故でなくしたうだつのあがらない教授。
妻の両親に自分を認めてもらおうと、もちこまれた昔の作家の未発表の手記を入手し、
そこに隠された謎を解き明かそうとするが、実はそれは、仕組まれた罠だった・・

まずその作家の手記がすごい。
悪意に満ちあふれた罠にとらわれ、追い詰められる作家とその周りの人々。
作家が犯した罪とはなんだったのか?犯人は誰?いや、そもそも被害者は誰だったのか?
二重、三重にはりめぐらされた罠に翻弄される主人公に、いつしか引き込まれる。

そうして、現実にも、まるで手記の悪意がにじみでてきたかのように、
教授とその周りにちらほらと悪意の影が・・

どこまでが本当で、なにが嘘なのか?

はらはらしながら一気にページをめくってしまった。

慟哭やプリズムのようなダイナミックな驚天動地のエンディングではないけれど、
しかしながら最後に、切ない温かさが胸を打つ。

残酷な、でも、最後に救いのある小説。
この小説は、映画化される(された?)愚行録以上に、優れていると思うのだが。
追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫)より
4408557420
No.47
(5pt)

Gを感じる!加速度おっけー!

うおぉ。
個人的には貫井徳郎の傑作ぞろいの秀作の中でも最高傑作!
妻を事故でなくしたうだつのあがらない教授。
妻の両親に自分を認めてもらおうと、もちこまれた昔の作家の未発表の手記を入手し、
そこに隠された謎を解き明かそうとするが、実はそれは、仕組まれた罠だった・・
まずその作家の手記がすごい。
悪意に満ちあふれた罠にとらわれ、追い詰められる作家とその周りの人々。
作家が犯した罪とはなんだったのか?犯人は誰?いや、そもそも被害者は誰だったのか?
二重、三重にはりめぐらされた罠に翻弄される主人公に、いつしか引き込まれる。
そうして、現実にも、まるで手記の悪意がにじみでてきたかのように、
教授とその周りにちらほらと悪意の影が・・
どこまでが本当で、なにが嘘なのか?
はらはらしながら一気にページをめくってしまった。
慟哭やプリズムのようなダイナミックな驚天動地のエンディングではないけれど、
しかしながら最後に、切ない温かさが胸を打つ。
残酷な、でも、最後に救いのある小説。
この小説は、映画化される(された?)愚行録以上に、優れていると思うのだが。
追憶のかけら Amazon書評・レビュー: 追憶のかけらより
4408534609
No.46
(5pt)

Gを感じる!加速度おっけー!

うおぉ。
個人的には貫井徳郎の傑作ぞろいの秀作の中でも最高傑作!
妻を事故でなくしたうだつのあがらない教授。
妻の両親に自分を認めてもらおうと、もちこまれた昔の作家の未発表の手記を入手し、
そこに隠された謎を解き明かそうとするが、実はそれは、仕組まれた罠だった・・
まずその作家の手記がすごい。
悪意に満ちあふれた罠にとらわれ、追い詰められる作家とその周りの人々。
作家が犯した罪とはなんだったのか?犯人は誰?いや、そもそも被害者は誰だったのか?
二重、三重にはりめぐらされた罠に翻弄される主人公に、いつしか引き込まれる。
そうして、現実にも、まるで手記の悪意がにじみでてきたかのように、
教授とその周りにちらほらと悪意の影が・・
どこまでが本当で、なにが嘘なのか?
はらはらしながら一気にページをめくってしまった。
慟哭やプリズムのようなダイナミックな驚天動地のエンディングではないけれど、
しかしながら最後に、切ない温かさが胸を打つ。
残酷な、でも、最後に救いのある小説。
この小説は、映画化される(された?)愚行録以上に、優れていると思うのだが。
追憶のかけら (ジョイ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら (ジョイ・ノベルス)より
4408504734
No.45
(5pt)

Gを感じる!加速度おっけー!

うおぉ。
個人的には貫井徳郎の傑作ぞろいの秀作の中でも最高傑作!
妻を事故でなくしたうだつのあがらない教授。
妻の両親に自分を認めてもらおうと、もちこまれた昔の作家の未発表の手記を入手し、
そこに隠された謎を解き明かそうとするが、実はそれは、仕組まれた罠だった・・
まずその作家の手記がすごい。
悪意に満ちあふれた罠にとらわれ、追い詰められる作家とその周りの人々。
作家が犯した罪とはなんだったのか?犯人は誰?いや、そもそも被害者は誰だったのか?
二重、三重にはりめぐらされた罠に翻弄される主人公に、いつしか引き込まれる。
そうして、現実にも、まるで手記の悪意がにじみでてきたかのように、
教授とその周りにちらほらと悪意の影が・・
どこまでが本当で、なにが嘘なのか?
はらはらしながら一気にページをめくってしまった。
慟哭やプリズムのようなダイナミックな驚天動地のエンディングではないけれど、
しかしながら最後に、切ない温かさが胸を打つ。
残酷な、でも、最後に救いのある小説。
この小説は、映画化される(された?)愚行録以上に、優れていると思うのだが。
追憶のかけら (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら (文春文庫)より
4167682028
No.44
(2pt)

何か足りない

とても分厚く、持ち応えのある文庫本ですが、読み終えたときの充足感・満足感はあまり得られませんでした。
 昔自殺した作家の、未発表の手記がみつかり、その謎を解きつつ学会に論文を発表したが、はたしてその手記の真贋は・・・?妻を亡くした若い大学講師の主人公が、少ない手がかりを頼りに謎を解明していく・・・という設定はおもしろく期待が大きかったのですが、登場人物が多い分、それぞれの印象が薄く、犯人にも、さほど意外性は感じられず残念でした。
 もっとこの、お人好しにもみえる主人公を憎み陥れたい犯人の人物設定は、妬みなどの強い動機を持って「なるほど」と思わせるものにしてほしかったです。
追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫)より
4408557420
No.43
(2pt)

何か足りない

 とても分厚く、持ち応えのある文庫本ですが、読み終えたときの充足感・満足感はあまり得られませんでした。
 昔自殺した作家の、未発表の手記がみつかり、その謎を解きつつ学会に論文を発表したが、はたしてその手記の真贋は・・・?妻を亡くした若い大学講師の主人公が、少ない手がかりを頼りに謎を解明していく・・・という設定はおもしろく期待が大きかったのですが、登場人物が多い分、それぞれの印象が薄く、犯人にも、さほど意外性は感じられず残念でした。
 もっとこの、お人好しにもみえる主人公を憎み陥れたい犯人の人物設定は、妬みなどの強い動機を持って「なるほど」と思わせるものにしてほしかったです。
追憶のかけら Amazon書評・レビュー: 追憶のかけらより
4408534609
No.42
(2pt)

何か足りない

 とても分厚く、持ち応えのある文庫本ですが、読み終えたときの充足感・満足感はあまり得られませんでした。
 昔自殺した作家の、未発表の手記がみつかり、その謎を解きつつ学会に論文を発表したが、はたしてその手記の真贋は・・・?妻を亡くした若い大学講師の主人公が、少ない手がかりを頼りに謎を解明していく・・・という設定はおもしろく期待が大きかったのですが、登場人物が多い分、それぞれの印象が薄く、犯人にも、さほど意外性は感じられず残念でした。
 もっとこの、お人好しにもみえる主人公を憎み陥れたい犯人の人物設定は、妬みなどの強い動機を持って「なるほど」と思わせるものにしてほしかったです。
追憶のかけら (ジョイ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら (ジョイ・ノベルス)より
4408504734
No.41
(2pt)

何か足りない

 とても分厚く、持ち応えのある文庫本ですが、読み終えたときの充足感・満足感はあまり得られませんでした。
 昔自殺した作家の、未発表の手記がみつかり、その謎を解きつつ学会に論文を発表したが、はたしてその手記の真贋は・・・?妻を亡くした若い大学講師の主人公が、少ない手がかりを頼りに謎を解明していく・・・という設定はおもしろく期待が大きかったのですが、登場人物が多い分、それぞれの印象が薄く、犯人にも、さほど意外性は感じられず残念でした。
 もっとこの、お人好しにもみえる主人公を憎み陥れたい犯人の人物設定は、妬みなどの強い動機を持って「なるほど」と思わせるものにしてほしかったです。
追憶のかけら (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら (文春文庫)より
4167682028
No.40
(5pt)

読み応えがある

「かつての恋人を探し出して、謝罪の気持ちを伝えてほしい」。亡き友人に願いを託された新人作家の若者が、戦後間もない東京で雲をつかむような人探しを始めた。美談にこそなれ悲劇になど結び付きそうにもない善意の行いは、なぜか得体の知れない敵を呼び寄せ、ささやかな幸せに包まれていた若者の生活は徐々に破綻した。わけのわからないまま追い詰められた若者は、すべてを手記につづって遺書とした。50年後、ひょんなことでその手記を入手した大学講師は、事件の真相を探り始めたのだが、それをきっかけに彼もまた何者かの悪意に絡め取られていく。

時代も背景も違う二人の人間が、同じように顔の見えない敵に追い詰められていくというストーリーがとても謎めいています。いったいだれが、何のために? 冴えない大学講師が必死に謎を追ううちに、全く関連がなかったはずの二つの時代、二人の人生が交差していく構成が見事でした。
殺人事件も警察捜査もない本作は、読み始めはどちらかというと地味な印象でしたが、ミステリーとしては決して地味ではなく、特に終盤、主人公を取り巻く世界がオセロのように一転また一転する様は圧巻でした。自分を取り巻いていた世界がひっくり返って思わぬ悪意を晒すが、しかし悪意もまたひっくり返って・・・救いのあるラストがよかったです。
「手記」が旧字体・旧かな使いで、これもまた雰囲気があって面白かったです。
追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫)より
4408557420
No.39
(5pt)

読み応えがある

「かつての恋人を探し出して、謝罪の気持ちを伝えてほしい」。亡き友人に願いを託された新人作家の若者が、戦後間もない東京で雲をつかむような人探しを始めた。美談にこそなれ悲劇になど結び付きそうにもない善意の行いは、なぜか得体の知れない敵を呼び寄せ、ささやかな幸せに包まれていた若者の生活は徐々に破綻した。わけのわからないまま追い詰められた若者は、すべてを手記につづって遺書とした。50年後、ひょんなことでその手記を入手した大学講師は、事件の真相を探り始めたのだが、それをきっかけに彼もまた何者かの悪意に絡め取られていく。
時代も背景も違う二人の人間が、同じように顔の見えない敵に追い詰められていくというストーリーがとても謎めいています。いったいだれが、何のために? 冴えない大学講師が必死に謎を追ううちに、全く関連がなかったはずの二つの時代、二人の人生が交差していく構成が見事でした。
殺人事件も警察捜査もない本作は、読み始めはどちらかというと地味な印象でしたが、ミステリーとしては決して地味ではなく、特に終盤、主人公を取り巻く世界がオセロのように一転また一転する様は圧巻でした。自分を取り巻いていた世界がひっくり返って思わぬ悪意を晒すが、しかし悪意もまたひっくり返って・・・救いのあるラストがよかったです。
「手記」が旧字体・旧かな使いで、これもまた雰囲気があって面白かったです。
追憶のかけら Amazon書評・レビュー: 追憶のかけらより
4408534609
No.38
(5pt)

読み応えがある

「かつての恋人を探し出して、謝罪の気持ちを伝えてほしい」。亡き友人に願いを託された新人作家の若者が、戦後間もない東京で雲をつかむような人探しを始めた。美談にこそなれ悲劇になど結び付きそうにもない善意の行いは、なぜか得体の知れない敵を呼び寄せ、ささやかな幸せに包まれていた若者の生活は徐々に破綻した。わけのわからないまま追い詰められた若者は、すべてを手記につづって遺書とした。50年後、ひょんなことでその手記を入手した大学講師は、事件の真相を探り始めたのだが、それをきっかけに彼もまた何者かの悪意に絡め取られていく。
時代も背景も違う二人の人間が、同じように顔の見えない敵に追い詰められていくというストーリーがとても謎めいています。いったいだれが、何のために? 冴えない大学講師が必死に謎を追ううちに、全く関連がなかったはずの二つの時代、二人の人生が交差していく構成が見事でした。
殺人事件も警察捜査もない本作は、読み始めはどちらかというと地味な印象でしたが、ミステリーとしては決して地味ではなく、特に終盤、主人公を取り巻く世界がオセロのように一転また一転する様は圧巻でした。自分を取り巻いていた世界がひっくり返って思わぬ悪意を晒すが、しかし悪意もまたひっくり返って・・・救いのあるラストがよかったです。
「手記」が旧字体・旧かな使いで、これもまた雰囲気があって面白かったです。
追憶のかけら (ジョイ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら (ジョイ・ノベルス)より
4408504734
No.37
(5pt)

読み応えがある

「かつての恋人を探し出して、謝罪の気持ちを伝えてほしい」。亡き友人に願いを託された新人作家の若者が、戦後間もない東京で雲をつかむような人探しを始めた。美談にこそなれ悲劇になど結び付きそうにもない善意の行いは、なぜか得体の知れない敵を呼び寄せ、ささやかな幸せに包まれていた若者の生活は徐々に破綻した。わけのわからないまま追い詰められた若者は、すべてを手記につづって遺書とした。50年後、ひょんなことでその手記を入手した大学講師は、事件の真相を探り始めたのだが、それをきっかけに彼もまた何者かの悪意に絡め取られていく。
時代も背景も違う二人の人間が、同じように顔の見えない敵に追い詰められていくというストーリーがとても謎めいています。いったいだれが、何のために? 冴えない大学講師が必死に謎を追ううちに、全く関連がなかったはずの二つの時代、二人の人生が交差していく構成が見事でした。
殺人事件も警察捜査もない本作は、読み始めはどちらかというと地味な印象でしたが、ミステリーとしては決して地味ではなく、特に終盤、主人公を取り巻く世界がオセロのように一転また一転する様は圧巻でした。自分を取り巻いていた世界がひっくり返って思わぬ悪意を晒すが、しかし悪意もまたひっくり返って・・・救いのあるラストがよかったです。
「手記」が旧字体・旧かな使いで、これもまた雰囲気があって面白かったです。
追憶のかけら (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら (文春文庫)より
4167682028
No.36
(4pt)

実はLoveLoveが主題ののろけ小説

貫井徳郎氏の作品には、時として頼りないヒーローが登場する。が、そのヒーローの存在意味は、その情けない男そのものではなく、対する「伴侶」を美しく描くための「黒子」としてなのだ!ということが、最後にわかる。
 過去の話と現代の話とが錯綜しているが、ミステリーとしては「過去」の話の方が、尻切れトンボな分、完成度は高いと思う。「現代」のは、登場人物が多すぎて、実はそれらが何処かで繋がっていたりする不自然さと、実は繋がっていなかったのだなどという複雑さが、読者を混乱させてしまう。 
 ミステリーとしては今一歩共感出来ない部分もあるが、夫婦の悲しいLoveLoveドラマだと考えれば、男として焼きもち焼きたくなるくらい羨ましい話だと思う。
追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら 現代語版 (実業之日本社文庫)より
4408557420
No.35
(4pt)

実はLoveLoveが主題ののろけ小説

貫井徳郎氏の作品には、時として頼りないヒーローが登場する。が、そのヒーローの存在意味は、その情けない男そのものではなく、対する「伴侶」を美しく描くための「黒子」としてなのだ!ということが、最後にわかる。
 過去の話と現代の話とが錯綜しているが、ミステリーとしては「過去」の話の方が、尻切れトンボな分、完成度は高いと思う。「現代」のは、登場人物が多すぎて、実はそれらが何処かで繋がっていたりする不自然さと、実は繋がっていなかったのだなどという複雑さが、読者を混乱させてしまう。 
 ミステリーとしては今一歩共感出来ない部分もあるが、夫婦の悲しいLoveLoveドラマだと考えれば、男として焼きもち焼きたくなるくらい羨ましい話だと思う。
追憶のかけら Amazon書評・レビュー: 追憶のかけらより
4408534609
No.34
(4pt)

実はLoveLoveが主題ののろけ小説

貫井徳郎氏の作品には、時として頼りないヒーローが登場する。が、そのヒーローの存在意味は、その情けない男そのものではなく、対する「伴侶」を美しく描くための「黒子」としてなのだ!ということが、最後にわかる。
 過去の話と現代の話とが錯綜しているが、ミステリーとしては「過去」の話の方が、尻切れトンボな分、完成度は高いと思う。「現代」のは、登場人物が多すぎて、実はそれらが何処かで繋がっていたりする不自然さと、実は繋がっていなかったのだなどという複雑さが、読者を混乱させてしまう。 
 ミステリーとしては今一歩共感出来ない部分もあるが、夫婦の悲しいLoveLoveドラマだと考えれば、男として焼きもち焼きたくなるくらい羨ましい話だと思う。
追憶のかけら (ジョイ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 追憶のかけら (ジョイ・ノベルス)より
4408504734