犬の力

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評判

犬の力の評価:

3.96/5点 レビュー 77件。 B ランク

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平均点3.96pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全87件 81〜87 5/5ページ
No.7
(5pt)

現在も進行中のメキシコ麻薬戦争クロニクル

 日本人にとってメキシコの麻薬戦争は太平洋の彼方の遠い世界の出来事です。本作がどれくらい現実とリンクしているのかネットでざっと調べてみました。南米の麻薬といえばコロンビアが有名ですが、それに比べてメキシコの記述はほんの僅かしかありませんでした。アメリカとメキシコの麻薬戦争に関して邦文で体系的に知りたてれば本書を越えるものは見当たりません。ニュースサイトを見るとメキシコではあまり小説の舞台と変わらないようです。本書を読めばなぜメキシコからアメリカへの麻薬の流入が止まらないのか、メキシコの麻薬はどこから来てどこに流れるのか、更に今までニュースでしか知らなかったイラン・コントラ事件の背景も本書を読みながら学ぶことができました。
 しかし本書の魅力は詳細な取材によるリアリティだけではありません。文庫本上下巻たっぷり1000頁、十数人の登場人物の世界にすんなり入り込ませるウィンズロウの筆力はすばらしい。裏切りに次ぐ裏切り、おびただしく流れる血、それぞれの思惑、毒をもってしか制せない毒に対峙して、自らも毒まみれになってもなお、どちらかが滅ぶまで続けなければならない戦いの輪廻を十分に味わうことができました。限りなく09年ベストに近い出来栄えです。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.6
(5pt)

15年ぶりに読んだウィンズロウは09ベストでした

 ドン・ウィンズロウをご存知の方はどのくらいいるのでしょうか?私は15年前ニール・ケアリーシリーズが好きだったのでが、必ずしも多作の作家とはいえないウィンズロウの作品がもっと読みたい!と地団太を踏んだものでした。今回は偶然書店で本書を発見、作者名を見て即買いしました。上下巻、約1000頁まさに徹夜本です。舞台は、メキシコ麻薬戦争の30年間なのですが、頁数と風呂敷の大きさを全く感じさせないウィンズロウの筆力は15年前から全く衰えていませんでした。知らないうちに何冊か邦訳されているようなのでそちらの方もチェックしておきたいところです。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.5
(5pt)

得した気分

メキシコの麻薬カルテル撲滅に執念を燃やすDEAの特別捜査官 アート・ケラー、ボクシングのマネージャで、麻薬カルテルの親玉の甥 アダン・バレーラ、友の命をすくったためにマフィアの一員となったニューヨークヘルズキッチン出身 ショーン・カラン、高級娼婦としてスカウトされたカリフォルニア娘 ノーラ・ヘイデン
本作品は、麻薬犯罪を核とした、彼らの1975年から30年にわたる戦いの歴史だ。彼らがあるときは、敵になり、あるときは味方になり、血で血を洗う抗争劇、復讐劇を演じる。めくるめく膨大な情報量の提示によって、フィクションとは思えない真実味を出してる。が、個性的、魅力的な登場人物(これがとても多い!)が縦糸、横糸のようにからまって、彼らの愛憎劇がおりこまれているため、殺伐とだけはしてはいない。
それぞれの視点で、あちこちに、クライマックスが用意されており、誰に肩入れすることなく、そのときの視点から手に汗握ることができるのも嬉しい。なにか得した気分。
個人的には、ニール・ケアリーシリーズ(もちろんこれも良いが)より、「ボビーZの気怠く優雅な人生」、「カリフォルニアの炎」が好きなので、大満足。読む本が沢山つんであっても、ついつい優先順位をあげてしまう、ウインズロウはそんな作家なんだなぁ
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.4
(5pt)

! 怒涛! の展開!とは、まさにこの下巻!

アメリカとメキシコを結ぶ長距離通路が摘発されたのも、
メキシコで神父が麻薬取引絡みで、射殺されたのも、
1994年暮れにメキシコの大統領候補が暗殺されたのも、
同時期にメキシコのペソの切り下げが突然行われ、
中南米の通貨危機が懸念されたのも、
CIAが共産ゲリラ阻止のために、中南米に
せっせと武器を供給していたのも、これ全部事実。
しかし、それらを紡いで、これほどのクライム・ノベルを
読ませてもらえるとは。
裏切りに次ぐ裏切り。味方は実は偽りの味方。
誰が誰の為に働いているのか?正義も悪もない。
みんな悪か?
ここに登場した主人公たちは皆、手駒の一つとして
どこに向えば良いのかも判らず自分の属するサイドを
右に左に変えながら銃を片手に疾走し続ける。
そしてリアルな戦闘、処刑、殺しの描写。
いったい何百人この下巻だけで殺された事か...
物語を彩った主人公たちが、一人減り、二人減り
最後に本当の地獄絵図が待ち構える。(本の帯の口上に
偽りなし!)
最後の数ページになっても最後の最後に生き残る人間が
見えず、興奮するわ。
ティワナ、サンディエゴの突き抜ける晴天の下の
血みどろの殺し合いを想像してくれ。
やっぱり、現状<ミレニアム>より<犬の力>を推します。
[LA コンフィデンシャル]を超えたかもしれん。
次回作<フランキーマシーンの冬>早めにお願いします。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.3
(5pt)

いやはや

一気に読みました。正確に言うと、途中、家人の世話に手が離せなくなり、かといって、先が気になるのでちびちび読み進められず。意を決して一時中断し、一週間後に再開。最後のページまで一気に読みました。はあっ。すごいスピード感。裏切りに継ぐ裏切り。登場人物のみならず読者も何度も裏切られ、そこまでやるかと己の甘さに気付き、それが快感に。それなのになぜか、すべての登場人物たちに(悪党ですら)憎みきれないものがある。そして、ああ、この人だけは最後まで生き延びて、と思わず祈ってしまうほど感情移入。わが国でも、この夏薬物汚染が巷を騒がせたせいもあって、作品の世界がリアルに思えてくる。計算されつくした展開と、磨きぬかれた訳。ほんとに元は英語なの?と思うほど見事な日本語です。シルヴァーウィークにふさわしいゴールデンコンビの世界。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.2
(5pt)

驚きました。本当に面白い!

今まで、この作家の本は一冊も読んでいない。
題名も変な題名だし、単に裏表紙の粗筋に引かれて購入。
今、上巻を読み終えたばかり。通常は面白い本だと、3〜4日で読了するのだが、
本作に関しては、今すぐ、下巻に取り掛かるべきか、悩んでいる。
何故か?
面白すぎて、読み終わるのが勿体無くて、読み終わってしまったら、何時また同等の
作品に出会えるのか、不安さえ覚える!
共産主義を食い止めるための、麻薬と武器のバーターのカラクリのくだり、麻薬捜査官の
拉致殺害を巡る暗闘のくだり、なんかページをめくる手が止まりませんでした。
マフィアの殺し屋カランの話も、これだけで別に一作書いて欲しいくらい。
まだ、上巻を読了しただけだが、読感としては、昔むさぼり読んだ<ゴッドファーザー>の
近代版、あるいは傑作<警察署長>の趣きか...
今年読んだ中では[ミレニアム]に並ぶ、興奮本!
あっちは北欧のバイオレンス、こっちはメキシコを含む北米のバイオレンス。
今年のミステリー賞レースは難しくなった。(でもミレニアムは全部で6冊、
おまけに作家がすでに死去ゆえ、一位はしょうがないか...)
翻訳も素晴らしいというか、流石というか、入り組んだ話で、登場人物も多数なんだが、
誰が喋っているのか、的確に分かる。
雑誌の評論なんかを書いている人は、締め切りに追われて、どんなに面白い本でも
速読せねばならないらしいが、本書をそうせざるを得ないとしたら、悲劇だな。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.1
(5pt)

鳥肌もの

ウィンズロウは「ニール・ケアリー」シリーズしか読んだことがなかったのですが、鳴り物入りな帯に惹かれて手に取ってみました。
あまり血なまぐさい系は得意じゃないので、読み進めるのがつらくなるような場面もありましたが、それより何より、先がどうなるのかのほうが気になって引きずられるように読了(生活ペースがだいぶ乱されました・・・)。
あちこちに迷走しているようで、最後の一点に向かって集約していく筆力、やっぱりウィンズロウはスゴイ。最後の章を読み終わったら、ばーっと鳥肌が。
話題作でも、話を広げておいて、最後が肩すかしに終わってガッカリさせられるものが多い中、これは満足度大です。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
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