犬の力

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評判

犬の力の評価:

3.96/5点 レビュー 77件。 B ランク

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平均点3.96pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全87件 21〜40 2/5ページ
No.67
(5pt)

凄まじい麻薬戦争の実態

1970年代半ばから2000年初めにかけて、メキシコを主な舞台にした麻薬戦争の実態を事細かに描写した作品である。
米国麻薬取締局のアート・ケラーとメキシコの麻薬カルテルバレーラ一族との血を血で洗う戦いがこのストーリーの縦糸であるが、
これにニューヨーク育ちのチンピラが成長して、マフイアでも一目置かれる存在として、麻薬カルテルと関係する物語や、若い高級
娼婦ノーラと組織との争い、等々サイドストーリーが巧く横糸として紡がれており、一大叙事詩としてこの麻薬戦争が描かれる。
読みだしてすぐ、ジェームズ・エルロイに似た雰囲気だと思ったが、エルロイ程、虚無的でなく、また描写を省くこともない。
残酷な殺人場面を含めて、極めて描写的であり、多くの人間が登場するが、作者の筆力だろう、十分に読者を飽き
させることはない。多くの登場人物が、愛し合い、憎みあい、そして騙し、騙される。この書名「犬の力」というのはどうも
悪しき力と言うような意味で使われているようだ。カルテル側には、まさにその「犬の力」が存在しているであろうが、それに
対抗するがごとく、アート・ケラーもその「犬の力」を使うことになる。全編凄まじいエネルギーにあふれた作品だ。数年前大いに
好評を博した作品であることを実感して、読了した。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.66
(2pt)

リアリティが、、、

壮大なスケールのノワール。
ややもすると読みにくい乾いた文体はエルロイを彷彿させる。

しかし!
・話のスケールがでかすぎる
・冷酷な殺し屋、カランのキャラが謎
・悪の主人公アダンのキャラも謎

という点から、いまいち作品の世界に入り込めない面が否めない。

「話のスケースがでかすぎる」という点については、あまりに広範囲の出来事が特定の謀略によってコントロールされているという設定が、陰謀論ぽくてリアリティを欠く方向へ繋がっている。
「冷酷な殺し屋カラン」にしても、やたらと感傷的でウエットな性格描写の場面があり、冷酷なのか人情家なのかハッキリさせてくれ、といいたくなる(もっとも、下巻で主役級のアクションをこなすことになる展開の都合上、人間的な側面が不可欠なのは脚本上仕方ないのだが)。
「悪の主人公アダンのキャラ」については、モデルとなっている麻薬カルテルの常軌を逸した残虐性を考慮すると、どうしても優男的な彼のキャラに違和感を感じてしまう、、、
(橋の上での冷酷な行為について、一瞬でも躊躇いを感じるような人にメキシコマフィアの頭領はつとまらないでしょう!)

・・・たとえば、映画「ゴッドファーザー」およびその原作は、話のスケールをあくまで犯罪組織の中にとどめ、主人公マイケル・コルレオーネを読者が共感できるギリギリのラインで冷酷さを備えさせることで、リアリティを保っている。

加えて、古き時代のイタリアマフィアを描くのであれば、これを現代の読者に提示する際にある程度のファンタジーが許容される余地がある。

一方、現在進行形のメキシコマフィアを描く場合、悪の側の主人公にファンタジーを許容する余地は極めて限られてくる。結果、本作でリアリティを醸し出すためのハードルは非常に高くなる。
そして残念ながら本作はこのハードルは越えられていないように思う。

まあ、ゴッドファーザーを比較対象にすること自体酷ですし、多くの読者がゴッドファーザーを意識した上でこの作品を楽しんでいることを考えると、やはり良作!なのでしょう。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.65
(3pt)

主人公は誰か?

上巻のレビューにて、本作のツッコミどころをあげて酷評してしまいました。
しかしそれは、ストーリー全体に対しての評価であり、一つ一つのエピソードの面白さについて否定するものではないです。

自分としては、本作はアートやアダンが主人公であると捉えて読むと(上巻のレビューで述べた通り)やや失敗作の感が拭えないと思います。
一方、カランが主人公だと思って(謀略系の設定やメキシコマフィアの話はスパイス程度に捉えて)、彼が女性を守る一人前の男に成長する物語だと思って読むと、上巻からの伏線がすべて回収された素晴らしい成長物語と読めます。
結論:メキシコマフィアものと思って読むといろいろガッカリだが、恋愛小説として読むとアツい!
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.64
(1pt)

届かない

9日経ちますがまだとどいてない
確認のメールしたがもう少し待てと言われた
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.63
(5pt)

傑作です。

非常にスケールが大きく、また登場人物も多岐にわたるので、
最初の頃はいったい話がどこへ向かっていくのだろうとやや困惑しながら読み進めると、
中盤から一気に話が収斂していき、結末はグワッと引き込まれます。
実際夜中に読んでいて、最後の大詰めの30ページ、というところでかなり興奮状態になり、そこでいったん本を閉じ、
濃い目のウイスキーソーダを作って心を落ち着け、じっくりとエンディングまで読み進めました。
悪役も善玉も、主要な登場人物が大変魅力的に描かれています。
生々しく激しい性的描写や暴力描写も出てきますが、全体の乾いたトーンとの落差が計算されている、と思いました。
いやあ、久々に面白かった。この作者は初めてでしたが、別の作品を早速買いました。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.62
(1pt)

この商品で良いと云うのは?

本が汚ない。かなりのキズが有るにもかかわらず、良い商品と云う表示は無いだろう。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.61
(5pt)

麻薬戦争はまだ終わらない

30年にも及ぶメキシコ麻薬カルテルをテーマとした傑作犯罪小説。
 下巻では、ますます熾烈を極める麻薬戦争の中、主人公のひとりであるアメリカDEAの捜査官ケラーが麻薬カルテルの親玉バレーラとの因縁に終止符を打つべく立ち向かう。さて、物語の最後に笑うのは誰なのか....
 数多くの人物が登場する上巻と比べると、下巻ではある程度人物が絞り込まれている分、個々の人物の描写にも磨きがかかっており、人物の心理を想像しながら読み進め、この壮大なストーリーを存分に味わうことが出来た。
 本書に書かれていることは史実に基づいたものであることは他のレビュアーの方も書かれているが、本書を通じて、アメリカ及び中南米諸国が抱える麻薬問題の深刻さ、悲惨な事件、腐敗する権力の恐ろしさを感じるとともに、根本的な解決策を見出すことの難しさに、呆然としてしまった。非常に重たいストーリーであるため読後の爽快感は無いが傑作である。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.60
(5pt)

圧倒的スケールの犯罪小説

メキシコ麻薬戦争を描いた本書はどこまでが事実で、どこまでがフィクションであるか分からない。
 物語はゆっくりと、あたかも焦らすかのように進んでいく。しかし、ページを捲るほどに読者をグイグイと引き込む魅力を備えている。
 DEA捜査官ケラー、麻薬カルテルのバレーラ兄弟、高級娼婦ノーラ、ヘルズ・キッチン育ちのカラン等、登場人物が描写が見事で、まるで映画を観ているような気分になる。ドン・ウィンズロウの作品をはじめて読んだが、圧倒的なスケールで描かれた超一級の犯罪小説である。
 「この世でもっともむずかしいのは、悪行を思いとどまることではなく、悪行に立ち向かい、制止することなのだ」
 上巻のラストに書かれた文言に唖然とするとともに、いい知れぬ恐ろしさを感じた。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.59
(4pt)

麻薬戦争のリアル

麻薬戦争に翻弄される個人を複数の視点から描く小説。日経新聞に取り上げられるくらいリアリティが高い。内面描写はやや弱いが、その分、頭を使い過ぎないで没頭出来るとも言える。
実際の史実に基づいている面も多く、勉強にならなくもない。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.58
(5pt)

文体が何より素晴らしい

圧倒的な物語だ。物語内の時間軸にして30年近く繰り広げられる麻薬戦争。ウィンズロウはその只中に読者を引き込んだ。

読了後、何が本書を魅力的にしているのか考えた。ストーリーはもちろん面白いし、登場人物も個性豊かで素晴らしい。これだけの人数が出てくるのに、そんなに苦にならないのはウィンズロウのプロットがよく練られているからだろう。しかし何より素晴らしいのは文体だ。それが他にあまたあるそこそこの傑作と一線を画する要素と言えるだろう。

いくつか例を挙げる。
下巻は魅力的なシーンが多すぎるが、その中でも前半に三度起こる銃撃戦がすごい。三回めの空港での銃撃戦から引用する。
「”リングブル”はまたもや吐きそうになるが、口からはげろではなく血が出てきて、その場にばったりと倒れこむ。カランはすでに歩道に伏せていて、緑のビュイックを視界にとらえる。その窓から、銃身が何本か突き出ている。(中略)ラズベリー味の炭酸シャーベットがこぼれ散って、すでにコンクリートに広がった”リングブル”の血と見分けがたく混じり合う。」

終盤でのバイクを駆るシーン。
「互いの命のために、互いの命に向かって走っていることを、運命を風に投げ込み、風に託していることを、バイクを駆るこの狂った男の背中に自分が心を預けていることを知り、悪路に体を揺さぶられ、跳ね上げられ、やがて突然、ふわりと陸を離れ、スピードと小さな衝撃の力で夜空に投げ出されて、生へと浮上し、生の中を浮遊する」

この、疾走するような文体が美しい比喩やレトリックと相まって、小説ならではの高揚感を読者にもたらしている。この傾向は下巻で特に強い。我々読者もウィンズロウと東江氏の文体に乗せられ、浮遊させられるのだ。思わず朗読したくなる文章である。

単にストーリーが面白いだけなら映画やドラマでもよい。こんなすごい体験をさせてくれるから、小説はやめられない。
近々、続編の「ザ・カルテル」が出版されるとのこと。実に楽しみだ。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.57
(5pt)

傑作

娯楽作品としては第1級。何と言ってもストリー展開の速さがすばらしい。
下巻は情感に比べてやや類型的なのが残念。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.56
(5pt)

傑作

娯楽作品としては第1級。 何と言ってもストリー展開の速さがすばらしい。 下巻は情感に比べてやや類型的なのが残念。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.55
(2pt)

こりゃあ、駄目でしょ?

先の方も書いていますが、登場人物が多すぎます。ざっと勘定しても固有名詞の名前が40人以上です。
全部書き出してたら、キリが無いことがわかったので書くの止めました。さらに様々な組織も出てきます。
その登場人物と組織が、せ~のっ!と一気に動きまわるのです。なんなんでしょうか?祭りなのか?
さらに節の前には、啓示めいた文学作品の一節と、作品名と著者が記述されます。

ぐ、ぐぬぬ( ̄ヘ ̄;)

こりゃ、読みずらいわ!北欧の複雑怪奇な名前や地方名が出てくる「魔女遊戯」
もかなりてこずりましたが、本書はそれの上を行ってますね。疲れますよ、これ。

ウィンズロウさん!全部書きあげた後に、もうすこし添削して欲しかったですね。
ぜ~んぶに固有名詞付けなくてもいいじゃないですか!
名前ばっかり先行して、本作のストーリが迷走してるじゃないですか?
なにがメインストーリーでサイドストーリなのか全然わかりませんよこれじゃあ。
おまけに登場人物が唐突に現れ、展開もあっちこっちに飛びまわる。

編集担当はもうちょっと、そこら辺を指摘・修正しないとね。

で、この本書は傑作なんでしょうかね?
私には消化不良でとても評価できませんでした。★2こです( -_-)

と、いいながら下巻を着手します (ー_ー;)フウ
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.54
(1pt)

展開がとにかく遅い

今まで読んだ本で一番面白くない。登場人物が多すぎてメインの話しがなかなか進まない。期待して上下とも購入したが、下巻は読む気がしない。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.53
(2pt)

登場人物が少なくなった・・・・

のは、殆どが死んじゃったりしてるからなんですね( -_-) 上巻では、本当にびっくりするほど登場人物が多く、本作の導入部分で 2ページにわたって紹介されたりしている。 本文中はさらに説明も無く 新たな登場人物が参上して本当に混乱した。 で、下巻では有象無象の登場人物の無慈悲な消去が待っているんですね(-_-;) そして悪者が悪者とくっつき、裏切りがありと混迷が深くなる。 ふう、疲れた( -_-) もう少し整理整頓して物語を創って欲しかったですね。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.52
(2pt)

こりゃあ、駄目でしょ?

先の方も書いていますが、登場人物が多すぎます。ざっと勘定しても固有名詞の名前が40人以上です。
全部書き出してたら、キリが無いことがわかったので書くの止めました。さらに様々な組織も出てきます。
その登場人物と組織が、せ~のっ!と一気に動きまわるのです。なんなんでしょうか?祭りなのか?
さらに節の前には、啓示めいた文学作品の一節と、作品名と著者が記述されます。

ぐ、ぐぬぬ( ̄ヘ ̄;)

こりゃ、読みずらいわ!北欧の複雑怪奇な名前や地方名が出てくる「魔女遊戯」
もかなりてこずりましたが、本書はそれの上を行ってますね。疲れますよ、これ。

ウィンズロウさん!全部書きあげた後に、もうすこし添削して欲しかったですね。
ぜ~んぶに固有名詞付けなくてもいいじゃないですか!
名前ばっかり先行して、本作のストーリが迷走してるじゃないですか?
なにがメインストーリーでサイドストーリなのか全然わかりませんよこれじゃあ。
おまけに登場人物が唐突に現れ、展開もあっちこっちに飛びまわる。

編集担当はもうちょっと、そこら辺を指摘・修正しないとね。

で、この本書は傑作なんでしょうかね?
私には消化不良でとても評価できませんでした。★2こです( -_-)

と、いいながら下巻を着手します (ー_ー;)フウ
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.51
(1pt)

展開がとにかく遅い

今まで読んだ本で一番面白くない。 登場人物が多すぎてメインの話しがなかなか進まない。 期待して上下とも購入したが、下巻は読む気がしない。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.50
(5pt)

クライムノベルの傑作

三十年間の麻薬戦争を書き切った作品。

※ラテンアメリカの歴史や麻薬取引についてはまったくの無知である人間の感想です。

読了後は、なにかすごいものを読んだといった感じだった。
マフィアの幹部たちが、人間の正の感情というものを利用して、今まで関わりのなかった者たちを次々と麻薬犯罪に巻き込み、さらに負の感情を芽生えさせて泥沼に嵌らせていく。その過程がなんともリアルで、読んでいて居たたまれなかった。そして、犯罪組織とはこういう風に人の気持ちを手玉に取るのかと思い知らされた。

きっと現実も同じなのだと思う。人の弱みに付け込んで金を絞れるだけ絞るのだ。

麻薬犯罪に巻き込まれる人たちを通して、自分が追体験できたというだけでも、この読書体験は貴重だったと言える。この三十年間の麻薬戦争は、それだけ壮絶なものだった。多くの人が利用され、裏切られ、殺される。金だけを生み出して。そして腐敗している政治、警察、軍。すべてを繋げているものはやはり金。金、金、金。そのとき、義憤に駆られた主人公アート・ケラーが現れる。

これは、そんなアートとマフィアの戦争の物語だ。

とは言っても、マフィア側も一面的に描かれているわけではない。
マフィアの構成員も人間であり、ちゃんと愛情を持っている。家族を持つ者もいれば、友情を大事に思う者もいる。しかし権力と金で徐々に運命が狂わされていく。何かを守るために、非情にならなければならないときが必ずくる。
アートだって聖人君子として描かれているわけではない。
彼も義憤に取り憑かれて視野が狭くなってしまう。そしてマフィアの連中と同じように、何かを守るために非情にならざるを得ない。誰かを利用しなくてはならない。

これは、そんな哀しい物語でもある。

麻薬戦争についてはまったくの無知であったが、それなりにわかりやすく説明されていたように思う。だがやはり外国のことなので、理解できないことも多々あった。これが理解できていればもっと楽しめただろうなと思うと少し残念な気もする。

以下、苦言を少し。

全体的にダイジェスト感がすごいように思った。
なぜダイジェスト感がすごいのか自分なりに分析してみたので、購入する際には参考になるのではないかと思う。

一つは、文体による。
この作品の描写は事実しか書いていないのだ。描写というより説明的。描写と説明の違いがわかっていない感じ。
もっと具体的に言うと、誰がどこで何をしたか。何を思ったか。これだけを淡々と連ねているだけのような気がする。それが贅肉を削ぎ落としたハードボイルドの醍醐味であるが、あまりにもプロットの骨子をなぞりすぎなように思える。
例えば、キャラのリアクションによる描写がないのだ。

誰それがどこそこで何々を買ってシャワーを浴びて眠った。

みたいな説明が延々と続く。ハードボイルドは客観描写を重視するものだが、読者的にはもう少し表情とか動作とかの客観描写を増やしてもいいのよ、と思う。これがないから全体的に駆け足気味に感じるし、溜めも何もないから物語の谷と山がほとんどない。重要な描写もそうでない描写も同じレベルで軽く流されてしまう。
よって単調に思うときがままあった。

逆に言えば、展開はスピーディーである。
場面の転換も多いし、視点の転換も多いし、登場人物も多い。だが、溜めの部分やリアクションの部分があまりにも少ないので、感情移入する前に場面や視点が変えられて、結局名前と顔が一致しないキャラが大勢出てしまったように思う。

もちろんメインを張るアート、アダン、ミゲル、サル、ノーラ、カランあたりは、出番が多いし描写も多いので、名前が出てもどういうキャラかすんなりできるが。やはり読んでいる最中に、こいつ誰だっけ?と思うようなキャラが多いのはマイナス要因であることは間違いない。話は最高峰なのは間違いないから、もう少し展開速度を落としてもよかったんじゃないかな。このレベルの作品にキャラ立てまで要求するのは酷か?

まとめるとダイジェストの要因は、
事実だけを連ねる文体と、
感情移入させる前に多々起こる場面展開、視点展開によるもの、
と結論づけてレビューを終わります。

この作品は、史実と重ね合わせて、多くのキャラと複雑なプロットを物語として編み込んでいることが本当にすごいと思います。歴史を垣間見た気分です。すごくおすすめです。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.49
(3pt)

登場人物に魅力なし

物語は約30年間にわたる麻薬カルテルとの抗争を描いています。作者は、麻薬犯罪とかかわる中で、自らも犯罪者と同類の人間に成り下がってしまった主人公アートの贖罪を描きたかったのではないかと思うのですが。下巻の15章と最終章を読んでそれを感じましたが、読み終えた後、私の心に残ったことは、麻薬ビジネスにかかわった人たちの非人間的な残虐さだけです。
登場人物がたくさん出てくるのはよいとして、これだけたくさんの人が出てきても、誰ひとり応援したくなる魅力的な人物は出てきませんでした。
また、場面転換が唐突すぎると思った箇所もあります。
最近は「何故、これが一位なの?」と首をかしげたくなるミステリーばかりに出合いましたが、今度こそは面白いだろうという思いで読み始めました。上巻の200ページぐらいまでは重厚なすごい話だと思いました。でも面白かったのはその辺まで。残念ながら 今回も、一気読みできる面白さはありませんでした。

麻薬犯罪にかかわる組織や作戦、その背景など、可なり詳しく書いているので大変勉強になります 、そういう理由で星三つ。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.48
(5pt)

エログロバイオレンスアクションポリティカルサスペンス歴史大河ロマン。

「物語の力」ってフレーズがあるけど、この本ほど、それを感じたことはない。

犬の力=物語の力。
華麗な言い回しとか、巧みな情景描写はいっさい不要とばかりにそぎ落とし、
一行たりともムダにせず、圧倒的破壊力のストーリーを推進し続けてる。

メキシコ麻薬戦争っていう題材もすばらしい。
メキシコは旧ソ連に匹敵する、魅惑的暗黒世界!あと、なんかエロい。
エログロバイオレンスアクションポリティカルサスペンス歴史大河ロマン。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041