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1Q84
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1Q84の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.66pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全622件 441~460 23/32ページ
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はずかしながら、村上春樹作品を読んだのは記憶の範囲ではこの「1Q84が」初めてだと思います。Book1と2をあわせると900ページを超え、読み応えがありましたが、全体として読みやすく、一気に読んでしまいました。青豆と天吾のまったくべつべつの物語がまるで、並行した染色体の繊維のように無関係そうに進むように始まるが、ストーリーが進むにつれ少しずつ近づいていく。 文壇の事情、新興宗教を巻き込み、天吾の、青豆の、そしてフカエリの運命はどうなっていくのか加速するように読み進めていける。カルトをもっと批判するような展開かと思ったが、その部分についてはあえて必要以上に切り込んでいない気がする。性をめぐる描写が適度なスパイスになっているのか、つい読み続けてします気がする。ただ、最後は結局どうなったのか結論がでず終わってしまった。やや不完全燃焼の感触が残る。楽しく読めたからまあ、よしでしょうか。 | ||||
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普段小説はあまり読まないのですが、プロモーションに興味を引かれて2冊同時に購入しました。 登場人物や背景の描写がとてもすばらしく、評判だけのことはあるすごい文章力だと感心しました。 book1の展開は非常に面白く、どのように広がりどのように終息していくのか、大きな期待をそそられます。 book2、これはまとめようがないのではないかと思わせるほど奇想天外な広がりを見せますが、なるほど、落ち着くところに落ち着いていくのだと納得の終焉を迎えます。 ストーリー性の少ないビジネス書にばかり馴染まれている諸兄も、ときにこのような小説に親しむことで、新たな人生観を吸収できるのではないかと思います。 素晴らしかったです。 | ||||
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僕にとって、村上春樹は純文学なので、正直1Q84は「あれ?」っていう感じだった。 伊坂幸太郎じゃあるまいし、何か面映ゆいぎこちなさが漂っているような、テイストのざらつきを感じさせられた。 でも、このざらつきは、アフターダークのあたりから感じていたものなので、やはりオウムを経由したことが影響しているのでしょう。 どうやら1Q84にダメだしする人は、伊坂幸太郎とかぶってしまうのではないのかな。 ねじまき鳥と「1973年〜」の両方を読んで見れば、きっと「伊坂幸太郎ではないこと」もわかるし、必要なのは「ダメだし」ではなく「自分の文学的嗜好、あるいは指向と合っていないことを知ること」だとわかると思います。 少なくとも僕的には、確実に「ねじまき鳥」と「アフターダーク」を引き継いで、かつさらに先を目指した挑戦的な作品だと感じられました。 ただ一つ、難を言えば、マーケティング戦略のせいで、無駄に刷ることになってしまったことでしょうか。 | ||||
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私は「50」を目前にした女であるが、何故、この本がベストセラーになるのか、正直、分からない。ハウツー本や、シンプルに泣ける小説や、お笑い芸人達の苦労話がヒット作となるこの日本の土壌の中で、何故「ムラカミ」がこんなに読まれるのであろう。作品が匂わせる「60年代末の政治運動」「連合赤軍の銃撃戦」「ある種のコミューン・イズム」は、当時、思春期に入ろうとしていた私にとって、一種の時代の「匂い」として(かろうじて)感じることは出来る。ただ、編集者の小松が経験したという60年安保の「樺美智子」は、現在、(立派な)中年の域に入る私にとっても既に「伝説」だ。第二世界大戦に至っては、もはや「歴史」に過ぎない。ただ、その連綿と続く「歴史自体」がオウムを彷彿させる「さきがけ」をも生んだのであろう。もう「逃げられない」という切羽詰まった著者の姿勢が作品によく現れている。 他の言語にも多く翻訳されているらしいので、多分、彼の文学には、個々の歴史を超えた普遍性があるのだろう。大きなテーマの一つである「ビッグ・ブラザー」や「善悪」が何なのか、私はよくつかめていない。基本にあるのが、キリスト教が根底にあるドストエフスキーなのか、ひょっとしたら、キリストを否定したニーチェなのか・・。私には、常に自分自身を監視し、刑罰を加える「超自我」のようにも思える。「ねばならない」と自己自身を追い詰める「脅迫観念」は、果たして、自己を腐敗させ崩壊へ導く危険な「汚水」なのか、あるいは、新しい自分を創造する「種」なのか・・。多分、両方なのであろう。 30年にわたる彼の作品との「腐れ縁」はこれからも続くであろうが、相変わらず、自分を愛してくれる女性を決して愛する事は出来ないという「いつもの主人公」の性癖はかなり食傷気味ではあるが、「善悪」の意味(あるいは無意味ともいえる)を問いかける青豆は新鮮だった。自分で結論を下し、行動し、自分で始末をする・・。想定内の「悲劇」とはいえ、納得した行動を作品の中で取らせた。続編という形で作品を出す事はないと思うが、多分、自分が投げかけた「問い」に、なんらかの形で、「答え」を返してくれることを村上氏に期待したい。 | ||||
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「物語」が読みやすく、惹きつけられました(太字や点などちょっとしたニュアンスを理解しやすかったかも)。読後は心の奥底をなでて貰ったような不思議な感じですかね。個人的には、100%のこたえを小説中に求めるなら物足りなさを感じるかも知れないのですが、読者の入り込む余地のある点でも中々面白かったと思います。 | ||||
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二十年読み続けています。 期待しすぎたりがっかりしたり、そして改めて見直してみたりしながら 常に読み続けてきました。最近は実験作や翻訳が多いなと思いながら、 今回の新作もオチが微妙という評価を聞き、また実験作なのかなと思い 数ヶ月後にようやく本を手にしました。 これはとてつもない本でした。 ねじまき鳥と同じ匂いがしました。しかし手探りではなく、到達点の様な強さを持っていました。ですが、話は全て終わってはいません。 失踪した小松と、拳銃と、そして天吾の意志と。 全てはBOOK3がある事を示唆していました。それが発表されるかどうかはともかくとして、BOOK3は既に存在し、育ち続けている。 レビューに批判が多いのも、また読者を迷わせているのも、基本的にはその為でしょう。そしてそれは意図的になされている。 発売されるか、書かれるかはともかくとして、BOOK3は存在する。それは8−12月の話を描き、そしてそこで完結することでしょう。 この本はその時、「新しい村上春樹」の代表作になることでしょう。 | ||||
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久々に大好きな村上春樹の書き下ろし長編。 期待して読みました・・・が、 「ノルウェーの森」は作者名が村上春樹でなくても大ヒットしたと思いますが、この作品は村上春樹以外の名前ではヒットしなかったと思える出来でした。 村上春樹らしいけれど、無理して村上春樹を外れようとしている気がしました。 そして、心の一番やわらかい部分を、そっと弾いていくような優しさが感じられなかった作品でした。ひょっとしたら、読み手の私がオヤジになって一番やわらかい部分をなくしているだけかも知れませんが。 1Q84(上)(下)でないので、1Q84(3)(4)なんて続編も出るような気がします。それても19Q4とかね(笑) 沢山未解決の布石が置いてありますし、「羊をめぐる冒険」とか「ダンス・ダンス・ダンス」みたいな感じになるのでは? 続編(があれば)に期待。 | ||||
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読んでみてどうでしたか?っと聞かれたら・・・ 何回読んでも、新作を読んでも村上春樹ワールドでしたよ。 そう答えるかもしれません。 面白かったですか?っと聞かれたら・・・ 素直に「はい」っと私は答えます。 話の流れが抽象的で最後までハッキリしない場面が、歯がゆい気もしますけど。 毎回、作者から何らかのメッセージを受けている気がしています。 さて・・・今回はそれが何なのか? ヤナーチク:シンフォニエッタのCDが売れているらしいですね。 私も本を読みながら得られる知識が好きで、真似て更に本書の世界に溶け込みたいと考える性質です。 でも今回は、もう一人の主人公ふかえりの好きな音楽に私はどっぷり浸ってみました。 ふかえりはバッハの音楽が好き・・・特にお気に入りは「平均律クラヴィーア曲集」だと。 〜 BWV846からBWV893 〜 本書の中の彼女の気持ちと作者の伝えたい世界が少しでも理解できるのでは? っと私も聴いてみる事にしました。 音色が音域が、数学者にとっては「天上の音楽」だそうだ。 この曲に浸っているのは、人を思い続ける事・いろんな解釈の仕方で未来を変えられることを感じたからかもしれません。 | ||||
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「どうだった?」と聞かれるともちろん 「面白かったよ!」と断言できます。 しかし、 「読んでみて」と人に勧めるほど思い入れがある作品には 残念ながらなりませんでした。 発売前に情報が一切なかったので、とにかく買って読むしかない 状態ということもあり売れに売れていますが・・・ 村上春樹氏の作品であるからこそのことなのでしょう。 売り方とネームバリューのある方の作品であれば、 物の売れない時代でもこれだけの購買力があるのには驚きました。 さてさて内容は・・・ 読む前は一番気になるのは「1Q84とは何か?」ですよね。 【これは1984年ではなく、いくつかの変更を加えられた 1Q84年という世界】 読みながら1984年にも入り込めず、1Q84年にも入れずに ちょっともどかしくなりましたがこの時代背景をよくわかっている方なら 楽しめるかもしれません。 テレビを見てだらだら過ごすよりは、 夏休みの時間のあるときに読むのはお薦めです。 | ||||
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のんびり読み進めてます。 曲+でサウンドノベル的に読んでいるのですが 十分楽しめてますので☆四つ 損はしない作品だと思います。 青豆と天吾の2バージョン☆♪★ | ||||
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村上春樹『1Q84』と林田力『東急不動産だまし売り裁判』は共通点がある。前者はオウム裁判を執筆の契機とし、後者は東急不動産消費者契約法違反訴訟アルス東陽町301号室事件を描く。共に現代社会における倫理とは何かという大きな問題を日本社会に突き付ける。 また、主人公は共に強い想いを抱いている。それがリアリティを生み、人生を形作っていく。『1Q84』では主人公の天吾が想像した小説世界が現実となる。『東急不動産だまし売り裁判』は不利益事実を隠して問題物件をだまし売りした東急リバブル東急不動産の不正を憎む消費者の強烈な想いが勝訴を導いた。 | ||||
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こちらのレビューで「良くも悪くも村上春樹的だなぁ」と書いている方がいらっしゃったのですが、まさにその通りと思います。 村上春樹作品との初めての出会いはあの「ノルウェーの森」。最初に手にしたのは、確か中学一年生のときで、私より3歳年上の兄の本棚からみつけたんでした。 衝撃的でしたね。今思えば意味は全然わかっていなかったんだろうけど、何とか最後まで読んで、なんともいえない後読感に襲われたのを覚えてます。 とはいえ、その当時、小娘だった私には春樹作品のよさは今一良くわからず、その後もなんとなく読んでは見るものも、「春樹作品を熱く語る」ってほどの勢いはなかった、、、。 自分が年をとるにつれ、「村上春樹」の世界がただの「不思議な話」ではないことがなんとなくわかり始め、社会人になる頃には、春樹ワールドにどっぷりつかるタイプの人になってました。 そんなこんなで村上春樹の作品は9割近く(エッセイも含め)読んでますが、この作品は私的には「今までの中で一番好きかも」という感じです(「かも」というのは何だかんだ言って、「海辺のカフカ」も好きだし、「神の子供達はみなおどる」なんか最高に好きな短編なんで順位はいつもコロコロかわるので・・・) 最初に「よくもわるくも村上春樹的」というレビューに賛同しましたが、その一方で、他の作品と比べると、「不思議さ」と「現実感」の兼ね合いがもしかしたらこの作品が一番上手く調和しているのかな?とも思えます。いつもどおりの「春樹的不思議な世界間」を残しつつ、「現実の重み」がいつもの作品より強い感じがする・・・と私的には思います。 とはいえ、もしかしたら、自分の方が成長してもっと深く彼の世界を読み込めるようになったのかもしれませんが、、、。 春樹好きにはもちろんのこと、春樹ワールドを食わず嫌いな方が試してみるには一番とっつきやすい本ではないかな?とも思います。 私自身は、あまりにも面白くて寝る間を惜しんで3日間で読破しました。 | ||||
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1と2を読み終えた。 ずしん、と重いものが残り・・ と、同時にすっきりした気分にもなった。 読んでよかったと思える。 時代や現象へ警鐘を鳴らしてるようにも思えるけど、 個人が覚醒するためのメッセージだと受け取った。 大切なコトを、気づかないままにしていないか? この人生に忘れ物はないか? 1冊の本にも好きな部分とそうでない部分がある。 なにかひとつのフレーズでも心に残れば、それでいい。 いつもそう思うから、読んで後悔する本は特にないけど。。 村上春樹の本で過去に読んだのは、 「ノルウェイの森」「ねじまき鳥クロニクル」「羊をめぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」 途中までで読み終わらなかったのが「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」 読む前に先入観を入れたくなくて、 あえて書評などは読まず、あらすじも知らないまま読んだ。 amazonのレビューにも読み終わってから目を通した。 売れただけに話題になって、 いや、話題になったから売れたのかもしれないけど。。 「アンダーグラウンド」「約束された場所で」などのノンフィクションも読んでみたくなった。 | ||||
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小説は読みなれてないので本当に大変だった、(ネジ巻きとカフカはいまだに本棚に眠っております・・ さて本書、いつもは投げ出してしまう自分ですが読めました、一ヶ月もかかってですがw 登場人物が男性と女性でふたつのお話が平行して描かれており飽きさせないつくりになっております、 またストーリーも青豆さんのちょっとベールに包まれた謎な感じが好感触で続きが気になります、 あとポイントとなるようなセリフとか文章がワンセンテンス ピンポイントで太字になっておりやりすぎると仰々しく感じる手法ですが本書に限りとても有効にはたらいていたと思います。 まだ一巻分しか読めておらず果たしてもう一冊と続きの秋・冬が出るのでしたらそれはそれで長いお話になるみたいですがゆったり楽しみたいと思います。 | ||||
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いつもの村上春樹の物語と同じように、おそらく各個人の感じ方に委ねられる。 伏線、謎がすべて解明されないため、続きが出るのか?と気になる終わり方であったが村上春樹の小説なのであればこれで終わりなのかもしれないとも思わせる。 いずれにせよ、相変わらずの村上春樹の小説といった感じで、カルトであったり、概念、表象的なものが多く登場しテーマを捕らえることは難しく、一言で読後感を述べることは出来ない。 アイデンティティ、初恋、成長、普遍のエッセンスが盛り込まれることにより、私自身、色々な思い出がよみがえったり、自分自身と重ね合わせ感じる部分が多かった。 私には問題が提起されこの先の道を示唆されたように感じる。 | ||||
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やはり村上春樹さん、冒頭から物語に惹きこまれる。青豆さんというネーミング、天吾という売れない小説家の日常生活の様子など、春樹ワールド炸裂といった感じがある。この二人の物語が交差していく。 フカエリという美しい高校生の口からこぼれるリトルピープルの存在が、現実なのか悪夢なのか、心が揺れる。 あのテロ教団に酷似している「さきがけ」と「あけぼの」教団の存在へ、青豆さんはどのくらい核心に迫れるのか楽しみである。 | ||||
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映画にしたら 登場人物のそれぞれ 青豆は誰れ フカエリは誰れとキャスティングするのが楽しい本です 何てったって、本の楽しみって 自分で〈映像化〉する事なんだから。書かれていることのストーリーや意味じゃなくて感じる事。そこを皆さん大切に→自分のキャスティングで存分に楽しみましょう! 江口淳(63才) | ||||
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(1)(2)総じての評を書きます。 『1Q84』を読んで感じたのは、村上春樹という作家は、読者を作品にぐいぐいと惹き込む力、読ませる力が他の作家とは一線を画しているということです。 1巻の途中まではミステリアスなドラマをただぼーっと見ている感じなのですが、1巻の後半から2巻の終わりまで作品に惹き付けて放しません。前のめりにさせられます。 個人的にですが、読了後は、何とも言えない良い気分になりました。 内容については最後までいっても読者の解釈にゆだねられる所が多々ありますが、何と言うんでしょうか、抽象画の良さを自分なりに感じた時のような感覚に近いかもしれません。 自分の脳みそで作品を咀嚼し、読み終えた時に「あぁこれは素晴らしい作品だ」と感じれた、何とも言えない爽快感は村上春樹の作品ならではなのかなと思いました。 静けさと美しさを感じさせる情景描写。 示唆的で知的好奇心を掻き立てるストーリー。 独特の世界観を感じることができます。 『1Q84』、非常に面白かったです。脳みそに良い刺激を与えてくれました。考えるのが好きな人、知的好奇心旺盛な人には是非読んで頂きたい一冊です。頭ん中がねじれる、そんな感覚が味わえるはずです。 | ||||
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村上春樹の作品は大好きで,翻訳以外の物をたいてい読んでいますが, 今回はめずらしく後味が悪かったです。 ストーリーにも引き込まれ,大変面白かったのですが, 子供が傷つけられる描写がリアルに書かれていたので,胸が苦しくなりました。 作品にとって必要な描写なのかもしれませんが, これだけたくさんの人が読む作品なので悪影響がないか心配になります。 今までそんな暴力的な表現はなかったのに(あったけど,読んだ人が傷つくような表現は無かった)。 少し残念です。性悪説をとるなら,ベストセラー作家は気をつけてほしいです。 | ||||
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『1Q84』というタイトルから、最初連想したのは、オーウェルの作品ではなく、カフカの『城』だった。 というのも、新潮文庫の『城』の扉に打たれている数字は「1984」だから。 そういう連想は、村上氏の前作が『海辺のカフカ』であり、 また、去年カフカ賞を受賞した際の発言、「15のとき、『城』を読んで感動した」とも、きれいにつながるもののように思えたのだった。 そして、冒頭、いきなりヤナーチェクの『シンフォニエッタ』が登場するに及んで、この連想は当たりかな、と思えた。 なぜなら、ヤナーチェクとカフカは、いずれも現チェコの地で生まれ、 しかも、誕生日はともに7月3日という共通点で結ばれた存在だからであり、 おまけに、『シンフォニエッタ』第二楽章の表題は「城」だからだ。 たぶん、この『1Q84』を構想するにあたって、カフカの『城』からの連想が取り入れられたのだろう。 そうすることで、前作『海辺のカフカ』や、カフカ賞受賞という出来事からの潜在的な流れを、 作品の中に持ち込むことが意図されたのではないか、と思っている。 内容的には、それほど『城』と重なる部分があるとは感じられないが、 主人公が現実世界とはちょっと違った奇妙な世界に入り込んでいくという点では、 『城』が意識された部分はあるかもしれないし、このような観点で読んでみることも面白い試みだと思う。 正直、これまでは、村上春樹の作品はあまり好きでないと思っていたけれど、 (読むのが遅いので、まだ、最初の200ページぐらいしか読んでいないが)かなり面白く読めている。 世界文学的な雰囲気とスケールの大きさもあるのではないだろうか。 これまでにいくつか読んだ作品では、作者の衒いみたいなものが、あちこちから顔を出しているように感じられて、 それが気に入らなかったのだけれど、この作品では、そういうものもあまり気にならないようだ。 | ||||
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