■スポンサードリンク
国境の南、太陽の西
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
国境の南、太陽の西の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全187件 101~120 6/10ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今更ですが、最近作中の曲をCDで聴いたりして3度読み返しました。 「国境の南、太陽の西」のモチーフが「1Q84」に受け継がれます。 最近出たインタビュー集を読むとすべての村上本がより楽しく読めますよ。 私のベスト3に入る村上春樹本です(^^ゞ。。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どういう筋書きかというと、「ハジメ」という男が女たちと出会いつつ子供から37歳になるまでを描いた一代記である。 彼は小学生のときに「島本さん」に出会い、高校生のときに「大原イズミ」「大原イズミの従姉」と出会い、 大人になってから「有紀子」と出会って結婚する。 物語の山は、子供時代に出会った女たちの影が大人になったハジメの前にチラつき始めて云々……という下りである。 彼と女たちとの絡みがどういう具合になるのかは実際に読んで確かめて頂きたいのであるが、 私はとにかく、他作品に比べて救いようのある内容であることを強調しておきたい。 ラブストーリーとしては及第点だと思う。ムラカミ的衒学要素は抑え目である。 どうしても気になるのが主人公が最後に連発する「わからない」という台詞である。 37歳になっても、没主体性とボンヤリした自意識に捕らわれたままに見えるのがどうも……。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上春樹の代表作ではないかもしれないけれど、読み出したら止まらないような鋭利なリズムのある文体と力強い物語の駆動力があって、僕はとても好きな作品です。大学時代以来、これを読むのは3回目になりますが、やはり物語の中にぐいぐいと引き込まれて、一気に読み終えました。 … 主人公の始(ハジメ)は、バーを2件経営し、愛する妻と娘2人に恵まれ、経済的にも成功を収め、幸福な家庭を築いていました。村上春樹の小説の中では異色の主人公です。 思春期の頃の恋、高校生のときの恋、乾いた心で過ごした20代、結婚し、幸福で裕福な家庭を築いた30代と、主人公の一生が時系列で語られます。これも、氏の小説にとっては珍しいことです。 37歳になって、経済的にも家庭的にも幸福そのものだった主人公の前に、かつて、12歳の時に特別な存在だった女性(島本さん)があらわれ、主人公の状況は一変します。主人公が無意識に抱えた欠落感と激しい愛への渇望とが、鮮やかに描出されています。 とても読みやすい小説です。一度読み出すときっと、物語にぐいぐい引き込まれて一気に読んじゃうと思います。おすすめ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一人っ子で不倫をしていた自分と重なる。春樹さんの作品は全部読んでいて、だいたい自己中心的な主人公に腹立つけど、この作品はそんな自分と向き合い何度も自分をせめているところが大好き。春樹さんの作品の中で一番人物描写が繊細で精密と思う。だからなんか安心する。最初から最後まで考えまくる主人公の世界観に引き込まれまくって、すっごく共感して、切なくなる。それがたまらない。同じくらい、有紀子の目線の描写もたまらない。有紀子に感謝。お前自分どんだけ!ってもっと気づいたほうがいいから。最後の心が変わる様と終わり方もよかった。あとは春樹さんの考えられたれた文章で、不倫の話なのに韓流ぽくなく、飽きない。この本イケてる!大好き。何度も読みたいと思う大事な本。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今まで同じ本に戻ってくることがなかった私が初めて何度も読み直した本です。 読み直すたびに自分の成長を感じさせてくれます。 村上春樹氏の作品の中で、そんなにメジャーな方ではないと思いますが、 そこも私にとってツボです。 また、近々この作品に戻ってくることでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
生きるって難しい。ましてや、人と人が共に生きていくっていうのはとてつもなく難しい。そして、だからこそ、生きる事に価値があり、有意義だ。人と共に生きていく事に価値があり、有意義だ。そんなふうに思わせてくれました。村上春樹さんの作品群を読んでいて、人生をより有意義だと思える事が多いです。特に、この作品は、40代男性の私にとって、自分にとっての人生を振り返らせてくれるものでした。10代の儚い恋、20代で結婚したいと思ったのに嫌われてしまった失敗s(複数)、そして、その後の結婚生活と子育て。好きになった彼女たちが本当の所何を思ったのかは分かりません。しかし、自分の中では、主人公と合い通じるような揺れがあったのは間違いありません。一度しかない人生、過去に戻ってやり直すことなんてできない。そのせつなさがあるからこそ、今の人生に価値があり、有意義なんだと思います。そんなことを考えさせてくれた村上春樹さんとこの作品に感謝です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ハジメくんは、島本さん、イズミ、有紀子の3人を大きく傷つけてしまう不届き者であります。男子から見れば、自分の中では正当な苦悶、悩みが存在していて、それなりに理解し得るものではありますが、女子から見れば、こんなに面倒な人では幸せにしてくれないと思ってしまいます。周りの人を巻き込み、傷つけて、漸く40才近くになって、自分のやってきたことがなんであったかに気付くハジメくんの心の中を読み解くという点では非常に面白いですが、こんな男子ばかりがいれば、日本も終わりという感じがします。ハジメくんも死ぬというエンディングにしなかったということにおいても、人の心の葛藤の一部を切り取った鋭さは理解しますが、3人の女性を傷付けた罰を受けないまま終わったという感じがして、これでいいのか、世の中こんなもんだ、という印象も持ちました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これはいわゆるMidlife Crisisの話です。日本語に翻訳しづらいのですが、中年になって「俺の人生これで良いのか、、、、これが俺の望んでいた人生なのか、、、、、」と一種のIdentity Crisisに陥ると、よくある話ですな。でもこれだけ凄腕の書き手に書かれるとそれがなにやらとても繊細で、読んだ後に自分の経験だったような読後感を感じさせる。その上手さ(=凄さ)以外に新しさはないですね。それからもう一つ、1950年生まれってとこにも意味があるんでしょうね。いわゆる団塊ではなく、Midlifeにバブルを経験する。日本社会の経験してきた(している)「獲得と喪失」を意味してるのかなぁぁーーーなどと思ったりもしたけど良く解らん。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の一人っ子洞察力の鋭さに何度となく感心しながら読破に至りました。私もいつしか自立心だけが際立っていったのは確かです。通信簿でも自立心の評価だけはピカイチでしたし、何より担任の洞察力も確かだったことに今更ながら驚いています。でも、その頃から現在に至るまでかかわり合った殆どの人は自立心の長けている人とは見ていない筈。ハジメや島本さんのような境遇ではないにしても、一人っ子は案外、損をしています。人として。私は一人っ子の異性と運命の出会いは経験していませんが、それよりもこの作品に出会えたことに運命を感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ノルウェーの森」も「風の歌を聴け」もイマイチだったが、これは面白かった。 主人公は幸せな日々を送っている。 妻もいて、子供もいて、生活も安定していて。 それでも何かが足りない。 そんな欠落感・虚無感から、浮気・不倫を繰り返す。 最低な主人公なのだが、すごく共感できた。 自分の内に潜む欲望を正直に開放したら、こうなるかもしれない。 欲望を象徴化して、そのまま書いている。 村上春樹の作品はこれで3作目だが、ようやく面白さがわかってきた気がする。 たぶん、自分にある程度経験がないと、その面白さがわからないのかもしれない。 恋愛を綺麗なものだと思っているうちは、この作品は不快なだけだと思う。 また時間をおいて、読み返してみよう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ジャズを流す上品なバーを経営する主人公。過去の孤独感を拭う順風満帆な生活の前にある女性が現れる。孤独感の先にある虚無。虚無の中に身を委ね、自らを馴染ませようと努める。自己の存在意義に対して何らかの意味を見いだすためには、力の及ぶ限り続ける必要があるのかもしれません…。 「とても残念なことだけれど、ある種のものごとは、後ろ向きには進まないのよ。それは一度前に行ってしまうと、どれだけ努力をしても、もうもとに戻れないのよ。もしそのときに何かがほんの少しでも狂っていたら、それは狂ったままそこに固まってしまうのよ」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
難解な作品が多い村上作品ですが、この本は読みやすいかな?スラスラと読んでしまいました。また、読み終わった後で、読み直したくなりました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品は、現実的世界での恋愛小説です。 主人公のハジメくんと、彼の周りの女性たち、 小学校の同級生・島本さん、高校時代のガールフレンド・イズミ、 ハジメくんの妻などが折りなす物語なのですが、 どの登場人物の視点に立っても私は共感してしまいます。 恋愛などで感じたことのある“気持ちの揺れ”。 どちらともハッキリさせずにやり過ごそうとする、大人の狡さと、 全てを明らかにしてしまって、新しい方へ踏み出したい衝動。 どちらも身にしみて理解できるので、この作品には近しいものを覚えるんだと思います。 かなり好きな作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上春樹の作品の中で、一番切ない物語だと思う。 登場人物にもクセがなく、あの独特の雰囲気もない。 ただひとつ、村上作品を通して流れている「生と死」というテーマをもっとも濃厚に感じることが出来る作品。 12歳で通う中学が離れて以降、心残りはあっても、一度も顔を合わすことがなかったハジメと島本さん。 ハジメはそれなりの学生生活を送り、教科書出版会社でサラリーマンとして働く。 しかし、心の中はいつもぽっかりと穴が開いていた。 それは、 彼のそばに島本さんがいなかったから。 彼は、結局のところ「島本さんから離れるべきではなかったのだ」 旅行先で現在の妻と出会い、結婚。 義父が持つ青山のビルで始めたジャズバーが成功し、二人の娘にも恵まれる。 実業家としての地位も手に入れ、最愛の妻と二人の娘と絵に描いたような生活をおくるハジメ。 37歳になった彼の前に、島本さんは突然姿を現す。 抑えようにも抑えられない感情。 一方、穏やかな生活は手放したくない。 運命との葛藤。 二人は深夜、車で箱根へ向かう。 島本さんは言う。 「私を手に入れるには中間はないの。全部手に入れるか、全部手放すか」 島本さんが持ってきたプレゼントは、昔二人で聞いたナット・キング・コールの「国境の南」が入っているレコードだった。 切ないな。 すべてが切ない。 何度読んでも切ないのだけど、何度読んでも心惹かれる。 若い頃は「ノルウェーの森」を超える村上作品はない、と思っていたのに。 この作品が心に染みる年齢にたどり着いたんだろう。 20代に読んだ時、30代に入った頃読んだ時。 これほど心には染み入って来なかった。 40を過ぎた今改めて読み返して、心にズーンと響いてきた。 年を経る度に自分の心も変遷していくんだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上春樹の代表作を教えてくださいというと、それは「ノルウェーの森」だったり、「海辺のカフカ」だったりするのだけれども、これは目立たないけど名作だと思う。不倫というありふれたテーマで、これだけ読ませるのは、作者の力量がかなりすごい事を示している。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説は、恋愛、結婚、育児、仕事を一通り経験した30代以上になって読むと心の琴線に触れる何かがある。 まだ人生経験が浅かった思春期の頃は刺激的で、感覚的に時間が長く感じた恋愛も 一通り人生経験を積み年齢を重ねると、慣れのせいか当初覚えた心の躍動、感動を覚えなくなってしまう。 もちろん、自分も変わるし、周りも変わっていく。 その変化は、現在の生活を築く上で必要だったかもしれないが、逆に失ってしまったものもある。 過去を共有した人と再会した時に、その変化をどう感じるのか? 過去は過去とわりきれるのか、 それとも逆に現在の生活への空虚感、喪失感を抱くのか? 主人公は、過去を共有した人と再会することにより、現在の生活から別の世界に踏み込んでいく。 その世界は、単なる過去の再生ではなく、「国境の南、太陽の西」にあるもの。 そこで感じる幻想感、浮遊感は、現実の世界にある空虚感を埋めるものであり、 奥行きのある会話とともに、変わらない、変えようがない過去への郷愁を誘う。 「しばらくっていうのは、待っているほうにとっては長さが計れない言葉なんだ」 「でもたぶん、そういう言葉が必要な状況というのがあるのよ」 「そしてたぶんというのは重さの計れない言葉だ」 「そこは(国境の南、太陽の西)はたぶんの多い国なの」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
不倫と正直に、公正に向き合いながらも 描写にこれだけの清潔さを維持させる物語構造、 美しい感情移入のさせ方は大変見事なもの。 線引きの難しい卑屈と謙遜の境界を上手いこと渡りながら 真摯な自嘲を決して忘れない。 そしてやはり村上春樹の恋愛小説の根底にあるのは 高度資本主義の構造=システムの矛盾を内側から掘り崩す 攻めの姿勢ですね。一見ヤワに見える文体だが その裏に見え隠れするのは、確固としたシステムへの闘争心です。 妻の父に「たまには浮気もいい、そんな息抜きがあったほうが かえって夫婦生活は上手くいくものだ」というようなことを言われる シーンがとても印象に残っています。このような、何気ない言葉から 資本主義を軒下から支える恋愛観や結婚制度、性欲の洗練化といった システムと、人間にもとより備わっていた心象のカオスとの弁証法が 心地良い密度で持って僕らの価値観を刺激してくれるのです。 主人公が、大好きだった曲『スタークロスト・ラヴァーズ』を 聴きながら零す終盤の台詞がたまらない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上春樹を読んでいると、感情のヒダを、逆なでしているのか、癒しているのかわからなくなる。 結局、感想としては、イタキモチイイ、のではあるけれど、それは崇高な感覚ではない。 三島由紀夫が芸能人なら、村上春樹は隣のお兄さん感覚で、私の内面をさらけ出そうとするのだ。 だからこそ、リアルで卑猥で、ひたすらザワツキ、現実を眼前に突きつけられるのだ。 そう、私も同じです、と。 だからこそ、この作品も、とても愛しく感じられると共に、村上春樹の才能に、ただひれ伏すのみである。 この本を読み進めながら、うんうんと頷きながらも読者として感じていたことは、オトシドコロはどうするのか?ということであった。 しかし、本作品はほぼ完璧であったと思う。 唯一、「ハテナ」と感じたのは、妻の存在だ。 願望として、いてほしい、こうあってほしい、と私自身心から憧れるけれど、現実的ではないような気がした。 しかし、現実的であることの意味はどうでもいいほど、最後の最後まで、この作品は良くできていた。 最後の一行まで、私には、この結論以外には考え付かないほど、お見事であったといえる。 きっと多くの人が思うだろう。 「僕」は僕です、「僕」は私です。 と。 それほどに、この作品は、臨場感あふれる作品だったと思う。 ちなみに、私も9年ぶりの再読組です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上春樹は有名すぎて、「自分の感想に自信がもてない・・・」という妙な感覚が あるのですが、この作品は心を通るものでした。多くのことをおきざりにしながら、 手に入れてきた現実・・・そこから時折、逃げたり飛び越えたりしたくなる・・ 自分がそんな年齢だから、響くことが多かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語の筋だけをいえば、 主人公が恋をして、恋をしながら学生が終わり、社会人になり、年をとり・・・ その間には、住む場所が変わったり、仕事が変わったり、 お金や車も、昔とは全然違っていく。 でも、10年たっても、20年たっても、40年たっても、 最初の恋を忘れない。 何度読んでも不思議な本で、人生の長さを、 そしてやはり、「人生は短い」と感じさせてくれる本。 だって1つの恋も忘れないうちに、どんどん年ばかりとっていってしまうんですから。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!