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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全212件 161~180 9/11ページ
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上巻を読み終えた時点で、下巻でこれほどすべてがクリアにされるとは想像つかなかった。「ハードボイルド・ワンダーランド」も「世界の終り」もどちらもとても暗い世界の中でストーリーは進むが、上巻と比べてとても視界がいい。そこまで作者が意図したかどうかはわからないが、その変化が心地よく感じた。クライマックスに向けてどんどん希望が見えてくる。やはりどんな暗い現実でも、人は希望を求めてしまうということだろうか。「ノルウェイの森」よりも「ねじまき鳥」よりもこの作品が好きだ。 | ||||
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面白くて、しかも深い文学。その意味で、村上春樹の最高傑作と言われる小説です。奇数章と偶数章で別個の物語が交互に描かれます。ひとつは、ハリウッド映画を思わせるハードな展開、近未来的舞台装置、小憎らしいユーモアに満ちた「ハードボイルド・ワンダーランド」での物語。もうひとつは、宮崎アニメを思わせるファンタジー世界での内省的で静かな生活、草原と古い建造物に囲まれた「世界の終わり」での物語。「ハードボイルド・ワンダーランド」の主人公は暗号の解読を依頼されます。次から次へとハードなアクションや冒険が巻き起こる。ダイハードか007か、と。「世界の終わり」の主人公は影を失い、光を失い、壁に囲まれた幻想的な世界での生活を始めます。ドラゴンクエストやファイナルファンタジーみたいに町の中を冒険する。どちらの物語も謎で引っ張ってくれるので、夜更かししてでも先を読みたくなります。独立した作品なので、村上春樹作品を読んだことのない人でもすぐに理解できる、読みやすい小説です。その上、文学的には「ノルウェイの森」と「海辺のカフカ」を含み込み、「ねじまき鳥クロニクル」と肩を並べる小説と言えるでしょう。村上春樹ってどんなもんかな?という人はこの作品から読んで間違いはありません。大長編ですが、あっという間に、楽に、読み終わってしまいます。しかも、村上春樹にとって、最も重要なテーマが表現してあります。社会に対する不満を強く感じている人には、治療薬ともいえる小説ですね。 | ||||
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氏の作品はこの長編で初めて出逢った。友人から(それまで小難しい哲学書ばかり読んでた小生に)「これ、漫画本みたいに読めちゃうけど読んでみてよ」と云われ、分厚い装丁のズシリ感(私は単行本で読んだ)に惑わされて手を出したのが、運のつき・・・見事にハマッた・・・とにかく面白い!!冒頭の“エレベーター”のシーンから「イッタイ ナニガ ハジマルンダ?!」異様な匂いに圧倒されながら物語りはどんどん進んでゆく。二重構造の 〔世界の終わり〕の方では “影”の存在、“図書館”の色調・・・〔ハードボイルド〕側の色彩とは全く違う世界を確立。「迷路のような感覚」に恍惚する。“ポジ・ネガ”を想わせるような構成。「死(消滅)とはなんぞや?」というテーマを(氏がよく扱うテーマだが)“色”と“匂い”で著した作品。このアイデアは氏にしか描けない世界観だと想う。「羊を・・・」や「ダンスx3」のようなダイレクトな“哀しみ”の表現の仕方はしていないが、クールな内に秘めた “悲痛さ”が伝わってくる。単行本の ピンクの装丁が作品とある意味 ミスマッチしていて内包された世界を表していて素敵だ。 | ||||
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計算士の≪組織システム)≫と記号士の≪工場ファクトリー≫が世の中の情報を独占し、二分化している世界で、「私」は計算士として特殊な思考回路を使い働いていた。ある時「私」は意識の核に何かをほどこした張本人の老科学者に依頼され知らないままに、情報の『洗いだし』と『シャフリング』を行う。その依頼を受けてから、「私」の意識の核が特別であることがわかり老科学者の孫と共にその秘密を探る。これが「ハードボイルド・ワンダーランド」。「僕」は気づくと門の中から壁の中の街に入っていた。そこは一度入ると出られないし入るときに影と別れなくてはいけない街だった。街には一角獣たちが暮らし冬になると死んでいく。そして「僕」はその一角獣の古い頭蓋骨から古い夢をみる『夢読み』になった。そこは≪世界の終わり≫だという。これが「世界の終わり」。(注:意味不明な言葉は作中でだいたい説明されています)この二つの話が交互に展開していくのが本書の一番の特徴である。いっけん何の関わりもなさそうな話が少しずつシンクロしていく。読み始めたら、すぐに引き込まれた。他の村上作品に比べて現実感という面ではいっそう薄いかもしれないが、一番好きな作品。主人公の運命は、はじめのちょっとしたトラブルから、世界を背負った逃れられないものに発展してしまう。読んでいると、そういうどうしようもないやるせないもどかしい気持ちを感じる。”「信じるのよ。さっきも言ったでしょ?信じていれば怖いことなんて何もないのよ。楽しい思い出や、人を愛したことや、泣いたことや、子供の頃のことや、将来の計画や、好きな音楽や、そんな何でもいいわ。そういうことを考え続けていれば、怖がることはないのよ。」”本当はそういう時のために、素敵な思い出って蓄えているのかもしれないと思った。 | ||||
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自分が自分である所以とは何かを考えさせられる、非常に深い物語。「私」は心に他人には踏み込めない「壁」を抱えた人間。その「壁」の中には「街」がありもう一人の「私」はその街に暮らしている。つまり壁の中の街は主人公の自我を象徴している。人間は「心」があるから悩み、憎み、苦しむけれど、「心」があるからこそ幸せや喜びを感じることができる。でも一体「心」とはなんなのか?自分の「心」はどこにあるのか?そんな答えの出ない疑問を投げかけ続ける、哲学的な物語。村上作品の中でもっとも骨太な作品だと思う。 | ||||
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朝から鉛色のよどんだ空村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の中の「世界の終わり」塀に囲まれた場所から眺める空のようだ「ハードボイルドワンダーランド」ではシャッフリングするためのパスワードに使われる「世界の終わり」は何を意味するのだろうか | ||||
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面白いです。結局僕と私がなんだったのか最後のほうでわかります。「やみくろ」とか意外と楽しませてもらいましたね。でも、少しわからない専門用語があったような気がします。 | ||||
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「世界の終り」「ハードボイルドワンダーランド」といった二つの物語が描かれているこの本。読んでみる価値はある。 通常、自閉は悪いものだ、早く社会復帰せねばならない、とされているがどうだろうか?「社会が正しい」という証明は誰にもできないだろうし、したところでほとんど意味は無いようにおもう。かといって「自分が正しい」これを証明するのも不可能だろうし、現実問題として生きていくためには社会と共に無くてはならないケースが多い。結局、正しかろうと、そうでなかろうと人は社会に受け入れられなくてはならないのは確かだろう。如何に自分が社会に会わないと感じても、どんなに自分にとって社会が理不尽であると感じても... この物語で主人公の選ぶ選択は現実的ではないのかもしれない。だからこそ私はこの物語に憧憬の念を抱くのかもしれない。 | ||||
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「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」のまったく別々の地点から始まる2つの世界が交互に折り合いながら進んでいく、村上さんの作品のなかでとても評判のいい小説です。 このそれぞれの主人公が導く結末の捉え方が人によってまったく異なるという、読み終えたあとに腕を組んでうなってしまうタイプの小説であると思います。 読みやすい文章だけれど長いし象徴的な小道具が多用されているので、世界に浸りきれず頭のなかに「?」が出たまま終わってしまう人も多いかもしれません。 でもこの世界をそのまま受け入れることができたのなら、結末も含めこの世界を何度でも反芻してしまいたくなる不思議な力をこの小説は持っています。読み返さなくても思い返すだけでも。もちろん読み返したほうがいいのだとは思いますけれど。 もしかしたら村上さんは「シャッフリング」を行うことと小説を書くことは同じように捉えているのかもしれない。そしてぼくは「ピッチカート」という表記よりも「ピチカート」という表記のほうが好みです。まあどちらにしろ勝手な意見なのですけれど。でも「イワン」より「イヴァン」のほうが好きです。あ、これは下巻か。 | ||||
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数ある村上作品を読んできましたが、この作品が一番ファンタジーですね。現実離れしているというか、登場人物全員に名前が与えられてないことからもそれが分かります。この作品では、体と影(心)、表層意識と核、街と森という対立する事象を通して物事のニ重性を描いていると感じます。体と影を切り裂く。体の立場から見たことと影の立場から見たこと、それらをもう一度綴じ合わすことで本質が見える、みたいな。〈世界の終わり〉のほうのストーリーは映画『千と千尋の~』に似てる?と思いました。〈ハードボイルド~〉はすごいSFで映画のマトリックスを観ているようでした。この作家の想像力にはつくづく感服です。村上作品の多くは『アジール』について描いていると思います。自分にとってのアジールを作り、守ること。そしてそのアジールに引き込まれないこと。これがこの作家のメッセージだと思います。 | ||||
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上下巻で結構ボリューム(700~800ページ)ありましたが、以外とスイスイ読めます。但し下巻は、博士との意識についての話が少し難しくて、自分はその部分だけは2回位読んで、何とか理解したつもりです。壁に囲まれた街、夜の図書館、古い兵舎、森の中の発電所等の情景が半分懐かしくも、半分奇異な独特な雰囲気が漂う面白い設定でした。2つの物語が同時並行しますが、どちらか片方を読むならば、壁の街をお奨めします。(そんな人は滅多にいないでしょうが) | ||||
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数ある村上春樹の作品の中で一番文体に切れがあり、構成に隙がまったく見うけられない。何か一冊村上春樹の作品を友人に紹介するのであればこの作品で決まり! | ||||
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パラレルに進行する2つの物語が決して完全に混じり合うことなく、しかし、お互いに影響を与えながら進行していく。それは、たとえば音楽のよう、さまざまな楽器の音色がお互いに影響しながらでも決して混じり合うことはない。それでいて、完成したイメージを聴く者に与えてくれる。さらに、作品中に出てくる様々な小説、映画、音楽、料理、、、それぞれのイメージが刺激となり、重なりあい、作品にさらなる深みを与えている。ちょっとスノッブで鼻持ちならない感もありますが、読者を「村上ワールド」にぐいぐいと引き込んでいく力量はすばらしい。眠れない夜には、好きな音楽でも聴きながら、重層的でどこまでも奥の深い村上ワールドに浸ってみるのも良いかもしれません。 | ||||
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ノルウェイの森ほど深くないけど、しっかりとした印象の作品。二つのまったく異なったストーリーが同時進行していく。しかもまったく違った空気観を持つストーリ。でもうまくひとつの作品として機能している。書き方や構成もさすがにうまい。そしてかっこいい作品。 | ||||
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私は中学三年生のときこれを読みました。そのときは何かに取り憑かれたかのように一晩で読みきったのですが、いつまでたってもその余韻は私の中に残り続けました。あれからたくさんのときが過ぎましたが、今でも時々強い衝動が私を襲います。そんなときにはゆっくりこの本を読むようにしています。いい意味でも悪い意味でも、この本は私にとって大きな意味を持つように感じられます。目を閉じると影のない世界が浮かんできます。 | ||||
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年齢35歳。シングル。プロフェッショナルな仕事を持ち、世田谷区のマンションに一人住まい。車でスーパーに買い物に行き、料理は自分で作って、残った時間は昔の西部劇のビデオを観て暮らす。依頼があれば高額な報酬を受けてプロの仕事を果たす。20年近く前、学生だった頃、初めてこの本を読んで、とにかくこの主人公の設定に憧れました。親と同居で干渉されまくり、金もなく、車もなく、何の資格も技術もなかった自分とは正反対の、独立した大人の男。自分も早くこうなりたいと思ったもんです。今読んでもクール。一般に厭世観の強い村上作品にあって、この本だけは読むとがんばって仕事がしたくなります。 | ||||
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二つの話が交互に語られ、リンクしあっている。これほどのクオリティの小説を書ける現代作家はおそらく村上春樹しかいないのではないでしょうか?奥が深く、比喩にあふれている。人によっては何を言っているのかまったく分らない人もいることでしょうが、それでも読み進めてしまうのは村上さんの読ませる力がずば抜けているからに違いない。 「簡単な言葉での奥の深い話」という感じがする。ときどきカタカナの聞いたこともない単語がでてくるものの、それ以外は普通の自分たちが使う言葉と大差がない。ただ村上さん独特のリズムで使われていると、何か含蓄のある言葉のように見えてしまう。 村上春樹は最高の作家の一人であることに間違いありません。 | ||||
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私が一番好きな小説が、この本です。まったくもって面白い!村上春樹さんは天才です!私が思うに、村上春樹氏の最高傑作!2つのストーリーが同時進行で進んでいき、やがて繋がりが見えてきます。その繋がり方をとてもきれいに、そして繊細に村上春樹氏は書いています。どうして「ノルウェイの森」といい、これといい村上春樹氏はこんなにも繊細かつきれいな表現で書くことができるのでしょう・・・。もう、これ以上は書きません。他のレビューを見ても星5が連発させてるように、惹きこまれるということ。とにかくお勧めです。是非読んでみてください。 | ||||
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僕がこの本を読み終えて思ったのは、世界の終わりとは自分が暮らしているこの世界の事ではないのかと思いました。村上さんは全ての小説を通して実体がなく、なおかつ何よりも僕たちに大きな影響を及ぼす私たちの集合意識である「何か」を言葉という限られた中で描こうとしているような気がしてなりません。僕は自分が「森の中」にいるのか、平穏で安らかな「世界の終わり」という町で暮らしているのか分かりません。 | ||||
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「ノルウェイの森」がバカ売れした頃、ベストセラーにはソッポを向き、どうせ女子供の読む本と村上春樹を無視していました。7年ほど前、仕事で追い詰められていた私に、ある女の子が「ノルウェイの森」をそっと手渡してくれました。いきなり、はまってしまい、順番に村上春樹を読み漁りました。「やれやれ」という言葉が僕に大きな癒しを与えてくれました。多くの男性村上春樹読者がそうであるように、この「世界の終わり...」が私のベストです。ゆったりとした展開から、後半のジェットコースターのような展開。精神的に疲れたとき、時々読み直しています。 | ||||
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