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蒼煌
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蒼煌の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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Very nice | ||||
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黒川のベストセラーの一つ「後妻業」が出たときに、闇の取材ルートを通じてこの作品を書いたのではないかと 疑いたくなるほどの専門的かつ詳細な描写に舌を巻いた。彼のこの作品の後に、筧千佐子なる女の「後妻業」 としての犯罪が明らかになり世間を騒がすことになった。そして、この「蒼煌」、芸術院会員選挙をめぐっての 画家を始めとする芸術家たちの欲にまみれた世界が描かれていく。画家、画商、そして政治家も巻き込んでの 「戦争」、これを黒川はまたまた専門的な設定で描き切っている。彼自身京都芸大の出身、多少の噂や情報は 当然持っていただろうが、それを彼なりの取材と、自分の類稀なる想像力で、そして日本画家である妻の アドバイスで以て、きっとこれは何人か実在のモデルがいる筈だと、読者に思わせるほどリアルな仕上がりの作品に なっている。黒川の作品の一つのカテゴリーである刑事ややくざたちは出てこない。だが、きっちりとプロットを 作り出し、「落とし前のついた」作品にすることで、一種の推理小説を読んでいるように思わせるほどの 極上のエンターテインメントになっている。言うまでもないが、多岐にわたる登場人物の描き方も巧い。 一癖も二癖もある連中ばかりだが、どこか憎めないという黒川ワールドが展開されている。面白いとしか 言いようがない。 | ||||
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画壇の権威者たちがいかに腐っているか、それを面白可笑しい黒川節で味合わせてくれる傑作。ストーリーは、ただひたすら金を配り続けるだけ。痛快な暴力シーンも濃厚な官能シーンもないのに、先へ先へとページを繰る手がとまらない。芸術家の欲にまみれた裏面が滑稽で苦々しくて面白くてたまらない。そして、蒼煌という抽象的な題名の意味がわかる最後の一行。黒川博行前半の仕事の中では、『迅雷』とこの『蒼煌』が大好き!!! | ||||
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疫病神から黒川作品に入ったのですが、これは、いまいち面白みにかけました。 一気に読めなかった? 読もうと引き込まれなかったですね。 | ||||
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アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。 | ||||
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黒川先生のは、ほとんど、拝読いたしております。特にこの、シリーズが好きです。2人の掛け合い、息の合ったコンビが気に入っております。エンターテイメントとして、いつも楽しく拝読いたしております。 | ||||
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芸術院会員という美術の選挙をめぐる物語。 日本画家の室生と、ライバルの稲山の争いを描く。 利用できるものは何でも利用してのし上がってきた人望のない室生と、 家柄と人柄の良い稲山の対比が素晴らしい。 投票資格のある大物画家それぞれの人間性や 芸術の世界ならではの閉鎖性、 室生陣営による工作活動の内容、 政治家やその取り巻きの下劣さなどを 上手に描いている。 著者が元美術教師だけに、リアリティがあり 実話のように思わせるのが、ある意味ユーモアなのかな? | ||||
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私はこの人の作品が大好きなのだが、京都芸大出身の黒川は京都画壇の事情に詳しいのだろう。この小説は芸術院会員の座をめぐる日本画壇の派閥抗争。挨拶まわりに接待攻勢。日本の選挙運動というのはこんな感じにやられているのかと、実はちょっと驚いた。派閥抗争とかに疎いのだが、画壇だけでなく、政界なども、こんな感じなのだろうか? | ||||
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日本画京都画壇の室生晃人さんは、気が遠くなるような出世の階段を登り続け、71歳にしてようやく日本芸術院会員になるチャンスを掴みます。そこで、投票権を持つ先輩会員が自分に入れてくれるよう、金品を贈りながら地元から東京、地方へと挨拶回りをするのですが、そのえげつない選挙運動を、当人や弟子、ライバル、選挙参謀等の目を通して綴った物語です。 船山蕉風、藤原静城、米田洳雲のような画家名が沢山出てくるほか、京都らしく龍璽院だの、日本美術の話らしく夏栖堂、梓影堂等の店名があり、ワタシの能力では、するするとは読めませんでした。また選挙運動と言っても、百万、千万単位の金品を贈るのですから、脱税行為を伴い、それを隠蔽するための手順がややこしいので、納得するための停滞もあります。 そのように、話は具体的ですこぶる丁寧に描かれており、多くの凡人があこがれる才能の集う美術の世界が、先行きわずかな老人さえ恐ろしいいほどの名誉欲にかられている場所だというのが明示的で、小汚い社会のルール破り(脱税等)と合わせて、まさに幻滅の極みです。 後ろの解説に、”「一見美しい世界の裏側でこんな醜いことが行われているんですよ」という暴露小説、情報小説と捉えると、この物語の面白さを見失う”とありますが、取って付けた言い訳のようなものにしか思えませんでした。何故絵を描くのかとの本質的な問いが書かれているのも確かに見えますが、巨大な幻滅の前ではちっぽけです。 なお、物語の面白さは今一つでした。 | ||||
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H26.10.31 ニュースで日展が報道されてました。 やっぱし! ナンチャラ日展と名称が変わったとか。 内実はどうなんやろう? | ||||
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リアル。 こんなに切ない(?)エンディング。 さすが元美術教師なだけあって、面白い。 登場人物と会話のリアリティ。やっぱり天才。 | ||||
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芸術院会員をめぐる壮絶な戦いがテーマである。 主人公の室生は、名門の出ではなく、努力によって這い上がってきた画家だ。 画家としての力量もあるが、それだけではけっして芸術院会員になれないのが、この世界だ。 彼は、老舗の老画商、殿村を参謀につけ、なりふりかまわぬ熾烈な選挙工作をする。 その結果、彼は成功を手にしたかに見えたが、ある事件をきっかけに状況が一転する。 もう一人の主人公は、大村だ。彼は、画家として才能があるにもかかわらず、師匠の室生にかわいそうなほどこきつかわれるが、彼のまわりに群がる美大の女子学生たちに手を出し続ける。これらの女性たちもすこぶるしたたかだ。 画家、彫刻家、書家などの閉鎖的な世界が生み出した腐敗の構造が浮き彫りにされた読み応えある小説である。 | ||||
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室生晃人の野望にかげりが見え始めるあたりから、物語は、俄然面白くなってくる。著者の作品としては、ちょっと、従来の作品とは、違うが、山崎豊子ばりの、筆力で、グイグイ読ます。 | ||||
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フィクションではあるが、日展の審査で様々な報道がなされている中、この本を読んだ。 旬の話題でもあり、芸術の世界の暗部を感じるにはちょうど良かった。 | ||||
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実力や才能の世界と思われがちな芸術の世界も、派閥やら賄賂やらが渦巻くありがちな業界の一つ(いや、数値化できない物なだけにますます酷いかも)なのだ!という哀しいお話。 私も身内にその業界の人間がいて、ついている先生が云々とは聞いていたけど、ここまでとは… とにかく面白くて一気読み必至の作品です。 | ||||
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日本画とか芸術の世界に全く関心がない私でも、とっても楽しめました。業界の裏側をのぞく楽しみ、絵画の知識を得る楽しみ、選挙の行方にハラハラする楽しみ、何重にも楽しめます。底辺を蠢く登場人物達は好きになれませんが、人間の欲望や醜さ丸出して、ある意味魅力的です。好きになれないけど目が離せない、どこか哀愁が漂ういとおしさ、とでもいうのでしょうか。心には残るんですよね。棘のように。絵画に興味のない人にもお勧めです! | ||||
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日本芸術院会員の座を巡って京都の美術界を代表する画家二人が熾烈な選挙戦を展開する。己の立身のため、後進への道を開くため、恩師へ報いるため…取り巻き連中の思いも複雑に絡み合いながら一進一退の攻防が続く。国会議員顔負けの油ぎった爺さんたちのオンパレード。芸術で食っていくってのは全く大変なことである。しかしそんな偉い爺さんたちも黒川氏の筆にかかればいつもの小悪党たちと同じ一人の人間にすぎないのであった。 | ||||
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とても面白かった。この本を手にしてから、読み出したらどんどん引き込まれ、1日で読み切ってしまいました。私は、どこまで書いていいのか悩みますが、絵に関わる人間で、この世界の真っ只中にいる人間です。私の周りで起こる事柄のそれぞれの点が、この本で線になり、すべての疑問を埋めてくれる思いがしました。勿論、フィクションであるとわかった上で、ここまでよく史実と実情を調べ上げたなという思いで、驚きました。揺れ動く人間の心の弱さ、めくるめく状況の渦に目が離せなくなり、最後まで息をつかせぬ展開に読み終えた後、心地よい疲れを覚えました。 | ||||
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日本画壇の裏事情を描いた力作です。ナグリあいやドツキあいのある、ハードボイルドな、今までの黒川作品とは、一味違ったものになっています。この小説が事実とあまり相違ないならば、日本画の世界では、芸術院会員から文化勲章を受けるまでの出世街道を突き進んで行くには、贈収賄のからんだドロドロとした世界があった事が想像できます。作中の人物や企業名、政治家などはそれとなく想像できる実在の会社や人物名が浮かんで来てなんとなく納得して想像できてしまいます。とにかく、美術界にかかわらず裏社会の真相をあぶり出した意欲作であること間違いありません。是非、一読を | ||||
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~日本画の系統図を手元において、現実の画人を推理すると10倍楽しめる。日展、院展、創画展、京都市立芸術大学、京都造形大学(小説中は京都芸術短期大学(これ私立です))、高島屋、大丸、などなど 法人はすぐ解ります。問題は、画号。誰でもわかる HI学長は温厚なお顔からはとても察することの出来ない、大俗物でした。三代にわたる日本画家は京都人なら誰~~でも知ってます。頭の中で、日本画壇系統図に、小説の登場人物の系図を重ね合わせていく。それに、背景、社会状況、政治家が書き込まれていく。新しい知的ゲームが味わえます。貴方が、全ての登場人物が現実の名前に当てはめられた時 がこの推理小説の答えです。美術展の帰り、お連れに何気なく日本画を語れる様にはなっていますよ。~ | ||||
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