グロテスク

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

グロテスクの評価:

3.93/5点 レビュー 288件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.93pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全308件 141〜160 8/16ページ
No.168
(1pt)

男嫌いの本

なんとも読後感の悪い本。ただしこれは個人的な好みとしての意見なので、絶対性はない。各個の生き様が登場人物それぞれの視点から描写されたことで、なんとか飽きずに最後まで読むことはできたが、如何せん簡単に先の読める内容。美しい文章でもない。登場する男性が全員ステレオタイプで、男性卑下の本かとあっけにとられた。エンターテイメント性はあるとは思うが、私にとっては時間の無駄遣いだった。人間の歪んだ心理を扱う小説に食傷気味なのだと思う。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.167
(5pt)

人間の悪意の深さ、恐ろしさ

とてつもないホラーだった。母や、妹や父を捨て、裏切り、告発し、最後は自分の悪意の深さに溺れ、売春という自分を貶める道を選ぶ主人公。妹を殺し、二人の娼婦を殺す中国人。セックスを通じてしか、他人との関係を気づけない女たち。人殺しの宗教団体で人殺しを実践する女。同性愛者で、女衒として生きる男。どの登場人物も恐ろしい人間的欠陥を持っているが、読者は読んでいるうちに、引き込まれ、その原因が自分にもある悪意や、欲望や、絶望をこの本の登場人物たちと共有していることに気がつくだろう。主人公たちに、いつか同化しかかっている(あるいは共感しかかっている)自分に気がついたとき、戦慄するだろう。参った。悪い夢を見そう。 
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501
No.166
(4pt)

グロテスクさ

それぞれが、状況を告白する文章を淡々とつづっているだけなのだが、
まるでホラー映画で人間がドロドロとゾンビ化していくような不気味さがあった。
「他人からどうみられるかに囚われる」ことにこだわりすぎた結果
幸せになれなかった人たち。
「わたし」の語りで始まった物語だが、実は一番奇妙で滑稽だったのは
ユリコでも、和恵でもない「わたし」なのではないかと本人は気づくことはあるのだろうか。
「わたし」の悪意は物語がすすむにつれエスカレートし、不快などころか
子気味よささえあった。
本を閉じ、他人からどうみられるかに囚われず生きたいものだと床についた。
夢の中で幼なじみの親にスーパーで偶然合い「今何をしているの?」と聞かれ、
必死に頭の中で「自分は良い仕事をし、努力している」と上手く伝えようと
する自分がいた。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.165
(5pt)

桐野さんがすごい

読んでいてむかむかしてくるような意地悪な表現が度々ある。
何もそこまで・・・。と言いたくたくなるような悪意。
裕福な人に対する表現は本当にあてはまり、今まで出会った「裕福らしい」人は
そうそう、こういう事を平気でする。とうなずき、思い出してはムカムカする。
昨今、格差社会と言われているが見えない格差社会は前からある。
美少女の描写は大抵、読んで綺麗な様子を想像するが、
ユリコは綺麗というよりも気持ち悪いと読者に感じさせるのも悪意。
こんなに意地悪な読んでムカムカさせられる小説を書ける桐野さんがすごい。
下巻も楽しみだ。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.164
(2pt)

少女漫画の世界

おばさんの書いた少女小説。
これを読んで、人間のどろどろした部分、女の怖さ、いやらしさを描ききってる、なんて感想を漏らすのは、幼稚だと思う。この社会で何十年も社会人をやっていれば、結婚して一人の女と嫌でもずっと向き合っていれば、誰だってそんなこと骨身に沁みて感じているはず。
それにしても慶應付属の子女たちから抗議は出なかったのだろうか。私たちいくらんでもこんなに卑俗で劣等な人間じゃないわよ、と。
思春期の娘が、友達の家に遊びにいって、建付けが安普請だという感想を抱くだろうか?これはまさに通俗ななおばさんの視線です。人間を戯画化して描いて大人の鑑賞に堪えるには、よほどの知性が必要。筆者は自分以外の人間を、どこかで舐めているのではないですか?
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501
No.163
(5pt)

生物学的にハードなルイ=フェルディナン・セリーヌのような大傑作!!

繊細な"わたし"が自己陶酔して苦悩ごっこする似非文学ではなくて、
ルイ=フェルディナン・セリーヌ に匹敵する真実の文学!
無駄な苦悩、無駄な努力をしたくない人は必読。
努力が必ず報われると信じている世間知らずの人は、
挫折する前にこれを読んで世の中の真実に気付いて下さい。
語り手の"わたし"は翻訳家に成る夢が破れた37歳の処女のフリーター。
超美少女でモテモテの妹と、
名門女子高時代の同級生達の数奇な人生が彼女によって語られる。
彼女が毒舌で語る美少女や天才少女のエピソードがメインだが、
彼女に語られた人物の手記(彼女に言わせると嘘ばかり)も挿入され、
何が事実なのかを推理するミステリとしての楽しみもあるが、
語り手が捏造してるとしても世の中の真実を訴えた素晴しい文学である。
語り手の"わたし"が、『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語』 で
有名になったバージェス動物群のファンなのが素晴しい。
ルイ=フェルディナン・セリーヌ が訴えた人生の無意味さを
生物進化論で補強しようとする素晴しい知的興奮に溢れる本。
日本の女流作家にこんな知的レベルの高い人がいたとは驚きだ!
友人も恋人もいなくても楽しく生きていけることを教えてくれる
生命体のバイブル。
突然変異して生き残ったものが、
生命体として進化したとされる勝利者である。
ハルキゲニアのような素晴しい人生になりますように…。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.162
(5pt)

とことん堕落すること

 和恵の「堕ち」方は,読んでいてつらくなった。最初はホテトルで身を売っていたのに,年をとったからと解雇され,渋谷で立ちんぼうに身を落とす。8000円で身を売り,その男の指示で,さらに2000円で2人の男に身体を売る。にもかかわらず,自分はQ大を卒業して,G建設に勤めていることをプライドにして生きている。最後のころには,会社でも話題になっていて,殺されなくても,早晩彼女は破滅していたに違いないと思わせる。
 和恵の日記である「第7章 肉体地獄」を読むためだけでも,この分厚い本に挑戦する価値はあると思う。分厚いけど,すぐに夢中になって,結局1日で読んでしまった。
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501
No.161
(5pt)

グロテスク以外の何ものでもない

普段すましている女の友人にこの本を突きつけてやりたいと思う私の中の黒いものが確かに存在します。
それにしても女は、グロイ。
男性はわからないんだろうなぁ
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.160
(5pt)

過剰であるということ・・グロテスク

(上下巻通した感想を書きます)
過剰な美貌と性欲のユリコ、過剰な頭脳のミツル、過剰な努力と金銭欲の和恵・・
おんなは、いや人間というものは、放っておくとつねに過剰なものを追い求めるものであるらしい。相対化した価値観しかない世界では、他者と比較することによってしか自己の存在意義を見出すことができない。過剰という鎧をまとうことによってはじめて安心できるのだ、そしてこの価値観は、まさに現代日本そのものである。
わたしたちは過剰な栄養摂取の結果、身体に過剰に(グロテスクに)蓄えられた脂肪によって命を縮めるのだ(いわゆるメタボ)。
過剰に対峙する価値観は「中庸」もしくは「足るを知る」という哲学であるが、一見ふつうの社会生活を送っているかに見える4人の主人公たちの家族もまた実は「足るを知らない」怪物なのである。いや、グロテスクなのはこの小説の登場人物だけでなく、まさにわれわれ普通の日本人そのものなのだ、ここにこの小説の普遍性があると感じた。
信濃追分で隠遁する木島の父、邪宗に染まり服役したミツルの二人だけがかろうじて「足るを知って」いるようだ。
古典的な「美徳の不幸」または「悪徳の栄え」byサド侯爵を想起してしまった。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.159
(5pt)

誰もが自分の人生を振り返る

東電OL殺人事件をモチーフに書かれた作品であるが、そんなことはすぐに忘れて作者の作った物語に引き込まれてしまう。
「グロテスク」と言う題そのもののように読む人を不快な気持ちにさせつつも、読むことを止めさせない。
登場人物が皆某かのコンプレックスを抱えていて、誰もが持っている自己防衛本能からくる小さな悪意(意地悪、苛めと言っても良いか)を少女時代に持ってしまった。
そこから逃れることが出来ないまま大人になってそれぞれが悲劇を迎えた。
いや、悲劇なのか、それぞれの苦しみから解放されたのかも分からなくなってしまうほどものすごい人生が描かれている。
最後に登場人物の姉(であり主要人物)とその息子が残されるが、彼女たちの人生もどうなっていくのか読み手に分かってしまうようで読み終わっても恐ろしい物語が続くように思われる。
何かの小説で「淫売は三代祟る」と言う記述があったが、「悪意はずっと引き継がれる」と思ってしまった。
とにかく、お薦めの1冊(2冊?)です。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.158
(5pt)

すごすぎる

東電OL殺人事件をモチーフに書かれた作品であるが、よくもまあこんなすごい話に仕立て上げたものだと感心してしまう。
「グロテスク」と言う題のとおり、誰一人として「良い人」が出てこない、と言って「悪人」でもない。
誰もが持っている、心の中の醜い部分、人を差別する気持ち、こんなものがどろどろと描かれている。
少しの嫌悪感を持ちながらも、本を読むことを止められない。
これはそんな本です。
エリートOLから街娼となり殺される女性は事件の被害者をモチーフにしていますが、もう一人とんでもない美貌を持って生まれた
「わたし」の妹、「ユリコ」は宮沢りえのイメージが私にはあります。
ハーフでお母さんには似ても似つかない完璧な美貌。
りえママごめんなさい(笑)
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.157
(5pt)

女性にとっての格差社会を描ききっている

上流階級の巣食う私立女子高における格差社会は、公立高校出身の私には恐怖すら覚える内容だった。
彼女たちも、自分の所属すべき場所で地に足の付いた学生生活を送れば、この小説の内容のよな結末を迎えずに済んだのでは?と思ってしまう。
男や社会への憎悪を植えつけられるプロセスは壮絶であり、壊れて行く女性たちの姿は想像を絶している。
今の時代も彼女たちには十分に男社会と写っているのだろう。
グロテスクに変貌して行く、憎悪に駆られた人々を通して、現代社会の格差の構造が垣間見られる壮絶な作品。
気軽に読める作品ではないが、作者の代表作にふさわしい重厚さを持っている
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.156
(5pt)

孤独と心の闇

上下巻共に息もつかせぬ展開で最後まで緊張感が持続します。
誰もが持つ心の闇をえぐるような鋭さが強烈です。
昼ドラをも凌ぐ激しい愛憎劇を覗いてみてはいかがでしょうか。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.155
(5pt)

女性独特の残酷さや陰湿な心理描写が絶妙

執拗な憎悪によって狂気に蝕まれてゆく姉妹とその周辺の人々。悪循環に朽ちていく人間模様が読み応えがあって惹きこまれていきました。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.154
(5pt)

やっぱり天才だと思う。

繰り返し何度も何度も綴られる、美しい妹への妬みの言葉。これでもかこれでもか、というくらいにしつこいのに、なぜか読後感はそうくどく感じない。 そして、桐野夏生ならではのスピード感のあるリアルな表現。やっぱり、この作家さんは天才だと思う。
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501
No.153
(4pt)

石原真理子の壊れかたが理解できました

読んで損はない小説です。好き嫌いは別にして、よくぞここまで書いたという迫力があります。男の小説家が書けば、美人の妹は、女優かモデルになる、という展開になると思うのですが、娼婦ですからねえ。ただし、結末は、着地に失敗した感じ。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.152
(4pt)

桐野夏生という作家だから生まれた小説

以前より「東電OL殺人事件」に興味があり、佐野眞一氏のノンフィクションは既読でしたが、
男目線から書かれたという印象が強く、物足りなさを感じていたので、この作品を手に取りました。
桐野夏生氏の作品は「OUT」しか読んだことがなかったのですが、女性の凄まじい部分を
描く筆力は凄いと思います。
醜悪さの限界を曝け出し、人間はどこまで堕落出来るのかを描いた小説であると思います。
佐野氏の作品で満たされなかった部分が描かれていたので、私は引き込まれてしまいました。
ラストに批判があるようですが、私にはラストなどどうでもよい、と感じるような作品でした。
この感覚は男性には理解不能かもしれませんね。
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501
No.151
(1pt)

うんざり

現実は汚いものが多く,それを見つめ受け入れる必要があるのは分かる。
しかし,その表現としてこれだけのボリュームが必要だったのだろうか。延々と続く暗い話しに気が滅入るだけではなく,正直退屈さえ覚えた。時間のない人は最後まで読む必要はないんじゃないかと思う。大きなどんでん返しがあるわけではなく,最後まで同じ調子の話しが続くのだから。
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501
No.150
(5pt)

誰が「怪物」なのか

この小説には歪んだ「怪物」がたくさん出てきます。登場人物のほとんどは「怪物」です。その描写の濃さは、それぞれで一冊の小説が出来上がるほどの深みがあります。この深みを文庫本2冊に押し込めるとはなんと贅沢な!東電OL殺人事件とは全く別物の上質のフィクションがそこにあります。
登場する「怪物」たちは有り得ない特殊な人々を作り上げて提示しているように見えますが、実は誰の中にも潜んでいる「怪物」をほんの少し強調して描いているだけと感じました。「怪物」は誰の中にも潜んでいる。あなたも登場人物の誰かに似ていると思います。
重く陰鬱な気分になりますが、自分を見つめなおす機会にはなると思います。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.149
(4pt)

見たくないものを突きつけられる不快感

端的に言うと「見たくないものを突きつけられる不快感」に満ち満ちた小説でした。
自分が和恵と似すぎていて、リアルさは半端じゃなかったです。
今大学生だけど社会に出ると女性差別が激しいって聞いてるし心配だなあ〜とか、
自分を外見だけで判断したら女性のヒエラルキーの最下層だなあとか、
努力はどこまで才能やら生育環境やらに対抗出来るのかなとか、
そういった普段は深層意識下にある漠然とした不安をわざわざごっそり持ち上げて「これを見ろ!」って言われているような。
正直就活中の外見に自信の無い女子は読まない方が良い気がします。
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501