グロテスク

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グロテスクの評価:

3.93/5点 レビュー 288件。 B ランク

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平均点3.93pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全308件 181〜200 10/16ページ
No.128
(4pt)

まさに「グロテスク」

今までにない「凄い」小説でした。
桐野作品の登場人物に「普通の人」はいません。
今作は特に。
「グロテスク」な女性ばかり登場します。
えぐ過ぎて笑えてきます。
女は恐ろしい。
この作品を読んでいて思ったんですが、桐野作品を好きな読者層ってどんな人たちなんだろう?
特にこの小説は好き嫌いが真っ二つに別れるはず。
女性が読んで満足する小説なんだろうか?
聞いてみたい。
後味悪そうで、意外に読後爽快な気分になるんですよ。
もしかしたら桐野作品の中ではN01かもしれない。
そんな泉鏡花賞受賞作でした。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.127
(4pt)

グロテスクな私たち

初めて読んだときはさほど目新しくもない女同士の争いが克明に書かれているだけのように
思った。しかし時間を置いて読み返すとまた別の怖さがある。それは女性のもつ業と言おうか。
男性からは外見で選別されてなおかつ同性同士でも常に比較しあいチェックの目にさらされる女っつう生き物の面倒臭さ、生き難さ。                      これはやはり女に生まれてみなければわかるまい。私は名門ではない女子高出身だがこの作品を読むと思い当たるフシがいっぱい。                    たしかに階級の差みたいなものはあったと今にして気づく。作者は成蹊大学出身だが、そういえばエスカレーター式の学校だな、と余計な邪推をしてみたり。       まだ下巻は読んでいないけれど、ぜひこの女達の結末を見届けたい。
               
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.126
(4pt)

凄い小説!! まさにグロテスク。この本のサブタイトルは「悪意」だ。

読者を圧倒する小説、というランキングがあればこの小説はトップを狙える。
面白い小説、あるいは推薦する小説といわれると・・・。この小説を友人に
薦めるのははばかられる。それは決してこの小説がそれに値しないからでは
無い。むしろ逆。だが、「これを読んで、よかった。」と素直に人に認めが
たい、ある種の問題作だと思うから。
この本は、Q大学付属(女子)高校(私学ナンバーワンといわれる医学部を
持つ有名大学系列の学校がモデルと思われる)に在籍していた4人の女性の、
高校〜三十代後半までの生き様とを描く。植えつけられた競争社会の価値観
や劣等感などに無意識に影響を受ける彼女たちは、それぞれの方法で生き抜
こうとするが、集合的な差別、競争の中で歯車が狂って言ってしまう。
特に下巻に詳しく語られる和恵の生き様はまさに”凄惨”の一言。心の闇、
異常心理というものをここまで大胆に描き出す著者の力量にただただ脱帽
するばかり。
さらに特筆すべきは、名前すら与えられていない「わたし」が持つ悪意の
凄まじさだ。和恵が動的だとすれば、「わたし」は静的である。が、
ですます調で淡々と語る「わたし」が内在する悪意、情念ははちきれん
ばかり。和恵は凄惨ではあったが自分の生き方を見つけ、全うした。
しかし「わたし」の情念は小説を通じて膨らんでいくばかりで、昇華
されることが無い。この恐ろしさはまさに圧倒的である。
東野作品に「悪意」という作品がある。が、私はこの作品こそ、
「悪意」というタイトルがふさわしいと思う。
小説の「凄さ」を改めて感じさせる作品だ。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.125
(5pt)

現実逃避したい方はお勧めしません!!

正直この小説を読み終えて現実と言う苦々しさを感じる。
しかし、この小説は実際に起きた東電OL殺害事件をベースに書かれていて、その事件が起きた当時の状況もまざまざと立ち浮かび、様々な社会問題を背景にしながら、読者を最後まで飽きさせない。
本の構成は、書き手の私が主人公の私になったり、友人の和恵が私になったりとした各々の日記や手紙を通した形になっているので、その「私」の思うがままを語っている。それゆえに、人間のシニカルな部分が露呈していて、時として愕然とさせられ嫌悪する。特に印象深いのは、学歴一辺倒で努力すれば何でも実るという神話に踊らされ、またそれに自覚せずに堕ちて行く和恵の姿は本当に読んでいて辛い。でも、そうやって他人を卑下した主人公は、自分の矛盾に気付きながらも、今度は自分が堕ちて行く。
この小説は、人はいつでも堕ちて行く準備が出来ているということを教えてくれる。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.124
(3pt)

読み応えはあるけど読後感が・・・

タイトル通り、「グロテスク」な作品ですね。
登場人物のほとんどが「狂っている」とも言えるほど歪んだ性質を持っていて、
ただでさえヘビーなそんな人物の手記をいくつも読む形で人生を疑似体験していくことになるので、かなり読んでいて疲労感があります。
特に主な語り手である「わたし」はしょっぱなから被害妄想的・過批判的で「この人頭おかしいなぁ」と思わせる言動を連発するし、
ユリコや和恵の手記の章に入ると「闇」の深さのせいか胃に来る不愉快さがあり、まるで濡れて重たい土砂をお腹につめこまれるような感じさえ受けました。
読破したその日は1日中この本と本から受ける負の影響のせいで、平凡な自分の人生について振り返ってしまったり登場人物に共感しようとしてみたりと、沈んだ心を引きずったまま過ごしました・・・。
自分とは違う世界にいる人間の人生を通して未知の世界を知る、というと聞こえはいいですが
この作品はちょっとヘビーすぎます。
作品としては読み応えも引き込まれ方もすごくて素晴らしいんでしょうが、あまりにも読後感が悪いので星3つにしました。
他のレビュアーの方同様、もう2回目は読みたくないですが、ここまで迫力と重圧のある作品を読んだのは初めてだったのでいい経験にはなったと思っています。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.123
(4pt)

不思議でグロテスクな作品

2004年度版このミス10 5位。
2003年文春ミステリーベスト10 3位。
1997年3月8日、円山町でおきた、OL殺人事件。被害者が昼間は一流企業のエリート、夜は娼婦という二面性を持っており、最後にとった客に殺されたという事件である。6年前におきたこの殺人事件を、作者なりの視点で見つめ直したのが本作品である。
作品は、「ユリコのお姉さん」である「私」が、過去を語ることで進む。そして、「ユリコ」「チャン」「和恵」の手記・上申書を交えながら、最終章へと進む。
決して軽い気持ちで明るく読める作品ではなく、読者によって極端に評価の分かれる作品だと思う。しかし、私自身はグロテスクな怪物達に翻弄され、二段組みの500ページを超える長編にもかかわらず、ページをめくる手を止めることができなかった。なんとも重くやるせない気持ちを抱かせる、不思議でグロテスクな作品である。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.122
(4pt)

読者によって極端に評価の分かれる作品

2004年度版このミス10 5位。
2003年文春ミステリーベスト10 3位。
1997年3月8日、円山町でおきた、OL殺人事件。被害者が昼間は一流企業のエリート、夜は娼婦という二面性を持っており、最後にとった客に殺されたという事件である。6年前におきたこの殺人事件を、作者なりの視点で見つめ直したのが本作品である。
作品は、「ユリコのお姉さん」である「私」が、過去を語ることで進む。そして、「ユリコ」「チャン」「和恵」の手記・上申書を交えながら、最終章へと進む。
この世の物とは思えない美しさを持った妹「ユリコ」に対する嫌悪と憧憬から怪物的な悪意をまとっていく「私」。
怪物的な美しさを持ちながらグロテスクな変貌を遂げ殺されていく「ユリコ」。
Q学園高等部での差別に耐え「努力」を信じて大企業に入社したものの「女」という壁を感じ「女」を売ることに自分を見いだそうとして怪物になっていく「和恵」。
このほかにも様々な個性を持った「怪物」達が出現し、作品中に様々な「差別・悪意」をまき散らす。
決して軽い気持ちで明るく読める作品ではなく、読者によって極端に評価の分かれる作品だと思う。しかし、私自身はグロテスクな怪物達に翻弄され、二段組みの500ページを超える長編にもかかわらず、ページをめくる手を止めることができなかった。なんとも重くやるせない気持ちを抱かせる、不思議でグロテスクな作品である。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.121
(5pt)

現実逃避したい方は読まないで下さい。

正直この小説を読み終えて現実と言う苦々しさを感じる。
しかし、この小説は実際に起きた東電OL殺害事件をベースに書かれていて、その事件が起きた当時の状況もまざまざと立ち浮かび、様々な社会問題を背景にしながら、読者を最後まで飽きさせない。
本の構成は、書き手の私が主人公の私になったり、友人の和恵が私になったりとした各々の日記や手紙を通した形になっているので、その「私」の思うがままを語っている。それゆえに、人間のシニカルな部分が露呈していて、時として愕然とさせられ嫌悪する。特に印象深いのは、学歴一辺倒で努力すれば何でも実るという神話に踊らされ、またそれに自覚せずに堕ちて行く和恵の姿は本当に読んでいて辛い。でも、そうやって他人を卑下した主人公は、自分の矛盾に気付きながらも、今度は自分が堕ちて行く。
この小説は、人はいつでも堕ちて行く準備が出来ているということを教えてくれる。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.120
(5pt)

ゾクゾクします。

ゾクゾクするぐらい面白いです。
長編だったため、読むのに二・三日かかりましたが、没頭してしまいました。
美しさに天と地ほどの差がある姉妹、日本における有名私立校の微妙な内側、女同士の美醜・成績・家柄における優劣の関係・・・。
それらが巧みに書かれていて、また、色々な人の視点から、まるでカメラワークを違えているかのように斬新に書かれていて、とても面白かった。
人間のドロドロした残酷なブラックの部分が、リアルに上手く書かれていて、ゾクゾクします。
はっとするほど美しいハーフの妹は、芸能人でいうと誰のようなんだろうと思わず考えてしまいました。
そして、その美しさで青春を謳歌した女性の悲惨な最期。
ちょっとえぐかったですね。
桐野夏生さんの作品全般に言えることですが、難点はラスト。
ラストは何じゃこりゃ!と思いました・・・。
でも、素晴らしい作品です。
一度読まれることをオススメします。
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501
No.119
(5pt)

グロテスクでないのは誰か、グロテスクでないものは何かがわからなってしまう

作中に何度か「悪意がほとばしった顔」という言葉が出てくるのだが、この作品を一言で言い表すと「悪意のほとばしった小説」ということになるのだろうか。
著者に名前さえ与えられていない、語り手の“わたし”をはじめ、中心となる4人の女性の手記、手紙、日記、会話、どれもが自己中心的であり、その内容は、「陰口」「つげ口」「悪口」ばかりである。しかも、それが「ですます調」で書かれているので、小説全体が異様な雰囲気となっている。
読むのが止まらない。ではなく、止めるに止めれない。そんな小説である。
著者は、この作品で読者の共感を得たいなど考えてもいないであろう。逆に拒絶されたい、あるいは置き去りにしても構わないと考えながら筆を進めたのでは、と思ってしまうほどである。
人間の心に潜む闇をこれだけ描くことのできる作家は、著者のほかに日本にどのくらい存在するのだろうか。
凄い小説を読んでしまった。そんな感じの読後感だった。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.118
(5pt)

グロテスクでないのは誰か、グロテスクでないものは何かがわからなくなってしまう

作中に何度か「悪意がほとばしった顔」という言葉が出てくるのだが、この作品を一言で言い表すと「悪意のほとばしった小説」ということになるのだろうか。
著者に名前さえ与えられていない、語り手の“わたし”をはじめ、中心となる4人の女性の手記、手紙、日記、会話、どれもが自己中心的であり、その内容は、齋藤美奈子氏が書いているように「陰口」「つげ口」「悪口」ばかりである。しかも、それが「ですます調」で書かれているので、小説全体が異様な雰囲気となっている。
読むのが止まらない。ではなく、止めるに止めれない。そんな小説である。
著者は、この作品で読者の共感を得たいなど考えてもいないであろう。逆に拒絶されたい、あるいは置き去りにしても構わないと考えながら筆を進めたのでは、と思ってしまうほどである。
人間の心に潜む闇をこれだけ描くことのできる作家は、著者のほかに日本にどのくらい存在するのだろうか。
凄い小説を読んでしまった。そんな感じの読後感であった。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.117
(3pt)

かなり後味悪い

読み終わった後に何とも言えない後味の悪さを感じました。
色々デフォルメされていると思うけど、、やはり『東電OL殺人事件』として
考えてしまって読むと辛いけど‘怪物’すぎてとても複雑です。
ただ、ここまで‘怪物化’させなくてもと思いました。
桐野 夏生さんの書籍は大好きですが、ちょっとやはり題名どおり
『グロテスク』でもう一度読みたい本か?というと読みたくないですね。
ただし、東電OL殺人事件のほうは何だか今更ながら興味が沸いてしまい
当時の裁判記録やニュース報道をまじまじ読んでしまいました。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.116
(4pt)

ほんとうにグロテスク

前に薦められましたが読む気になれませんでしたが、
ここで購入して「上巻」を読みましたが、
本当に感情がドロドロしていて途中嫌になりました。
というのも私も幼稚園から大学までエスカレーターで
本当に内部と外部との差は確かにあり、
見栄のオンパレードだったかも。。
その描写、感情、家族・・・様々な問題が巧く?
ドロドロ感で埋め尽くされています。
今「下巻」を読み始めました。
多かれ少なかれ女はこういう人と比較していく生き物なのかな。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.115
(3pt)

悪意

題名どおりだった。
気持ち悪い、いびつ、異常、悪趣味、エロチック・・・。『グロテスク』という題からそんな言葉が連想できるけど、まさにそんな内容の長編小説。何がグロテスクかというと、人間のどろどろした内面。人の世。
でも、面白かった。
かなりの長編なので、ページを繰っても繰っても終わりが見えないので読み進めるのがワクワクした。『どうして和恵が娼婦になったのか?』私も書き手と同じように疑問に思い、ハードルをびゅんびゅん飛ぶように一気に読んだ。こんな読書は大好き。個々人の手記という形式で、一人称で綴ってあるので、そのたびに主観が混じる。誰が正しいのだろう?ミステリーを読むような楽しみ方。
作中の『悪意が迸る顔』という表現が気に入った。私も気をつけよう。
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501
No.114
(4pt)

すごい負のパワー感じました。

けっこうな分量のある本でしたが、一気に読んでしまいました。
ほかの方も書いておられましたが、確かに後味の悪い本です。でも寝る間をおしんででも先を読み進めてしまうこの魅力というか磁力というか、とにかくパワーのある本でした。
顔の美醜を始め、「そんなことで差別しちゃだめだ」とみんな言っているけど、本当は心の中では歴然と差別している自分もいたりする・・・そんな人には言えない自分の暗い負の感情を一気に表にさらされてしまうような気になりました。
人の悪口って言ってはいけないとわかっていてもたぶん女子にとっては一番盛り上がる話題。この「いけないんだけど、やっぱりやめられない!」的な面白さがこの本の最大の魅力のような気がします。
けど悪口って言い過ぎると後味が悪い。だからこの本も後味はよくない。悪口を言っているときの自分の顔ってきっと「グロテスク」なんだろうな〜と思ってしまいました。
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501
No.113
(3pt)

圧倒的に肥大化した個

しかし、何と言う物語でしょう。筆致は凄いが書かれている内容も凄惨。桐野氏はこの世の差別のすべてを書いてやろうと思ったのだそうです。「差別」とは他者に対する優越感、他者への容赦ない哄笑、仲間意識、色々な複雑な感情が込められています。日本には階級差別はタテマエ上ないことになっていますが、周知のごとく学校や職場でのイジメを含め、階級や派閥、そして差別のない集団など皆無でしょう。絶対に越えられない壁の存在、そういう差別社会の中での厳しいサバイバルと「解放」が嫌と言うほどに描かれています。特に女性がサバイバルするということはどれくらいに過酷なことなのか。浅はかな私のような男性には想像だにできない世界です。
勝つとか人より優れるとかいうこと。その底には、自分が自分であることを確認するという作業が潜みます。しかし他者の目を通してしか「自分であること」を確認できない現代の生。そこに潜む圧倒的な孤独みたいなものが透けて見えて、その暗さと深さには背筋が寒くなるほどです。狂おしい程に求めそして堕ち続けた彼女達、あるいは闘争から引くというサバイバル戦術を取った彼女=「わたし」。誰もが最後には、自分の存在を確認するために自らを滅ぼしてゆきます。
迸る悪意。他者と自分の、理想と現実の乖離。都合の良いように嘘に塗り固められた過去。救いようのない物語・・・。読んでいて吐き気を催すほどで、その生き様はまさに「グロテスク」。しかし、それ程までにして描ききった彼女達の生は、(ラストはちょっと甘いと感じたものの)小説という虚構を通して再構築され、彼岸の彼方へ昇華されてゆくかのようです。
グロテスク Amazon書評・レビュー: グロテスクより
4163219501
No.112
(5pt)

怖いからもう桐野作品読みたくない

グロテスクな例の事件をどう小説にしたのか恐る恐る頁をめくりました。
前半はあ〜いうの居る居ると学校生活のことなど面白く読み進み、
中国人の部分はグロテスクではあるけれど生活環境ががらり違うし
長かったので???でしたが
終盤の和恵とラストは本当にグロテスクで吐きたい気分で読み終えました。
例の事件を知ろうとしなければ良かったと思いました。
でも桐野さんてすごいですね。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.111
(4pt)

悲痛な叫び

いわゆる「東電OL殺人事件」をベースにした小説の下巻。
下巻の読みどころは、殺されたOLかつ娼婦・和恵の手記でしょう。かなりデフォルメされているようにも感じますが、皆、悲痛な叫びを心の中に押しとどめており、怪物になる可能性は誰にでもあると思わないわけにはいきませんでした。ぞっとするという点では、姉の語りの方が上回っていたかなと感じます。しかし和恵の告白は痛々しかった。「光り輝く、夜のあたしを見てくれ」という惹句は本当にインパクトがあって、そこから発散される開き直りと強さみたいなものがいい意味で裏切られていると感じました。
ただ、ラストが少し・・・ 本作のラストは、読む人によって様々な受けとめ方ができるでしょう。たとえば、誰しも傍観者ではいられず、怪物になりうる可能性があるということの示唆と読むこともできるかと思います。読者に多様な解釈を許すラストは嫌いではありませんが、本作の場合、いささかきれいすぎて、「まとめにかかった」感じがして残念でした。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105
No.110
(4pt)

一歩も引かない書き手の覚悟

いわゆる「東電OL殺人事件」をベースにした小説。わたしはこの事件に詳しくありませんので、現実の事件を下敷きにしたフィクションの成否、よく比較された佐野眞一氏のルポと比べてどうかという点については答えをもっていません。
そのようなほぼまっさらな状態で本作に接した感想は、桐野氏は彼女特有の土壌において進化し続けている、というものでした。
テーマについて書ききろうという執念というか徹底ぶりが、これまでの作品を上回っていると思います。至るところに存在する序列と差別。その中でサバイバルするうち、何かが過剰になると一瞬のうちにグロテスクさが剥き出しになる。その様を一歩も引かずに書き尽くそうという姿勢に圧倒されましたし、十分怖かった。
それだけに、姉妹の確執や序列の厳しい学校生活で苦しんだ経験のある人には読むのが非常につらい小説でもあると思います。
本書で、桐野氏が今後どんな作品を発表していくのか、たとえば十年後にどんな作品を書いているのか読んでみたい、そう強く感じました。
グロテスク〈上〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈上〉 (文春文庫)より
4167602091
No.109
(5pt)

待望の文庫本化

待ってました。ようやくの文庫本化。
今更ながら、本作は東電OL殺人事件(皆もう忘れてしまったでしょうか)をモチーフに描かれた小説ですが、作者のstory telling能力は非常に秀逸です。
後半はややもたつく感が否めなくもないのですが、前半(上巻)の悪意に満ち満ちた学園生活の描写は圧倒的で、ただもう戦慄の一言です。
我が身を振り返れば、中高生の頃には社会の悪意みたいなものを薄々は感じていましたが、本作の舞台となるような階級社会とは無縁の田舎者でした。(少なくとも身近ではありませんでした。)都会の中高生クン達は昔も今もそういう悪意や残酷さにまみれて青春(死語か?)おくっているのかと考えると、非常に怖ろしい気分になります。
後半(下巻)は一気に闇に突入していくのですが、ここら辺りは男の私よりも女性読者に突き刺さるのでしょう。
基本的に、男→女→マイノリティーの男→マイノリティーの女という序列があって、これに貧富の差、家柄の良し悪し、美醜などが複合的に重なり合うのが日本の社会。本作、やはり女性に読んで欲しい一冊です。
グロテスク〈下〉 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: グロテスク〈下〉 (文春文庫)より
4167602105