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三面鏡の恐怖



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【この小説が収録されている参考書籍】
三面鏡の恐怖 (KAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ)

三面鏡の恐怖の評価: 3.67/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

残念

物語の骨子は、サスペンスミステリのそれであるにも拘わらず、文章も展開も人物造形も、定規で引いたように四角四面で、リズム感やスピード感に欠け、サスペンスに貧しいのが致命的に思えた。同じ河出文庫新刊の泡坂妻夫『迷蝶の島』と一緒に購入したのだが、先に読んだ泡坂作品が、スリリングに一気読みさせられる傑作だっただけに、こちらの作品の遊び心やケレン味の足りなさが、より際立って感じられたかもしれない。タイトルの『三面鏡の恐怖』に表された姉妹の類似性というモチーフなら、連城三紀彦あたりの筆で料理されていたら、恐怖と官能の入り混じった結構スゴい情念のスリラーになっていたんじゃないかなんて想像もしたが、何とも残念。

昔日、探偵小説芸術論をとなえた作者の硬派で生真面目な筆先が、本作がエンタテイメントとして突き抜けられなかった要因ではないか。木々の芸術論に反旗をかかげた甲賀三郎の『蟇屋敷の殺人』が、すでに同じ河出文庫から復刊されているが、色々と瑕疵があるのは同様ながら、この甲賀作品の方が楽しめる読み物になっていることから、そんな感想ももった。とはいえ本作は、江戸川乱歩の随筆で題名のみ見知って気にかかっていた作品なので、こうして文庫で読むことが出来たのはありがたい。河出文庫さんのこのシリーズには今後も期待したい。上原謙・主演で映画化されたらしい本作だが、映像の方がスリリングに描けたのではないか? 観てみたいものだが、なかなか叶わないだろう。片岡千恵蔵の金田一シリーズなんかも、DVD化されないものかと常々思っているのだが…。
三面鏡の恐怖 (KAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ)Amazon書評・レビュー:三面鏡の恐怖 (KAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ)より
4309415989

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